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[適当なところを掴んでみれば、思わぬ結果に。
半分意識が飛びかけていたが、ふと見えたそれに、つられて顔が僅かに紅くなる。
男相手なのに、いや、男であってもだ。]
すっ、すまん! すまん…いや…えっとだ…
[ブラウスから手を離せば、反射的に謝った。
しかし、相手は男であるという思考が一瞬介入し、慌ててやはりしどろもどろ。
明らかに調子を狂わせている様子で。
その原因は、自分にも分からないところだったが。]
……加減が、悪い?
加減が……
[その言葉に、少し考え込んだような様子を見せた。
すると、っく、と突然、軽く笑って。]
…分かった。全部分かった!
私が感じていた、妙な焦り。
一度別れたのに、また君に会いにきた……
[一拍置いて、]
……君は、情けないやつだと笑うだろう。
しかし……私はひどく、淋しさを覚えているらしい。
[自嘲気味に笑った。]
[素直に答えられた。
最早、自分が相当馬鹿に感じてきている。
いや、実際そうなのだろう。
ただ、頭の混乱は更なる混乱を呼ぶ。]
違うっ!!
[突然、そんなことを叫ぶ。
手を伸ばし、セリナの両肩を掴み、目を見つめる。]
本当に。
本当に、去ってしまうのか……?
[去らされるかは相手の意思ではない、そう分かっていても、
尋ねざるを得なかった。]
…… [手を離した。視線を、向けたまま。]
…すま、ない……。
[少し俯きがちに。しかし。後の言葉に。]
…厭な思い?冗談じゃない!
そうさせたのは、私の方さ!
嗚呼、本当に…──悪かった!
[ぱっと顔を上げて。
口元は、いつものように気丈に笑っているが、目元は今にも泣きそうな。]
嗚呼。 ……わかるさ。
ただ私は、君の、件に関する意識を掘り下げてるのではないか?
辛くなくて、この事件が"大したものじゃなかった"ものだったら良かったのにな。
[苛立ちというか、辛さのあまりか、無意識に言葉が皮肉めいたものになる。
ただ本人は殆ど自暴自棄で、「セリナの為には?」…ということを、本気で考えていた。]
[手首をつかまれれば、少し驚く。
私であるなら、幾らなんでもこの体格差と腕力で勝てるだろうが…ただなるほど、相手がセリナならば勝てない。]
…ッ?
[突然、手首を掴まれるなどという動作は嘗て、その相手に見られなかった。
その驚きの為に、咄嗟の抵抗も出来ず──いや、するんだろうか?ともかく今、抵抗しなかった。]
──……!!
[熱く、深い口づけを。大人しく受け入れて、目を伏せて。
相手の舌が口へ侵入してきたのには、まるで対抗するようにこちらも。
舐め合いながら、厭らしい音が立った。]
[弾き飛ばされ、廊下を数歩、後ろへよろめく。
口周りについた唾液を、手で拭う。
数歩先ながら、相手を見つめる目は、上等だ、と言わんばかりに力が籠っていた。]
心の芯まで卑しくて、汚れた人間なら、そんな事は言わん。
…それに、 …… …
紅茶を淹れてくれた君、
コーヒーゼリーを作ってくれた君、
褒められて、自信がついて、喜ぶ君。
私にはどれも、虚構には見えない。
[ゆっくりと、静かに答えた。]
/*バイウスになっちゃうね。
関係ないけど、二日目あたりに初めて自分の名前が村名にかけたみたいになってる事に気付いて少し落ち込んだよ。*/
[切なげに、哀しげに、その様子を見つめていた。]
辛かったな、セリナ。
[離れていた距離。それを、数歩進んで縮める。そうして、優しげな微笑をたたえて、セリナの頭をそっと撫でる。
そうしてから、指で、その涙をぬぐう。]
迷わない。
一緒に、行こう。
──…今晩、私を"襲え"。
そうして──… [言葉を途切れさせる。]
[そう。]
[口の中で小さく言った。]
君を、信じよう。…
[踵を返す。その方向は、ユリウスの部屋。]
ただ、今晩わが部屋に来ること。
それくらいは、"男同士のルール"に捉われないだろう?
[一度、少し前にいったこと。
言葉を改めて言いなおして。]
君の意思に任せよう。
生徒会 ユリウスは、音楽部 セリナ を投票先に選びました。
生徒会 ユリウスは、音楽部 セリナ を能力(守る)の対象に選びました。
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