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[ユリウスの出て行った扉の方をぼんやりと見つめる
…と、カーミラが自分の名を呼ぶのを聞いて、ゆっくりと振り返る]
……。
[好きで割り切ろうとしてるわけじゃない。
カーミラの言葉を心の中で繰り返してみる。
わからない。
ユリウスは、カーミラ先輩は…
一体何を言っているのだろう。
カーミラの目をじっと見つめ、わからないという風にゆっくりと首を左右に振った]
…ラヴィニアさん、お茶頂いて宜しいかしら。
[出来るだけ明るく振舞おうと、後輩の不安を拭おうと、僅かに笑顔を作ってみる。]
投票は、自分の思うように入れるのが一番良いと思いますわ。どうしても分からない場合には、誰か頼れると思う人物に委任して下さい。
…誰かを疑うのは辛いでしょうけれど、被害者が出ている以上、何らかの対処をしませんと…
決めないと、いけないのですわ。
[今日のバイオリンのレッスンは、全く身が入らなかった。気を緩めると、ユリウスの姿が脳裏に浮かび、自分の分身が現れ、その口元が近づいてゆく。
何度も先生に叱責され、時間を延長してレッスン三昧。]
さすがに、疲れました…。
昨日は寝てませんし…。
[談話室の扉を開ける。こんな時間だが、まだ誰か残っているだろうか?]
……は、はいですわ!
[プルネラの明るい声につられて笑顔を返し、紅茶のカップを手渡した]
思うように……難しいですわ。
あ、でも、誰かにお願いすることもできますのね?お願いしてもいいと思える人を探すのなら、ラヴィにもできそうですわ!
信じられる人、信じられない人……と考えればいいのかしら。考えてみますわね。
本当は、誰にも票を入れたくはないのですけれど……心苦しいのは、みなさま一緒ですわよね。
[プルネラの言葉をかみ締めるように、何度もうなずいた。]
確かに、な。
自分の想い人にわざわざ票を入れるなんて、立場関係なくおかしな話か……。
[クレールが言わんとしているのは、そういうことだろうか。]
ごきげんよう、カーミラさま、ラヴィニアさま。
…ありがとうございます。
[ラヴィニアからホットミルクのカップを受け取りながら、室内に視線をさまよわす。お目当ての姿が見えず、ため息をひとつ漏らしてから椅子に座った。]
さすがに、遅くなりすぎました…。
はい、今日は頑張って、ちゃんと、眠ります…。
[ミルクを一口。暖かい塊が喉の奥を滑り落ちていき、ほぅ、と息を吐いた。]
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