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[ぱく。
口の中で少し転がして、ひんやりとしたゼリーの味を味わう。]
………
美味しい。
[プルネラに教わったとはいえ…まるで、信じられない。とでも言うような表情で一言。]
……
[少し口を開閉させて、中に残った味を感じる。
しながら、ほのかへちら、とだけ視線をやって。]
少し、難しい質問だ。
…そうだ。
"自信は持とうと思って持てるもの"……とでも言っておこうかな?
[どうだ?なんて。]
[膨れたセリナに、少し慌てて立ち上がったが、すぐに、冷静にその表情を見ておかしくなったらしく、少しにやけて。]
美味しい! 本当に美味しいよ、セリナ君。
ちょっと……いや、大分見直した!
よく頑張ったなあ。君には、花丸だ!
[べた褒めを始め。机ごしに手を伸ばし、よしよし、と、言葉の勢いとは裏腹に優しくセリナの頭を撫でようとする。]
……
…ぷっ、 ふふ…… ふ…
[自分でも、あざとすぎた。と感じた。その上に相手が笑いだせば、こちらも笑わざるを得ない。つられ笑いを起こして、笑いをかみ殺す。
こちらも落ち付いてから、セリナを見つめ返す。]
…
「その」?
… 特別さ。勿論、特別さ。
君が特別じゃなかったら、昨日……。
[ふと視線が僅かに上がる。昨日の接吻が脳裏に浮かび、僅かに紅くなる。]
ふふ。
意地悪……か。
「このゼリーは、セリナ君が私に作ったのだ!
だから食われてたまるものか!!」
[拳を作り、叫ぶ。
姿勢を直す。表情を戻す。
涙をこぼし始めるセリナを見つめて。]
そんな幼稚な言葉じゃ、君への私の気持ちは伝えきれない。
だから、いっそ…隠しきっただけ、だと。
私の弱ささ。
[それ以上は言葉じゃ伝えきれない、だから、テーブルを回って歩み寄って、セリナの肩を両腕で抱いて耳元で、「ありがとう」と囁く。]
セリナ……。
[君、とつける余所余所しささえも忘れた。
囁き返して、首を縮めて口づけを返す。
長く。口からセリナの暖かみが伝わってくる。]
[ほのかの視線やら、場所やら、勿論何もかも忘れていた。]
…………。
……。
[記憶をたどる。確かに、調べられた。
狙われてはいけないと今まで黙っていたが…
覚悟を決めたのだろう、と、考え。黙って頷く。]
ミユキ君が……うむ、 そうか…。
……そうか。クレール君が。
[彼女、 いや、彼か。
彼は追放されたが。とりあえず、色々頭で纏めてから。]
一応、聞いておこうか。
探し回って見つけた証拠とは………
[真顔でじっとセリナの顔を見つめて。]
[ぽかぽか叩くようすには、軽く笑った。
はは。なんて。しかし。]
──── ……!!
[次のセリナの言葉。それは、まず許せないものだった。
聞いた瞬間、笑っていた表情は、セリナに対して見せた事もないような、修羅の、怒りの表情。ぎり、と、歯がみする音が、すぐ近くにいるセリナには聞こえただろう。]
……ふざけるなよッ!!!
[怒号。それは憤りのあまり、談話室を易く突き抜ける。両手で、セリナの肩を強くひっつかむ。]
私の言葉を覚えていないのかっ!!
護ると──
お前の身は、渡さないと── !!
[目を見開いて。相手を思い過ぎるゆえの怒りのままに。]
生徒会 ユリウスは、料理研究部 ほのか を投票先に選びました。
生徒会 ユリウスは、音楽部 セリナ を能力(守る)の対象に選びました。
[くず折れそうになるセリナを、倒れさせない。
肩を掴んでいた手を一瞬だけ離して、体を抱きとめる形にする。
倒れさせない。少し屈んで、相手の肩に首を置いて。]
お前からもう、離れない。
今晩……いや……
ずっとだ……!
お前を、男なんぞに………
[力の籠った、小さな声。]
…………。
…………………。
[睨むような目で、言葉を紡ぐセリナを見ていた。]
[ふー………]
[ふー………]
[何も、言わないまま。荒い息遣いで。]
[今までにないくらい、蒼白な面。
肩で息をしながら、大股に談話室の扉へ向かい、乱暴に扉を開く。]
[誰に何かを言うわけでもなく、談話室を出て行く。]
投票を委任します。
生徒会 ユリウスは、音楽部 セリナ に投票を委任しました。
[その後暫く、その人がどこへ行ったかは分からない。]
[*しかし、誰もが寝静まった頃。どこかの、誰かの部屋の前で立っているのは………*]
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