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[よし。急ぐかな。]
[悪いな、とセリナに告げて、早足に階段を上がる。
あんな長いシーツのドレスを着ながら、廊下を猛スピードで駆けて行く音が聞こえる。
昇降口の板を蹴り出て行ったと思えば、
……暫く経って、リヤカーが学校に持ち込まれたらしき車輪の音が聞こえる。
多少教師と揉めたあと、その人はリヤカーを寮前に置き、荷物を次々運び出し始めた。
通りすがる生徒会の者を捕まえては、手伝わせる。]
[生徒会の者を働かせ、リヤカーに物を積みこんだ。
がらがら力任せに引き、旧校舎の前に置く。
旧校舎に踏み入り、廊下を走り、地下室への階段を駆け降りる。
地下室の扉を、力強く開き──]
──セリナ!準備が ………
……… ……セリナ?
[姿は、その中に見えない。
地下室へ入り、見回す。居ない。
マットレスを捲り上げる。居ない。]
…セリナ、冗談はよせ。 セリナ。
おい、出てこい。 どこにいる……?
[額に汗が滴る。それは地下室の湿気のせいではない。
低く、声は地下室に響くが、返事はない。
真っ青になって、旧校舎を飛び出す。]
セリナ、頼む。 出てきてくれ。
お前を責める者と、もう会う事はないんだ。
記憶に責められる必要だって、何もないんだ。
だから………
[ただひたすらに、校内を、校外を、走りつめた。
吠えても叫んでも姿は無い。]
[疲れきって、足が動かなくなり、喉が枯れた時、
その人はくず折れて、顔を両腕に埋めて、上半身を倒れ込ませた……。]
[その人は、大学に進んでいた。ここから少し離れた地の、二流大学。
身長も、その大人びた外見も変わらず。
さて下宿はどうしようかと考え、情報誌をボンヤリと眺めながら道を行っていた時。
突如。声をかけられる。
すぐに、顔を上げた。
顔を見なくても、声ですぐに分かった。
その顔をはっきりと目で確認した時、目を見開いて、口をぱくぱくさせ。
豆鉄砲を喰らった鳩のように。
ぽとり、と情報誌を足元に落とした。
即座にそちらへと駆け寄り、愕然とした表情のまま、そちらの顔を覗き込んで。]
………!? …… ……
君は……… まさか……… どうして………?
[ただ、驚きの声を上げるばかりで。]
[相手の言いかけた言葉には、すぐ察した。
ぶんぶんと首を横に振り、唾をのみ込んでから。]
ずっと、苛まれていた。
君の記憶に。
[相手の顔を、ただ一心に見つめる。
……嗚呼、大人っぽくなったなぁ。]
どうか…教えてくれ。
どうして………
[あの時。]
………、
………… ……そうか。……
[信じられない、というような愕然とした表情のまま、セリナの言葉を聞いていた。
聞き終えて、虫のような声で、一言だけ言って。
少し俯いて、小さく首を左右に振る。
「そうか、」ともう一度繰り返し。
顔を上げて、再びセリナの顔をじっと見つめる。目に焼き付けるかのように。
夕暮れ時の日の光は、その人の目を照らして、きらきらと水面を反射させていた……。]
私は。
私は、見捨てられていなかったのか。
本当に。
君の心は……?
[下唇を噛んだ。
どうして、そんな考えを抱いてしまったのか…。
どうして、セリナを信じる事が出来なかったのか…。
自分が恨めしく思った。
首を振るセリナを見つめながら、哀しさと嬉しさが混ざり合った表情をして。
きらきら光を反射させていた水滴は、目から零れ流れた。]
セリナだ。
本当に、セリナだ。
変わってない。
泣き虫で、女みたいで、でも、 絶対… 嫌いに、
なれなくて、
[涙に、目を強く閉じ。
ああ、あぁぁ……と、初めて泣き声を上げ。
目の前の確かなセリナを抱き締めようと、腕を伸ばした。]
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