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ん、なら騎士やな。
[お堅いとこもピッタリやし、とわらう。
そしてそのまま抱き寄せられるが、抵抗もなく目を閉じる]
ま、ええよね…。
[そう呟いた]
イタい自分語りするけどさ。
私は、匡ちゃんの恋人ってより、匡ちゃんやうっきーの仲間になりたかったんだよね。
それって、なんか違う気がしてさ。
…小さい頃、私は男の子だったんだよね。
親父と一緒に旅をしてて、その時は男の子として扱われてたからだと思うんだけど。
色んなところへ行ったよ。あの頃は。
男の子とか、女の子とか、宗教とか、言葉とか、肌の色とか、好きな偉人とか、好きな食べ物とか、皆違って、話してて、やっぱり違うんだって思うことがたくさんあった。けど、楽しかった。皆いっしょなんだって思ったね。
親父ともたくさん話をしてさ。
色んな事を教わったよ。
おや?
[もたれかかって目を閉じた泉を見て、表情が和らぐ]
(いい香りだな。薔薇の香りじゃなくてこれ、先輩の香りだ……柔らかくて、先輩といると心地いいな)
なら、お姫様をお守りしないといけませんね。
[そっと泉の顔を覗き込む]
─ 香来夜阿舞屋 ─
[ドアを開くと、ほんのりと香ばしい匂いが鼻をくすぐってきた。見回すと昼白色の蛍光灯が客のいない店内を明るく照らし、全体的に低めに調整されたついたてや植木が開放感を与えてくる。黒スカートに白のエプロンを身に帯びた店員の女性が軽い足取りで近づいてきて、深く六十度ほどに身体を倒して礼をした]
「いらっしゃいませ、二名様でしょうか?」
はい、二人です。
「ではこちらへどうぞ。二名様です!」
[店員はハキハキとした受け答えで手際よく浮田たちを席へと案内し、水とお手ふき、それにメニュー一式を用意した]
けど、私はやっぱり女の子だったみたいでさ。
日本に帰されて、小学校に行くようになって。
…かーさんを、最初は敵だって思ってたよ。
私を親父から引き離して、あんな異常なところへ行かせようとするんだぜ。すごいきっちりした時間に鐘鳴らして、運動するときは皆で同じ格好して、ちょっとふざけると大人が飛んできてお説教だよ。昼寝してたら、自分のトークがつまんねーの棚に上げて怒り狂ってさぁ。何が楽しくて生きてんだ、あの連中…って、思ってたよ。あの頃は。
いつかそういうのにも少しは慣れたし、食べ物は美味しいし、寝床に困ることはないし、銃声に怯えることもないし、図書館に行けばすごい量の本があって、学校に行けば友達がたくさんいて、ちょっとずつ、楽しめるようになったけどね。
店名の通り辛いカレーも甘いカレーもありますから、自分にあったのを選んで下さいね。味はどれも保証付きですよ。
おれはあんまり辛いのは好みじゃないので、ビーフと玉子の他人カレーにしようかな。
けど、やっぱり、ここは人間が生きてくのに最高の場所じゃあない、とは思っててさ。
例えばさ、ちょっと暑いから海でも行こうと思って朝早く起きて電車に乗ったら、ほんとに皆がおんなじ格好して、死ぬような思いして乗り込んでくんだぜ。すげーよ。年に一度の巡礼か何かかよ。でさ、海着いてみろよ、年に一度の祭りかって人の量だよ。TVで見たまんまだよ。ありゃ演出なんだろうと思ってたのに。こりゃダメだと思って、適当に電車乗りついで、人いねー海探しててきとーに泳いでたら、怒られんだよ。「ここは遊泳禁止」だとよ。泳げるかどうかなんて、私が決めるよクソ野郎。
…とか、思ってたんだよ。昔の私なんてのは。
-教室-
[5時間目の終了を告げるチャイムが鳴る。空腹に耐えて受ける授業がこんなに辛く厳しく長いものだと初めて知る。]
うー
今すぐなんか食べないと、
意識失うかも。
[コロッケパンーとか言いながら、食堂へと一目散。でもよろよろ]
…自分が女の子なんだって思うたび、辛かったよ。
私が男の子だったら、今も親父と一緒に旅をしていられたかもしれない。
こんなところに、いなくてもいい、って。
椅子を引かれたり、歩道で内側歩かされたり、男の子に言い寄られたり、かわいいねって言われたり、女の子なんだから言葉使いを直しなさいって言われたり、男なんだし奢らせてよとか、そういうのが、嫌で嫌でしょうがなかったよ。今も好きじゃないけどね。
だって、そんなの、私の自由じゃん。
てめーら、勝手に気持ちよくなってんじゃねーよって話でしょ。自分の部屋で右手相手にやってろっての。
あれ? 麻宮さんってカレー好きって言ってませんでした? 辛いの苦手でカレー好きって珍しいですね。
ビーフと玉子の他人カレー二つとメアドください♪
「はい、ビーフと玉子の他人カレーが二つに、……えっ?」
「冗談です♪ ビーフと玉子の他人カレーが二つ」
「は、はい。少しお待ち下さい」
[浮田はどぎまぎしている店員ににやにやした]
あれ? 麻宮さんってカレー好きって言ってませんでした? 辛いの苦手でカレー好きって珍しいですね。
ビーフと玉子の他人カレー二つとメアドください♪
「はい、ビーフと玉子の他人カレーが二つに、……えっ?」
冗談です♪ ビーフと玉子の他人カレーが二つ」
「は、はい。少しお待ち下さい」
[浮田はどぎまぎしている店員ににやにやした]
[小さな泉の呟きに、ドキッとする。まるで自分もお伽噺の騎士になったような気分になった]
先輩、お伽噺はお好きですか?
魔法使いに、真っ白でふわふわの白兎にされてしまったお姫様は、どうやって人間に戻ったか。
姫を守る騎士が、こうしたんですよ。
[泉の小さな唇に、そっと自分の唇を乗せた]
「風邪がぶり返したんじゃないの? 保健室行ってきたら?」
保健室は、いきたくないの…。
[そう口に出すと、蘇る。
引き寄せられた腕の温度や、軽くてやわらかそうな振りをして深いまなざし。大きくてしっかりした手の感触。彼の口から自然に紡がれては、彼女に今まで知らなかった感情をもたらす言葉の数々。
そして――]
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