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[うむ、と、頷いて、カーミラが自室へ行ったのを見送ってから、談話室へ戻る。ミユキへ視線を向け、]
ミユキ君。大体察しはついているだろうが、男が現れた。
消えたのは…ジェルトルーデ君。男を誤って引きこんだのだろうが。
……落ち付いて警戒だ。それだけだ。
勘違いされては困るが、 [静かに言い返すが、組んだ脚はぶらぶらしていて、落ち付きが無い。]
ジェルトルーデ君が誤って引き込んだ、という説自体が既に、根拠のない仮説だ。
[言っていなかったが、という言葉で、一拍置いてから、]
昨晩ジェルトルーデ君の部屋に三人居た、という話を聞いた。
証拠は知らんが、脅して押しかけた可能性だってあるのだ。
前に君が言ったとおり、情報を持つからという理由で……。
何より。
[息をのみ込んで、]
……三人も、別人の真似を出来るなんて。
いや、しているなんて。
信じたくない。[小声に]
……分かっているとも!
[無理に声を張り上げたような様子で。
外がもう暗いのを見れば、]
少し、見回ってくる。
[それだけ言って、ふら、と外に*出て行った*]
[かっかっかっかっ…靴音が高らかに早足に鳴る。
やはり、扉は強く開かれる。全員を見回してから、]
今日も、網にかからなかった。
…人の下着を漁る不届き者を捕えたが、単なる、 …[聞こえない小声を挟み] …であった。全く、緊張感のない… [ぶつぶつ]
…ふむ、数名来てるかね!
ならば率直に言おう。
確実に、寮の中に男が居る。それも三名!
野蛮なそれらは、ジェルトルーデをその歯牙にかけた!!
[ばんッ、と激しく机を叩き。]
学校として!
怪しき者は、一時的にとはいえ退寮処分を下すことにした!!
処分対象は、女子寮内にて投票を行い、多数決で決定する!!
……
以上だ。
[感情を押し殺すためか、一気に、最後は業務的に。]
[カーミラが戻って来たのを見れば、そちらへ振り向いて、「おかえり。」と力なく小さく言った。]
……投票… 投票を忘れるな。
今日明日に、一度目の"処分"は下される。
良いか、疑わしい者へ──投票するのだ!! …
生徒会 ユリウスは、弓道部 ミユキ を投票先に選びました。
生徒会 ユリウスは、音楽部 セリナ を能力(守る)の対象に選びました。
[確かに、足音がしたのに。しかし、誰も入ってくる様子がない。「さては、男が…」などと、訝しく思って、ゆっくりと談話室の扉を……。]
……クレール君。
[静止しているその人を見つめて、少し間を空けてから、]
入りたまえ。 君には、説明してなかったね。
[感情を殺した冷たい口調で。]
[クレールを連れて、中へ戻る。近くの適当な椅子に腰かけて、]
冷静に、聞いてほしい。
[こうして、感情を挟まずに話す。ジェルトルーデが行方不明なこと、男が三人寮内に居ること、疑わしき者を投票し、多数決で一時寮から追放する処分を下すこと……]
[一拍置いてから、]
何より、投票、というものは辛いかもしれない。
しかし状況の解決には、冷たくなることも必要だ。わかるな?
[ふと携帯を開いて、閉じて、居る全員へ目をやって。]
…投票は記名投票。
投票結果は、開票時に一番先にここに来た副寮長、風紀委員…生徒会が伝えよ。と。
[どういうことなの、と、聞かれ、少し俯く。]
……
想い人であっても、割り切る必要が出る、ということだ………。
[語尾が消えてゆく。そして沈黙。]
[立った。] また、見回りをしてくる。
…状況が伝わってない者には、誰でもいい、伝えてくれ。
[そうだけ言い残して、暗い表情を落としながら*出て行った*……。]
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