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[小説を見始めたのは、会話終了の合図だろうと悟り、花を元の棚に戻す]
では、失礼します。
お早い復帰を。
[お待ちしています、とは続けず。お辞儀をして、病室を後にした]
うーす。強制入院中のメルヴィンです。もう表には出るなって事かな?というかエピローグまで表に出られないような…。…いや、それ以前に入院してるんだからエピすら出ない…っ!?
/*
あえてフラグを拾わなかったりフラグ立てなかったり。
恋愛に発展しなくてもいいじゃないか。
いいなぁ、こういうやりとり。
*/
『生きる理由なんて、これからいくらでも見つけられる。…そうだ。そのために生きればいい。生きる理由を見つけるために生きる』
…矛盾してないかそれ…
『いいんだよ、人生なんて矛盾だらけだ。』
そうだな。
わざわざすまない。
[ナタリアが病室を出て行くのを見送った後で、ふと、着替えの用意をしたのは彼女だったのかと思い当たり、尋ねようと口を開きかけるもその姿はもう無く]
……。
[ちらりと棚の花籠を見やり、そして小説に目を落とす]
あー…格好悪い。女の人に二回も泣かされたな…。
『ゲルダさんに、ナタリアさんに…』
……何か自信無くすなぁ…あとケヴィンさんの前でも泣いたし…
『あー、迫られて泣かされたっていう』
あぁ、あれは嘘だ
『だろうね』
人前じゃ泣かない、て…決めてたのにな。容易く人の心に入ってきて…。
『………』
…ただ、何でもわかってるような口ぶりなのはまだ気に入らないけど。僕の事は僕しかわからない…。…やっぱり、エリートは嫌いだ。
[...は苦笑して]
ナタリアは擦れ違いを演じたいみたいだし、こちらは人狼とかの設定もあって多分悲恋だろうと最初から思っていたし、こういう流れでいいんじゃないだろうか?
少し心に引っかかりながらもその正体には気づくことなく、ただひたすら温めるだけ。
人生なんてそんなもんだろう、きっと。
ケヴィンさんに職務怠慢と怒られる覚悟でお見舞いに行ったのですが、素直な反応に逆に驚いてしまいました。
…怪我をすると、少し弱気になってしまうものなのでしょうか。
[ナタリアから受け取った取り調べ書に加え、気になる者に対してはもう一度尋問を行い、そろそろ確保した者達の調書も充実してきた。空っぽの会議室、どこか安心するようでどこか寂しいと思いつつも、外に出る事無く黙々と仕事を片付ける]
[取り調べを行った者の中に偶然にもカートマンという名の男を知っているという信者がいた。元警察の人間の失踪とJINROの関わりという名目で追究した内容を簡単にメモにしたため、ジャックの置いていった彼の日記に挟み込む。調査に出かけた山奥の村から帰った彼の後頭部には鈍器による裂傷があったという。ドッグ入りさせられたという話を聴いたが、今頃はどうしているだろうか。調査に入った事が村の者にばれ、それが原因で暴行を受けたとも考えられなくはない。何せ、JINRO発祥の地…狂人の村ではないかという疑いすらある村なのだから。この村に関しても、捜査の手を入れる必要はありそうだ]
[追加の報告書の内容を見直しながら、今朝本庁から送られてきた知らせを思い出す。瓜科署の動きを受けて近隣でJINROに目をつけていた署が動いたらしい。前例ができ捜査令状も下ろされ易くなったため、支部制圧の報は今後増えていくだろう。今回麻酔によって捕獲したFlower-EW服用者に特に麻酔薬によるものと思われる弊害は見られなかったため、催眠ガスや麻酔銃が今後の突入では主流となるだろう。トウガラシスプレーも…存外悪くなかったと複雑な気分で付け足し、追加レポートを本庁に送る]
[下位の信者は事件への関与性は極めて低く、精神病院で検査とカウンセリングを受けさせた後、問題がないようであれば家族の下へ戻す事になりそうだ。薬物及び事件に関わった者、幹部については署の刑事と検事に引き継ぎを行っている。Flower-EW服用者は後遺症や依存症が残っている事、投与中の殺傷行為について当人の話と周囲の話をすり合わせなければならない事と、まだまだ対応しなければならない点が多い。ひとまず、薬害から精神的にも身体的にも正常な状態へ戻してやる事が第一である。家族は調べられた分に関しては連絡を入れてあるが、まだ面会の許可を下ろす事はできない]
こんにちは、ナタリアさん。
お見舞いに行ってらしたのですね…お二方の様子はいかがでしたか?
あと…昨日の捕縛に失敗して殺害してしまったFlower-EW服用者の事なのですが。家族は判明したものの、遺体をそのまま引き渡して良いかいささか迷いまして。
こちらで火葬した骨だけを渡す…ではいけませんでしょうか。
流石に、変異がとけない状態の遺体を渡すのはしのびなく。
何だかお久しぶりな気がします。
ふふ、変ですね。
メルヴィンさんには直接会えませんでした。
ICUじゃ無理です。
一応ガラス越しに見ては来たんですが。
主治医の先生もお話してきましたが、大丈夫そうでした。
ケヴィンさんは…。
[一瞬口ごもり]
お元気そうでした。
まだ傷口が痛むとは言っていました。
ふふ、あの人、フラワーアレンジメントも知らないんですよ。
堅物さんですね。
遺体はそのままお渡し出来ないでしょうね。
でも、ちゃんと見ていただいて、こちらの方で火葬する方がご遺族のためでしょう。
何も知らずに過ごすのは、あまりに哀しいことです。
――ICU(メルヴィン)――
……はぁーーーーーーーーーーーーーーーー…仕事してないと死ぬほど暇だ…重病人って酷い扱いだな…こんなに元気なのに…いてて…
[...は長いため息をついて体を起こす、丁度担当医がやってきて苦笑した]
暇なのは性にあわない…こんなんじゃ身体が鈍るよー。外で運動とか…だめですか…。逃げ出したりしませんから。…だめ?…ちっ
[...は首を横に振る医者に聞こえないように舌打ち]
――会議室(エルンスト)――
[静かな会議室の扉を押し開けてエルンストが入ってくる。中には黙々と仕事に徹するクリストファー。邪魔をしないように「お疲れ様です」と呟いて、ドリンク剤を傍におく]
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