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[昔がいつかとヒグラシに尋ねられれば、首をかしげて不思議そうに]
…え?わかんない、いつだろ?昔は昔だ、今じゃない。きっとオマエが子供のころとかだ、うん。
なんかみんなうとうとしてるなあ、もしかしたら今がこの森の夜なのかもしれないな。
…ぼくは今起きたから全然ねむくないけど。
昨日は、明日。
明日は……昨日?
時間が経っているようで、経っていないよう。
だって、ずっとまっくらだもの。
もしかしたら。
今は、わたしが知っているより、
ずっとずっと、未来かもしれない。
でも、過去かもしれない。
こうして逢っているみんなも、同じ時代のひとではないのかも。
それだったら、すてきかしら。
>モモ
少しぐらい心配してくれた方がいいなぁってさ、
ちからのことは誰かに話しちゃうと、ちからが消えてしまうんだって。だから、何かは内緒♪
>フラン
そっかぁ、でも出来れば同じ世界に戻りたい…かな…。どうなんだろう…。
>グレン
逢いたいよ、遭ってさ、この不思議な森のことを話したいよ。
でもさ、ずっと一緒に居たりすると、ふと離れたくなったり…とかね。何でなんだろうね…。
待ってるのは、こころがそわそわする。
ほんとうに逢いたかったら、
じぶんからゆかないといけないって。
……知ったのは、いつだったかしら。
そうか、猫が言わないなら、ぼくも黙ってよ。
ぼくは多分だめって言うから。
こんなにここに来る前のこと、思い出せないんだから。
だからきっと戻っても。
[そこから先は口をつぐんで、ぷいと木の根に座り込む]
…ふん、猫はいいよな。勝手にどこでもいけるんだからさ。
ぼくだって、あの子に逢いたかったんだ。
ほんとうに逢いたかったんだ。
頭の中に浮かんだことば、ああ、でも。
どうしてかな、あの子のことがわからない。
[...は辺りに奇妙な感覚を抱いて…]
(あれ…、昨日ここに大きな樹が立ってたはずなんだけど…、記憶違いなのかな…、いや、確かそれにもたれて眠っていたはず…。)
(この世界から僕は…。いや、今までのリアルというものが嫌いだった訳じゃない。むしろ僕はきっと、大好きだった。けれども、その中にふとある悲しさというものに、いつしか耐えられなくなっていた。その感覚から逃げ出したくなって…。)
(この世界は僕が…望んでいた…。確かに、リアルというものが嫌いだった訳じゃない。むしろ僕はきっと、それが大好きだった。それでも、ふとその中にある悲しさというものに、いつしか耐えられなくなって。その感覚から逃げ出したくなって…。)
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