306 大きな桜の木の村
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絵描きの卵 ミンティス
[桜の下で、ゆっくりと目を開ける]
もう、これ以上…誰も消えないで欲しい、けど…。
今日もまた、誰かが…消えてしまうの、かな…。
止めることは…どうやっても、出来ないのか…？
絵描きの卵 ミンティス
>>24
楽園、だって、言っても…そこに連れて行かれた人は、どうなってしまうんだ…？
私は…やっぱり、怖い、よ…。
[俯くと、見覚えのあるターバンと蛇の抜け殻が目に映って、泣きそうになってしまう]
桜のヌシ アンダーソン
桜の命も人の命もひと時のものよ。
逆らうは摂理に反し、奪うも然り。
……良いではないか。散ったとて我の立派な城には変わりない。
これ以上……誰も連れていかせはせぬぞ……！
[木の枝の上でいきがるリスが一匹]
絵描きの卵 ミンティス
>>26
そうだね、ヌシ様…。
私も、厭だよ。もうこれ以上、誰かが連れて行かれてしまうのは…厭だよ…。
この桜が、悪い訳じゃない…けど、私も、何とかして、食い止めたいよ…。
売れない脚本作家 ギレス
ほら、桜の色づきがいっそう美しいじゃないか。
花びらの零れ落ちる様が、ほら、涙のようじゃないか。
ほろほろと、ほろほろと……ね。
まだまだ、桜の国に誘わなくてはいけないが故の魂のさざめきのようじゃないか……？
ふふ。
絵描きの卵 ミンティス
…私は、桜が何の為に人をさらっているのかは、わからない。
桜の国に行ってしまった人たちが、どうなっているのかも、わからない。
でも…その人たちと、もう会えないのは、厭だ…それは、厭なんだよ…。
売れない脚本作家 ギレス
会えなくなる……？
そんなことは、ないさ。
こんなに美しい桜が、そんなことをするわけがないじゃないか。
……すぐに会えるようになるさ。
（小さく、低い声で）
昼行灯 オリマ
[目覚め、手の届くところの花びらに触れると、ヒラヒラと落ちた。それが地面にとけ込む様子を見送った後、ゆっくりと降りる。]
･･･もうすぐ、終わるのかい？
[桜の木に呼びかける様に、囁いた。]
絵描きの卵 ミンティス
もうすぐ…もうすぐ、終わってしまうのか？
全て桜にさらわれてしまうのか？
わたしたちには…もう、止める手立ては、ないのか…？
[アンダーソンを抱きしめたまま、泣きそうな目で桜の木を見上げる]
桜のヌシ アンダーソン
我らが住まうは桜の国ではなく此処であるぞ……
姿の見えぬ者達も……
ヌシとしての我がこう言うのだ！ これ以上人が消えるのは、ならぬ！
[いいながらミンティスを小さなおててで優しく撫でた]
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