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[耳元に囁くように 他に聞こえぬ小さな声]
僕が騙すのは、何も女の子に限ったことじゃ、ないよ?
魔女も、騙したりできるのかな?
[ふふ、と笑みを浮かべて体を離す。]
お主はジュリアンと言うのか。
わらわは魔女では無いがな。人を喰ったりはせぬし。
この森はお気に入りの場所故、時折訪れておる。
魔女をも、騙すと申すか。怖い者知らずじゃな。
若さ故か。わらわの心を盗むつもりなら、やってみるが良い。
せいぜい、返り討ちに遭わぬようにな。
[目を細めて笑うと、古めかしい本を肩から掛けたポシェットから取り出し、ぱらぱらとページを捲り読み始めた**]
ふふふ。怒らないんだ?
大体、女の敵だって、怒られるんだよ。
恐い者…は、あんまり無いかなぁ。
あぁ、嘘。
お金は、恐いよ。
[ティータが目を細めて笑うのを見て、ウィンクをひとつ、落とした。]
お主を怒るようなお人好しがいるのか。
怒られたくらいでは変わらぬだろうに。
お金が恐いと申すか。あれの魔力で狂った人は数えきれぬ。お主もまた…その魔力に侵されているのだろうがな。
安心するがよい、この森ではあれの魔力が入り込む余地が無い故。あれをいくら持っていても、ここでは役に立たぬからな。たまには、この様な場所でのんびりするのも悪くは無いぞ?
[落とされたウインクには]
ふむ。自信があるのは何よりだな。
[そして再び、手元の本を*読み始め*]
…人生、怒られるうちが華、ってね?
お金の魔力、ねぇ…
僕はもう、狂っているのかもしれないね。
[人差し指を自分の唇の前に立て、し、と小さく言った。]
ま、この場では役に立たない、ってのは疑う余地が無さそうだね。
森を抜けたら外では100年経ってました、なぁんてことにならなきゃいいけど。
…あ、それはそれで、追われなくてすむかなぁ。
[ふふ、と 口の前で拳を作って笑った]
[本からは目を上げずに]
お主の自信は若さ故。
愚かさを伴わなければ、美しき宝だ。
大事にするが良い。
いつかそれが消えゆく時、何も残らぬ事の無いように。
お金は人の世のもの故。人より強大な力を持つものには通用せぬ。この森もまた。人より巨大な力を持つ…。闇は我らの力では払えぬ故、闇が過ぎ去るのを待とうぞ。
留まり続けると、心を浸食していくが…まだ歩く時では無さそうだからな。
…ひかりが揺れている。
それに、やさしい歌。
心まで、あたたまりそう。
………なぁに、モカシン。
焦らなくてもいいでしょう。
なにに追われることもないもの。
さみしがる必要だって。
人より?
うぅん、僕には良く判らないや。
僕に判る事といったら、少なくとも君が人の世の理から外れて居る事と、どうやら僕より上位の世界に居る事、くらいかな。
[カンテラの隣 流れる子守唄を聞きながら
木に背をもたれかけさせて座る]
……あら。
鏡?
ふしぎ、ふしぎ。
夢から覚めても、夢みたい。
いいえ、今こそが夢?
それなら、もう少し、
眠っても、よさそう……かしら。
…あれ?
お嬢さんが、ふた、り?
[現れたグエンとティータを見比べて不思議顔
それでも暫くの後
子守唄は 瞼を降ろさせるには 十分だった**]
[まどろむ人には、風邪を引かぬように毛布(どこからともなく現れたが、そこにあったかのように不審に思うこともなく)を掛け。]
モカちゃんもオーちゃんも、お腹空かない?
何かないか、探してくるね。
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