【遺体状況1】
[犠牲者は、屋上にいた。
足を踏み入れれば、真っ先に目がつくのは、死臭の濃い血溜まりに捨てられている下半身。
砂浜にでもうち捨てられたようなその腹から下は、強い力で引き裂かれたように、少しいびつな肉の破片に囲まれて。
上半身は、入り口のすぐ真横の壁に張り付くように――遺体をみたあなたに背を向けて、磔に。
背に刻まれた赤黒い文字がやけに痛々しく存在を主張している。]

【遺体状況2】
[犠牲者の四肢には生々しい銃弾の痕が、2発ずつつけられていた。
遺体をもし仰向けへとかえたなら、その胸部に何度もつけられた深い切り傷をみることもできるだろう。]

[その夜磔にされた青年の背にも赤黒い文字が刻まれていた]

せいぎをうたうかみのいぬ

われらのきばにかかったあわれないけにえ

おやすみなさい
よいあくむを

（赤黒い文字の近くに文章が刻まれている）



つぎにおまえたちがみるのはさばきであり


むくいであり


ばつである

昨夜の「2」は「0」であった。
昨夜の「1」は「2」であった。
「0」と言われた彼も「2」であろう。
裁きを受けるのは、お前達だ。

（気付かないうちにモニターにメモが増えていた）

（全員の携帯端末の下に、一通メールが届く。）
「ランスの遺体を屋上にて発見。細かい死体検分は出来ず。
（以下、何時もよりも大雑把な状況説明の後に、一つの文章が付け足されていた。）


そして若し、この犯行を犯した者がこの文を読んでいるのなら、もうこんな事はやめて欲しい。

君たちの正義は他人を傷つけるエゴに過ぎん。」

アナグマアイコンの着いたメールが、各端末に一斉送信された。
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昨日から0と1と2について調べている奴が二人いるようだね。
だが、どうやら二人の間でコードの定義が割れているようだ。
隠れたいのかも知らんが、メッセージを寄越している二人、ここは出てきて説明をしてはどうか。このままでは、ただの混乱しか招かないのでは？

Se

[いつの間にかメモが増えていた]

うらむなら　このげーむばんをつくったBRたちを

セラ＆アリスへ

話したい事があるんだ。
時間が空いたらでいい、
「102号室」に来てほしい。
話したい事があるんだ。

…誰にもこの事は伝えないで。

メイ

(二人の端末に、そんなメールを送信。)

/*大事な事なので二度…じゃないです、単なるミスですorz　＜話したい事が〜*/

「0」は「冤罪者」。
「1」は「調べる者」。
「2」は「嘘吐き」。

コードの私は二人も居ない。全てが私、一人だけ。

それでも分からぬと言うのなら、
読めるようにしておこう。
―【暗号化・解除】―
昨夜の「罪人シシィ」は「冤罪者」であった。
昨夜の「捜査官」は「嘘吐き」であった。
「冤罪者」と言われた彼も「嘘吐き」であろう。