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[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
浮田 大介は臣楼 匡侍に投票を委任しています。
鮫島 翔は臣楼 匡侍に投票を委任しています。
冴生 流香は臣楼 匡侍に投票を委任しています。
朝比奈 みるくは臣楼 匡侍に投票を委任しています。
進藤ユーリは臣楼 匡侍に投票を委任しています。
泉 和海は臣楼 匡侍に投票を委任しています。
梶原雪花は臣楼 匡侍に投票を委任しようとしましたが、解決不能でした。
陰森映子は臣楼 匡侍に投票を委任しています。
火田 幸は臣楼 匡侍に投票を委任しています。
鈴畑 花音は臣楼 匡侍に投票を委任しています。
浮田 大介 は 梶原雪花 に投票した。
臣楼 匡侍 は 梶原雪花 に投票した。
鮫島 翔 は 梶原雪花 に投票した。
冴生 流香 は 梶原雪花 に投票した。
朝比奈 みるく は 梶原雪花 に投票した。
進藤ユーリ は 梶原雪花 に投票した。
麻宮 マキ は 進藤ユーリ に投票した。
泉 和海 は 梶原雪花 に投票した。
梶原雪花 は 火田 幸 に投票した。(ランダム投票)
陰森映子 は 梶原雪花 に投票した。
火田 幸 は 梶原雪花 に投票した。
鈴畑 花音 は 梶原雪花 に投票した。
進藤ユーリ に 1人が投票した。
梶原雪花 に 10人が投票した。
火田 幸 に 1人が投票した。
梶原雪花 は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
現在の生存者は、浮田 大介、臣楼 匡侍、鮫島 翔、冴生 流香、朝比奈 みるく、進藤ユーリ、麻宮 マキ、泉 和海、陰森映子、火田 幸、鈴畑 花音 の 11 名。
はい、連日夜が遅いですね、ねむいですね。
あ、ちなみに俺日月はあんまり顔を出せないので今日の学校ではあんまりうごけないんです。
えーっとこっから一日が始まって……。
金曜-午前
土曜-午後(実質ここでその日終了)
日曜-24時間延長(休村日)
月曜-次の日の午前
火曜-次の日の午後
水曜-24時間延長かどうか未定。
っと、こんな感じだな。
投票を委任します。
麻宮 マキは、浮田 大介 に投票を委任しました。
−通学路−
[麻宮マキは、昨日のことを思い出しながら風と一体化している。]
みるく、か。
匡に憧れてるとは驚きだったが、可愛らしい子だったな。
危ういところがあるから、弄……守ってやりたくなるのだろう。
それにしても、姐さんから聞いた翔の話は意外だったな。
奴も手が早い男だったとは。
大介の言うように、翔は大介が羨ましいのだろうか。
ふふ、妙な関係だな、あの二人は。
投票を委任します。
進藤ユーリは、臣楼 匡侍 に投票を委任しました。
[昨日に続いて今日も遅刻ギリギリでの登校、しかし昨日と違って映子の足取りは重い。
その原因は、持ってきた弁当箱の中身(失敗作の卵焼きonly)にあった。]
-朝 校庭-
[バイクを駐輪場に停め、鞄を持つとゆっくり校舎へ向かう。通学途中バイクを走らせながら注意深く見ていたが、私服で登校する女子は今の所見かけていない]
冴生さんが約束を実行するか否か。そう言えば彼女は大介君と同じクラスでしたね。大介君も、驚くのだろうか。
[あの時の進藤と鈴森の反応を見れば、冴生の制服姿は相当レアらしいことがわかる]
いや待てよ。それを口実に口説き始める可能性があるな。なんで俺は敵に塩を送るようなことしてるんだ?
*回想*
[今日の朝も卵焼きに挑戦する映子、しかし無惨な失敗作が山と詰まれる。
それを見た母親が食べ物を粗末にしてはいけませんと叱る。]
え〜!昨日と違って今日の卵はちゃんと自分のお小遣いで買ったやつだよ。
[昨日遅刻しないですんだのは、卵の買い置きが尽きたおかげだったようだ。
それを聞いた母親は、「そんな話をしてるんじゃありません。この失敗作をどうするつもりっていってるの。全部自分で食べなさいね。」と宣告した。]
でも、お母さんが今晩練習に付き合ってくれるっていってたもんね!
まだまだ諦めないんだから!
[唐突に声をあげてしまって、回りから奇異な目で見られる。
あわてて教室に駆け込むのだった。]
というわけで、本日はあ〜んは出来ません。
今日雪花さんが拉致されていなければ、味見してもらいたかったんですけどね・・・
予想道理の状況ではありますが、残念です・・・
キャラ的ラブスケール
臣楼>浮田>鮫島
鮫島さんはいい人だけど、わたしには真面目な人より独自の価値観を持った人が必要なんだよね。
みるくちゃんとの絡みで臣楼さんがダメになっても、多分浮田さんになびきそうです。
[ふいに背後の駐輪場からエンジン音がする。バイク通学の学生も珍しくないが、馬力が違う音になんとなく振り返る]
……あれは、麻宮先輩じゃないですか。屋上で何をやっていたのか聞いておかなければ。学園で傷害事件なんか起こされたら、俺も含めて他の学生がまともに授業受けられなくなりますからね。それは困ります。
[そのまま、校庭で麻宮がこちらにやってくるのを待つ]
[匡ちゃんへメールを打つ]
[件名:匡ちゃんへ
本文:日付が変りましたので「吊りを匡侍に委任してください」アナウンスをお願いします。
鮫島]
投票を委任します。
鮫島 翔は、臣楼 匡侍 に投票を委任しました。
-校庭-
[がんがんと痛む頭を押さえながら、重い足取りで門をくぐる。]
…結局あまり眠れなかった。
[はー…と溜息をついて、鞄の中を見る。そのまますぐに閉めてしまいたくなったが、中に入っていた携帯電話を取り出した。確認してみたが、新しい着信は無い。]
ゆっきー、昨夜は寝ちゃったんかな。
[昨日はスタバで奢って貰った後素直にうちに戻った。と言うのもどこに仕舞ったかわからない制服を探すためでもある。
ようやく探し当てた制服は、母親によってクリーニングにだされ、クローゼットの奥に眠っていた]
やっぱスカートがみじけぇな。
つーか足下が何かひらひらする。
[膝上10cm。チェックの入ったセーラーとプリーツスカート。いつも首に巻いているスカーフはそのままに、付け替え用のタイをボタンで留める]
戦闘準備完了。登校すっか……。
[珍しいこともあるものだと、何故か今日は両親共に見送ってくれ、ついでに小遣いも多めに貰った]
投票を委任します。
冴生 流香は、臣楼 匡侍 に投票を委任しました。
-2年C組 教室-
[気だるげに自分の席に座る。後ろの席の花音はまだ登校していないのか、姿が見えない。鞄の中から、昨日の重箱を取り出して机の上に置く。なんとなく、それをじっと見つめた。]
うーーーーん……。
[手元の重箱をくるくる回してみる。]
−校庭−
[駐輪場に相棒を停めて、鉄仮面をはずした。
いつものように前髪を整えて校舎へと向かうと、こちらを見ている男の姿が見えた。]
……ん。
おはよう、翔。
今日もいい朝だな。
あー。今日の授業はなんだったっけ。出来れば教室に長くいるのは避けてぇな。
ある意味匡ちゃんが普通に学校来るより珍しくねぇか。
[時々窓に映る自分を見て、微妙な表情をする。学校に近づく頃には他の生徒も増えてきて、いつも私服で通うのを知る人からの視線が痛かった]
あ゛ー。じろじろみんなよ!
[照れる]
[麻宮が気付いた様子。お辞儀をしてから横に並んで歩き出す]
麻宮先輩、おはようございます。
ところで先輩。単刀直入にお聞きしますが、昨日屋上の扉、壊しませんでしたか?
[校門から急ぎ足で靴箱へ。辺りを見回しながら知り合いに見つからないようにシューズに履き替える]
良し。順調順調。つーか教室一番駄目なのがいるじゃねーか。
[匡侍が同じクラスなのを思い出した]
やべえやべーぜ。帰るか。ぁ。いや英語あったな。
[英語は日数足りないトップクラスらしい]
[重箱の中の色とりどりのおかずや、可愛らしい俵型のおにぎりを思い出すと、自分の額を思い切り机にぶつけた。ごん。]
……花音の手は、魔法の手か…?
まるで神の境地だ…。
[今まで何とは無しに食べてきたが、昨夜色々と七転八倒した結果、あそこまでなるのには相当の努力が必要なのだと思い知った。
それがわかると、あの弁当にはひれ伏すしかない。]
……ふぅ。だが、負けるもんか…っ!
必ずや戦いに勝ってみせる…!
[何の戦いだ]
[単刀直入に聞かれた。]
あ、ああ。
匡と遊んでたら、ちょっと手元が狂ってしまってな。
なに、あれくらい心配はいらないさ。
そのうち直ってるだろう。
─ 某所 ─
梶原雪花様でございますね?わたくし臣楼家の執事を務めております貴林平桔と申します。
[貴林は雪花に一礼すると、名刺を渡した]
匡侍坊ちゃんが梶原様を甘い物パーティへ招待したいとの事で伺いに参りました。車を用意してございます。どうぞわたくしと一緒にお越し下さいませ。
─ 合宿所 ─
梶原雪花様、快く来て頂いて恐縮の限りです。まずこちらへどうぞ。
[貴林は雪花をモニタールームへと案内した]
さて、いくつか申し上げる事がございますので、よくお聞き下さい。
まず、雪花様はこちらでしばらくの間自由に過ごしていただけます。甘い物の他、ご要望に応じて様々な食事をお出しいたします。
このモニタールームでは学園内の至る所を鑑賞する事ができます。大画面で一カ所、画面内にある複数の小ウィンドウで数カ所を同時に観る事が可能です。リモコンの操作は簡単ですが、後でお教えしましょう。
匡ちゃん?!
先輩、なに 仮面vs仮面 対決やってるんですか!!
校舎の維持管理費は、皆の学費で運営されてるんですよ。悪戯に破損したら後輩たちの学費があがるかもしれないんですよ? 本当に先輩はどっか別の世界に生きてるみたいに現実感ないですよね。いろいろ。いろいろ。
[相手が上級生であっても怒るときは怒る男]
しょうがない。匡ちゃんに修理費全額弁償させますか。
[こそこそと動きなから階段を上る。特に2−Cの前を通るときは緊張した]
よし、鮫島はまだいねぇな……。
[こっそり窓からC組の中を覗く。ユーリの姿が目に入った。なにやら頭をぶつけてるらしいのが気になったが、ここで聞くわけには行かない]
「冴生!? どーした、明日雨かよ!」
[クラスメイト達からの声を受けて振り向いた。とりあえず蹴りを入れておく]
うっせぇ。あんまじろじろみんなよ。
お休みになる時は、寝所を用意いたしておりますので、自由にお使い下さい。寝衣はもちろん、普段着に付いても各種ご用意しております。
洗濯はメイドにお申し付け下されば完璧に洗ってお返しします。
雪花様はこちらでしばらくの間自由に過ごしていただけます。ただし、一点だけ。貴女はしばらくの間、此処から出る事だけは出来ません。貴女は匡侍坊ちゃんの「計画」を遂行する上で障害になると判断しましたので、こちらへお連れした次第です。不自由な事もあるかと思いますが、しばらくの間だけ我慢していただけますか。
何かございましたらわたくしか、メイドの者にお申し付け下さい。我々は24時間態勢で此処の管理をいたしますので、いつ何時でも雪花様の要望に──此処から出る事を除いて──応えるでしょう。
わたくしからは以上です。ご質問があればどうぞ。
やだね。
こういうのは自由って言わないんだよ。
残念ながらね。
自由を妨げることを、待遇や態度で贖えると思ってるなら、それは大きな間違いだよ。
って匡ちゃんに言っといて。
携帯も通じないみたいだからね。
あと、この部屋の趣味も悪すぎる、って。
…お疲れさん。執事さん?
あんたも大変だね。
[ふむ、とあごを触る。]
匡はそんなに金持ちなのか。
組織に頼もうと思っていたが、そういうことなら匡に任せてもいいかな。
それにしても、翔は真面目だな。
大介やO脚女子の面倒見もいいし、まるで優等生のようだ。
これで手が早いというのだから、人間というのはわからないものだな。
[廊下の方が騒がしかったので、なんとなく顔を上げる]
ん?
[廊下に出てみると、騒ぎの主はどうやら隣のクラスに入っていったようだ。]
…B組…。ああっ!
[思い出したように指をはじくと、急いで鞄の中からデジカメを取り出す]
これはなかなか手厳しいご意見です。が、自由を制限した代償として甘んじてお受けいたします。坊ちゃんにも確かにお伝えしておきましょう。
この部屋の趣味につきましては坊ちゃんのお父上と、わたくしの趣向が多分に重きを為しておりますので、坊ちゃんの責任ではございません。お目汚し失礼いたしました。
[クラスにはいると、さらにざわめきが多くなってヤジも飛んだ]
あーあーあーあーうっせー。
はいはい席に座れよ。
それとも何か、俺の足がそんなに見たいか。見せねぇけど。
[椅子に座ると頬杖をついてぼーっとする。まだ雪花が来ていないのを確認しながらあくびを一つ]
-2年B組-
[まるで自分のクラスのように堂々と教室内に入っていくと、盛り上がっている一角に、ずかずかと割り入る]
はいはい、ちょっとすいませんねー。通りますよー。
こっちにもカメラ目線下さいっ!
[流香の足元にしゃがみこんで、下からのアングルでカメラを構えた]
いやいや。先輩が組織とやらで弁償するなら、破壊した本人がちゃんと弁償するべきですよ。
まあ、匡ちゃんに挑発されて仕方が無くというのなら別ですが。
[続く言葉に目を見開く]
え? 今なんていいました?
俺が、手が、早い? 手が長いとか足が早いならよく言われますけど、もしかして両方を略してそうなりました?
それ、意味変ってますから。
進藤、何やってんだ。一枚そうだな、500円なら撮っても良いぜ?
[どこからか撮りだしたハリセンでぺしぺしたたきながら、にやりと笑う]
つーか撮ってどうするんだよ。
[さて、えてして珍事というのは立て続けに起こるものである。
たとえ確率がどれほど低いといわれようとも、現実にそれが起こることは珍しくない。
そう、ありえないということは、ありえない。
つまり……。]
おーっす。
[この男が今日に限って時間通りに教室に現れるということもありえるのである。]
趣味ってかさ。
この部屋の役割そのものが悪趣味だって話。
他者の自由を制限する代償がその程度で済むと思ってるなら、それもまた甘い。
私はそういうのが一番嫌いでね。小さい頃、親父と一緒に旅してた頃、そういう風に教わったから。
…親父が自由人過ぎるのかもしれないけど。
[目逸らし。]
ところで、かーさんや私の友達に心配をかけさせないような処理はできてるんでしょーね。
匡ちゃんのことだから、その辺は大丈夫だろうと思ってるけど、なんでこういうこと事前に言わないんだってかーさんに怒られて小遣い減らされたら絶対許さねー。
あと、そうだね、この建物の間取り、全ての人員についてと、建ってる場所、建材…そのくらいの情報は欲しいね。
脱走の手引みたいなハウツー本も所望。
[叩かれた箇所を手で押さえながら、それでも笑いがこみ上げる]
いやはや……可愛いじゃないかー流香。
これを今日だけのものにするのはもったいないなぁ。明日から、ずっとそれにしようぜ。
写真はほら…。
この後万が一流香が脱いじゃっても、見てなかった人に見せてあげられるようにっていう、アタシの親切心だな。
[言いながら、うんうんと頷く]
ふふ、冗談だ。
あたしが破壊したものは、ほぼ全てを組織が直してくれるから安心しろ。
悪の命以外は、な。
[一瞬、麻宮マキの眼光が鋭く光る。
しかし、すぐにいつもの表情に戻った。]
別に略してなどいないぞ。
そのままの意味だ。
まあ、あたしも翔のそういうところを見たわけじゃないから、幸姐さんに教えられても未だに信じられないんだがな。
え、あれ誰?転校生?
[見慣れない格好をした女生徒がいる。
っかしーな、そういう情報は絶対俺の耳に入るはずなんだが……と、近くにいた友達に聞いてみる。]
「いやあれ、冴生。」
[瞬間、時が固まる。]
ふむまて、落ち着け皆の衆。
こういうときは円周率を数えるのだ。
3。……あれ?おわった?
[続きはもっと知っているはずなのに、一時的にゆとり教育脳に退化してしまっているあたりショックがはかりしてる。]
よーしおれは冷静だ!
とりあえず、深呼吸ー。
ひっひっふー。ひっひっふー。
[何を出すつもりだ。]
ああ、わかったぞ冴生。
つまりその格好はあれだな?
[近づいていって、冴生の肩を軽く叩く。]
――俺への愛の告白と受け取っても?
今日一日だけだからな。この格好は。
つーかかわいくねぇってば。
って誰が転校生だ、誰に愛の告白だ。
百歩譲ってそうだったとしても、何で相手が匡ちゃんなんだよ。
[流香と匡侍がじゃれあっている姿を、どさくさに紛れてパシャリと映した。そのまますばやく扉まで移動]
…おっとぉ!そろそろ授業が始まるぜっ! じゃっ!
[わざとらしい大声で、すちゃっと手刀を構えてから自分のクラスの方に*逃げた*]
(この人もしや、精神的に別の世界にいってないか……)
[物凄く心配そうに横顔を眺める]
みゆきねえさ……って、待ってください。
(みゆき……みゆき、火田幸……)
えええっ?! その言いっぷりでは、まるで火田先輩が俺のこと、手が早いって言ってるみたいに聞こえますよ。
(あー。やっぱり真奈美ちゃんと誤認したまま抱きつかせちゃったことかなあ……覚悟してたけど、やはり痛いな。)
――授業中――
[教師に当てられた問題を解き終え、席に戻る際に敵意に満ちた視線と目が合った。慌てて目をそらし、着席する。頭の中に既に入っている解説を聞き流しながら、みるくは窓の外を見た]
(昨日は良い一日だったな。麻宮先輩も、火田先輩も、凄く良い先輩だった。この間知り合った先輩たちも、みんな)
[火田の"1年生だったらまだまだクラスの子くらいか"と言う言葉を思い出し、ふと表情が曇る]
(一年生だから。中等部に居たときは、中等部だからってずっと思ってきた。まだ二年、まだ三年、って。でも結局、高等部一年に進級してもあの頃と何も変わらない。一番良かったのは最初、中等部一年の本当に最初さけで、後はずっと同じ)
あ、そうなの?もったいねぇ。
いやいや、だってそんな格好してんの珍しい通り越して初目撃に近いし。
てかなんだ、その発言全般にあふれるツンデレオーラは。
肝に銘じておきましょう。
ご自宅と学園については勉強合宿という名目で連絡済みです。保護者の方にも納得していただけていると聞いております。
此処にいる人員と、此処が建っている場所や建材等についてはお教えできません。脱走の手引きもご容赦ねがいます。脱出なされると非常に困った事になりますので。
間取りについては各所通路に見取り図を配しておきましたので、後でご覧下さい。単純明快な間取りですので迷う事はないかと思います。
[ハリセンの矛先を匡侍に変えてぺしぺし]
はいはいHRはじまんぞ。
ツンデレとかねーよ。誰にデレてんだよ。
この格好は珈琲のためだ。うん。
[逃げたユーリの方をにらんで、ついでに匡侍も*にらんだ*]
まあ、その通りだな。
幸姐さんからそう思われる心当たりはないのか?
あれでなかなか人を見る目は鋭いからな。
接客業をやっていると、そういうのがわかるようになるのかもしれん。
生憎、あたしにはさっぱりわからないが。
えー。
匡ちゃんに見つかんなきゃいーじゃん。
…私は割と匡ちゃんを信頼しててね。
実際にどうかはさておき、本気で逃げ出そうとしたら逃げられるんじゃないかと思ってるもんだからさぁ。
本気で逃げようと思ってたら、こんなこと言わないで油断させて、自力で逃げる方法を探すよ。
だから、そのカタい表情やめて、ちょい力抜いて笑ってる方がいいと思いますよ。貴林さん。私もその方がいいです。
え、心当りですか?
いや、初対面でちょっとした事故はありましたけど……
[顔が赤くなる]
お、俺から手を出したなんてことは、断じてありません。高校生の本分は勉学にあります、ましてや先輩に手をだすなんてそんなめっそうもありませんよ!!
あ、それきっと浮田大介君のことじゃないですか?
(そうであってくれ)
うむ、今日のHRの議題は"冴生の制ふ…いてぇ!
ちょま、いてぇって!
[何度もハリセンで叩かれ、いい音が鳴り響く。]
珈琲……つまり、その珈琲をおごってくれる奴が標的……
[顔面にハリセン炸裂。]
OK、おとなしくしておこう。
[その時ふと頭に昨日貰った匡侍からのメールが過ぎる。嬉しくて、でもどう反応して良いかわからず、結局一日が経ってしまった]
(凄く嬉しいのに。怖い、なんて、ばかだな、私)
「匡侍先輩。おはようございます。メール、ありがとうございました。凄く嬉しかったです。クッキー、焼いてきたので、お昼休みや放課後辺りにお会いできると嬉しいです みるく」
[普段授業中に携帯電話など弄らないが、教師の目を盗んでメールを打つと送信ボタンを押した]
−教室−
[HRが始まる……の前に、教師から梶原についての言及がなされた。]
(…ふーん、貴林は梶原をつれてったのか。
大介かフカヒレがすでに落としてたか?それとも別の理由があったか。
ま、どっちにしろ貴林のやることなら間違いねーだろ。)
坊ちゃんの依頼を全うできないとなればこの貴林の名折れ、ひいては臣楼家の沽券にも関わる大事。どうかご容赦を。
・・・坊ちゃんを信頼して頂けているのは感慨に耐えませんね。坊ちゃんも良いご学友をお持ちになったものです。
力を抜け、ですか。こ、こうでしょうか?
[貴林は微笑を浮かべた。]
[固い。]
[その後、HRも終わり授業が始まる。
特に何をするでもなくボーっと授業を受けていたが、ポケットの中でケータイが震えるのに気づくと画面を見た。]
(お、朝比奈ちゃんか……クッキー?)
[あっれー、なんだろう昨日といい今日といい、この連続トキメキイベント。
そろそろ罠だとしても死んでも本望とか本気で思ってきたんですけどー?などと考えつつ、昨日の報告の件も思い出す。]
(流石にまだ言ってくれねーかぁ。
そう簡単に言える事じゃねぇだろうしなぁ……それとも、俺がまだ信用されていないだけか?)
[そんな考えにちょっと凹みつつ、返信する。]
(昼休みは時間が短い以上に人目が気になるな。
そんな状況じゃもし話す気になっても話せないだろうし……。)
「昨日大丈夫だった?
先輩が保健室に連れて行ってたみたいだけど。
え、まさかクッキーわざわざ作ってくれたの?
これはもう、愛の証明としか!
そうだなぁ、昼はちょっと短いし、放課後かもしくはどっかの授業サボって会わない?」
送信と…。
主の暴走を止められなかったっていう時点で十分名折れになってるんじゃないかな…。
ぷっ。
あははは。
カタい!カタいですよ!
[こういう人もあの匡ちゃんの近くにいたんだと思うと、ちょっと面白いかもしれない。]
要練習ですね。
……。
[その後しばらくボーっとしていたが、再びメールを打ち始める。
宛先は大介。]
「なー、大介。俺もうすぐ死ぬかもしれん。
ちょっと最近俺が俺でないようなイベントがだな……。
ところで、うちのクラスの梶原って奴コマしたか?」
臣楼 匡侍は、陰森映子 を投票先に選びました。
投票を委任します。
浮田 大介は、臣楼 匡侍 に投票を委任しました。
固いですか。こうでしょうか。
[固い。]
そういえば妻にも笑うのが下手だと言われましたねえ・・・いやいや、客人のご要望に応えるのがわたくしの務め。明日まで時間を下さい。必ずや柔らかい笑顔を習得して参ります!
[一時間目の授業が終わった休み時間。
映子は2階の廊下をいったり来たりしている。]
梶原先輩いないかな?
失敗作だけど食べてもらって、感想を聞きたいな・・・
投票を委任します。
陰森映子は、臣楼 匡侍 に投票を委任しました。
投票を委任します。
麻宮 マキは、臣楼 匡侍 に投票を委任しました。
あははははは!
[い、いかん。この人、すごく面白い人だ。]
ご、ご、ごめんなさい。
そ、それが。
そういうのが、カタい原因だと思いますよ…。
安心しろ、大介よりはマシな印象だったと思うぞ。
どうも翔は考えが固まりすぎているような気がするな。
学生の本分が勉学であることは確かだが、人間ならば本分だけで生きるわけにもいかないだろう。
余分も大切なことだと、あたしは思うけどな。
それじゃ、あたしはこっちだ。
翔と話せて楽しかったぞ。
じゃあ、またな。
[靴箱で翔と別れ、三階に向かった。]
-2年C組 教室前廊下-
(そういえば、さっき、ゆっきー居なかったな)
[何となく、雪花は流香といつも一緒に居るイメージがあったので、姿が見えないと妙に気になった]
ちょっとB組覗いてみるかー……って、アレ?
[見ると、映子が廊下に居る。]
どしたん?誰かに用?
[手を振りながら声をかけてみた]
あ、俺も麻宮先輩と話せてよかったです。それでは失礼します。
[丁寧にお辞儀をするとその後姿を見送る]
大介君よりマシ……マシってことは芳しい評価ではないってことだよな。
はぁ〜あ
[溜息が出ると肩が下がる]
固まってる、か。
俺、どうしてこう女子ウケ悪いんだろ。やっぱ大介君みたいに気楽な男の方が、女の子も接して楽しい時間が過ごせるんだろうなあ。
[突然声をかけられてビックリした。
相手が進藤とわかって少しほっとするが、失敗作の卵焼きの話など出来る筈がない。]
な、なんでもないんですよ・・・いつもの取材です・・・
[嘘をついているので歯切れが悪い。
そのとき、進藤に頼まれていた調査のことを思い出す。]
そういえば、進藤先輩の思いはかないましたか?
[進藤の側に近づいて、小さな声で聞いた。]
ま、それでも俺は俺。
女の子たちにクソ真面目と言われようとも堅すぎると言われようとも詰まらない奴と罵られようともウザいと非難されようとも、そこがいいって男連中が言ってくれるわけだしなあ。
[麻宮と話しているうちに、始業ギリギリの時間になっていた。慌てて階段を駆け上がり教室に飛び込んだ]
……思い?
[しばし考え込む。今悩んでいる事はあるにはあるが、映子に話したっけか?と考える。]
……弁当の事…じゃないよな?
[思わず口に出してから、映子に頼んでいた用件を思い出す。]
あ、ああっ!調査の件かっ! ごめんごめん。
うーん……かんばしくないなぁ。
[というか、すっかり勧誘の事を忘れていた]
[進藤に弁当と口に出されて、ドッキリした。]
ど、どうしてその話を・・・
[調査の話を思い出したのを機に、全力で話をそっちの方向に持っていく。]
亀島先輩が鮫島先輩だったとか、いろいろあるみたいなので、少し確認させてください。
ここじゃ話しづらいでしょうから、人気のないところで。
-2年C組教室-
[そうして一時限目が終り、進藤がいそいそ教室を出て行く姿をなんとなく眺める。冴生が約束どおり制服を着てきたことは既に学年中の噂になっている。
冴生に会いに行こうかと立ち上がりかけるが、座りなおす]
(これだけ噂にされているんです。すぐ俺が見に行けば、きっと冴生さんは速攻着替えてしまうでしょう。)
……よし。見せに来てくれるまで待とう。昼休みまで来ないようなら、食堂に誘いに行きますか。
[美術室の中に入って、少し落ち着きを取り戻す。]
この前会った時、鮫島先輩と一緒にいましたよね。
候補は鮫島先輩に絞られたんですか?
[一番大事と思われるところから聞いてみた。]
[木の椅子に座った途端に、映子から質問をされてどう答えたものかしばし迷う]
んーーーと。待て。
初めから話す…。
[頬をぽりぽりかきながら]
えっと、なんか誤解があるみたいなんだが…。
うちの剣道部の部員が頭数一人足りなくてね。もうすぐ試合でなんとしても誰か入れなきゃならないんだ。
それでまぁ…目をつけてたのがあの三人ってわけで。
なんか勘違いさせちゃったかな。ごめん。
[進藤から正確な話を聞かされて、自分がとんでもない誤解をしていたことに気づき顔から火が出るほど恥ずかしくなった。]
そ、それじゃあ、変態じゃないとダメとか、変な性へk(ryとかないんですね・・・
そ、そうですか。では、そのように精進いたします。
用事のためわたくしはここで一旦失礼させて頂きます。何かございましたらメイドの者達にお申し付け下さい。ではまた後ほど。
[貴林は深々と礼をして再び固い微笑を見せた後、静かに退室した。]
[映子のセリフに、思わず吹いた]
……ちょい待てっ!
誰が変態じゃなきゃダメだとか……
[慌てふためいたが、元は自分が変な言い方をしてしまった事にある]
いや…まぁ。こっちが悪いんだもんな。
しかし、誤解が解けて良かったよ…ホント。
[まさかそんな風に思われていたとは。溜息をひとつ]
[溜息をつかれて、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。]
でも、それならどうして芳しくないんですか?
鮫島先輩とは結構親しいみたいなのに・・・
忙しくて助っ人出来ないとか、そういった問題があるのですか。
[映子の言葉に、手をぽむっと叩く]
そうか、頼み込むって手があったな!
なんでか、しょっ引く事しか頭に無かったよ!
[色々思考回路に問題があるらしい]
親しい?鮫島と?
どうなんだろう…なぁ。
[軽く首を傾げる。]
他の先輩たちとは交流はないのですか?
臣楼先輩とも顔見知りですよね。
鮫島先輩が無理で、進藤先輩が他の方に頼みづらいのでしたら、わたしが代わりに頼んでみましょうか?
あー、いやいや。そこまで人にやってもらうのは気が引けるよ。
気持ちだけもらっとく。ありがと。
鮫島が無理ってわけじゃないんだけど…。
……なんだ、その。
[うーんと唸りながら]
今はちょっと話しかけづらい…。
投票を委任します。
朝比奈 みるくは、臣楼 匡侍 に投票を委任しました。
今はって・・・そんなに余裕あるんですか?
試合に出るなら、稽古もしなきゃいけないだろうし・・・
先輩らしく、体当たりで決めてください。
[映子は進藤が豪快に柱にぶつかった時の事を思い出しているようだ。]
と、いうか、なんだその。
やけに突っ込んでくるなぁ、映子。
もしかして、三人の中に好きな奴でもいんの?
[話をそらそうと話題を変える]
宛先:匡ちゃんのハゲ
件名:(-人-)
本文:そうか。骨は拾ってあげるよ。てかさ、イベントって何よ?(-o-)さてはなんか良い思いしやがったなぁてめぇ!!死ね、今すぐ死ね!!(っ-o-)っΣ
梶原って雪花ちゃんだっけ?いやおれ何もしてないけど?
[急に突っ込まれて、心拍数が跳ね上がった。]
狽ヲ・・・!
や、やだなあ・・・みんな先輩じゃないですか。
ちょっと面識がある程度ですよ・・・
oO(進藤先輩には臣楼先輩に勉強教えてもらってるところ見られてたんだ・・・(XX))
[映子の声がちょっと裏返ったのを見て、ははーん、と顎に手を当てる]
……そうだなぁ。
そういえば、あの仮面野郎とはほとんど接触が出来なくて困っていた所だ。
[いや、今朝も会いましたが]
他の二人はいいから、仮面だけ映子に接触してもらおっかなぁ。
困っている先輩のために!いやーありがとう!映子は良い奴だっ!
[勝手に礼まで言って、追い込んでみる]
[その名を口にだされて、心臓がばくばくいっているのがわかる。]
狽カ、臣楼先輩ですかっ!
優しい先輩だから、頼めばやってくれると思います・・・。
でもっ!先に他の先輩に頼んでダメだったらですよ!
[テンションが上がったり下がったりめまぐるしい。]
一瞬映子ちゃんに「匡ちゃんが誰かと逢い引きしてる所を見かけたよ。スクープ狙ってみたら?」とかメールしてみようかと思ったけど、流石にやめとこう(ぉぃ
[ぇー、と不満げな声を出しながら、めまぐるしく変わる映子の表情を楽しげに眺める]
まぁ、それでいっかぁ。
へー。アイツって優しいんだ。初めて知ったなぁ。
[からかうように尋ねる。]
[ちょっと拗ねた感じになる。]
本当に臣楼先輩と親しくないんですか?
進藤先輩が知らないだけで、とっても優しい先輩です。
[意地になったのもあるが、本心からそう言い切った。]
うん?ほんとほんと。
ていうか、よく考えてみたら下の名前とか知らないし、隣のクラスにいたなぁって程度の認識かな?
[後は、たまに見かけたらなんとなく息の根を止めたくなるだけだ。]
そっか。映子がそう言うなら優しい奴なんだろうな。
覚えておこう。
[そう言って、映子の頭を軽く撫でる]
…ありゃ、そろそろ次の時間始まるな。
教室帰らなくてだいじょぶ?
[アタシはすぐ向かいだけど、と付け加えた]
[そういわれて、休み時間が終わりに近づいているのに気づく。]
なんか興奮しちゃってすいません。
鮫島先輩達がダメだったら連絡ください。
すぐに臣楼先輩にお願いしにいきます。
ではまた。
[ぺこりとお辞儀して自分の教室に向かった。]
投票を委任します。
火田 幸は、臣楼 匡侍 に投票を委任しました。
-2年C組 教室-
[斜め前の席には鈴畑がいる。その前には進藤がいる。教壇や黒板を見ると自然に2人の姿が視界に入る]
(なるほど、あの席並びなら仲が良くなって当然だな。活発な進藤さんと大人しい鈴畑さんで、丁度バランスも取れているように思うし)
(って俺はまた何を考えているんだ。授業に集中しろ俺)
(でも、昨日は驚いたな。)
[誰も居ない静かな剣道場。進藤が何故自分の頭を撫でたのか、まだ理由がよく判らない]
(弁当楽しみだな。鈴畑さんに料理を教わる切欠にしようと思ったのかな? 相手が俺なんかで良かったのかな。女の子が男に弁当つくるのは友達とはまた違う、って言ってたのに、悪いかな? 俺がもう少しウザくなくなれば、大丈夫かな?)
(ウザいと言えば……結構ウザく説教してしまったけど、冴生さんが本当に制服着てきてくれたのは、約束を破らない人だと判って嬉しかった。
制服姿見るの、楽しみだな)
「鮫島君、ぼーっとしてないで教科書の37ページを読んでください」
あっ、は、はい!
[立ち上がる]
かくて三年ぱかりは夢の如くにたちしが、時来れぱ包みても包みがたきは人の好尚なるらむ、余は父の遺言を守り、母の教に従い、人の~童なりなど褒むるが嬉しさに怠らず学ぴし時より...
-通学路-
[今日も元気にチャリンコで登校。持ち主を探し中のぶかぶかジャージを今日も着ている。]
おっはよー
おはー
お昼の放送よろしくねー
[愛想を振りまきながら学園に到着。]
[今日は放送ジャックでスペシャルプログラムをやるので、わくわくどきどき感も朝から最高潮だ。
朝一の授業に出るなんて滅多にないことだがそれも苦にならないくらい。]
よーし
一日がんばろー
(あー、びっくりした。授業に集中せねば)
(そういや、梶原さんが合宿に入ったって噂になっていましたね。彼女、勉強苦手だったのかな。
って、あの鞄じゃ無理もないのか。もう少し親しかったら勉強も見てあげられたかもしれないな……)
[賑やかな飴いっぱいの鞄を思い出す]
(ま、梶原さんは勉強みるより外に遊びに行きたいタイプでしょうけどね)
←「自由でない」が一番苦手なので、しばらくおとなしくしてるって約束するからとにかくいつでも自由に出られるようにしてほしい。
(しかし、中々冴生さん制服姿見せにこないな。この調子なら昼休みかな。
そう言えば今日の昼は、火田先輩のお悩み相談放送があるんだっけ。先輩、俺の手作り弁当希望投稿、読んでくれるかな……て)
しまった!!
[つい声をだし、教師にびっくりされる。いや、消しゴムなくしたみたいですなどと言い繕う]
(うわー。俺、あの投稿メモに名前書いてないや)
[授業中だが、あまり勉強に身が入らない。]
oO(進藤先輩にはああいったけど、臣楼先輩は剣道部の助っ人やってくれるかな・・・?
スポーツとか面倒くさがりそうだし・・・
わたしなんかが頼んでもダメかもしれないな。)
[そんなことを考えていると、突然先生に問題を当てられる。]
・・・すみません・・・わかりません・・・
[さっきの説明をちゃんと聞いていれば出来るはずだぞ。
もっと真面目に授業を聞いてろ。
もう一度説明するから、今度こそちゃんと聞くんだぞ。]
[先生に叱られて、ますます気分が落ち込んでいく。]
[青くなった所で授業終了のチャイムが鳴り休み時間になった]
く。これは放送部に行って、あのメモ探して名前を書いてこなければ!!
[すっくと立ち上がり、部室が連なる建物へ走る]
茶道部、美術部、新聞部、放送部……ここか!
─ 二年A組 ─
……。
[浮田は珍しく考え事をしていた]
(コマしたか、と聞いてきたという事は、雪花ちゃんは隔離されたって事か? それなら今日の冴ちゃんとのデートは一対一で嬉しいんだけど。ただ、隔離されたのなら何故隔離した理由を匡ちゃんが知らないのかが判らん)
[真剣で真面目に考えているが、勉強や人生といったものではなかった]
[休み時間になり、再び梶原を探して2階の廊下をうろうろしはじめる。
相談するならある程度事情を知られている先輩がいいと思ったから。]
飴バイキングも魅力的だし・・・
――廊下――
[保健室に行ってきますと告げ、教室を飛び出した。"授業を抜ける"と言う行為に抵抗があるのは変わらず、匡侍からのメールにも一度は躊躇した]
(でも、もう、嫌だな。限界、かもしれない。あの教室には居たくない)
[切欠は些細な出来事だった。クラスの子が集めて纏めて提出する宿題が、確かに提出した筈なのに隠されている。前にもあった事だった。けれど痛みで涙が頬を伝うのを感じた]
[休み時間になり、浮田は禁煙パイポをくわえて考え事をしながら、何気なく廊下の方を眺めていた。]
ん? 映子ちゃんじゃないか。何やってるんだろ?
[浮田は廊下側の窓から首を出した]
映子ちゃ〜ん。何をやってるの? おれへの取材?
B組を覗くと冴ちゃんの制服姿が見えてしまう(=不在の冴ちゃんに絡みに行かないといけない)ので、首だけ出さざるを得ない。
休み時間にしたら、みるくちゃんの授業エスケープが、が、が・・・
鮫島さんもみゆきさん狙いに動いたみたいだし。
潜ってた方が良かったかな?
でも浮田さんがくるかもしれないので、このまま廊下を彷徨いますか。
−教室−
「死なねぇ!
俺はこの世のイケメンどもに虐げられている全国の哀れな男達の為にも、今死ぬわけにはいかんのだ!
イエ、ベツニオイシイオモイナンテシテマセンヨ?
あ、マジで?んじゃフカヒレかな。
まぁいいや、あんがと。」
[大介にメールを返信する。
そして引き続き動画サイトでも見て暇つぶそうかと考えた時に、ふたたびメールの着信]
(お、朝比奈ちゃんか。
……なんか文面がヤケにストレートだな?)
[用件だけを必死に伝えたような文面。
そこになにか、違和感を感じた。]
「おっけー、どこにいけばいい?」
[浮田から声をかけられて、ペコリとお辞儀する。]
アンケートの回答ありがとうございました。
取材は・・・現在検討中です・・・
[勘違いが判明したので、必要なくなったとは言いづらい。]
実はちょっと相談があって梶原先輩を探しているんです。
でもクラスを知らないし、上級生の教室はやっぱり近づきにくくて・・・
しかし、この学園には色んな部があるんだな。
ここは文化部の部室連。あっちが運動部の部室連。
……部活動か。
前の学校では何もやってなかったけど。
この学園の部活なら、ちょいちょい休んでも大丈夫そうかな。撮影入ると土日空かないからな……
[呟きながら、教室のある棟に戻ってきた]
こうなったら先輩に直接メモのことを伝えるしかないか。
[拒絶されなかった事に安堵と心細さで暫しの間思考が停止していた。サボるという経験があまりない中、前に匡侍と授業を抜けたときのことが頭に浮かんだ]
「図書室とか、どうですか?」
なんだ、おれに用事があったんじゃないのか。残念。
雪花ちゃんはB組だよ。声をかけてみれば? 雪花ちゃんだったら映子ちゃんの声聞いたら秒ですっ飛んで来ると思うよ。それとも俺が声かけようか?
「あいよー、んじゃすぐ行く。」
[メールを返信後、授業をしている教師に向かって挙手。]
すんませんセンセー。
俺の心が走り出せって叫ぶんで早退します。
[それだけ言うと、カバンを持って教室から風のように出て行った。]
-3階廊下-
非常に残念なお知らせですが、俺は先輩のクラスをしりません。
[携帯を取り出しメールを打つ
件名:鮫島翔です
本文:今、どちらにいますか?]
-教室-
[携帯に着信メールが届く。]
ん?かけるちゃん?
どちらにって・・・
あたしが授業に出てないと思われてるかな?
件名:今
本文:ガッコにちゃんと来てるよ。
[送信ボタンぽちっと]
梶原先輩はB組なんですか。
隣の教室だし、自分で頑張ります。
[おずおずと教室の扉をあけ、梶原を目で探すが見つからない。
声をかける勇気を振り絞っているところに、女性から声をかけられる。]
いーやいや、そうじゃなくってー。
[廊下の壁にもたれかかり、再びメールを打つ
件名:今3階に来ています
本文:廊下に居ます。会えませんか?
送信]
[再び翔からのメール着信。]
[廊下の方に首を向けると、ここ数日で見慣れた転校生の姿がガラス越しに見える。]
あら、気づいてないのかしら?
[歩きながらメールを書く。扉から翔を見る。まだ気づいていないようだ。]
件名:かけるちゃんの
本文:目の前にいるよん♪
[送信、と同時に教室の扉を開ける。]
お。
[携帯をじっと眺めていると、すぐに携帯が震えた。慌てて開く]
え? え?!?!
[顔をあげた。そこにはお目当ての女性の笑顔]
うわっ。
――図書室――
[涙を拭った手で図書室のドアに手を掛けた。深呼吸をしてドアを引く]
えっと、こんにちは、先輩。
[匡侍の姿を確認するが、すぐに顔をぱっと伏せてしまい、顔がまともに見れない。後ろ手で扉を閉めながら、唇を噛み締めた]
[しばらく女性と話していたが、がっくりと肩を落として2−Aの前に戻ってきた。]
そんな・・・合宿補習でしばらく登校しないだなんて・・・
[かなりショックだったようだ。]
[後ろから声をかけられ振り返る。
そこには確かに、朝比奈がいた。
確かにいた、だが……]
お、いまきたんだ。
……どうかした?
[泣いてんのか?コレ。]
ちょっと……火田先輩ぃ……。
[情けない表情で、お腹を押さえて笑い捲くる火田の様子を呆然と見る]
そんなに笑わないでくださいよ……。
凄いよみるくちゃん。
悲劇のヒロインがばっちり決まってるよ。
時間帯があっていろいろ話したら、絶対臣楼先輩を取り合うなんて出来なくなるよ。
(まだ知らないので、アタック続けるけど。)
みるくちゃん、がんばって♪
[ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ、という音。]
んー…。
んぁー。
んおぉう。
[目を覚ます。眠い。
ベッドが豪華すぎて、あんまり寝た気がしない。
体を起こすと、ぴぴぴぴ…という音が途切れた。
どういう仕組みかは分からないけど、体を起こすと自動的に目覚ましが止まるようになっているらしい。
落ち着かねー。]
何なんだか、この建物は…。
あ、えっと、な、なんでもないです。
その、ごめんなさい。
急に呼び出したりして。
[誤魔化すように笑ってみせるが、目を上手くあわせられない。そのまま視線を落とし、綺麗にラッピングした包みを差し出した]
あ、これ、クッキーです。
先輩のお口に合うか、わかんないですけど……。
なんか・・・合宿みたいです。
成績の悪いこや出席日数の足りないこの救済措置らしいんですけど・・・
梶原さんは出席が足りないらしいんです。
クラスの人はサボりすぎっていってました・・・
[さっきの授業中のことを思い出す。]
わたし成績悪いから、合宿所呼ばれちゃうかも・・・
でも、そうしたら梶原先輩と会えるのかな?
学年違うと別々だったら嫌だな・・・
[すっかり補習を受けさせられると決め付けている。]
ん、ありがとな。
大丈夫だって、朝比奈ちゃんが焼いてくれて口に合わないとかあるわけないんだから。
……とりあえず端の方いこうか?
あんまり、今顔見られたくないみたいだし。
あぁ〜。そっか。雪花ちゃんよくサボってたしねぇ。
[浮田はぶらぶらさせていたパイポを急にピタッと止めた]
勉強見てあげようか? それとも、相談に乗る方がいいかな? どちらにせよ、おれが力になれるならなんでも言ってよ。映子ちゃんのためなら喜んで骨を折るからさ♪
もう、先輩は笑い上戸すぎます。
[目の前でただ爆笑されるのがこんなに気まずいことだったのかと改めて思う]
え?
保護者ですか?
探していませんでした。
そんなことより、今日の昼休みに先輩がやる放送用に、こないだ入れたメモあったじゃないですか。
あれに、俺名前を書くのを忘れたんですよ。
今からそれに名前を書いてもいいですか?
[HRでの心底驚いたような担任の顔にも少し腹は立ったが、それ以上にその後の雪花の件の話に、それどころではなくなってしまった]
ゆっきーが……俺のゆっきーが……合宿だなんて。
いや、普段の生活見れば納得できるかも知んない。でも、でも、それなら先に匡ちゃんじゃないのか。
あれか、孫の特権か。ずるい。
[匡侍のほうを刺す様に睨んだ。それからの授業は出はしたものの、あまり頭に入っていない。
ショックを受けてるのがありありとわかる表情で、休み時間も寝ずにボーっとすごしていた]
でも、やめさせられたとかじゃねえし。風邪引いたと思えばいいんだよな。うん。
あ、ありがとうございます。
[匡侍のストレートな言葉への照れと、どこか不安にもにたキモチが入り混じった。匡侍の促しに従って端の方へ歩きながら口を開く]
顔見られたくない、とか、じゃないんですけど、先輩の顔みたら、先輩に迷惑かけてしまいそうで……。
[何とか思い直した。そういえば、と思い立つ]
制服、鮫島に見せたら着替えてもいいんじゃねぇ?
と思ったが、残念着替えなんて持ってきてなかった。
ちっ。せっかくだしもったいぶって昼休みまで引きのばそ。
[他の生徒になるべく見られないよう、あまりクラスからは出ないようにした。わざわざ他のクラスから見に来る奴もいて、ノートで作った紙飛行機を飛ばしてやったり]
人を何だと思ってんだ。動物園の猿じゃねーんだぞ。
[昨日ここへ連れてこられて、ひととおり貴林さんに毒舌を吐いたあと。
メイドさんにこの建物の中を案内された。
やたら豪華で、遊びがないわけじゃないんだけど、どこかきっちりしすぎていて、ちょっと気持ち悪かった。
時計を見ると、朝7時。
「もちろん、全て梶原様のお好きになさっていただいて結構なのですが、私どもからは、梶原様が健康で満足に過ごせるような朝からの生活、食事のメニュー、学習の手法などをを提供させていただくこともできます。よろしければ、お試しいただければと思います」と言われ、面白そうだったのでじゃーそれでお願いしますと言ってしまったのだが、この時点で挫折寸前だった。]
あたしがってゆーより
かけるちゃんがおかしすぎると思うの。
[飲む約束がーと一瞬不満顔になるが、すぐに元に戻る。]
えー
名前、べつになくてもお悩みが書いてあればいいよお。
あたしもまだ回収してないし。
だいたい・・・本名書いたら、放送さ・れ・ちゃ・うぞ?
[浮田に協力を申し出られて少し考えてみる。]
そ、相談はやっぱり女の人じゃないと・・・
べ、勉強は・・・
[臣楼が宿題を教えてくれた時のことを思い出す。]
だ、ダメです!そんなことされたら困ります。
[顔がみるみるうちに真っ赤になる。]
ごめんなさい。これで失礼します!
[頭をぺこりとさげた後、脱兎のごとくその場を逃げ出した。]
[端の方の座席を2つ出し、朝比奈を座らせてから正面に自分も座る。]
何言ってんだよ。
先輩なんて普段うざったいだけなんだから、困った時には迷惑かけて頼ってもいいんだよ。
そういうもんじゃね?
少なくとも、俺はそう思ってるけど。
……メールにも書いたとおり、いつ相談してもいいんだぞ。
[な?といって朝比奈の頭を軽く撫でる。]
浮田さんに対してはまだ警戒心あり。
みるくちゃんとの絡みで臣楼さんにいけなくなったら泣きつくので、それまではごめんなさい。
…こんな時間に起きたの、いつぶりだろ。
[頭を掻く。
「こんな時間まで起きてた」ってことの方が多いことだけは間違いない。
ベッドから降りて、伸びをする。]
くぁ、あ、あああああああ。
あー…あーあ。
はぁー。
[息をつく。と、扉をノックする音。]
「梶原様、お早うございます。入ってもよろしいでしょうか?」
[どわっ。
監視でもしてんのか。
…いや、してるかもしれんな。]
-2年C組 教室-
は…?合宿?
[雪花の件は、聞かなくてもクラスメイトの噂話という形で耳に入ってきた。]
あちゃー…。いつからこの学校はそんなに厳しくなったんだ。
[色々と、自分にも思い当たる事が多過ぎて、頭を抱える]
…でも、雪花は、その辺の事は上手く切り抜けてるみたいな話を聞いたような…。
[首を傾げる]
俺、そんなに変な顔してましたか?
まあ、先輩が保護者をちゃんとみつけてくれたら、約束は守りますから安心してください。
……そうか。
校内放送で名前ありで悩みを放送されるほど間抜けなこともないですね。確かに、あれはあのままでいいかもしれません。
先輩、お昼の放送楽しみにしています。頑張ってくださいね。
[納得すると、お辞儀する]
−3-B教室−
[麻宮マキは憔悴し切っていた。
たまにしか聞けない授業は拷問である。
終了を告げるチャイムが鳴ると同時に、教室を飛び出した。]
さすがのあたしもこれはきついな……、ん?
[廊下で見知った二人が楽しそうに会話していた。]
幸姐さん、こんにちは。
翔も、三階にいるとは珍しいな。
[飲もうと言う言葉には苦笑で頷く]
俺は昼は学食に行ってますから、食堂で聞くと思います。周囲の反応も、きっと一緒に報告できますよ。
感想をお知らせしたいから、先輩の空いた時間に電話で俺を呼び出してください。授業中以外で。
(感想を言う以外に、ゆっくり確認することもありますから)
ど、どーぞ。
[昨日用意されていた寝巻きが整っているのを確認して、声をかけた。
…少し声が上ずってしまったが。
すると、メイドさんが静かに扉を開けて入ってきて、深々とお辞儀をした。
昨日と同じ人だ。いつ休んでるんだろう。
確か倉田聡子さん…だっけ。
30代か40代くらいだろうと思うけど、若い。
ありゃかなりケアしてるな。
こういう仕事だからだろうか。
今回、メイドさんを取りまとめる立場らしい。
不手際があれば、私か、全てを取り仕切る貴林にお申し付けくださいとかなんとか。]
[消されていく黒板を眺めながら、ちら、と雪花の席を見た。合宿に行った理由も聞いたけれど、では何故自分じゃなかったんだろうと考える]
わかんねー。成績だって俺のほうが悪いし。授業態度だってあれだし。
ひょっとして打つ手無しとか見捨てられたってことか。
いいけど。
今日の昼何食うかなぁ。
鮫島に珈琲は奢らせるとして。
[お腹がすいてきたらしく、既に気持ちはお昼休み]
あ、麻宮先輩今朝ぶりです。
ちょっと火田先輩に用事があってきたんですよ。
て、随分くたびれた顔してますよ?
今朝は絶好調な感じでしたよね?
何か、あったんですか? また匡ちゃんと戯れたとか?
えっ……?
[慌てて前髪を整え、苦笑いを返す。]
たまの授業ですっかり消耗してしまったようで。
女っぷりの基本を忘れるとは、我ながら情けない……。
翔にも、みっともないところを見せてしまったな。
[マキの情けないという言葉に、]
いつものマキちゃんはびしっと決まってカッコイイけど、
たまにスキがあるのも
可愛いかなーって思っちゃった。
ぐ……。
俺、さらに悩みを投稿しておきますよ。
[再びポケットをさぐる。レシートの裏に悩みを書いて近くの投函箱へ入れる]
麻宮先輩、前髪や疲労している姿程度で、動じる俺ではありませんよ。人間大事なのは心意気、ですよね。
[トン、と自分の胸元を拳で叩く]
っと、そろそろ教室に戻ります。先輩方、また。
[2人にお辞儀をすると、自分の教室へ]
[“可愛い”という幸の言葉に一瞬目を丸くした。
しかし、すぐにいつもの表情に戻る。]
ふふ、そんなことを言ってくれるのは、幸姐さんくらいですよ。
[痩せ型ってわけではなくて、背も高くない人なんだけど、やたら手際がよくて、風呂入りたいなと思うと「用意が出来ております」、着替えたいなと思うと「用意が出来ております」、お腹すいたなと思うと「用意が出来ております」、退屈だなと思うと「ビデオゲームがご趣味と伺っておりますので、ヒット作を中心に各種取り揃えさせていただきました」だった。
動き方がすごく静かで、うしろで髪を少し編んでまとめているのだが、その髪がぱたぱたと動くことが決してない。その髪も艶やかに見えた。
決して美人というわけではないのだろうが、その身のこなしだけで優雅に見えた。勝てる気がしない。
圧倒されるままに、そわそわと何百チャンネルもある大きなTVを消して、ベッドに入ることになった。
ベッドメイクは完璧で、それも少し落ち着かなかった。貴林さんの性格と苦労もうかがわれるようだった。]
くーん。
[浮田は映子の行動について色々考えていたが、]
まぁいいや。
[考えるのを止めた]
あ、そうだ。雪花ちゃんがいないと冴ちゃんが寂しくしてるかな。ちょっと顔出して元気づけてやるか。
[浮田はB組の出入り口に向かった]
[ふと昨日の放送を思い出した]
悩み相談か。柄じゃねーが出してみるかな。
[机の中からノートを取り出す。3教科分くらいの授業内容が書かれたノートの、最後のページを破って、何事か書き始める]
よし。
後で出しにいこ。
[丁寧に折り曲げて、スカートのポケットへと突っ込んだ]
─ 二年B組前廊下 ─
[浮田は窓に組んだ腕を載せて、B組をじろじろと見回した]
あれ? 冴ちゃんどこだ?
[私服姿を探していたようだ]
[匡侍の優しい言葉に顔をあげると、抑えていた涙がぼろぼろと溢れ出した]
先輩……。
匡侍先輩は、どうして、私なんかにこんなに優しくしてくれるんですか?
[次の教科の教科書を出したところで、視界の隅に大介の姿を見た]
……なんかいるな。振り向くな俺。
奴はターゲットを探している。俺は今迷彩服を着ている。
今なら普通の女子高生として隠れてられるはずだ。
つーかなに言われるかわかんねーし。
私なんか、他の先輩みたいに可愛くも美人でもなんでもないし、とりえもないし、性格が良いわけでも無いです。
人望もないし、家も普通だし。
先輩に優しくしてもらえる要素なんて何一つ持ってないのに、どうして、どうしてこんなに優しくしてくれるんですか?
[階段を降りてC組へ戻る。教室に入ると、進藤と鈴畑の姿が見えた]
よし、進藤さんさっきB組に行ってたみたいだし。ちょっと冴行さんのこと、聞いてみるか。
[2人の席に近寄る]
翔の悩みですか、ちょっと興味がありますね。
あたしには真面目な堅物にしか見えませんが、本当に手が早いんですか?
大介も「翔ちゃんはおれを妬んでるだけですよ」なんて言ってましたが、どうもぴんと来ないんですよね。
鉄仮面は……、方々からダメ出しされてます。
あたしは気に入ってるんですが。
最近、学び舎では被らないようにしてるんですよ。
「お早うございます。よくお休みいただけましたでしょうか?」
[にっこり。
うーん、なんて爽やかなスマイル。]
そこそこです。
ちょっとだけ、ベッドに慣れなかったけど。
すぐ慣れます。
「これは、申し訳ございません。よろしければ、梶原様が普段お使いのベッドやお布団の特徴を知らせていただければ、それに近いものをこちらで準備させていただきますが、いかがいたしましょうか」
…いや、いーですよ。
私、地面の上でも寝れるんで。
ちょ……だから泣くのは駄目だって!
[突然泣き出した朝比奈に慌てふためく。]
ん、だって俺は女の子には優しい。可愛い女の子には超優しい臣楼匡侍だし。
だから朝比奈ちゃんにすげーやさしいのは当然で、そんな子が辛そうに泣くのを我慢しているってのは放って置けないわけだ。
[そういって冗談めかして笑うと、涙で濡れている頬を撫でる。]
頬、大丈夫?
[そこは、昨日彼女が叩かれた場所だった。]
かけるちゃん?
もしかしたらあたしにだけなのかな?
さっきも、
授業中以外で電話してって言われたよ。
[鉄仮面を被らないように、の言葉に慌ててフォロー。]
あたしは、鉄仮面のマキちゃん好きだよ
ほらリアルTVヒーローみたいで感動ってか
話さえすればマキちゃんの人柄わかるから、
そういうのわかんない他の人、ちょっともったいないかなって
翔るんがあずさんのような気がする。
じゃー大介誰だ!
カンドリさんじゃないのか!
あれ。俺はひょっとして大介に行こうとしてるのだろうか。
ゆっきー萌えるんだけど。
萌えるんだけど。
流香たんの中では友達以上恋人未満な感じ
匡ちゃんについては遊び道具みたいな。
恋愛感情じゃないよね
匡侍先輩……。
[冗談めかして笑う匡侍に吊られて少しだけ笑った]
やっぱり困らせちゃいましたね。ごめんなさい。
それと、ありがとうございます。
「本当に申し訳ございません。洗顔なのですが、昨日説明させていただきましたシャワー室に、朝に用いる各種洗顔料、ケア用品、化粧品等をご用意させていただいております。メイクは、専門の者がおりますので、私どもでさせていただくこともできますが…」
いや、その。
普段からそんなに凝った化粧してないんで…。
[そんな気使ってたら、夜更かしとかしてないし。]
そう言ってくれるのも、幸姐さんだけですよ。
[しかし、嬉しそうに微笑む麻宮マキ。]
それにしても、……ふふ。
翔の奴、年上はどうのとか言っておきながら、ちゃっかり姐さんにアプローチしてたんですね。
もっと肩の力を抜いて、素直になればいいのに。
鮫島 翔は、四時限目開始のチャイムに、慌てて自席に戻る。 ( B74 )
― 2-C・昼休み ―
[1時間目が始まる前にユーリから昨日の重箱を返してもらったのだが、その時彼女が何か言いたげだったのがとても気になっていた。
いつもは『うまい!』とか『ありがと!』とか、竹を割ったような言葉が出てくるのだが…。]
ユーリちゃん何かあった??
昨日のおべんとは、ユーリちゃんの好みじゃなかったかなあ…。
[今日のお弁当箱を鞄から出しながら訊いてみる。]
そ、やっぱ笑ってなきゃなー。
楽しんでこその人生だぞ。
[ほんの少し笑った朝比奈をみて、自分も微笑む]
ん、……やっぱ濡れてた時、ちょっと不自然だったからさ。
気になって……ね?
[言外に、もう知っていると濁す。]
[そして四時限目終了。少しドキドキしながら席を立つ]
よし。冴生さんに会いに行きますか。
[誘おうと進藤と鈴畑に視線を送るが、2人は気付かず談笑している]
ま、後から合流してもらえばいいかな。
[取り敢えず先に冴生のところに、声をかけに行くことにした]
[授業開始のチャイムが鳴る。先生の驚く顔を見るのも何度目だろうと思いながら、教科書を開いた]
やべえ。腹はなるし眠気MAXだしでこの授業もたねぇなこりゃ……。
[宣言どおり、その10分後には夢の世界に入っていった]
-2年B組 教室前-
[予想通り、いや予想以上に、冴生の制服姿は噂になっているようで、遠巻きに人だかりが出来ているのがなんとも言いがたい。人だかりを掻き分けて冴生に近寄る]
冴生さん、一緒に食堂行きましょう。
約束通り、ご馳走しますよ。
[周囲の人だかりがざわめく]
やっと昼か。今日の午前中は長かったぜ。
ゆっきーもいないし。俺の癒しはここにはねぇ。
[大きく伸びをする。短い丈のセーラー服から、引き締まった臍周りが見えた]
あー。制服だとこの辺も気をつけなきゃならんのか。めんどくせー。
[立ち上がると、携帯と財布だけもって食堂へ行こうとドアの方へ向かう]
へ?
[突然の花音の問いかけに、返答につまる]
いや、すごい美味しかった!…というか、感動した。
[なんとなく、花音の手を握ってじーっと見つめる]
…アタシとおんなじ手かなぁ。
[ふー、と溜息]
……知ってたんですね。
それでも私に、こうやって接してくれてたんですね、先輩。
[匡侍の言葉が信じられないかのように、確認するように呟いた]
よう鮫島。わざわざ迎えに来てくれたのか。
[ざわめく周りは意に介さず]
お、ご馳走してくれんのか。珈琲だけかと思ってたんだが、ラッキー。んじゃいくか。
[出来ればクラスから出て行きたい。とはいえ食堂でも似たようなことになるのはわかってはいたのだが、鳴る腹優先だった]
[怪訝そうな花音の顔を見て、慌てて手を離す]
いや、その、どーもしないけどっ!
………。
[しばらく間を空けてから、ぼそりと呟く]
今度、アタシに料理……教えてくれないかなぁ。
[言ってから、羞恥のあまり顔を机の上に伏せる]
今朝、幸姐さんが“翔は手が早い”と言っていたことを伝えたら、“先輩に手をだすなんてそんなめっそうもありませんよ!!”なんて必死に訴えていたんですよ。
今考えると、それも姐さんを意識してるからこその過剰反応かもしれませんね。
ふふ、ほぐすとか、あたしはそういうのに向いてるとは思えませんから、姐さんのような柔らかさのある方にお任せしますよ。
昼休み屋上にて
[屋上へと続く扉には、先日の謎の破損の後、立ち入り禁止の札が仰々しく下げられている。
映子はなぜかそこにやってきた。]
この扉やっぱり凹んだせいでカギが閉まらなくなってる。
失敗した卵焼きだけのお弁当を食べるのは人目につかない場所の方がいいからね。
[誰かに説明しているかのような独り言であった。]
ええ、いいですよ。
正直こんな騒ぎになるなんて、予想していませんでしたから。
[流石に、1日羞恥プレイ状態の冴生が気の毒になり、定食も奢る決意をした]
じゃあ行きましょう。定食に珈琲つけてもらって構いませんから。
[先に立って教室を出る。人ごみを抜けた瞬間大介と遭遇した]
あれ、大介君じゃないですか。どうしたんです?
[少し倉田さんが目を見開く。
しかし、すぐに元の表情に戻った。]
「それは勿体ない、お綺麗ですのに。
…いえ、出すぎたことでした。
申し訳ありません。
着替え、それから靴ですが、梶原様の体格に合うと思われる範囲で、各種サイズを、ある程度の種類ですが、準備させていただきました。お時間をいただけるならば、梶原様のご注文と体のサイズに合わせ改めて作らせていただきたいと思うのですが…体のサイズを測らせていただいてもよろしいでしょうか?」
い、いえ、その、いーです。
そこまでしていただくわけには。
ユーリちゃんが…りょうり……。
[ほわんとした顔でユーリの言葉を反芻し、ぱっと顔を輝かせた。]
ユーリちゃんが料理って、なんか嬉しい〜!
わたしが作れるものなら何でも教えるよ〜!
何か作りたいものとかある??
どうしたんですかって、人だかりが出来てるから様子見しに来たんだよ。なんなんだ、これっ──
──あれ?
[浮田は見慣れぬ物を見てきょとんとしている]
ん?知ったからって避けなきゃいけない理由なんかないだろ?
[なんでそれが関係あるんだ?と尋ねる。]
そっか。楽しそうだったか。
なー朝比奈ちゃん。
我慢ばっかしてちゃな、楽しくなんてできねーぞ?
[顔を覗き込む。]
感情ってのはな、我慢するもんじゃないんだよ。
しんどいときは弱音吐きゃいいし、悲しいときは泣けばいい。
んで、それでも辛いときは大声で助けてくれっていえばいいと思うんだわ。
それすらできねーとさ、楽しいときに笑えなくなっちまうぞ?
だからさ。
[話してくれね?と問い掛ける。]
[しっしっと手で人垣を払う。まるで連れてこられた野良猫状態]
まーものめずらしいのなんて最初だけだけどなぁ。
俺だって少しは考えちゃいるんだぜ。卒業式はどうしたって制服じゃねーとまずいだろうし。
それまで一回も着ないんじゃ、サイズだって合うのかわかんないしさー。
と。
[教室を出て、大介がいるのに気づく。うわ、と思って顔を隠した]
(今日はさえちゃんが制服着てるのも可愛かったし、なんだかいつもと違う日かもー!)
[花音はうきうきしている。]
ユーリちゃん、放課後に家庭科室で何か作ってみる?
あっ、後でさえちゃんの写メも欲しいー!
い、いや、そういう意味で言ったわけじゃないんですが……。
翔は無理に自分を律して、模範的であろうとしている感じがしませんか?
あたしたちと同じ年代なら、もう少し気楽に余分を楽しんでもいいような気がするんです。
ひょっとして、奴には何か人に言えない、もしくは自分でも自覚していないような心の枷があるんじゃないかと。
あたしがそういう話をすると、相手が構えてしまうので、幸姐さんのような物腰の方にお任せした方がいいと思って……。
[そうそう、だから今日から制服を着続けた方がいいですよ、なんて言いながら大介の反応を見た]
なんなんだっ……てなんですか。
[大介の反応を不思議そうに眺めた後、背後の冴生を振り返り……顔を覆う姿にきょとんとする]
2人とも、どうした……
(まさか……この2人既に怪しい関係とかですかっ?!?!)
えーーーと…。
[はしゃぎだす花音を尻目に、作れない料理が多過ぎて何から言えばいいのかわからない。]
そうだなぁ…まずは…からあげ、とか?
[とりあえず、自分の好物を言ってみる]
あ、流香の写真か。おけおけ。どさくさに紛れて携帯でも撮ったのがあったはず。
「いえ。私どもの都合でご迷惑をおかけしているのですから、当然のことです。他にも何かご不満があれば、いつでも申しつけていただきたいと思います。
この後、この建物の、トレーニングルームの使い方を案内させていただきます。ご用意が出来ましたら、お声掛けください。すぐにご利用になられるなら、トレーニングウェアも用意しておりますので、そちらに着替えていただくとよいかと思います。トレーナーの経験がある者がおりますので、梶原様のご希望に合ったメニューを用意出来ると思います。
また、何かご不明な点、お困りの点などございましたら、いつでもお呼びください」
[再びお辞儀をして、静かに退室していく。
扉が閉まる時、ほとんど音がしない。
足音も聴こえてこない。
訪れた静寂。
それに耐えられなくなって、TVをつける。]
ユーリちゃんからあげ大好きだもんね♪
おうちの晩ご飯でも作れるようになったらいいよね♪
[ユーリが弁当を作ろうとしているとは、微塵も思っていなかった。]
[映子は屋上の残状をみて、卵焼きを食べるどころではなくなった。]
こ、これはどうみても何か恐ろしいものが戦った後・・・
やっぱり何かの陰謀が進んでいるのかな?
勿体無いとかなんだ!
だから見られたくなかったんだよな、大介には。
ある意味匡ちゃんの反応の方がよかったぜ。
[握られた手を払う]
しゃーねぇな、どうせ一日だ。得と見やがれ。
[観念して開き直った]
って鮫島、変な想像してねぇだろうな?
放課後?なんかえらく話が早いな…。
というか、楽しそうだなおい…。
[言いながら、携帯を取り出し、花音のアドレスに流香の写真を添付して送信]
…まぁ、花音の都合の良い時に、よろしく頼む…。うん。
え……。
でも、みんなは。みんなは……。
[下唇をぎゅっと噛んで、その先を止めていたが、それを匡侍の言葉に解かされるように再び唇を開いた]
中等部一年の時に、クラスで、私じゃない女の子が仲間外れにあっているみたいな事があって。いじめとか、そういうんじゃ、なかったんですけど、私はクラス委員だったから、止めなきゃ、って、思ったんです。
上手くやれば良かったのに、すごく大事にしちゃったせいで、その仲間外れにされてた子は何も言わなくなっちゃって、それで――。
それから今日まで、ずっと。
……きっと私にはこのままずっと友達なんて出来ないんだろうなって。
折角誰かと仲良くし掛けても、根も葉もない私の噂はいっぱいあるから、みんな離れていっちゃう。
迷惑もかけたくなくて、それで。
[膝のスカートの上、握りしめた両手に視線を落として、つらそうに目を閉じた]
[お馴染みの朝の番組が、そこに映っている。
お天気キャスターを呼ぶ、アナウンサーの声。
聴き慣れた耳心地のいい声が、これは現実なのだと穏やかに知らせてくる。]
…なんちゅー環境だ。
人間ダメになる。
やりすぎだ、匡ちゃん、貴林さん。
[息を吐く。]
ま、慣れれば、割と楽しいのかもしれないけどね…。
なんかのアトラクションみたいで。
[化粧品を物色。
こんなの見たことねーぞ。]
まあ、冴生さん落ち着いてください。お腹が減ってはイライラしますし、まずは食堂で飯でも食いましょう。
大介君も一緒に来てください。ぶっちゃけあなたのことは監視しなければと、常々思っていたのですよ。
だいたい、大介君を監視しようと思っていたら、鉄球で脅されたりしたんですよ。本当に大介君は……
[ぶつくさ言いながら歩き出し、食堂に2人を促す]
変な想像はしていませんよ。今のは無かったことにしておきたい妄想です。
んー
[マキの言葉に、ちょっとだけ納得しない感じで。]
かっちこちに固いと思うけど、そんな無理にって感じには、あたしには思えないかな。
人それぞれっていうか
あれがかけるちゃんの性分っていうか
知り合ったばかりだから、あたしもそんなにわかって言ってるわけじゃないけどね。
真面目に授業に出るのは、いいと思うよ。
ほら、マキちゃんだって、
お仕事の時は今みたいな顔してないでしょ?
[なんだか上手く説明できなくてもどかしい。]
大丈夫だ、落ち着いてる。もう今日姿を見られてまずそうなやつもいないしな。
飯でも食えば落ち着くだろうし。
大介を監視?
[翔の言葉に首を傾げ、食堂へ向かって歩く]
鉄球で脅されるとか、どんなんだよ。つーか大介ってそんなやばい奴と関わりあったんか。
さえちゃんがいるから騒がしいのかな〜。
だってすっごい可愛かったもんね。みんな見ちゃうよね。
じゃあ、さえちゃん誘ってご飯たべよっか?
[お弁当の包みを持つと、ユーリの後について人だかりの方へと向かった。]
[しばらく屋上の傷跡を調べていたが、おなかの虫がなった。]
そういえば、朝食食べてなかった・・・
失敗した卵焼きでもないよりはましだね。
[あちこち壊れた屋上で失敗した卵焼きをひとりで食べる映子の姿は、さぞかしわびしく見えただろう。]
鉄球ってもしや麻宮さん? そりゃ、あれだ。相手が悪い。おれのせいじゃない。てかさ、おれを本気で監視する気だったのかよ、翔ちゃんは。
麻宮さんはヤバいっていうか……、まぁヤバいか、ある意味。でも根は良い姉さんだよ。鉄仮面さえかぶってなければ見た目もまともだし。
[浮田も食堂に向かって歩き出した]
[匡侍は静かに朝比奈の言葉を聞いていた。
そして、彼女の小さな手がスカートの上で握りしめられるのを見て、頭を優しく撫でる。]
…それで。
[静かに、口を開く。]
聞かせてくれるか?
――俺に、どうしてほしい?
なるほど……、あたしが任務に向かっている時と同じテンションで、翔は学び舎にいるということですか。
さすが幸姐さん、人を見る目があたしなんかとは違いますね。
やはり姐さんはあたしの憧れですよ。
[その時、授業開始のチャイムが鳴った。
周囲の生徒たちも慌しく教室に入っていく。]
昨日詳しく聞きそびれた昔の話とか、後学のためにも今度聞かせてくださいね。
では、また。
[幸に頭を下げて、再び教室に*駆け込んだ*]
今日の定食シリーズは一体なんでしょうね。
ええ、もちろん大介君を監視するつもりでしたよ。
麻宮先輩も、俺がいかに大介君思いかを理解して大絶賛してくれていましたからね。
最終的には、大介君を監視する俺を応援さえしてくれましたよ。
[大はったりかましながら食堂へ。大介の反応に、ちょっと眉をあげる]
ふーん。
大介君、もしかして、麻宮先輩には一目おいてる、とかですか?
[思いもよらない匡侍の言葉に、言葉が続かず、少しの間沈黙が図書室に流れた]
贅沢は言わないので、
……嫌わないで、避けないで下さい。
辛いとき、こうやって喋る人が欲しいんです。
頼れる人が、信じられる人が、ずっと、欲しくて……。
まぁ一目置いてるね。鉄球がなけりゃ。
おれを恐怖させた女性は後にも先にも麻宮さんだけだ。
[浮田は真顔を言ったあと、流香の呟きにげっそりした顔をした]
お願いだから違う所を見習ってよ。
冴生さん。学校に物騒なものを持ってきてはダメですよ。
[見習いたいという言葉は聞き逃さない。そうこうしているうちに食堂につく]
冴生さん、もしかしたら、あとから進藤さんと鈴畑さんが合流するかもしれませんから、6人掛けの席を取っておいて貰えませんか?
俺は飯買ってきます。定食、どれがいいですか?
A定がわかさぎのてんぷら
B定がわかさぎフライ
C定がわかさぎの掻き揚げ
……だそうです。
[遠い目になる]
違うところって何だよ。まさか女らしいところなんていわないよな。あ、ひょっとして鉄仮面か?
俺もさすがにそこは見習いたくないんだけど。
[食堂に到着すると、翔に言われて頷く]
窓際がいいよなぁ。
って今日の定食わかさぎシリーズかよ。肉がよかった。
んーじゃあAで。わかさぎ以外にも何か揚げてあるだろ。
[教室に戻るマキに手を振る。]
えっと
昔の話・・・・あれ飲まなきゃぜったい話せないから!
マキちゃんでも!
話したいって気持ちになったら、言っちゃうかもしれないけどさ、
あまり聞いて面白い話じゃないよー
[マキが去って、自らも授業に向かう。どこのクラスに混じるかは適当に。]
さあ次の授業が終わったら一大イベントだーっ
[幸はわくわくどきどきを抑えきれずにどこへか歩いていっ*た*]
なんだ、贅沢いってくれてもよかったのに。
[おどけた感じで笑う。
さっきまでの真剣さが嘘の様だ。]
そんなんでいいならいくらでも一緒にいるぞ?
朝比奈ちゃんを嫌うなんて俺には無理だからな。
ま、俺はそのつもりだったから今更言うことじゃないんだけど…。
――今日から友達な?
[ま、先輩後輩で友達ってのもなんか変だけど。と、そういって優しく笑った。]
[食堂のおばちゃんの心底驚いた顔を忘れない。
窓際まで行くと、6人がけのテーブルの椅子の一つへ腰を降ろす]
やっぱり足元がなぁ。ロングなら多少は我慢できんだけど。せめてゆっきーに見せたかった。
メールもとどかねぇみたいだし。つまんね。
いや、そっちの気がないならいいよ。忘れてくれ。
サドっ気? あぁ翔ちゃん可愛い顔してSなんだ。冴ちゃんこいつSなんだって。気を付けた方がいいよ〜。おれはSでもMでもないから関係ないねっ。
鉄仮面は見習わなくていいよ!! そんなのより毎日その制服姿が見たいな。こんなに見合うとは思ってなかった。不覚。
-食堂-
[さっそく流香の姿を探す。軽いざわめきが起こっている所に目を向ければ、すぐに見つける事ができた。花音に手招きしつつ、 流香の元へ]
やっほー♪お姫様!
すっかり注目の的だねぇ♪
[めっちゃ良い笑顔]
冴生さんはA定食ですね。では、ちょっと待っててください。
[ノリノリで冴生に話しかけている大介のわき腹を肘で突付く]
ほら、飯買いに行きますよ。
投票を委任します。
鈴畑 花音は、臣楼 匡侍 に投票を委任しました。
毎日は無理だ。俺が衰弱する。
って進藤! お前、さっきの写真誰かにやってないだろうな? てか誰がお姫様だ。
鈴畑も。
面白がってるだけの癖しやがって……っ
そりゃな。
珍しがられるのは初日だけ、とは思う。とは思うが、やっぱ俺に制服は無理だ。
足回りが特に。男子の制服なら着てもいーけど。
さえちゃんならきっと、男の子の制服も似合うよね。
カッコよさそう〜。
でも、今の服もすっごく似合ってるし、すっごく可愛いよ?
[流香に向かって微笑んだ。]
胸がちくりと痛んだ。
わかってる。
贅沢なんていわない。言っちゃいけないんだって、知ってるから。
でもどうしてだろう。
胸が痛い。
なあ、大介君。
例のあれ。本当にやってるんですか?
梶原さんの合宿って、匡ちゃんのあれ?
大介君、梶原さんを、その、なんだ。
[カウンターに並びながら小声でもそもそ話す]
[匡侍のおどけた感じと、そしてその後に紡がれた言葉に笑顔が戻った]
ありがとうございます!
なんだか、夢見たい。
とっても嬉しくて。
鈴畑、そう思う?
[男子の制服も似合うといわれて、にっこりと笑った]
女子の制服って何でこうひらひらしてんだろうな。俺にはわからん。
[ユーリのぼそりと零した言葉に、きっとそちらを見る]
し・ん・ど・う!?
データ流したって誰にだ!
わ、わたしー。
[流香に向かって少し申し訳なさそうに手を挙げてみせる。]
ユーリちゃんから写真もらっちゃった。
やっぱり、だめだったかな…?
まぁまぁ、お姫様。
可愛いものや綺麗なものは、みんなで共有したいじゃないか。
独り占めはいかんよね、うん。
というわけで、流香の可愛い笑顔がみたいなぁ。
[にっこり]
あのなー。
[ため息をつき、朝比奈に軽くデコピンをする。]
ダチがダチであることにお礼なんかいってんじゃねーよ。
水臭いったらありゃしねぇ。
ほれ、どうせお礼だったら手作りの美味しいクッキーなんかどうなんだ?
[んー?と腕をくんで尋ねる。]
おれは何もしてねぇよ!! 翔ちゃんじゃなかったの? 匡ちゃんがおれじゃなければ翔ちゃんだろって言ってたけど。
なんだか謎が多いな。どうなってんだか。
[花音がデータを貰ったと知って、ほっとしたような顔になる]
鈴畑なら、いーや。
つーか進藤、そのお姫様ってのはやめてくれよな。
可愛い笑顔とか。鈴畑なら見せてもいいけど、進藤にはなぁ。
もったいねぇ。
俺が女の子コマすわけないじゃないですか人聞き悪いですね。
おばちゃーん。A定2つと珈琲1つといちごみるく2つとアイスティ1つー!!
……てことは、もしや本当に強化合宿制度が、この学園にあったってことですか。
良かった〜
でも、ほんとにイヤだったらちゃんと言ってね?
[翔と大介はカウンターで定食を注文しながら密談をしている。
二人がなかなか戻らないので、花音はいくらか気分が楽になっていた。]
じゃあ、おべんと食べよー。
今日もちょっと多めに作ってきたんだよ♪
はうっ
[デコピンされた場所を押さえて、吃驚した顔で匡侍を見上げた。匡侍の表情を見て、残っていた翳りが完全に消える]
……はいっ。
さっき渡したクッキー、三回くらい焼き直したんです。美味しく出来てると良いんですけど。
先輩、他には何か食べたいお菓子とかありますか?
おねぇさ〜ん、いつものやつ!
ホントか〜? ホントにホントか〜? やましい隠し事とか全くないか〜? ドキッとかズキッとかポワーンとかしてないか〜? 嘘吐く子はいね゛が〜?
それか、したいこと、とか。
私、匡侍先輩の為に出来る事があったら何でもしたいんです。
いっぱい、助けてもらいましたから。
だから他にも、何か、ないですか?
翔ちゃんって極端な話、男女七歳にして席を同じゅうせずってタイプ? だとしたら化石だね、そりゃ。
恋はもっと大らかに、そしてもっと激しく。生まれたからにはそうでなきゃ。命短し恋せよ乙女♪ 若さ短し恋せよおのこ♪
ん、それじゃ遠慮なく。
[クッキーを一つ口の中へといれる。]
おー、おいしいじゃん。
って三回も?そこまで気合い入れなくても…。
食べたい奴なぁ…そりゃもう朝比奈ちゃんの手作りなら何でも文句なし……って
[突然身を乗り出してきた朝比奈に驚くと共に緊張する。
なにせ、とにかく近い。]
し、したいこと……?
[一瞬、頭の中をナニカがよぎる。]
い、いや!ないぞ!
うん、ほんとなにもない!
[花音からミートボールをもらって、おいしそうに食べる]
うめぇ。
鈴畑、いい奥さんになれるな。
[席に戻ってきた二人を見上げる]
さっきから何喧嘩してんだ? つーかじゃれてた?
もし俺がそういうタイプだったとしても……
男とは同席できますよ?
[携帯を構える大介の隙をついて、笑いつつ思い切り大介に顔を接近させた]
なんて。
冴生さんお待たせしました。
うにゃっ!
[目の前に出されたいちごみるくに、思わず声を上げる。
駄菓子菓子。
弁当もまだ作ってきていないのに、もらってしまっていいのだろうか。
複雑な顔で、鮫島を見上げた]
ん?
進藤さんも、良ければ混ざりませんか?
[そう言いつつ手近な席に座る]
さ、食べましょうか。
冴生さん。約束を果たしてくれて有難う。
正直言って、とても良く似合っていますよ。
制服は、着慣れればとても便利だと思います。服に個性が出せないからこそ、内面の個性がとてもよく透けて見える気がするんです。
お、さんきゅ、鮫島。悪いな、珈琲だけの約束が定食まで。
いっただきます、と。
[両手を合わせてから食べ始める]
大介は、そんなに撮りたきゃ後で撮ればいいじゃん。
家に帰るのめんどくせーし。見られるのも慣れたから、今日の放課後はこの格好で行ってやるよ。
約束? なんだ、冴ちゃんが今日珍しく制服着てるのは翔ちゃんのせいなのかよ。何をやったんだほら白状しなさい♪
あっ、笑ったな! 笑った! ちくしょう絶対写してやるからな。冴ちゃんの制服姿はおれのもんだ!!
進藤さん……
[上目遣いに、どうしようもなく笑いが耐えられない]
なんですか、そ、その、子猫みたいな目は……
まったく、どうしてそんな表情するんですか。別にマテとかしていませんから、どうぞお飲み下さい。
う、うー…。
じゃあもらうよっ!
[ストローをぷすっと刺して、ちゅーっ。ほんにゃり]
…ありがとー。…がんばるよ。
[…おべんと、と、ごく小さく*呟いた]
……やっぱやめるかな…。
[少し思い直した]
鮫島、そうは言ってもこの着慣れなさだけはどうにもなんねーよ。スカートとかひらひらだし。
で、しょこたんって何だ?
いやあ。冴生さんがどれだけ制服を着て居なかったのか、実際のところが良く判りました。
この定食は、今後も制服を着てくると言う、俺との約束の意味もこめてご馳走しています。
[定食に口をつけたのを充分に見計らってから、にっこり]
聞いてねーよ。鮫島。つーかどういうこと。
いやもう食べちまったから完食すっけどさ。
[止めた箸を又動かして、ナスのてんぷらを一つつまんだ]
[いちごみるくを飲む進藤を、微笑んで見る]
(お弁当……頑張るって今、いいました?)
[聞きたいけれど声にだして聞くのは憚られそうな気がし、不思議な気持ちで進藤に微笑んだ]
冴ちゃん、翔ちゃんの事がひどい奴だなぁと思ったら、遠慮せずに「しょこたーん!」って言ってやればいいよ。きっと嫌がるから♪ くすす。
楽しみにしてるから思い直すのはよしてね。おれからのお願い。
わ、本当ですか! よかったっ。
先輩に喜んで欲しくて、ちょっと、頑張っちゃいました。
[匡侍が食べるのを不安そうに見ていたが、感想が聞けるとほっと笑う]
[何処となく口篭ったように聞こえる匡侍に疑問を持ち、真っ直ぐに見つめた]
私、確かにその、頼りないかもしれませんけど、
でも、頑張りますから、先輩がしたいこと、私に何かさせてください。
聞いてないよといわれても。
言ってませんから仕方が無いです。
俺は、期待してますよ。
[不服そうな冴生に笑顔を崩さず楽しげに言う]
大介君。冴生さんと俺は契約をしたんですよ。だから冴生さんは制服を着てきてくれたんです。
それより放課後ってなんですか。大介君まさか、冴生さんを誑しこもうとしていますね!!
[わかさぎのてんぷらを食べながら、大介と翔を見比べて]
ふーん。しょこたんねぇ。鮫島の弱点なのは把握した。
まー気が向いたら制服で来るけどさ。
今日貰った小遣いも多目だったし。
でも大介が楽しみにしてるからってのはあんまり理由にならねぇな。まーいーけど。
いやその、頼りないとかそういう問題じゃなくてだな!
てか頑張られたら嬉しいけど体がもた…って違!
[なんだこの状況!?]
つーか近い!近いって!
お前はもう少し警戒心を持て!
鮫島、それはぶっちしても問題ない契約だと思うんだ。
[ひどくまじめな顔で翔を見た]
あ、放課後は本とはゆっきーと三人だったんだけどさ。ゆっきーが合宿に拉致られたらしいから、大介と二人になっちまってな…正直なんでデートみたいなことしてんだろうと不思議に思ってんだ。
体が? え?
[良く解らず、頭の中にはてなマークが浮かんだまま小首を傾げた。親しい知人が姉を含め女性の身内が多いため、距離が"近い"と言う感覚が無い]
警戒心、って? 何のお話、ですか?
放課後に喫茶店に誘っただけだけど。そんなのまで不純異性交遊だのなんだの言うんならアナクロ頭って渾名を付けちゃうよ♪
あ! そうかそうかわかったわかった、気が回らなくてごめんごめん。いま翔ちゃん変な想像したのか。あはは。おれもそんな所までいきなり行かないから心配しなくていいよ。けらけら。
……あのな?
俺は男で、朝比奈ちゃんは女の子。
友達とはいえ、そこらへんの距離は考えようなってこと。オーケー?
今この時に俺の理性がふっとんだらどうするよってか現在進行形でセーフティーロックに指がかかってるから少し離れてくれ!!
ぶっちしていただいても、もちろん構いませんよ。俺にそんな強制力は、そもそもありませんから。
ただ、俺のなかでどれほど大きな失望を抱えることになるかは、先にお伝えしておきますよ。
[首を左右に振る]
……。
(なんで変な妄想したの、ばれたんだろ?)
き、喫茶店で健康的にお喋りして、明るいうちにちゃんと、家に送り届けるんですよね。そ、それなら聞かなかったことにしてあげますよ。
(俺、最近妙な妄想癖ついたかな)
[トレーニングルームには様々な器具があり、そこそこ楽しかったが、別に体を鍛えたいわけでもないので、適当に流して部屋に戻ってきた。
これまでに見たところ、脱出できそうな場所はない。
おそらく窓はほとんどが塞がれている。
トレーニングルームの高い天井には天窓があったし、中庭のようなものもあると聞いているが、風をいっぱいに感じられるというほどのものではないようだ。
風に当たるのが好きなので、これには参った。]
[数秒の沈黙の後、背もたれにもたれかかるように距離を慌てて取った。意味がわかった瞬間、頬が赤く染まる]
あ、え、えっと、その……っ、ごめんなさい、私、こういうことになれてなくてっ!
え、えっと、わ、私っ。
鮫島の信頼なんぞ別にほしいわけじゃねぇしな。
制服の利点は毎日着るものに困らない、くらいだと思うんだ。
失望されると珈琲を奢ってもらうことはなくなるわけだよな。
[数秒の内に色々考えた]
ま、考慮しとく。
と、待て。大介、遅くなりそうだったらって、喫茶店しかいかねーぞ? 制服でどこ連れ回されんだよ、怖えぇな。
[まぁ、「窓は塞いであるんですね」と言ったら、また倉田さんに「申し訳ございません。空調を完璧に整え、不快さを取り除く最大限の努力をさせていただきます」と頭を下げられて、何も言えなくなったのだが。
貴林さんも何やら忙しそうにしていた。
毒舌を吐く暇もない。
…他の完璧さに比べ、窓の塞ぎ方は、頑丈で、不自然でない程度にカモフラージュされてはいるものの、普通にしていても違和感を感じられる程度のものだ。
突貫工事だったのかもしれない。
この建物は、本来こういう目的に使われるのではなく、ごく普通の宿泊用の施設だったのだろう。]
あー……助かった。
[残念そうにみえるのは気のせいです。]
あーいや、とりあえず落ち着け。
てかまぁ、そういうわけだから今後気をつけようなー?
無意識でも相手が暴走して襲われたらいやだろ?
[出入口、あるいは搬入口に通じていると思われる通路には、必ず誰かがいて、やんわりとこの先には進まないように、と通告される。
…しっかりと準備をして、本気で逃げようとすれば、本気で止められることはないだろう。
血でも見たら、多分匡ちゃんは怒るしね。
けど、ちょっと外へ出たいなーと思い立って、外へ出られるという雰囲気でもない。]
は、はい……。
あ、別に、匡侍先輩が嫌だってわけじゃないですっ、むしろ、えっと、匡侍先輩なら、その……、って、あ、あれ、私、何言ってるんだろうっ。
あ、あの、わ、忘れてくださいっ!!!
ご、ごめんなさいっ!!
だから。
何でそんなデートコースみたいなんだよ。プリクラとかねぇし。一人で撮っとけ?
カラオケもなぁ。そこは譲歩してもいい。でも夜の公園散歩は却下だな。つか、昼間に散歩でいーじゃん。
夜の公園とか、色々叫び声を上げたくなりそうで嫌なんだよ。
[定食を食べ終わってから、珈琲を飲む。カップに口をつけたまま、上目遣いに大介を睨んだ]
(振り回されてる気がすんな……うまく口車に乗せられてる気がするぜ)
匡ちゃんは、一体、何をやってるんだか。
[呟く。
なんか面白いことではあるんだろうけど…。
…まぁ、いいか。しばらくは、匡ちゃんの遊びに、付き合うとしよう。あの大がかりなモニタールームも、そのためのものなはずだ。]
[しかし、そうなると。]
退屈じゃのう。
[自室で暇を持て余す。
件のモニタールームで普段は見られない私のいない学校の様子でも見ようかと思った…
が、その前にと思い立って、扉を開ける。
すると、少し離れたところに立っていたメイドさんがこちらに気付き、顔を上げる。]
……いや、マジ落ち着け。
[頭に軽くチョップ。]
嫌じゃないとかそういう危険な発言すんなー!
お前はその発言がどれほど破壊力をもってんのかわかってんのか!?
[ガーッと吠える]
お前、純粋純情な紳士である俺だから我慢したが、普通ならここで押し倒されとるぞ!?
考えてから喋れ!
[……恐らく自分も考えてない。]
夜に奇声上げたらおれがはなはだ困る未来が見えていやだ。絶対痴漢に間違えられる。そして冴ちゃんも否定しない未来が見える。うわぁぁあっぁあぁ! 夜の公園は止めよう。そうしよう。
[浮田は流香に睨まれて首を傾げた]
めいどさんめいどさん。
お名前なんてーの?
[私に与えられた部屋のある、このあたりを時折巡回していて、水やなんかも運んできてくれるメイドさんは、20代後半くらいの女性だ。
結構きれーな人で、生活の疲れを感じさせない。プロだからなのか、実際そうなのかは分からないけど。
監視や護衛も兼ねているのだろう、倉田さんとは違い、静かでゆっくりした動きではあるが、優雅さより、しなやかな強さが見える。
髪も短めで、きびきびした印象がある。]
「はい、私は高坂桜と申します。」
[何やら作業をしていた手を止めて、こちらを向いて答えてくれる。]
さくらさんかー。
きれーな名前ですね!
[にこー。
笑うと、さくらさんの顔もちょっとほころんだ。
やわらかい笑顔。
皆が貴林さんみたいってわけでもないんだなぁ。
そりゃそうだろうけど。]
ご、ごめんなさい……。
私、ちょっと気が動転してたんですっ。
[恥ずかしさと気まずさで目が泳ぎ、少し考えた後に微笑んで匡侍を見上げた]
でも、ありがとうございます。
[怒っていたはずなのに、その笑顔でどうでもよくなった。]
ん、その笑顔に免じて許す。
そういや、このクッキーのお礼、なにかしないとな。
にひー。
飴食べます?
飴。
[鞄は手元に残っている。
開けるともちろん、飴のワンダーランド。]
「いえ、お客様にそのような…」
カタいこと言いねい。
食べたいか食べたくないかでゆーと、どっちですか?
ん? 大丈夫だ。痴漢にあった女性のような叫び声じゃねぇから。
んでも、公園やめてもらえるなら助かるな。
[首をかしげた大介に舌を出す]
そもそもなんで放課後誘われたんだっけか。
[一番最初の疑問にたどり着くと、暫し*考え始めた*]
「食べたくない、というわけではないのですが、私は梶原様に快適に過ごしていただけるよう万全を期すのが仕事でございますので、気を抜くわけには…」
あ、困ってます?
うーん、残念…。
[溜息。
それを見て、さくらさんが少し慌てる。]
「も、申し訳ありません…」
[きゅーん。
真面目な人にちらっと見える隙って、なんでこんなにかわいいんだろう。]
私、匡侍先輩は、やっぱり素敵な人だなって、思いました。
気をつけますね。
["お礼"と言う言葉に驚き、首をぶんぶんと横に振った]
クッキーが先輩に対する色々なお礼なんですから!
そのクッキーにお礼を貰うなんて、とんでもないです。
いやー、これならお釣りきちゃうし。
あ、それじゃお礼は俺自身とか?
[なんてなー。と冗談をいう。]
っと、もうそろそろ授業おわっちまうな。
大丈夫か?
[顔が緩む。
さくらさんもそれを見て、少しほっとした表情になる。
うーむ、女の人を困らせてしまった。
そんなつもりはなかったんだけど。
反省。]
-放送部-
[お昼のチャイムと同時に、放送部に駆け込む。
持ってきた投稿箱を開けて中の紙をまとめる。]
[放送部の面々には昨日の反抗とは裏腹に、幸が来ると笑顔で迎え入れられた。
なんだかんだ言ってもノリ重視。面白いイベントが好きなのだ。]
[学内には急遽準備された告知が貼り出され、放送室には”ようこそ!”の垂れ幕。幸のためにふかっふかの座布団付き椅子と飲み物も用意されている。
さすがにアルコールではなかったのだが。]
-放送ジャック中-
学生諸君!
青春してるかー!
先生諸君!
子作りしてるかー!
[いきなり前置きもなく大声で叫ぶ。学内のスピーカーから幸の声が大音量で流れる。]
さて、
今日のお昼の放送だけど、いつもの内容を変更してスペシャルプログラムをやるよー。
昨日の放送を聞いてくれた人はもうわかってるはずだけど、もう一度言おう。
みんな、素敵な恋してるかーっ!
そう
片想いでもらぶらぶでも、恋しちゃってるそうそこのあなたの
悩みにあたしがぜーんぶ答えちゃう。
そんな企画。
題して、「恋愛デスマッチ イン ザ 臣楼学園」
[昨日と明らかにタイトルが変わっている。幸の言葉と同時にロッキーのテーマ曲が流れ出す。]
それでは選手の、入場っ!
赤ッコーナー、
155センチ200ポンドォーーーーーー
プロメーテウスみゆーーーーーーーーーーーーーーーーっき
[いたずらっぽく舌を出して笑う。既にドーパミン全開。そしてテーマ音楽を止めて叫びから一転落ち着いた口調に戻る。]
なんちゃってー
男子も女子も先生方も用務員さんも薄毛の教頭も変態仮面もぜーんぶまとめて悩み解決すっきりー
ってしちゃう恋愛相談をやっちゃうよ。
ほらチャンピオンベルトとか争ってないし。
箱の中には、
おおー
投稿いっぱいありがとねー
放送だから見えないけど片手でもちきれないほどの紙の束だよ!
みんな大好きー。
そんなわけで、パーソナリティは3年の火田みゆき、協力は放送部の皆さんでお送りしまっす。
短い時間だけどおつきあいよろしくっ。
じゃあスターット!
じゃじゃーん
記念すべきいっぱつめのお悩みちゃん。
らじおねーむは、『通りすがりのイケメン男子』ちゃん
おおー自称イケメンやるねー。イケメン男子にもお悩みがあるんだー。どきどきするね。
お悩みっ『みゆきさんが大好きなんですが、全く相手にされていません。どうすればいいでしょうか?』
ラジオの前のみゆきちゃんー。イケメン男子ちゃんが好きだって言ってるよ。
あたしもみゆきだけど。
そだなあ
この場合は、そのみゆきちゃんにイケメン男子ちゃんの本当の想いが伝わってないかもしれないね!
少しずつじっくり気持ちを伝えよう。
冗談は控えめにしたほうがいいかなー。
せっかちさんは強引にいっちゃいがちだけど、相手に気付かせてあれっと思わせればチャンスありー。
もしもイケメン男子ちゃんに、俺イケメンだからって気持ちがあるんだとしたら、それは勘違いよー。
女子が惹かれるのはそこじゃないから気をつけてねっ。
がむっばれ!
次!
らじおねーむ『王子志望』ちゃん
お悩み
『せんぱいの放送の影響を受けてマイケルの真似してたらおんなのこに目撃されてしまいました。
恥ずかしさを和らげるにはどうしたらいいでしょうか。』
ぶっ
それあたしも見たかったー
王子志望ちゃんもしかして、そのおんなのこが好きなんじゃない?
だいじょうぶ
恥ずかしさなんて笑ってればどーにかなるよ
マイケルの真似をするような楽しい王子志望ちゃんのことを、
そのこもきっと好きになってくれるから心配いらないってー
ふたりで踊り狂えっ
らじおねーむは、あら書いてないや。『ななしっこ』ちゃんって呼ぶね。
お悩み
『毎日学食は虚しいです。
手作り弁当が食べたいのですが、どうすればいいでしょうか。』
学食は、おーいしいよ?
って悩みはそこじゃないのね。
ななしっこちゃんには、おべんと作ってくれる人がいないのかな?
おかあさーん、お弁当が食べたいって正直に気持ちを伝えよう!てれるなてれるな。
自分で作るって方法もあるよねー。
家庭科室の料理上手なお嬢さんに弟子入りして教えてもらっちゃうのはどうかなー?
頑張ってみてね
らじおねーむは、『○ッポの手先』ちゃん
お悩みは、『安西先生、恋がしたいです。』
ありゃっ、これあたしへの相談じゃないや。
安西せんせーーー、○ッポの手先ちゃんに答えてあげてね。
だいじょうぶ
○ッポの手先ちゃんはその気持ちを持ち続ければ、
ちゃんと素敵な恋できるからー。
諦めたらそこで試合終了・・・ですでーす!
自信もってー
らじおねーむは、『さめじ・・・』
あっ、ごめーん
だめだよ個人的なお手紙を投稿しちゃ
思わず読んじゃうとこだった。
みんなも気をつけようー。
ほら
一度公共放送されちゃったら回収不可能だからね
ぷらいばしーを守って楽しんで
気を取り直して
らじおねーむ『とーます。』ちゃん
お悩み
『最近、どうも命を狙われているんですが。
俺がこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?』
とーますちゃんは最近いいことがあったんだねー。
命を狙われるほどのことってどんな?
うらやましーぞちきしょーういうい。
ヒーローにピンチはつきもの。
ピンチを乗り越えてこそヒーローは本物のヒーローになるのだ。
そだなあ
まずは山籠りして秘密の特訓、そこから始めたらいいよ。
スーパーとーますちゃんに変身して美少女げっとだー。
期待してるね。
らじおねーむ『悩み王子』ちゃん
お悩み
『女性は真面目で堅い男が苦手なのでしょうか?
教えてください。』
うわ真面目なお悩みだー。答えてきとーだったらごめんね。
そうだなあ
一般的な女の子の感覚で言うと、
度を越した真面目さの男子は苦手なひと多そうだなあ。
ほら
女子は知らない世界に憧れるっていうかこー自分が綺麗なうちにやりたいこといっぱいありすぎるんだ。
要するに優先順位のちがいってやつかなー
でもね、
女子にいやな顔されても真面目でお堅いのは、悩み王子ちゃんの美点だからめげちゃだめよー。
ちゃんと認めてくれるひとも必ずどこかにいるからね!
らじおねーむ『修行中』ちゃん
お悩み
『なかなかおんなのこになれません。
かわいくなるにはどうしたらいいでしょう。
パーソナリティさんみたく。』
んふ
かわいらしいお悩みね
えっと焦る必要ないよー
ひとそれぞれだからね
修業中ちゃんは周りと比べて自分はって思ってるみたいだけど、
時間が経ったらちゃんとおんなのこになれるからね。
いまでも、きっと、修業中ちゃん自身が気づいてないだけで、きっとかわいいんだろうなあ。
でれでれ
あたしとデートしようよー
らじおねーむ『仮面2号』ちゃん
うわー仮面!しかも2号!
お悩み
『大好きな子がいなくなってしまいました。これから何を楽しみに学校に来ればいいのか教えてください。』
悲しいよね。苦しいよね。
大好きな子も仮面2号ちゃんと離れたくなかったと思うなー。
そゆときは、ガッコに来なくてもいいって言っちゃいたくなっちゃう。
でも
大好きな子と一緒にいないときの仮面2号ちゃんも、仮面2号ちゃんだからね。
仮面2号ちゃんらしくしてなかったら、その子もがっかりするだろうし、前を向いて乗り越えなくっちゃ。
だいじょーぶよ
大好きな子とまた会えるときもあるからさ、真っ直ぐに生きろー!
さて
放送時間ももうそろそろいっぱいいっぱい。
まだまだ読み切れないほどの投稿ありがとうねー。
読めなかった人ほんとごめん。
その他の回答については、ブログに後日掲載するね。
この時間で、本当に
いろんな悩みがあるもんだなーって
改めて思っちゃった。
みんなのお力になれたら、なれるであろうことをお祈りしつつ、
お別れだよ。
今日限りのスペシャルプログラムだったけどみんな楽しんでくれたかな?
それじゃまた、
いつかどこかでお会いしましょー
最後まで聞いてくれてありがと。
お相手は、火田みゆき、でしたぁ。
ごきげんよおお
[マイクをOFF。にっこり頷いて両手でピースサイン。そのまま周りの放送部員に要求されるまま記念撮影タイムに。]
-食堂-
[突然の放送ジャックに、飲んでいたいちごみるくを吹いた]
???
[傍らの花音に聞くと、どうも昨日の時点で同じような事があったらしい。]
……さすが、幸ねーさん。
[ぽかんとしつつ、どうにも笑いが込み上げる]
ふぇ?
[突然始まった火田の放送にちょっとドッキリした。]
そういえば、昨日もお昼休みに火田先輩の声を聞いたような・・・
昨日は夢中だったからわからなかったのかな?
[卵焼きを食べながら放送を聴いている。
さっきまでのわびしさが嘘のようになくなっていく。]
みんな悩んでるんだよね。
わたしも火田先輩に応援してもらいたかったな・・・
[昨日気づかなかったのを残念がる。]
早く火田先輩みたいな大人になりたいな・・・
[それは悩みではなく、目標や憧れであった。]
― 学食・昼休み ―
最初にハチミツを塗ると美味しいんだよ〜
それでね、カンタンに作るんだったらビニール袋に調味料と鶏を入れてぎゅぎゅってしてね、一晩冷蔵庫に入れたら味がよ〜くしみこむの〜!
[どこかいつもと様子の違うユーリに、唐揚げのレシピについて語っていた。
が、意識の片隅が、少しだけ隣に向いている。
放課後…喫茶店――中学生くらいの頃に、女の子の友達の間で流行った少女漫画を思い出した。]
(女ったらし、かあ……)
わっ!ちょ、花音、声が大き……
[唐揚げのレシピを喋りだす花音に少し慌てながら、スピーカーから流れる放送に意識が取られる。]
……弁当って流行ってるのかな。
(鮫島と似たような悩みを持ってる奴がいたもんだ…。)
[むぅ、と唸り、テーブルの上に額をこつんと付ける。そのまましばらくじっとしていたが、思い立ったように立ち上がる。]
…ごめん花音。
ちょっと用事思い出したから、先に教室帰るな。
[他の面子にも軽く手を振り、食堂を後にした]
-食堂-
[予定通り、火田の賑やかな声が食堂にも響き渡る。知らなかったらしい進藤が驚いているのを横目に、内容に耳を傾けた]
(通りがかりのイケメン男子って……おまえかっ)
[嬉しそうに冴生の横に座って談笑する大介を、ジロリと睨んだ]
(王子志望ちゃんが真似したのって。what'sマイケルかな……)
[それは猫です]
(ハムカツサンドとコーラは一昨日の晩飯ですよ! って俺のか。まあ俺はあれを投稿した時の俺じゃない。今は弁当のアテがあるんだ!)
[晴れやかな顔で進藤にチラっと視線をおくる]
−食堂−
[一人静かにカレーライスを食べていた麻宮マキ。
突然響く幸の声を楽しそうに聞いている。]
ふふ、幸姐さん、絶好調だな。
“諦めたらそこで試合終了”、か……。
いい言葉だ。
-2年C組-
[まだ昼休み中のためか、教室にいる人数もまばらだ。自分の席の、机の脇にかけてあったバックを肩にかけると、教室の扉を開ける。]
……。
[そこでしばらく固まっていたが、大きな溜息をひとつ吐くと、階下に向かった]
(あれ? 進藤さんどうしたんだろ。机に突っ伏したりして具合が悪いのかな?
個人的な手紙を火田先輩に出したやつもいるのか。火田先輩は色気があってモテそうですからね。)
(なんだろう、このモヤモヤ感)
(……前の学校ではよく、「鮫島君なんて知らないっ!!」 とか、「何よイケメンだからって格好つけちゃってさっ」とか、「……厳しいのね鮫島君。私には無理だわ。」 とか、散々な言われようだったからな。後はいきなり泣かれちゃって俺悪者、とかそんなのばかり。真面目なのを認めてくれる女の子なんて、いるのかな……)
-剣道場-
[いつものように床に正座すると、神棚に向かってゆっくりと一礼。そのままの姿勢でしばらく動かないでいた。]
…うー…。
[低く唸ると、そのまま床にごろりと寝転がる。そのままの姿勢で傍らに置いたバックから、チェックの布の包みを取り出す]
……いや、無理。これは渡せん…。
[包みの中の惨状を思い出すと、思わず手がぷるぷると震えてしまう。]
ああ、浮田さんの悪戯か・・・
鮫島さん名の投稿。
敵に塩を送ってる?
暇でそんなことを確認。
鮫島さんにホモ疑惑解いておきますか?といおうと思ったけど、ユーリさんの動きが読めないので様子見継続中。
[大介の呟きが耳に入る]
それが俺一人だけならそりゃ俺だって考えなくもないけどさ。
大介の場合そうじゃないもんなー。
[前髪に隠れた表情は少し照れたように映るかもしれない。
不意に空間を破って始まった放送に顔をあげた]
みゆき先輩。
おにぎりって…難しいんだなぁ…。
[自分で作るまでは、単に米を握った料理だと思っていたが、かなり奥が深い。強く握ると米がつぶれてガチガチになってしまうし、かといって柔らかく握ると、手に持っただけでぽろりと崩れてしまう。
ふぅ、と息を吐いて包みを胸元にそっと抱き、そのまま目をつぶった]
今日は臣楼さんいないみたいだし、浮田さんは流香さんと放課後デート、鮫島さんは多分ユーリさんといい感じ。
うーん・・・動きようがありません!
みるくちゃんと交流して地雷を踏むくらいでしょうか・・・?
― 食堂・昼休み ―
あ、うん。
いってらっしゃい〜
[突然席を立ち食堂を出て行ったユーリを、慌てて見送った。]
(やっぱり今日のユーリちゃん、何だか変かも。
どうしちゃったんだろ…。)
[それは置いておくとして、問題がもうひとつ。]
(お弁当、また余っちゃった……。)
[花音は、悩ましげな顔でえびシューマイをつついている。]
ねえ、鈴畑さん。……進藤さんって具合でも悪いのでしょうか?
[今の様子、みましたでしょ? とひとつ向こうの席に座る鈴畑に声をかける]
今日、ずっとあんな感じ?
何か言ってましたか?
えっ、あ、はい!
[慌てて背筋を伸ばす。]
えっと……うん、何も言われてはないんですけど…。
なんだか、ちょっといつもと違うみたい…。
[最後に、聞こえないような小声で呟いた。]
…急に料理とか言ってたし…。
いつもと違う。そうですよね。
転校生の俺でも、何だか様子がおかしいと感じるくらいですからね。
[鈴畑がもごもご言ってる様子を見る]
心当たりでもあるのでしょうか。
2人は仲がいいみたいですから……。
でも、鈴畑さんも何だか元気がないですよ。何か困ったことがあるのなら、俺が力になれそうなことなら。
火田先輩のようには、いかないでしょうけど。
[放送が終わるのを聞いて、くすりと笑う]
困ったこと……。
[まさか当の翔に『男の子が苦手で困っている』とは言えない。]
ううん! ないよ!
わたしは困ってることとかないと思う〜
[花音は、胸の内を誤魔化すように曖昧に笑った]
そうですか。なら良かった。
[最初から少しおどおどしている鈴畑を、そういう性格なのだろうと思って見ているため、取り繕うような返事も普通に聞き流す]
鈴畑さんは、きちんとしてて真面目ですからきっと、何かを悩む必要もないのでしょうね。
男の俺では判らないことも色々あると思うので、進藤さんの力になってあげてくださいね。
一ヶ月くらい前から、箱やらラッピングやら材料やら買い揃えて、前日に寝る間も惜しんで台所をめちゃくちゃにしてチョコ作ったのはいいが、当日に勇気が出なくて渡せなくって、最終的には自分で食べるというむなしさw
うん。
ユーリちゃんが元気ないと心配だから、悩みがあったら聞いてみますね〜
(悩み…悩みかあ。わたしにもないわけじゃないけどなぁ…。)
(なんだか浮かない顔していますね……)
きちんとした鈴畑さんも、恋の悩みとかなら出来るのかもしれませんね。
そういうときは進藤さんに相談したりして。仲良しっていいですよね。
俺なんか、変態仮面とか介駒氏とかですよ。悩みがあっても最も相談しちゃいけない類の奴らですねきっと。
[目の前で相変わらず冴生と仲良く話し込んでいる男を見て笑う]
[カレーを食べ終えた麻宮マキは、食堂で見知った顔を見つけた。
食器類を片付け、そちらに歩み寄る。]
今日はよく会うな、翔。
そっちは花音、だったか。
ユーリちゃんとは仲良しだけど、恋の悩みなんて相談したことないし、されたこともないですよ〜
[恋をしたことがないので、当然ではあるのだが。]
うん。でも、相談するならやっぱりユーリちゃんなんだろうなぁ。
(ところで、すけこま…さん? って誰だろう?)
[花音は不思議そうな顔で翔を見た。]
ああ、麻宮先輩、さっき振りです。今日はこれで三度目ですね。
[麻宮が鈴畑の横に座るのを眺める。先ほどまで進藤が座っていた席で、鮫島と鈴畑の間に当たる]
ま、相談するほどの悩みなんて、無いにこしたことがないですよ。
……どうしました?
[不思議そうな視線に首をかしげた]
[翔に聞き返されてぱっと顔を逸らした。]
あ、いえ、大したことじゃないんです…。
(同じ学校の人だとしても、男子だったらほとんど知らないし、さえじまくんにはそんなお友達もいるってことよね…)
[自分のすぐ近くの席で流香へ親しげに話しかけている大介が、かの“介駒氏”であるなどとは、微塵も考えていなかった。]
ん?どうした、二人して……。
ひょっとして、あたしはお邪魔だったかな?ふふ。
[生真面目そうな二人をからかうように、そう言った。]
[楽しそうなマキの言葉に、ぶんぶんと手を振った。]
…ち、違いますよ〜!
先輩ったら何言ってるんですかっ
あ、そだ。今日もおやつあるんですよ♪
今日はクッキーではないんですけど〜。
[話を逸らそうと、弁当箱を入れていたミニバッグから可愛らしいプリント入りの包みを取り出す。]
季節外れですけど、シュトーレンを作ったんです〜
ドライフルーツがお嫌いでなければどうぞ♪
[花音は、個別にラッピングしたシュトーレンをマキに手渡した。]
そう、ですか。
鈴畑さんは大人しいから、あまりしつこく聞き返すのも申し訳ないですが……
あまり遠慮や我慢はしないでくださいね。
もしかして、以前俺が他の人に厳しいことを言ったから、怖がらせてしまっているかもしれませんけど……。
[苦笑する。前の学校でもこのテの子は、注意をする機会もない割りに、周囲の噂で勝手に怖がる傾向大だった]
[マキの方に向いてケーキを手渡すと、翔とも目が合ってしまう。
少しの逡巡ののち、]
えっと、さえじまくんも、食べますか?
[おそるおそる、お菓子の包みを差し出してみた。]
麻宮先輩、そんなこと思ってないくせに。
[面白がる麻宮の笑みをみて軽く肩をあげた]
やっぱり、麻宮先輩も甘いものとかお菓子とか、好きなんですか?
なんか意外ですよね。
(さえちゃんは、多分このお菓子好きなんだよね…。
でも、さえちゃんに渡して浮田くんに渡さなかったらこの中で一人だけあげてないことになっちゃうし〜…。)
[花音は、話し込んでいる二人の邪魔にならないように、お菓子の包みをこっそりふたつ置いてみた。]
え?
[自分にも勧められると思ってなかった。予想外の言葉に少し間が空く]
あ、有難う。でもそれ、進藤さんの分とかではないんですか?
あげる人が決まっているものだったら、気を使わなくていいですから。気遣いさせてしまって、すみません。
(怯えさせちゃってるかな。すごく気を使われているかな。なんだか申し訳ないな。俺そんなに怖くてウザいのだろうか。いや……まいった)
ふふ、冗談だ。
翔はともかく、花音には。
[微笑みながら、花音から包みを受け取る。
可愛らしい包みをほどくと、香ばしい穀物とバターの香りが漂った。]
ほう、これも美味しそうだ。
花音は本当に料理が上手なのだな。
……うん、美味しい。
[一口食べて、翔の問いに答える。]
意外とは失礼な奴だな。
あたしだって女なんだぞ。
花音や姐さんのような女っぷりは、残念ながら持っていないがな、ふふ。
を、いつの間にかすけこまさんが戻ってきておる。
しかし私はちと離席したい…w
そろそろタイムリミットなんだよなー(飲み会的な意味で ←
考えてくれるの? 本当に? 考える候補になったってだけで元気百倍だよ。イェ〜イ♪
[浮田は右手で軽くガッツポーズ]
って、うわっ。みゆきさんか。そういえば今日やるって言ってたっけ。
[浮田は上を見上げて、しばらく放送を聞いていたが、「鮫島翔」というラジオネームで書いた投稿が読まれなかったのを聞いて舌打ちした]
ちぇ。全校放送で名前言っちゃえば面白かったのに。
[翔の言葉に、逆に恐縮してしまう。]
ううん、とっても日持ちするお菓子だから、ユーリちゃんの分以外にもたくさん作ってあるんです。
…でも、男の子はやっぱり甘いお菓子とかって、あんまり好きじゃないですよね…。
[花音は、中途半端に翔に差し出してしまったお菓子を、やっぱり引っ込めるべきか*悩んでいる*]
あっ。これお菓子? リンちゃんが作ったのかな? ありがとう!!
[浮田は花音ににっこり微笑むと、さっそく包みを開けて食べ始めた]
ともかくって……
[失礼だと言われると、姿勢を正す]
すみません。そういうつもりではなくて、ただ何となく甘いものが好きな女子特有の、甘えん坊な雰囲気が麻宮先輩にはないなとか何とか……
でも、麻宮先輩の凛としたところには、女っぷりは共存しなくていいと思いますよ。
あ、それと俺、鮫島ですから。さ・め・じ・ま。
(毎日出欠確認で名前呼ばれているのにな……まさか、耳に名前拒否られてるのだろうか)
[こちらにお菓子を差し出したまま俯く鈴畑に、どうしていいか判らなくなった]
ご、ごめん。えっと、その……
進藤さん、探して呼んでこようか?
[慌てて席を立つと、食堂を*後にした*]
あたしだって甘えさせてくれる相手がいれば、甘えるかもしれないぞ?ふふ。
まあ、褒め言葉として受け取っておこう。
ありがとうな。
……ん、どうした?
[突然席を立った翔と、困った顔の花音を、交互に見た。
そしてそばにいる大介たちに気付く。]
なんだ、大介たちもいたのか。
流香が雪花じゃなくて大介と二人とは、意外な組み合わせだな。
よく雪花が許したものだ。
考えるってだけだけどな。
[傍目には仲良く見えるのだろうかと思いながら、やってきたマキ
ちらと見た]
(あれは…鉄仮面)
[こっそり欲しいと思っているのは、誰にも言っていない]
お、鈴畑ありがと。大介にはやらなくていいのに。後で何か言い寄られたって知らねぇぞ。
[翔が席を立つのを見送る。進藤が気になるんだろうかなどと思いながら、コーヒーを飲みほした]
俺だってゆっきーが傍にいないのは寂しいけどな。拉致られたらしいから仕方ねーよ。
それに、もともと大介はおまけで付いてきただけであって、鮫島に誘われて食堂に来たんだけどなー。
[じろりと大介を睨んだ]
[流香の制服姿を見て、ふむ、とあごに手を当てた。]
ほほう、これは……、なかなか。
うん、似合ってるぞ、流香。
[うんうん、と頷く。
雪花の消息を聞いて、ぞっとした。]
勉強合宿、か。
なんとも嫌な響きだ……。
あっ、さえ…さめじまくん、いってらっしゃい!
[慌てて翔を見送った。
名前を覚えられないのは彼だけが特別というわけではなく、男子生徒に関するやり取りを総スルーしていただけだったのだが。
そして、流香の言葉を聞いて、大介の方を不思議そうに見た。]
…言い寄ら……?
[花音にとっては、あまり馴染みのない言葉だったようだ。]
麻宮先輩にまで似合ってるとか言われると、なんつーか、世界が俺をはめてるようなそんな気がしてきた。
つーかさ。珍しいだけだって。
[でも悪い気はしないらしい]
リンちゃん、言い寄るっていうのは、楽しい会話を始める事だよ♪
はめてる? いやいや、世界中が冴ちゃんを罠にかけようとしても、おれだけは冴ちゃんの味方をするよ。うん、まぁ、珍しいのはあるかも。
翔に誘われて……?
[ほう、と唸り声ひとつ。
そして大介の問いに答えた。]
ああ、勉強自体が嫌いだったわけじゃないんだが。
今は任務もあってあまり授業に出られないからな。
……大介、マジめげないのな。
それにさ、おまけだってもらえりゃうれしいもんだろ。んな悪いもんでもないって。
でもなー。大介を本命だと言ってくれる女の子だっているくせに、おまけ扱いしてる俺にくっついてんのがわからん。
嫌いじゃねぇけど。
嫌いだったら誘われてもいかねーし。
デレる気がないのがどうしましょう
でもまずいことにうっきー相手で固まってきてしまった
ゆっきーが最初の墓なのがあれだよ。
[浮田はポケットからポケット国語辞典とマジックペンを取り出すと、マジックペンで「めげる」という項目を塗りつぶした]
おれを本命視してくれる女の子ねぇ。例えば冴ちゃんとか?
[浮田はすました顔で言った]
任務って例のバイトですか。いつも大変そうですねぇ。
かけるんが行ってしまった…w
すまんかけるん。
私はキミとの会話の修復よりも、目の前の飲み会を選んでしまったんだ…><(何
楽しい会話、かぁ…。
(楽しい会話。ユーリちゃんや他のお友達とはいつも楽しいのに。
どうしてわたしは、男の子とはちゃんとお話できないのかなぁ…)
[誰にともなく独りごちた。]
何で俺が大介を本命視するんだよ。
なんつかすげー自信たっぷりだよな。
[叩く気もなくして呆れたように見る]
おれは可愛い子には惚れるかもしれないが、すかした男には惚れる予定がないんだ。
[真顔]
ありがとう鈴畑。俺も鈴畑のこと好きだよ。
大介には言ってやらんけど。
[花音の真似をする大介をじろ、と見て]
と、午後は移動教室だったなー。そろそろ教室もどんねーと。
[立ち上がる]
じゃ、俺先に教室戻るわー。
[そう言って教室のほうへと*戻って行った*]
さて、あたしもそろそろ教室に戻るかな。
[流香を見送り、麻宮マキも立ち上がった。
もう一度花音の頭を撫で、続けて花音の前髪を整える。]
……これでよし、と。
おやつご馳走様、美味しかったぞ。
それじゃあ、二人ともまたな。
[麻宮マキは教室に*戻った*]
[花音は、気が付くと大介と二人きりになっていたことに驚いた。]
わ、わたしもそろそろ教室に戻らなきゃ…!
[がたん、と派手な音を立てて立ち上がり、ぱたぱたと弁当の包みを片付ける。
一度はそのまま立ち去ろうとしたが、]
あ…あの、これ。
さえじまくんの分だったけど…良かったらうちだくんにあげる!
[ずっと手に持っていたシュトーレンを大介に手渡した。]
じゃあね!
-保健室-
すみませーん。
[中に入ると保険の先生が出迎える]
うちのクラスの進藤さん、ここに来てませんか?
「いや、今は珍しく誰もいないぞ」
あ……そうでしたか。わかりました。
[お辞儀をして保健室を後にする]
進藤さん、本当にどこ行ったんでしょう。
教室かな?
-2年C組 教室-
……あれ、いないですね。
[進藤の席は空いている。五時限目の開始も近かったためそのまま自席に座る]
保健室でもない、教室でもない……。
いったい、どこに行ったのでしょうか。
もしや、早退したとか?
-剣道場-
[チャイムの音に、目を覚ます。あのままいつの間にか眠ってしまったらしい。硬い床の上に寝たせいか、全身が痛む。]
…あいたた。
[ゆっくりと身を起こして時計を見ると、どうやら5時限目が始まったようだ。]
あちゃ…。
[結局進藤は戻ってこなかった。
そのまま五時限目が終わり、休み時間になる。屋上や図書室、家庭科室を覗きに行くが進藤の姿は見えない]
あ、もしや……。
[心にとある場所が浮かんだ]
どうしよっかな…。
[ふと、雪花の件を思い出す。]
…アタシもたぶん合宿所候補だよなぁ。
[成績や出席日数の事を考えると、今すぐにでも教室に戻るべきだろう。だけど、なんとなく今は動き出す気力が無い。]
もうちょっとだけ…。
[再び床に寝転んだ]
どうしよっかな…。
[ふと、雪花の件を思い出す。]
…アタシもたぶん合宿所候補だよなぁ。
[成績や出席日数の事を考えると、今すぐにでも教室に戻るべきだろう。だけど、なんとなく今は動き出す気力が無い。]
もうちょっとだけ…。
[再び床に寝転んだ]
-剣道場-
[休み時間の各種道場は静かだ。体育の授業が終わった生徒たちがまばらに通り過ぎる以外に人影も無い]
……進藤さん、居ますか?
[そっと音を立てずに剣道場の扉を開ける。
寝そべっている人の姿が視界に飛び込む。心臓が飛び跳ね慌てて駆け寄った]
進藤さん? 進藤さん?
[突然慌しい足音がして、びっくりして身を起こす]
……鮫じ…
[相手が誰だかわかった瞬間飛び起き、傍らにあった包みを即効自分の後ろに隠す]
ど、ど、どうしたん?何かあったっ!?
[思わずどもる]
えっ???
[慌てて起き上がる進藤。なにかあったかと聞かれ、1mほど手前で立ち止まる]
あの。進藤さん、大丈夫ですか。具合悪いんじゃないかと……心配したんですけど……。
[いいながら、進藤の手の動きにあわせて自分の視線が動く。隠す包みを不思議そうに見た]
あ、え、うん、ぐ、具合か。絶好調っ!
[うまく頭が回らなくて、妙な受け答えをしてしまう。冷や汗をかきながら、鮫島の視線が包みの方を向いているのがわかると、顔がかぁっと赤くなった]
きょ、今日は、良い天気だねっ!
[思わずわけのわからない事を言った]
……本当にですか?
[進藤から、張りのある声が出ていることを確認すると、その場にしゃがみこんだ]
は……それなら良かったですよ。
今、一瞬倒れていたんじゃないかと、血の気が引くかと思いました……。
あ…、ごめん…。
[目の前で安堵の表情をする鮫島を見て、心配をかけてしまったのだとわかった。息を一度吐いて呼吸を整えると、鮫島の前にきちんと座り直す]
…うん。心配してくれてありがとう。
[少し困ったように笑って、ぺこりとおじぎをした]
─ 二年A組 ─
[休み時間、浮田のクラスメイトが浮田の側で何やら話をしている]
(冴ちゃんを連れて行くとき、最初にどんな言葉をかけようかなぁ)
「……というわけで、どう思う、大介?」
……。
「おい、大介、どう思うってば。……大介ーっ!! 聞いてるのか大介ーっ!!」
……。
[聞いていない]
[頬にひんやりとした手が当たるのを感じ、ますます自分の顔が赤らめていくのがわかる。]
……ちょ……鮫島…
[すでに顔すら上げられない。何か言おうとしたが、言葉を上手く考えられなかった。そのまま硬直してしまう。]
進藤さん、顔、見せてください。
[無理に顔をあげさせず、自分が首を傾けて覗き込もうとするが、ふと動きを止めた]
あ。
ごめんなさい。男に触られて、イヤでしたか?
[そっと頬に触れた手を離す]
更新時間が24時間延長されました。
[手が離れて、少し落ち着きを取り戻す。だが、まだ顔を上げられず、そのまま頭をぷるぷると振った。]
……いや、嫌だったとかじゃないから…。気にしないで…。
[深い呼吸を繰り返してから、ようやく顔を上げる。]
なんか、ごめん、色々と…。ちょっと最近自分がおかしい…。
[なんとか笑顔を作ってみたが、上手くいかない]
進藤さん……。
[じっと目の前の進藤を見つめる。明らかに様子がおかしい]
あの。
もし、何か悩んだり困ったりしていることがあれば、その。
俺で力になれることなら、何でも言ってくださいね。等価交換なんて野暮なことは言いませんから……。
それと、やはり熱があるんじゃないでしょうか。
[進藤の伏目がちな頬はほんのりと染まっていた。心配そうに見つめる]
……っ!
[見つめられるのに耐えられなくて、反射的に両手で鮫島の目を覆う。]
…頼むっ!ちょっと目をつぶってて!
[半ば叫ぶように訴えた]
-食堂-
[放送後、昼休みが終わって人気のなくなった食堂に来ている。
既に定食はすべて売り切れ。仕方なく売店で買ったサンドイッチを齧っている。]
おっつかれさん。
あたしおつかれかんぱーい。
[堂々と飲みはじめる。そしてそのまま放課後まで飲む勢い。]
絶対開けるなよっ!
[びしっと指を突きつけながら叫ぶと、鮫島の膝の上にチェックの布の包みをぽすっと置いた]
…サンドイッチ作ってきたからっ!
へたくそでゴメンっっ!! じゃっ!!
[早口でまくし立てると、そのまま剣道場の外へ走って逃げて行った]
……うぁー暑い!! 上着着てプロレスごっこなんてやるもんじゃなかった。てかさ、一対三って酷くないか?
「そもそもの発端はお前が他人の話聞いてなかった事だろ」
おれだって考え事をする時ぐらいあるよ!!
「どうせ女の事だろ?」
否定はしない。
「しろよ!」
えっ?!!?
[進藤の言葉に慌てて目を開ける。既に彼女の後姿が剣道場から消えてゆくところだった]
進藤さん……さっそくこれを。
[膝の上の包みを見る。そのとき丁度六時限目開始のチャイムがなり、大切に包みを持つと慌てて立ち上がり、校舎にむかって走り出した]
汗だくで喉が渇いたな……。なんか飲み物買ってこよう。
「俺の分も買ってきてくれ。奢ってくれるのか、悪いな」
寝言は死んでから言えこのハゲ。
[浮田は食堂へ向かって歩き始めた]
そうだ、かけるちゃんが電話を・・・
[と思いだして携帯を開くが、「授業中以外で」と指定されていたので、諦めて閉じる。]
いま授業中だっけ?
[飲み続け。]
メイドさんその1、くらたさとこさんってどっかで聞いた名前かもしれないと思ってぐぐったら同姓同名のAV女優の方が。
しかし明らかに知らない。
ので、下へスクロールすると、「ディア マイン」って少女漫画のヒロインがくらたさとこだった。
懐かしい。
ただメイドさんじゃなくて坊ちゃんの婚約者だな。
ディアマインは。
─ 食堂 ─
おや、みゆきさん。遅めのお昼ですか? ……。昼食じゃなくてアテですか。
[浮田は堂々と飲んでいる幸に目を丸くした後、幸の側に近寄って耳元で囁いた]
こんな目立つ所で飲んでたらまた停学になりますよ?
――図書室――
え、せ、先輩自身、ですか!?
[その後紡がれたなんてなーという言葉と笑顔に、安堵とがっかりしたような気持ちに制服の胸に手を当てながら、みるくも笑顔になる]
それってデート権みたいな感じですか? どきっって、しちゃいました。
─ 食堂 ─
おや、みゆきさん。遅めのお昼ですか? 今日の放送面白かったですよ♪ また今度やってください。
って……。そのサンド、昼食じゃなくてアテですか。
[浮田は堂々と飲んでいる幸に目を丸くした後、幸の側に近寄って耳元で囁いた]
こんな目立つ所で飲んでたらまた停学になりますよ?
−三階廊下−
[拷問の時間が終わり、麻宮マキは虫の息で解放された。
逃げるように教室から飛び出し、深呼吸をひとつ。
前髪を整え終えた時には、いつもの麻宮マキに戻っていた。]
-保健室-
[扉をがらりと開けると、今日は保険医が居た]
……すみません、ちょっと具合悪いんで、休ませてもらって…いいですか?
[声の主がユーリだとわかると、一瞬保険医は疑わしい目をしたが、心底疲労しきったユーリを見て、珍しい事もあるもんだと奥のベットのカーテンを開けてくれた]
……ありがとう…ございます。
[そのままベットにぱたりと倒れこんだ]
[大介に声をかけられ、んあとだらしなく振り返る。]
大ちゃんっこんちは
聞いてくれたのね、ありがと。
[停学、の言葉に反応して。]
だいじょぶよー
見つかったら逃げるもん。
うっふっふ
大ちゃんもつきあわんかい?
[酒の缶を大介の目の前につきだす。]
註:メモ、えーこちゃんとみるくちゃんの話。
でもドロドロに勘付くと匡ちゃんがなんとかしてしまいそうな気がする。キャラ的に。
そうなったらどうするんだろう、匡ちゃん。
─ 洗面所 ─
[貴林は用を済ませて手を丁寧に洗ったあと、鏡を見た。]
むん!
[貴林は大きく表情を崩した。無理矢理に目尻を下げて口を横に広げ、顔面全体で笑顔を作る。それは例えるなら・・・例えるなら、福笑いのできそこないだった。]
これでどうでしょうか・・・? うむむ、笑顔も奥が深いものですね。
[モニタールームに入る。
モニターの電源は常に入っているようだ。
最初に入った時と、様子はほぼ変わっていない。
画面に映っているものが違うくらいだ。]
…やっぱ、これは、すごいな。
色んな意味で。
[最近見たDVDを思い出す。
「ダークナイト」の終盤だっけ。]
まぁ、ここが肝みたいだから、これ見てれば面白いかもよってことなんだろうけどねぇ。
[リモコンを手に取る。]
[褒められて悪い気はしない。]
出会う子みんなにいってんでしょー
大ちゃんさあ
カワイイ後輩を・・・
毒牙にかけちゃったりしてんじゃない?
[匡侍の軽い返答に、どう返答して良いかわからずに、黙ったまま席を立った。困ったように微笑む]
授業、そろそろ行かないとですよね。
本当に色々ありがとうございました、匡侍先輩。
─ モニタールーム ─
こちらにおいででしたか、雪花様。ご機嫌は如何でしょうか?何か当家の者が不手際など起こしておりませんか?
…。
[まだ使い方聞いてないんだったな。]
そいやっ。
[適当になんか押してみる。]
どわっ!
[画面がぐいんぐいん動いた。]
こ、これは、おもいのほかおもいのほかな。
―昼休み・教室―
[教室で友人とパンをもそもそ。
さっきまで居眠りをしていたため。明らかに寝起きの動きだ。]
昨日夜おそーまで本読んどったのは不味かったなぁ。
[そんな時、突然謎の放送が始まる。
聞き覚えのある声、そしてその声の持ち主がやりそうな破天荒な放送内容とテンション。
その後、放送が終わるまで呆然と聞いていた。]
……火田センパイ。
ほんま自由な人やわぁ。
[あきれつつも楽しそうに呟いた。]
−食堂−
[麻宮マキは、気がつくと食堂に立っていた。
酒の匂いに釣られたわけではない。]
あれは……。
[幸と大介の姿を見つけて近付いた。
二人の手元を見て、呆れたように言う。]
姐さん……、場所も何もお構いなしですね。
捕まらないように気をつけてくださいよ。
大介も程ほどにな。
おー、それじゃまたなー?
ホント、困ったらいつでもいえよ?
もう友達なんだからな?
[匡侍はそういって、笑いながら朝比奈を見送った。]
や、やぁ!貴林さん!
[ぴょん、と片手を上げる。]
ご機嫌うるわしゅうございますよ。
うふふふ。
[怪しいご婦人トーク。
リモコンを後ろ手に隠す。]
そんな、おれを誑しみたいに言わないで下さいよ。おれはいつでも一途で一本道で一番槍で一石二鳥です。
どうしたもんだか、随分変な噂が立っちゃってるんですよね。おれには何一つ身に覚えがないのに!! きっとおれの事を妬んでる奴がいるんでしょう。「あぁくそっ浮田の奴め、あんな格好良くてスマートでお洒落で背も足も長くて運動能力も高くて頭もいいなんて、ちくしょう悔し過ぎるぜ地獄に堕ちてしまえくそ野郎がぁっ!」とか陰で言われてるんじゃないですか、きっと。いやぁ、二物も三物も持っている人間は辛い。
――図書室→廊下――
[廊下に出ると、緊張の糸が解けたように力が抜けて、ドアの前で立ちすくんだ。知らずのうちに下唇を噛んでいた]
(贅沢なんて言わない、って決めたんだから。私の望みは全部これで叶ったんだから。喜ばなきゃ)
[それでもぎこちなく持ち上げたはずの頬は、笑顔の形を上手く作れず、みるくは溜息を一つつくと、教室へ向かって歩いて行った]
それは名案ですね、そうしましょう。
[乾杯しながら、幸の提案に深く頷く。
大介の言葉で、思わず前髪に手を伸ばした。
大丈夫、いつもどおりである。]
……表情にまで表れてるのかな。
勉強疲れだ、気にするな。
そうですか、それは誠に重畳というものです。
このモニタールームの調子は如何ですか?学園内をくまなく見る事ができるよう手配してありますので、ご学友の様子を眺められるはずです。・・・はて、リモコンが見あたりませんね。わたくしがチェックした際には確かにあったのですが、おかしいですね。
火がないところになんとやら言うよ?
まあ大ちゃんが格好よくて云々のところは別に否定はしないけどねー。
ほらいろいろやることが目立ちすぎじゃないかな?
−屋上−
その後、なんとなく屋上へとあがった匡侍は。何をするでもなく寝転んでいた。
だんだんと眠気が襲ってくる中、なんとなく昔の事を思い出す。
勉強疲れですか、お疲れ様です。そういえば受験生ですしね。頑張って下さい。息抜きが必要ならいつでも協力しますよ。おれでよければ付き合います。
いや、似合う!! 似合います!! 馴染むッ!! 馴染むぞッ!! っていうぐらい似合いますから! みゆきさんは絶対おれの事を誤解してますよ!!
――頭が良い。ちがう、良くなるように育てられた。
――運動が出来る。ちがう、出来るように育てられた。
確かに家は裕福だ。他の奴から見たら羨ましい所もあるだろう。
だけども、その裏にはそれを得るために当然のように強要されることが多すぎて。
故にジンロウキョウジは、それに対して、また当然の如く、疑問を抱く事すらできなかった。
それが変わったのは何時だったか。
それを変えてくれたのは誰だったか。
忘れもしない、幼稚園の時に出会った一人の人物。
今でもともに笑える友人。
――浮田大介だった。
[ぎくっ。
ちらり、と画面を見る。
もうぐいんぐいんはしていないようだ。
最初の画面とは幾分違うようだが、取り返しのつかないことをやったというわけではないらしい。
よし。
そっと、リモコンを足元に置く。]
おやおや?
私の足元にリモコンが落ちていることであるなぁ。
落ちたのだろうかねぇ。
[落ちた拍子になんか操作されちゃったという方向へ持っていこうじゃないか作戦。]
最初に会った時の印象は「うざったい」
思うが侭に生きる、楽しげに人をおちょくる。
それを見るたびに、当時人と殆どしゃべらなかった俺は苛立っていた。
それなのに、大介は何度も俺に話しかけてきた。
いくら断っても、本当にしつこく。
その内、名前を覚えた。
気が付いたら、いつの間にか目で追う様になっていた。
そいつは本当に自由で、いつも楽しげだった。
あまりにも楽しそうだったので。我慢できずに聞いてみた。
返ってきた答えは至極単純。
『たのしまなけりゃ、つまんねーじゃん。』
その言葉は、とても容易に、俺の隙間を満たした。
ああ、そうか、俺は楽しくなかったんじゃない、楽しもうとしなかったんだ。
だったら、これからは楽しんでやろう。
コイツが羨ましくなる位楽しんでやろう。
将来のために詰め込まれたモノ。
重荷だった家。
それも全部、楽しむだけに使ってやろう。
だから俺は、俺にとって楽しい事を守り続けよう。
こいつが教えてくれたように、周りを巻き込むぐらい楽しもう。
――だから俺は……。
む。リモコンが落ちているとは不始末ですね。彼女たちにはきちんと巡回するよう言っておいたのですが。後でメイドの者達にきつく言っておきます。
[貴林は失礼しますと一礼してから雪花の足下へ近づき、リモコンを拾い上げた]
そういえば操作方法をまだお教えしていませんでしたね。簡単に説明をさせて頂きます。このボタンはこれでして、こちらのボタンを押すとこうなります──。
[貴林は丁寧かつ筋立ててリモコンの機能を説明した。]
じゃあ、息抜きの模擬戦闘にでも付き合ってもらおうかな?ふふ。
[冗談っぽく笑って、懐の水風船に手を当てる。
酒を一口飲んで、言葉を続けた。]
大介は、目の前に女がいれば口説く。
次に女が見えればそこに行って口説く。
決して後ろは振り返らない。
どうだ、一筆書きそっくりじゃないか?
[ふふ、と笑ってさらにもう一口。]
一見さんお断りみたいな取っつきにくい人間じゃないですよ、おれは〜。初対面から好印象、人懐っこくて気が優しく、気さくで気配りのできる男。それが浮田大介の身上です。
って、いつまで笑ってんすか。
[下校時、下駄箱で朝比奈をみかける。
ちょっと迷ったが声をかけることにした。]
みるくちゃん久しぶりだね、風邪ひかなかった?
[会ったのは2、3日前だが、いろんなことがあって、ずいぶん前のように感じる。]
それから、ジンロウキョウジは変わった。
俺はジンロウキョウジではなく、匡侍なんだと思うようになった。
親等は良い顔をしなかったが、それまで唯一の話し相手ともいえた執事だけは笑っていてくれたように思う。
最初は若干無理していたところもあったが、中学に上がる前には完全にそれが素となっていた。
……最近は若干というかかなり行き過ぎている部分がある気がするが。
「若さって何だ? 振り向かない事さ!」って昔の偉い人が言ってたんです。おれもそうだと思ってます。だからおれは振り返りません。前のめりに突っ走るのみ、ですよ。イェ〜イ♪
でもそんな女好きで手当たり次第な奴じゃないですよ、おれ。誤解だ!! ひどい誤解だ!! この誤解はどうして知恵の輪のようになかなか解けないんだろう!
[浮田は両手を広げて上を見上げ、大げさに嘆くそぶりをした]
いえ、ご、ご、ごめんなさい。
私が落としました。
[さ、さすがに。
メイドさんたちに迷惑をかけるわけには。]
以後気を付けますすいません。
[リモコンの使い方は、さすがにカメラの数やその記録量が膨大なだけに様々な機能があるようだったが、基本的な部分は決して複雑なものではなかった。あとは使いながら覚えていけばいいだろう。]
ふっ。
こちとらインターネットとテレビゲームの世代ですよ。
任せてくださいよ。
[さっきのことは忘れた。]
-2年C組 教室-
[いつもより授業が長く感じた。授業終了のチャイムが鳴るや否や、包みと鞄を引っつかんで教室を後にする]
進藤さん、どこに居るんだろう。
放課後は流石に道場にはいないだろうし……屋上かな?
[思うや否や足は屋上に向いていた]
[いつの間にか寝ていたようだ。
何か昔の夢を見ていた気がしたが、あまり覚えていない。
スピーカーからにぎやかな放送が流れている。]
ん……昼休みか。
[ゆっくりと起き上がる。]
あー、この声センパイか。
あの人もよく暴走するよなー。
[そう呟きながら、屋上の扉を開ける。]
午後の講義ぐらい出るとしますかねー。
[匡侍は屋上を離れた。]
[ゆっくりと起き上がる。]
あー、この声センパイか。
あの人もよく暴走するよなー。
[そう呟きながら、屋上の扉を開ける。]
午後の講義ぐらい出るとしますかねー。
[匡侍は屋上を離れた。]
そうですか。いや、そんな恐縮なさらずに。
若い方はさすが機械物の飲み込みが早いですね。わたくしなどは携帯電話一つでも最初四苦八苦したものです。携帯電話のメール機能を使えるようになるのに徹夜の猛勉強で半月を要しました。
大ちゃんは手の内わかっちゃったら
単に面白い男の子ってー感じ。
見た目がいいだけに中身わかんないうちは危険だけどね。
ふっふー
[にやりとする。]
魅力があるかどうかは、また別の話さー
――下駄箱(放課後)――
[あの後の授業にはあまり集中出来なかった。日ごろの予習のお陰で置いていかれる事は無いが、自分へ抱える苛立ちがあり、溜息をつきながら靴箱を開けた。その時、数日前に会った女子生徒に声を掛けられた]
あ、陰森さん。
陰森さんと匡侍先輩のお陰で大丈夫でした。
本当にありがとうございました。
-屋上-
[駆け上がり開いたままの入り口に飛び込む。だが、数人の生徒が談笑しているだけで、進藤の姿はない]
……とりあえず。
[屋上の端にあぐらをかくと、膝の上に包みを乗せてそっと開く。中にはアルミホイルで包まれたサンドイッチ]
今、俺の手の中にあるのが、手作り弁当か……
おふくろ以外の人の弁当なんて、はじめてですよ。
[大切そうにアルミホイルを剥がす。耳付き食パンのサンドイッチが4組入っている。包丁で切った断面は、途中で切りなおしたようにずれてガタガタだが、それが手作りだと感じられ却って嬉しさが増す]
ほのかに帯びる危険な匂い。しかしそこに憧れる。
……とか、そういう展開って現実にはないんですか。寂しいなぁ。
魅力はあるんですよね。あるんですよね? ──別の話とか言われると寒気が。
そ、それはさすがに。
ふふふ…。
[やっぱ、面白い人だ。
基本が真面目な人だから、こういうのもいいところに見えるのだろうけれど。]
私たちの世代でも、あの分厚い説明書を全部読んで、全部の機能を把握してる人は少ないですよ。
私も色んな機能使えませんしね。
赤外線通信とか、苦手です。
は……こういうのって、ドキドキするな。
[手を伸ばして一組取る。レタスとハムのオーソドックスなサンドイッチ。口に入れた]
うん。旨い。
[もぐもぐ……なんとも言えない気持ちに満たされる]
進藤さん、どうして昼にこれ、くれなかったんだろう。
[大介に笑って、]
そんな展開ないない
ホントに危険な匂いのする男だったら
あたし
半径5m以内に近づかないよ?
大ちゃんの魅力は・・・・あはは
[誤魔化し]
[全て食べ終え、チェックの布を丁寧に折りたたんで鞄にしまう]
よし、これを返さなきゃ。
進藤さん、まだ学校にいるかな?
部活に出てるだろうか。取り敢えず下駄箱を見てみるか……。
[言いながら素早く階下へ。下駄箱を除くがまだ靴が置いてあった。朝比奈と陰森の横を擦れ違い、そのまま外に出ようとした所で保険医が丁度保健室から出てくる]
「進藤が寝込むなんて珍しい……」
[その呟きが耳に飛び込んでくるや否や、踵を返す]
[臣楼の名前を出されて少し顔が曇る。]
臣楼先輩といえば、あの後宿題を教えてもらったよ。
みるくちゃんの言うとおりいい先輩だったね。
そういえば、みるくちゃんは制服のお礼をした?
わたしは宿題教えてもらったお礼にお弁当作ったんだけど、何かの罠かとか言われちゃった。
最初悪人呼ばわりしてたからしょうがないけどね。
姐さんって、そういうの敏感ですよね。
女っぷりの格の差を感じますよ。
その感覚も接客業で身に付けたんですか?
……大介の魅力は、……ふふ?
[麻宮マキも笑った。]
携帯電話の説明書は分厚いですねえ。あのまま成長を続けたなら、人を殺せるぐらいになるのではないでしょうか。その内に携帯電話の免許や資格が生まれたりするかもしれませんね。時代の流れの速さにただ驚く事しきりです。
時代の流れの速さと言えば、坊ちゃんも成長なされたものです。わたくしが初めてお会いした頃はまだ実に小さかったものですが、いまや雪花様のような女性をお連れするまでになりました。わたくしに娘がいればちょうど雪花様ぐらいの年齢でしょうか。・・・いや、これはつい長話を。
-保健室-
[そっとドアを開ける。今度は鼻をぶつける女の子も居なかった。シンと静まり返った保健室、そっと中に入ると静かにドアを後ろ手に閉める]
……。
[カーテンで仕切られた手前に人は居ない。
カーテンのむこうに進藤が居るのだろう。静かにカーテンを開ける]
麻宮さんより戦闘力の高い人ってどれだけいるんですかね……。闘う事以外で男性を見る癖を付けた方がいいですよ。本当に。
[魅力の話を二人に誤魔化されて浮田はしょんぼりした]
子供いないんですか?
奥さんはいるんですよね。匡ちゃんの世話で忙しくて子育ての暇がないとか?
私の親父…父親はいますけど、もう長いこと日本に帰ってきもしてないんですよね。
先月はコスタリカにいたみたいですけど。
小さい頃は一緒に放浪してたんだけどなー。
[…あ。気軽に聞いちゃったけど、小さい頃に事故で亡くしたとかだったらどうしよう。]
あ、そ、そーだ。
匡ちゃんって、小さい頃はどうだったんですか?
[カーテンレールの微かな音がして、保険医が様子を見に来たのかと思い、目を開ける。]
………っ!
[相手が誰だかわかると、咄嗟にシーツを頭までかぶった]
……な、何!?
さすが幸姐さん。
そこに痺れたり憧れたりしますね。
[続く質問に困る。]
あたしの、好みですか……?
考えたこともなかったですが、ありのままのあたしを受け入れてくれる人が理想ですね。
……って、恥ずかしいこと言わせないでくださいよ。
[珍しく狼狽している。]
[目があうや隠れられてしまう]
進藤さん、やはり具合が悪かったのですね。
熱は計りましたか?
……それと。
[一度言葉を切り、ベッドの傍らに跪いて、シーツを被ったままの進藤の顔の高さに目線を合わせた]
手作りのお弁当、いただきましたよ。
有難う。とても美味しくて嬉しかった。
え……、匡侍先輩に?
(陰森さん、可愛い、もんね。当たり前だよね……。匡侍先輩も素敵な人だし、仕方ない、って、わかってる、けど。私なんかより、ずっとつりあう人、だし)
[笑顔が固まり、映子から目をそらした]
匡侍先輩は良い先輩だよね。
優しくて、とっても素敵な人……。
匡侍先輩には、クッキー作ってお返ししたよ。
それくらいしか、得意っていえるものが、ないから。
でも、そっか、陰森さんのお弁当食べた後なら、そういうのじゃない方が、良かったかな。
陰森さん、きっと料理も上手だろうし、匡侍先輩も陰森さんからの食べ物の差し入れ、凄く喜んだと思うし。
子供はいないのですよ。妻は・・・若い頃に星になりました。
[貴林は寂しげな微笑みを浮かべた]
コスタリカといえば中米ですね。お父上は随分遠方にいらっしゃるのですか。寂しいのではありませんか?
坊ちゃんは小さい頃、ご自分を見失っておいででしたね。他人の仕立て上げた理想像とご自分を同一視されて、ごく真っ当な感情をうまく表現できないご様子でした。臣楼家の嫡男という肩書きは坊ちゃんのまだ小さな両肩には重すぎたのでしょう。わたくしの教育も行きすぎがあったかもしれません。
・・・それがいつしか、凄く素直にお笑いになるようになりましてね。それからは実に伸び伸びと行動されるようになりました。家中にはそれを嫌悪する者もおりますが、わたくしは今の坊ちゃんが大好きです。
[鮫島の声が近くなって、だんだん心臓が痛くなる。]
…って、…え?食べたの…?
[シーツをそっと下げて、目だけを覗かせた。]
おなかとか…だいじょうぶか?
[不安げな顔で、おそるおそる尋ねる]
や、やめてくださいよ。
[麻宮マキは幸の攻撃を避けるために鉄仮面を装着した。]
……ふう。
まったく、幸姐さんには敵いませんね……。
[鉄仮面の向こうから、大介の方をきっと睨む。]
あまり調子に乗ると、痛い目にあうぞ……?
[シーツから進藤の瞳が覗くと、ホッとして笑いかける]
もちろんいただきましたよ。念願の手作り弁当ですよ?
でも、もしかしてそれを無理して作ってくれたせいで、具合が悪くなったのではないですか?
そうなら、俺のせいですよね。すみません。
[不安げな顔に、少し考え]
大丈夫かって、何か仕込んだんですか?
そうですね、確かにひとつ薬が仕込まれていた可能性はあるかもしれませんよ。
(クッキーあげたんだ・・・
みるくちゃん相手には罠とか言わなかったんだろうな・・・)
お弁当っていっても、作ったことなかったからへたっぴいだったんだ。
卵焼きもこげこげで・・・
先輩はやさしいから、おいしいって食べてくれたけどね。
みるくちゃんはお菓子作りも得意なんだね。
勉強も出来るし・・・
先輩のこと名前で呼ぶ仲なんだ・・・
[嫌な顔になっていそうで顔を俯きがちにしている。]
2人して顔を俯け合って話している・・・暗い構図ですね。
みるくちゃんは、ダメダメ路線継続中か・・・
これは悪役決定ですね。
な、な、なんと。
なんか、その、思い出させて、ごめんなさい。
[子供でなく奥さんが。
いやな予感は当たんなくていいものを。]
…私は、寂しくないですよ。
ダメ親父、ってのはありますけどね。
親父…父は、若い頃からああいう風だったらしいから、かーさんは大変な思いをしただろうし。
けど、かーさんはそれで納得してるみたいだし、私も父と一緒に色んなところへ行くのが好きだったから、寂しいより、悔しいってのが大きいくらいです。
め、迷惑とかそういう話ではないッ!
[ムキになって水風船を構えた。]
ね、姐さんも何か言ってやってくださいよ……。
[麻宮マキはとても困っている。]
[鮫島に笑いかけられて、なんだか涙が出そうになる。]
無理とかじゃないよ。…アタシが作りたくて作ったものだから。
ただ、自分の下手加減に凹んだりしたけど…。
上手に作れなくて、ごめんな。
薬?
いや、何も仕込んで無いけど…。
[卵の殻でも入ってたかな…と、少し不安になる]
[しかし。]
…いやぁ。
匡ちゃんにもそんな頃が。
[いいことを聞いた。]
にひー。
今の匡ちゃんがあるのが貴林さんの教育の成果なら、それは、大きく間違ってはいなかったんじゃないでしょーか。って、私は思います。嫡男としてとか、そういうのは分かんないですけど。
がっこでも、なんだかんだ言って、匡ちゃんのこと好きな人が多いと思いますよ。
やっかみ半分憧れ半分だったりとか、呆れ半分楽しさ半分とか、そういうのは色々と、それぞれにあるのかもしれませんけどね。
[声のトーンが落ちる進藤に、思わず手が伸びた。
そのまま、シーツの上から頭を撫でる]
下手とは言わないですよ。むしろ、本当に手作りしてくれたのが伝わってきました。
俺は、整った美しさより、真心のほうが、よほど好きですから。
[不安そうな表情をみて、撫でていた手を止めぽんぽんと軽く肩をシーツ越しに叩く]
仕込んだのはあれでしょ?
惚れ薬とか。
迷惑じゃないんですね。良かった♪
うぉっと、鉄球は勘弁してくださいっ。
[浮田も思わずヨーヨーを取り出して身構えた]
思った事をただ素直に言ってるだけなんですから、もっと肩の力を抜いて受け入れて下さいよ〜。
鉄球以外なら受け入れますよ!! おれの腕は麻宮さんを包み込めるぐらいには長いですからね。てかまぁ少々の事では動じません。おれの辞書に「めげる」という言葉はありませんから♪
[浮田はそう言うと、ポケットからポケット国語辞典を取り出して二人に見せた。「めげる」の所がマジックペンで塗りつぶされている]
[その時、みるくの頭に今日の午前中に一緒に過ごした匡侍の顔が思い浮かぶ]
(……嫌な思い、させたくないな。きっと、 匡侍先輩は私なんかより、陰森さんのことが好きだって思うと思うし、お似合い、だもんね。"友達"なんだから、応援、しないと、だめだよね)
え、えっとっ、名前で呼ぶ仲とか、そんなんじゃないんです。
ただ、臣楼ってこの学園の名前でもあるから変な感じがするなって思って、私が勝手に、よんでるだけで。
私、なれなれしかった、かも。
臣楼先輩って呼ぶようにするね。
先輩にも謝らないと……。
気付かせてくれて、ありがとう。
[シーツの上から撫でられて、一瞬びくっとなるが、その大きな手のぬくもりに、心のどこかが安堵する]
惚れ……って、…馬鹿っ!鮫島の馬鹿っ!!
[思わず怒鳴りつけると、おもいきりシーツを被りなおす。そのまま何度か『馬鹿っ』を連発した後、小さな声で『…ありがと』と呟いた]
姐さん……。
[頼みの綱と思っていた幸からの、まさかのキラーパス。
麻宮マキは完全に追い詰められた。
あとは己との戦いである。]
あ、あたしのし、城がそ、そう簡単にお、落とせるとお、思うなよ……?
[しどろもどろ*である*]
はっ。
[幸にハッパを掛けられてなるほどという顔をした]
鉄球か! 鉄球が心の扉を開く鍵なのか! そういう事かリリン!!
わかりました。鉄球も水風船も最新型球状携帯電話も全て受け入れます。ドーンと来いッ!
[大介の国語辞典を借りて、ぱらぱらめくる]
け・・・『軽薄』
な・・・『軟派』
た・・・『誑し』
[調べた単語をわざわざ声に出して言う。]
うんー
しっかりあるね!
……進藤さん。
[一頻りののしられた後立ち上がり、静かになった進藤が横たわるベッドのへりに腰掛ける。上体をねじってシーツを被ったままの進藤に、静かに声をかけた]
俺、馬鹿なんですよ。
今のは、冗談だと思って聞き流してくださって構いませんから……。
あ、そうだ。
六時限目の授業のノート、取っておきました。弁当包んでくれてたのと一緒にお渡ししたいんですけど。
良いご両親のようですね。それぞれは遠くにいても、どこか絆で結ばれているのでしょう。その関係を大事にしてあげてください。
わたくしの教育の成果など・・・。坊ちゃんは自力でご自分の道をお見つけになったのです。それは素晴らしい事だと思っています。
そうですか、坊ちゃんは学校でも元気に過ごされていますか。人気があるというのは良い事ですね。
・・・これを尋ねるのは少々気が引けるのですが・・・。
[なにかがカチンと来た。
その感情をそのまま相手にぶつけてしまう。]
余裕あるんだね・・・
わたしののこと気遣って呼び方変えるんだ。
どうせわたしなんて勉強もできないし、料理だってうまくない・・・
なんでもできるみるくちゃんとは比べ物にならないよ。
先輩だって・・・
わたしの前でみるくちゃんは可愛いっていうし、わたしのお弁当は罠あつかいするの。
みるくちゃんはきっとわたしのこと恋敵とも思ってないんだね!
[内心をぶちまけた後、映子はその場を駆け去った。]
[なんだか訳がわからなくなって、子供みたいにわめいた自分が恥ずかしくて、涙が溢れてきた。シーツの中で目をこすったが、一向に止まらない]
……。
[ベットが微かに軋む音と、鮫島の言葉にシーツからそっと顔を出す。]
ノート取ってくれたんだ…。
[泣き顔がわからないように、うつむき加減の顔のまま上体を起こす]
ありがと……。っていうか、なんだか鮫島にはお礼ばっかり言ってるな、今日。
それだけ色々とやってもらってるって事なんだよな、うん。
[眉が下がったままだったが、なんとか笑顔でもう一度感謝の言葉をのべた]
貸して下さい、もう。
[浮田は幸からポケット辞書をひったくると、「軽薄」「軟派」「誑し」「すけこまし」をマジックペンで塗りつぶした]
おれの代名詞は「勇猛果敢」「一騎当千」「深謀遠慮」「縦横無尽」「四方八方」ですよ。
いえ、坊ちゃんはどの男性にも見目劣らぬと常々思っておりますし、心優しい性格でらっしゃいますから、おつきあいをしている女性がいても全く不思議ではないと思っておりますが・・・なにしろ、少々女性には奥手のように見受けられるのが少し心配でして。
いや、つまらない事を詮索いたしました。聞き流して下さいませ。
[匡ちゃんには、不思議と浮いた話がない。
よく近くにうっきーがいるからあれだけど、ルックスが悪いわけじゃないし、暴走はしっ放しだけどあれで優しいところもあるし、言ってることは滅茶苦茶だけどそこまで筋の通らないことをやるわけでもないし。
なんでなんだろうなぁ。
…目立っちゃうからかもしれないな。
私も匡ちゃんとしゃべるようになってから、余計悪目立ちするようになった気は、ちょっとする。
別に私はそんなに嫌じゃないけどね。
そういうのを気にして匡ちゃんと仲よくなれないとかなる方が、ずっと嫌だし。]
まぁ、今のところ、そんな浮いた話は聞かないですけど、あ、ほら、匡ちゃんに憧れてるって下級生のかーいらしいおんなのことかもいたし、慌てなくても大丈夫…なんじゃ、ない…かなぁ。
[言っていて自信がなくなってきた。みるくちゃんなんてのは、目立つの苦手そうだったもんなぁ。]
[マジックで塗りつぶすのをのぞきこみつつ、]
すけこまし、とまで言ってないのにーひーっ
[また笑う。]
勇猛果敢とかー
[言外に”似合わない”というニュアンスが含まれている。]
なにをおっしゃるんですか。
念願の弁当を作ってくれて、俺のほうがお礼を沢山言わないと。
有難うございます、ご馳走様でした!
[改まって背筋を伸ばす。座って上体をひねったまま進藤に頭をさげた。そして頭を上げると……進藤の目尻に水滴が光っているのがみえた]
(え?!?!)
(まさか、泣いてる……)
[心臓が早鐘のように打つ。泣くほど具合が悪いのを堪えているのかと、心配がつのる]
本当に具合大丈夫ですか?
どこが辛いんですか?
頭痛ですか? 腹痛ですか?
――下駄箱――
[去る姿を見て、へなへなとその場で蹲った]
恋敵なんて、思ってないよ。
私なんかじゃ、陰森さんにはかなわない。
勉強が出来ても、料理が出来ても、
私は人から好かれない。
陰森さんみたいな可愛さは、私には、ないもん。
(先輩のことがどれだけ好きだと思っても、恋愛感情なんかじゃないって、そう思わないとやってられなくて。それを素直に恋だと思える陰森さんと私とじゃ、敵になんかなれない。差がありすぎて)
[迷惑がかかるとわかっていても、動かなくてはとわかっていても、どうしようもなく、みるくは蹲ったまま嗚咽をかみ殺し泣いた]
そ、そうですね。まだ坊ちゃんも若いですし、慌てる事はありませんでした。
・・・憧れている下級生ですか。調査の必要があるでしょうか。もしその方と正式なお付き合いをなされるのならご両親や親族の方々に根回しをしておかなければなりませんし、もしお二人が奥手同士であれば我々が全力でバックアップをしなければなりません。坊ちゃんの夢多き将来のため、ひいては臣楼家の輝かしい未来のため、この貴林平桔、ここで何も為さぬなら何を為すというのでしょう。ああ坊ちゃん、必ずや坊ちゃんをお幸せにしてさしあげますぞ!
じゃあどうしたら落ちるかというと
誘導尋問?じゃないけど
あたしの方からついぽろっと喋っちゃうような雰囲気を作る。
そこのところを敏感に読み取って突いていけばいい
嫌な思いさせたくない、って、思ってしたことが、裏目になる、なんて。
きょう……、臣楼先輩……。
ごめんなさい。お友達、で、いいって。
そう思ってた。
そう思ってたのに、嫌な子だね、私。
陰森さんと、臣楼先輩が仲良いの聞いたら、嫉妬しちゃう。つらい、って、聞いてられないって、思っちゃう。
上手く行くようにって、思ってたのに。
最低、だよね、私。
それでも、でも。
先輩は私のこと可愛いって、陰森さんの前でも言ってくれたって。
それが、すごく、嬉しくて。
どうしよう。
どうして私、こんなに醜い女の子になっちゃったんだろう。
元から、決して良い子なんかじゃ、ないけど。
情報提供ありがとうございます。情報の収集のため、席を外させて頂きます。あとの事はメイドの者にお申し付け下さい。楽しいひとときを。
[貴林は顔面全体をフルに活用して笑顔を構築した。]
[笑顔・・・だろうか?]
[しばらくその「笑顔」を維持したあと、貴林は*退席した。*]
自由なところが、すごく羨ましくて。
ずっと憧れてた。
話してみたくて。
口をきいたら、それだけじゃ足らなくなる。
隣を歩いてみたくて。
それが叶ったら、それだけじゃ足らなくなる。
…いや、違う、違うよっ!
[手をぶんぶん振りながら、どう言えばいいのか、頭が軽くパニくる。]
具合が悪いんじゃなくて、その…。
[心臓が早鐘のように鳴り、喉の奥が乾いていくのがわかる。それでも何とか、声を絞り出した]
……鮫島の事が……好きなだけ…
[それだけ言うと、耐え切れなくなって枕にぼふっと顔を沈めた]
八方美人は男の夢ですねぇ〜。
……。
[浮田はポケット辞書を取り出してパラパラとめくった]
……お、おれは八方美人なんかじゃないですよ!!
[意味を勘違いしていた*ようだ*]
あははは。
[気合いの入った声に思わず笑ってしまった。
この人は、匡ちゃんを息子のように可愛がっていて心配していて、主として認めてもいるんだ。
しかし。]
…カタいです。
[目線が鋭くてすらっとしてきちっとしすぎてるおたふくの仮面みたくなってますけど…。]
友達だって言われて。
嬉しかった。
すごく、すごく嬉しかった。
でも、満足できなくて。
先輩じゃなかったら。
違う誰かが今日から友達だと言ってくれたら。
きっと、満足できたのに。
応援しなきゃって思っても。
陰森さんと臣楼先輩のことを、素直に応援できなくて。
先輩のことを思って変なことをしたり、
私は最低だ、って、思ってるのに、
それでも、ヘンな夢を捨て切れなくて。
何もかも、上辺だけで、中途半端。
[枕に突っ伏した進藤の背中を見つめる]
(いま、なんて?)
[手の中のノートと包みの布が手から離れ床に落ちる]
進藤さん
[大分長い無言の時間がふたりの間に過ぎたような気がした]
あ、有難う……。
[初めての感覚に戸惑う。こんな時どうすればいいのか、頭の中が真っ白になった。おずおずと伸ばした手が、進藤の髪に触れる]
…うーむ。
[匡ちゃんがおんなのこに奥手だとすれば。
原因が分かるような気がしなくもない気がする。]
あーいうのが、原因なんじゃなかろうか…。
[やっぱりほら、自立心ていうか。
そういうのは、自分で解決しないと。
好きな子に告白するとか。
お養父さんにご挨拶とかね。
…そういうのができないと、多分、匡ちゃんの、家とかが持ってる、仕方のないギャップが、埋められなくなっちゃう気がする。どうしたって。]
とりあえず、その辺はやりすぎないようにしないと逆効果だと思いますよー…。
えー
そんな否定するような悪い意味のつもりで言ったわけじゃないのになあ
[席を立ってマキと大介に手を振る。]
じゃああたしそろそろ行くねー。
一緒に飲んでくれてありがと。
[マキなら大介と2人きりにして万が一何かあっても、力づくでは負けないから大丈夫かなーと思いつつ、食堂を後にした。]
[髪に触れられて、また涙が止まらなくなる。枕に顔を埋めたまま、頭を小さくぷるぷると振った]
……。
[何か言おうとしたが、言葉が出てこない]
[小さく肩で息をしている背中を優しくみつめた]
俺……
(俺は、どうしたらいいんだ)
(ここは学校で俺は高校生で彼女は高校生で)
(ここは保健室で今はベッドの上で……)
(これはまずいんじゃないか、俺の理性はどこへいった?)
(いかんいかん、俺はまだ学生なんだから……)
(もっと、わきまえないと……)
[何かが心の中でぷちんと弾ける]
進藤さん。
俺も、進藤さんのこと、好き……だよ。
[そっと手を伸ばす。一瞬躊躇う。そっと優しく進藤の両肩を掴んで上体を起こし、そのまま自分の胸のなかに抱き寄せる]
[なんかちょっと、変な気分だなー。
こういうの。]
ま、とりあえず。
[せっかくやり方を教えてもらったんだから、これを使ってみることにしよう。
これを使ってみないと、匡ちゃんが何やりたいのかも分かんないだろうしね。
巨大なモニターを見上げる。
リモコンを手に取り、今朝の分の記録を呼びだす。何の動きもなければ、自動的に編集されるという。ただ、それも呼びだそうと思えば呼びだせるらしい。そのへんはまだよく分かんないけど。]
[ふいに抱き寄せられて、一瞬何が起こったのかわからなくてきょとんとしてしまう。鮫島の言葉を頭が理解するまでに、数秒の遅れがあった。]
……え、…ちょ、鮫島…
[状況を理解すると、途端に顔が朱に染まった。]
臣楼 匡侍は、進藤ユーリ を投票先に選びました。
-教室-
[何故か3年生の教室に戻ってきた。大介たちとだべっている間に授業は終わってしまったらしく、飲酒を咎められずに済みそうだ。]
あたしだもん。
アドリブであれくらい簡単簡単ー♪
[残っていた何人かからお昼の放送のことで絶賛されつつ、次第に赤くなる夕日を眺めている。]
今回拉致されるのはユーリさんだけかも。
わたしとみるくちゃんはある意味落ちてると思うけど、ドロドロ中だし。
他の人は落ちそうで落ちないって感じだしね。
[腕の中の進藤に囁く]
ごめん、俺……
こういうの慣れてなくて、どうすればいいのか判らない。
[抱きしめたまま、進藤の頭に自分の頬をあてた]
本当はこんなことをしてはいけないんだろうと思うけど……
許してくれるかな。
[耳元で囁かれて、それに耐えられなくて目を固くつぶる。頭の奥が真っ白になるのが自分でもわかった]
……。
[すぐ側に鮫島の顔があるのがわかると、どうしても顔を上げられない。相手の服を震える手でぎゅっと掴み、ごくわずかにこくりと頷く]
[腕の中の進藤が緊張していることが、ひしひし伝わってくる。どうすれば安心させられるのだろうと考えるが、どうにも戸惑う]
取り敢えず、顔、見せて?
[そっと手を進藤の頬にあて、そう問いかけた]
[頬に触れられ、戸惑いながらもゆっくりと顔を上げる。思ったより近くにあった鮫島の顔に、また下を向いてしまいそうになる]
……ごめん、アタシ、…きっと変な顔してる…
[目を逸らしながら、途切れ途切れに言葉を吐く]
[目が合うと濡れた瞳にドキッとする。なんともいえない表情を浮かべた進藤を見ていると、どうしようもなく切なくなった]
そんなことない。泣かせたのは俺のせいだから。
……全然変じゃないよ。だから泣かないで。
どうすれば、落ち着く?
俺、こんなときに気の効いた台詞も、行動も、わからなくてさ。
[進藤の頬にあてた手をそのまま後頭部へまわし、もう一度抱きしめる]
え…。
[落ち着くなんて…無理だ、と思いつつ、伝わってくる鮫島の体温に、心の奥が暖かくなる。胸元に額をこつんと付け、ほんの少し笑った]
…こうやって、抱きしめてくれれば…いいよ。
そっか……
[少し明るくなった進藤の声に安堵し、少し遠慮していた腕に力をこめる。
ギュ……
強すぎない程度に、もう少し抱き寄せた]
良かった。俺、進藤さんの笑顔が、好きなんだ。
いつごみるく飲むときの、あの、笑顔。可愛いと、思う。
[ようやく授業から解放されて大きく伸びひとつ]
帰るか。いやたしか大介に付き合わないけないんだな…
……だりぃ。
[間があった。以前からすると心境が変わってきているのはわかっていた]
ほだされてんな、俺。
[強く抱きしめられて、鼓動が早くなる。]
可愛いとか…
[なじみの無い言葉に、戸惑いながら鮫島を見ると、優しげな眼差しと目が合う。]
……う、うん、ありがと…。
[目が合う。いつも元気な進藤の、戸惑う様子がとてつもなく可愛い]
もっと近くで、笑った顔見せて。
[すぐに俯いてしまう進藤を抱き寄せたまま、ゆっくり顔を近づけた]
[近づいてくる鮫島の顔に、どきりとする。]
……。
[相手の瞳の中に、自分の顔が映りこむのを、不思議な気持ちで見つめていたが、息が触れる距離になると、どうしても耐え切れなくて目をつぶってしまった]
[吸い寄せられるように唇が触れた。
それはとても自然なことのように思えた。
軽く触れた唇をそっと離し、目を閉じたままの進藤の顔を改めて見つめる。
照れくさいような嬉しいような気持ちがした]
うん、熱は、ないようだね。
[唇にぬくもりを感じ、頭の中がショートしたようになる。顔がとても熱くなるのが自分でわかった]
……熱は上がりっぱなしだよ…馬鹿…。
[目を開けて弱々しく鮫島をにらむと、涙目のまま、少し拗ねたように呟いた]
ごめん。俺、ほんとに馬鹿な男だよね。
自分が何してるか……判ってる。
でも。
[上目遣いの進藤の視線を受け止め見つめ返す]
俺のこと、イヤでなければもう少しこのまま……
[ふたたびそっと唇を重ねた]
[鮫島の問いかけに、『嫌なわけが無い』と答えようとしたが、もう一度唇に触れられ、言葉を忘れる。]
……。
[泣きそうになって、背中に回した手に、力を込めた]
[進藤に強く抱きつかれると、最後の理性が消失した]
ん……ゆ……り……
[ベッドが軋む音がする。2人の影がゆっくりと重なり*横たわる*]
みるきーと匡ちゃんならきっとえろぐ作れるよ
俺は中学生日記で!
大介ができるかわかんないし
て大介固定か俺。
ゆっきーと百合ログ作りたい><
――聞こえちゃうかも……。
そう思っても、止められなかった。個室に飛び込むように入り、鍵を掛けた。入る前にちらりと視界に移った鏡で、私はひどい顔をしていた。頬が赤く、涙の痕が目に残っている。もう、どうにでもなればいいんだ。背中をドアに預けて、スカートをたくし上げた。そろりと中指をそこに這わすと、ざらりとした陰毛の感触があった。少し移動させて中心に中指を強く押した。
ぐちゅっ。
個室の中にはっきりとした音が響く。
くちゃっ、ぴちゃっ。
中指を動かす度にはっきりと聞こえる水音。
下着を着けずに過ごす一日は刺激的だった。何をするにもスカートの下が気になって気になってたまらなかった。階段を上り下りする際は勿論、ヒンヤリとした空気が直に触れる度に溜息が漏れたし、風で少しでもスカートが捲くりあがれば羞恥に涙が滲んだ。誰にも見られた事がない、恥ずかしい場所を学校で生徒たちに晒してしまう事も堪らなかったし、下着をつけていないことを知られるのも耐えられない。家から意図して下着をつけずに登校したわけじゃなくても、そういう目で見られるのはわかっていた。私の噂に露出狂の三文字が加わるのは、なんとしてでも避けたかった。
――あの、匡侍先輩との会話のあと。あれだけのことで下着を濡らしてしまうなんて自分でも信じられなかったが、それでも、それは、事実だった。それも、座っていた椅子まで濡らしてしまわないで良かったと思うほどに。"洪水状態"とはこのことだと思えるほどで、その濡れた下着をいつまでもつけていたくなかった。匡侍先輩と交わした会話は、環境も、全て含めて、私に匡侍先輩との"事"を想像させるに充分だった。
「匡侍せんぱいっ……」
放課後まで我慢した。家に帰るまで我慢しようと思った。それは私が優等生だから。学校でそんなこと出来ないと思った。でももう、何もかもが、どうでもいい。
匡侍先輩が好きなのは私じゃない。匡侍先輩が抱きしめるのも私じゃない。匡侍先輩がキスをするのも私じゃない。匡侍先輩があの指で触れるのも、私じゃない。持っていた正義感なんて所詮は偽善者の戯言だった。
醜く、悪人の私には、もう何も失うものなんてなかった。
「わ、たし、すごく、えっち、なの」
唾液で指を濡らす必要もなかった。右手と人差し指をあわせて、一気にそこに押し入れる。
ちゅくっ、ぐちゅっ――
荒々しく指を出し入れする度に卑猥な音が耳をつく。左手でブラウスのボタンを外す。上手く出来なくてもどかしい。結局二つ目のボタンまであけると、ブラジャーを強引に上へ引っ張りあげた。
「っぁはっ」
レイヤー部分が突起を掠って、声が漏れる。
このやらしい水音と、私の声。言い逃れる術は何もない。
――言い逃れ? そんな必要、もう、ない。
「み、るくは、いん、らん、だからぁ……っう」
瞬きをすると、生温かいものが頬を伝った。涙だ。どうしてか、わからない。空気に触れて突起が硬さを増した。左手で摘み、痛いくらいに力を込める。引っ張って円を描くように回した。まともな思考がどんどん出来なくなっていく。
「気、っぁ、持ち、い、のっ」
膝ががくがくと揺れる。立ってられなかった。体を半回転させて、倒れこむように便座の蓋に座った。その間も秘部を弄る手は動かし続けた。膝を立て大きく足を開けば、閉じていたそこが自然に引っ張られて開き、空気の冷たさがまた刺激となって体中を駆け巡る。
今もし、人がきて。それで、このドアを不審に思い引いたら。もし鍵が上手く閉まっていなかったら。
ドアを開けた人の目には、私の愛液でどろどろに濡れた場所が見えてしまう。胸だって、そうだ。だらしなく肌蹴たブラウスと、上に引っ張り挙げられたせいで機能しなくなったブラジャーと。下半身に纏っているのはハイソックスと、M字に開いたせいで隠す役目を果たしていないスカート。
もしそれが、匡侍先輩だったら。
そう思った瞬間、2本の指絡み付いている壁が潤いを増した。指に感じる圧力も心なしか強くなる。引き抜こうとする指を、惜しいと感じて壁が離さない。ぐちゃりと指で掻き回せばぴちゃっぴちゃっと止まらない愛液が飛び散った。
「あっ、んっ、ゆ、び、感、じちゃう」
声を出さないように務めてみても、その余裕すら段々奪われていく。酸素を欲しいと口を開くたびに、意思とは無関係に声が漏れた。激しく動かせば動かすほど、それにあわせて声が出る。なんだかAV女優みたいだ。見たことは一度もないけれど。
「せ、ん、ぱい、みて、っぁあん、み、て、ください、わ、たし、や、らしいん、で、す」
体中が熱くなって、火に包まれているみたいだった。人が来たらと言う恐れはどこかに消え失せていた。匡侍先輩が扉を開けて、私の痴態を見ている。こんな、淫らな、私の姿を。
「せ、んぱい、のこと、想像す、るだけで、****、び、しょびしょ、に、し、ちゃう、んですっ」
私、下着をつけずに一日を学校で過ごして、はしたなく濡らしちゃう子なんです。
私、堪え切れなくて、放課後のトイレでオナニーしちゃう子なんです。
力が抜けて項垂れる。コンプレックスにも思っている母譲りの胸が、下腹部の指の動きと同じリズムで揺れているのを見た。
「ぁあっん、あ、みる、く、イっちゃうっ」
全身が一度、びくり、と、震えた。余裕が、少しずつ戻ってくる。
自分が発した言葉の数々に顔がぼっと熱くなった。
指を引き抜いて、トイレットペーパーを引き出す。べたべたする指を拭い、立ち上がって水溜りのようになっていた場所を吹いた。事務的に後片付けながら、私は敢えて何も考えないようにただ自分が今すべき事を黙々とこなした。
――むなしかった。
好き、って、こんなことを言うのだろうか。
切なくて、悲しくて、辛くて。自分の汚い部分ばかりが見えていく。
そういう気持ちを、恋と、人は呼ぶのだろうか。
もしそれを恋と呼ぶのなら、私は恋なんてしたくなかった。
匡侍先輩の好意だけで満足したかった。
久々に出来た友達を、友達だと喜びたかった。
制服の乱れを整え、かばんを肩にかけた。涙は、もう出なかった。
ただ、どうしたらいいのか、私にはもうよく、わからなかった。
//これ、終わったあとにID公開されるんだと思うと、伏せずにはいられなかった……。
****は勝手に補ってください……。
へ、へたれですみません……。
羞恥心が邪魔してかけない!!
もっと下品にエロくかきたいのに。くそう。
しかしあれだな。
合宿所にいて、映像を見る、ということをある程度納得させる作業に丸々48時間使ってしまったな。
難儀なキャラじゃ。
ちなみに、たまに独り言でやってる懐メロコーナーは「そう聴こえる」というだけで実際の歌詞とは異なる場合があるかもしれません。
本日の思考
・村どうなってるかな
・誰もいない(鳩から覗き
・うっきーにあいたい
・ゆっきーじゃねえのかよ
・やべえほだされてる
さて。
やっぱり翔るんがあずさんじゃないんだろうか
でも翔るん昼間登場が最初メインだったしなー
そうすっと大介誰よって話しに。
カンドリさんじゃないと思う。
あれか。
三人目の男性希望者がいたのか。
でも戸田さんとの絡みを考えると、戸田さんと仲イイっぽいんだよね
中身予想はミクシの日記に非公開で挙げた。
その内更新しよう
[帰ろうと準備を始めたが、そもそも教科書類はロッカーや机に入れっぱなしなので持って帰ることはない。
のでいつものように財布と携帯だけを握る]
大介こねぇな。帰るぞ俺。
[HRの後になるとさすがに見に来る生徒の数は減った。たまに教師が見に来ていたがそ知らぬ振り。しばらく席に座っていたが、立ち上がって教室を出た]
[現れた大介の姿に、一瞬無表情のままじっと見て]
ちっ。遅ぇし帰るとこだったのに。
悪友って、匡ちゃん……じゃねぇか。あいつは今妬むどころじゃねえはずだ。
[息を整え大介が歩き出すのを待つ]
遅くなってごめん。明日連中殴っとくから♪ じゃ、行こうか。
[浮田は改めて流香の姿をまじまじと見直してから、歩き始めた]
匡ちゃんが妬むどころじゃないってどゆこと?
極力動かない方向で頼むぜ。腰周りがすんげー心もとなくて、そわそわすんだ。
あー。そーか。今度制服着てくる時は下にスパッツ履こう。
[名案を思いついたとばかりに表情が明るくなる]
んで、今日行く喫茶店うめーんだろうな?
うまかったら今度ゆっきー戻ってきてから誘おうかと思うんだけどさ。今日いねぇし。
[歩き始めた大介の横に並ぶように歩く]
別に殴らなくてもいいだろ。ってじろじろ見んな。
? 匡ちゃんが今下級生に人気があるっぽいのしらねーのか。詳しくは知らんけどさ。匡ちゃんの変態っぷりを気にしない豪胆な下級生がいてさ。
匡ちゃんすげぇ舞い上がってた。
今日も授業まともに受けてたし。受けてる割に心ここにあらずみてーな。
あれは魂抜かれたな。
[うんうんと頷きながら両腕を組む]
スパッツは無い方が喜ぶよ〜。おれが。
味は心配しなくて大丈夫。おれがまずい所に冴ちゃんを誘うわけないじゃない。
匡ちゃんが下級生に人気ーッ?! そういやメールで何だ美味しい思いをしてるとかしてないとか言ってたなぁ。匡ちゃんもついに青春の時がやってきたのかちくしょう。明日殴ってやる、がるるるる。
膝上までのスパッツ履くだけだし。つーか太もも見せてやる義理もねぇし。
大介が喜ぶならなおさら履いてこねぇと。
……殴るなよ。せっかくの春なんだからさ。
いつも春のお前が殴ると、匡ちゃんはおこらねぇかもだけど、匡ちゃん慕う女の子から嫌われるんじゃねぇ?
[靴箱まで来ると、靴を履き替えて外へ。大介を外で待ちつつ、現在の状況にはやはり納得がいかない様子]
この状況ってのはなんなんだろうな。何も知らねーやつから見たら……。
[付き合っているようにも見えるんだろうかと思って、ため息をつくと先に歩き出す]
─ 喫茶店 ─
[浮田が案内した店は、主要道路からは少し外れた所にある小さな店だった。店内は派手さのないしっとりとした内装で、照明が暖かな光を降り注いでいる]
[カウンターには店長だろうか。三十代ぐらいの男が静かに立っていた。浮田が入店してくると声を掛けてきた]
「いらっしゃいませ。あっ、大ちゃん久しぶり! 今日もいつものでいいのかな? まぁ座ってよ……って、えっ? あれっ?」
[ほとんど無意識に、顔をぐしぐしと擦る。]
んー。
ふぁ、あ、あ。
[欠伸。
こういう眠りは、目覚めと眠りの境界が曖昧だ。
もう、多分、起きてるんじゃないかな。私。
ただ、今誰かに話しかけられたら、すごい寝惚けっぷりを披露する自信がある。]
せっかくの春だからこそ殴るんだよ。それがおれ達の友情表現なんだから。そういう事にしておけって昔の偉い人が言ってた。
おれは春じゃないなぁ。秋? これからどんどん寒くなってきて、人の温もりが恋しくなる季節。うん、おれにピッタリだね!
何も知らない人には何の関係もない二人だと思わせておけばいいよ。他人だもの♪
まぁ強いて言えば……女主人と財布?
[浮田は悪戯っぽく首を傾げてみせた]
─ 喫茶店 ─
[浮田が案内した店は、主要道路からは少し外れた所にある小さな店だった。店内は派手さのないしっとりとした内装で、照明が暖かな光を降り注いでいる]
[カウンターには店長だろうか。三十代ぐらいの男が静かに立っていた。浮田が入店してくると声を掛けてきた]
「いらっしゃいませ。あっ、大ちゃん久しぶり! 今日もいつものでいいのかな? まぁ座ってよ……って、えっ? あれっ?」
[店長とおぼしき男は流香の姿を認めてきょとんとしている]
「今日は女の子連れかい? ……どうする、カウンターに座るかい? それともテーブルがいいかい?」
そうですね。テーブルでいいかな、冴ちゃん?
……悪友と戯れてるとあったけえとおもうぜ。
[何も関係ない二人が連れ立って歩くものだろうか。と微妙な表情]
大介さ。俺を何だと思ってるんだ。
まー財布扱いしたのはこっちが先だけど。
主人ってほど虐げてない……と思うんだ。たぶん。
[大介の方を振り返って後ろ向きに歩く。首を傾げる様子に少し目元が和らぐ]
[喫茶店に到着すると、内装を見回して、それからカウンターの方へ目を向けた]
へー。なんつか、意外だな。
あ、テーブルでもカウンターでもいーよ
高校生らしくテーブルでいーか。
じゃ、テーブルにしようか。
[浮田は流香の席の椅子を引いて、どうぞという仕草を見せた]
[カウンターからは店長がメニューを持って出てきている。彼は「珍しい事もあるなぁ」と呟いていた]
[引いてもらった椅子へと座る。マスターの持ってきたメニューを手に取ると、呟きが耳に聞こえた]
珍しい?
[疑問を口にしつつ、メニューを開いてから閉じる]
大介のお勧めでいーや。ご馳走になんだから、どうせならこれがお勧めってのが食べたいじゃん。
おはよーございます…。
[と口に出す。
意識がくっきりしてくる気がする。]
んうぅうー…ん。
[大きく伸び。]
…おぉ。
[自分の状況を把握する。
そういや、この巨大モニターを試してみようとしていたところでちょっとうとうとっとしていたんだった。
うとうとっというより、結構きっちりした昼寝になってしまった気もするけど…。]
じゃ、エスプレッソとチョコレートのスムージーとかは? 甘冷たくて美味しいよ。期間限定メニューならブルーベリーとラズベリーのパフェかな。賑やかで楽しめる一品だね。おれはいつものエスプレッソ・ソロで。
「あいよ、大ちゃんは定番だねぇ。あぁ、こいつね、うちに今まで一度も友達を連れてきた事が無かったんですよ。一度くらい誰かを連れて来いって何度も勧めたのに、頑として受け付けなくてねぇ」
まぁ、そんなのはどうでもいいじゃない♪
[と、足元に毛布のようなものが落ちているのが見える。どうやら私にかけられていたものらしい。]
…行き届いてるなぁ。
[なんかじーんときてしまった。]
ありがとう。誰か分かんないけど。
[毛布を手に取る。
すごいイイ手触りだった。
あったけー。
毛布を折りたたんで、足にかける。]
よし、今度こそやるべか。
[リモコンを手に取る。
ビシィ!
なんか、ロボとか呼びたくなる気分。
部屋も部屋だし。]
んじゃ期間限定メニュー貰おうかな。
パフェ食ったっつったらゆっきー残念がるだろうなぁ。
[お冷を口にしながら、マスターの方を向いた]
一度も? 仮面被ったのとか連れて来てねぇんだ。
そっちの方が珍しいな。
じゃ、俺が最初ってわけで。なんでだよ。
[じ、と大介の方を見る]
「仮面被ってるってなんだい、それ怪人かい? ……あぁもしかしてキョウちゃんっていう大ちゃんの友達の事かな? 大ちゃんが此処でよく話してるね」
[店長はメニューを受け付けると、カウンターの方へ戻っていった]
特別って何だよ。自分で言うのもなんだけど、俺のどこがいいのかわからん。
ゆっきーにはわかってない風なこといわれたけど。
ああ、そうそう、匡ちゃん。仮面かぶってんだ。
[カウンターへと戻っていくマスターを見送った]
静かに珈琲ね。一人になりたい時はあるだろうけど、マスターの応対みてっと、常連って感じだしさ。
そんな頻繁に一人になりたい時が有るってわけ?
そこが珍しいっつーか。
[それでも自分が最初だというのは悪い気はしないらしい。ほんのり頬に朱が差した]
何って、主に服装が特別?
[浮田はにやにやして、また制服を眺めなおした]
ちょっと気が強い所と、それでいて思いやりのある所かな。今日の約束だってすっぽかせばいいのに、きちんと待っててくれてたしね♪
「キョウちゃんってなんか良い友達なんだって? 大ちゃんいつも『あいつは凄ぇ良い奴だ、あいつとだけは一生親友でいたい』とか言ってるから名前覚えちゃったよ。でも仮面被ってるって普通じゃないなぁ。性格は変わってるのかい?」
マスター、話を誇張し過ぎだって。
だーかーらー、んなニヤニヤしてみるなよ。
恥ずかしいんだよ。
約束は約束ってか、それやっちまったら終りだと思うからな。他の部分どうしようもなくても、人との繋がりは大事だし。
鮫島にも言われてた気がする。
学園内にいると周りが騒がしすぎるんだよ。まぁそれも楽しいんだけどさ、静けさが恋しくなる事もあったりね〜。ま、昔人見知りだった頃の癖が抜けきってないのかもね。なんてね♪
[マスターが大介のことを話す内容に、ぷっと小さく吹き出した]
性格なぁ…変な性格だとは思うけど、慕われてもいるから悪い奴じゃねえと思う。
面白いこと大好きでやりすぎんのが玉に瑕だけどな。
その恥ずかしがる所が新鮮で可愛い♪ 可愛いのは仕方がないよね。その事実の前では全てが許せると思うんだ。
約束すっぽかす人って結構いるよ〜。遅刻して当然と思ってる人もね。
……おれは大介のその軽い口が信用できん。
他の奴が約束破るのは別にいいんだよ。他のことがちゃんとしてるんだから。
俺やりたい放題だから、せめて一つ守りたいものつくらねぇとさ。
ま、そんな意識とかしてねーけど。
基本やりたくないことはやらねーし。
今日だって大介が割り勘って言ってたらこねぇし。
まぁあの暴走癖も含めて匡ちゃんなんだけどね。あれのない匡ちゃんなんてもう想像が付かないや。なにその羽根のない蝶々、みたいな。
ありま、残念。……本当に可愛いのに。
[浮田はぼそっと呟いた]
[カウンターの向こうで吹き出す声が聞こえる。マスターが何かの拍子に笑いを抑えきれなかったようだ]
[しばらくして、マスターが注文の品を持って現れた]
「ブルーベリーとラズベリーのパフェ、お待たせしました。大ちゃんはいつものエスプレッソ・ソロね」
「お嬢さん、こいつ普段学校でどんな事喋ってるんですか?」
鮫島 翔は、冴生 流香 を能力(襲う)の対象に選びました。
鮫島 翔は、おまかせ を能力(襲う)の対象に選びました。
ふふふ、流石の臣楼家の誇る監視網もこの喫茶店まではカバーしていまい! ここで何かをしても雪花ちゃんには見えないはずだ。ふははは!(お前
お、ありがと。
[運ばれてきたパフェをみると、表情がぱっと明るくなった]
どんなことって、朝から晩まで女の子の言葉っかケツ追って口説いてるよ。
男には手厳しい感じかなぁ。殴るとか物騒な言葉も出るし。
[スプーンで一口口に運ぶと、うめぇ、と第一声]
本当に可愛いとか言われてもなぁ。
いやさ。言うのは悪くねぇと思う。実際に可愛いんだったら。でも言葉が軽くなるのはしょうがねえっつーか。
本当に可愛いとか、その言葉一つ一つ、他のやつにも言ってるんだろうなって思わせたら、やっぱだめなんじゃねーかな。
俺がそういわれたいとかじゃなくて。
俺だって大介のことは嫌いじゃねーけど。財布扱いして悪いな、とか思うようにはなってきたし。
最初につれてきてもらったってのは悪い気はしないし。
あれだな。俺慎重派なんだよ。だから、一歩引いてみるようにしてる。
[食べながら、視線は時々大介を見て。前髪の奥で、*瞳が揺れた*]
鮫島 翔は、冴生 流香 を能力(襲う)の対象に選びました。
おれは思った事をなるべくその場でそのまま口に出すようにしてるからねぇ。誰にでも同じような事を言っているように思われちゃうのは、まぁその通りかな。女性を褒めるのはおれのポリシーみたいなものだし。
[浮田は真顔になったあと、舌を出して笑った]
「大ちゃん学校だとそんなキャラなのかよ。うちに来てる時と全然違うな」
マスター、口チャック!!
……おれさ、自分の魅力に気づいていない人がいると歯痒くて仕方がないんだよ。せっかく良い物を持っていたりするのに勿体ないなってね。
冴ちゃんもすごく可愛いんだよ。容姿だけの話じゃなくてさ。女っぽさが出ると照れたりする所とか、優しいのに時々つっけんどんになる所とかね。そういう所がおれ凄い大好きだ。なのになんだか自分では気づいてない感じでさ。まぁ、そんな所も冴ちゃんの魅力なんだけど。
慎重派なのは見ててわかるよ。でもいつも一歩引いていたら何も進めないじゃないか。たった一歩、ほんの一歩でイイから、おれの方に進んでみない?
──おれは、本気で冴ちゃんの事が好きだから。
[静かに染み通るような声でそれを言うと、浮田はエスプレッソ・ソロを*一口飲んだ*]
浮田 大介は、冴生 流香 を能力(襲う)の対象に選びました。
[メールを打つ
大介君へ
今朝気づいたのですけど…
匡ちゃんが俺らの落とした女子を攫う理由はプロ通りなんですけど……
匡ちゃんに落ちた女子を合宿所に入れる理由、用意してないような……
それと、元気出して下さい。よしよし]
-放課後 校門-
[夕焼けに染まる校庭を、校舎から手をつないで歩いてくる男女の姿があった。
2人ともソワソワと落ち着かず、照れたように視線を泳がせていた。
ただ、しっかり握られた手と浮かぶ笑顔は、2人が幸せそうな様子を伝えている。
結局、保険医が戻る前に2人は保健室を出てくることができた]
[校門まで来ると名残惜しそうに立ち止まる]
……え、と。
家まで、送ろうか?
メット一つしかないから、歩きだけど。
[そこまで言いかけて、今夜は雑誌の撮影が入っており、バイクを置いて帰る訳にいかないことを思いだした]
あ……進藤さん、ごめん。
今日は送るのムリみたいだ。
良ければ明日は、メット2つ持ってくるから、家まで送らせてもらえるかな?
[そう言うと、名残惜しそうに優しく進藤の手を離す]
浮田 大介は、陰森映子 を能力(襲う)の対象に選びました。
浮田 大介は、冴生 流香 を能力(襲う)の対象に選びました。
浮田 大介は、陰森映子 を能力(襲う)の対象に選びました。
浮田 大介は、冴生 流香 を能力(襲う)の対象に選びました。
[言われて、すでに校門まで来ていた事に気付いた。
ここまでどうやって歩いて来たんだろう。どうしても思い出せない。
ずっと意識が取られていた場所から、鮫島の手が離れる。]
…うん。
気にしないで。…ありがと。
[答えながら、明日はどんな顔をして会えばいいんだろうと、そんな事を考えていた]
現在一昨日からの激務で死亡中ってかまだ激務中。
もうぶっちゃけ俺が鬼畜に覚醒して拉致監禁HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAでもいいんだけど、キャラ崩壊しそうだからなんとも。
夜におちついたらなんか考える。
てかこんなところで、あずさんがノリでゴーサインだしたルール変更の弊害がーがーがー(エコー)
[額に唇が触れて、ほんの少し体が震えた。鮫島の言葉に答えようとするも、胸がつまって上手く言葉が紡げない]
……。
[赤くなりながら、こくりと頷くと、手を小さく振ってから*駆け出して行った*]
[進藤の姿が小さくなってゆくのを、その姿が完全に見えなくなるまで見送る]
女の子にこんな気持ちを抱くなんて。
俺は……どうしてしまったんだろう。
[律していたはずの自分を、わけもわからないまま見失っていた]
おもいてまなばざればすなわちくらし……でしたっけ。
[夕焼けが夕闇にかわるまでしばらくその場に*佇んでいた*]
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