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かつて接触した人間が一杯いるのはやっぱ不自然よね。偶然の再会の大安売り。
モーガンの本の読者がいるってのは、場所柄ありそうだけど。
あら、そこの髪の長いお嬢さん>>112は、このお城のことを知らないできたのかしら?
いるらしいわよ、出るそうよ、狼男。うふふ。
「おお、見よ。雲間より月影のさす丘の上、ひとり立ち上がる影はすでにかつての彼ならず。
逞しい腕には銀の毛が渦を巻き、口は耳元まで裂けよだれをたらし、目には地獄の炎が灯る。
もはや二本の足で立つこともならず、今や前足となった手をついて、彼は、自らの運命に絶望の叫びを上げた。
おおおおぉぉぉぉぉおん。
嘆きは遠吠えとなって彼の喉から迸る。遠く近く響くその声は、近くの村々にいにしえの恐怖の帰還を予告した」
……なんてね、「恐怖の狼男」だったかしら。旦那が何度も朗読するものだから、読んでもないのに憶えちゃったわ。
ここならさしずめ、丘じゃなくて塔の上かしら?
[徐々に目にいっぱい涙が溜まってくる]
うぅ・・・ふぇ・・・ひっく・・・
ロッテ…泣かないもん、怖くない・・
怖く・・・
怖いの!せんせ助けて
[とうとう泣き出してしまった]
あらあら、お姉ちゃん、泣かないのよ。怖くないから、ね。
[泣き出したシャーロットの傍に寄って、背中をとんとん、と。]
吟遊詩人 コーネリアスは、村人 に希望を変更しました。
あら、ごめんなさい。怖がらせちゃった? 嘘よ、嘘、ただのお話。
怖いのが好きな人、怖がらせるのが好きな人のための作り話。幸せな人か、根性の曲がった人むけかしら。
あなたむきじゃないみたいね。
……あはん、もう、泣きやんでくれないかしら。
そこの方、一曲お願いできるかしら? 何か楽しい気分になるようなのを。恋歌とかもいいわね、でも悲恋にならない奴を。
[オードリーに微笑んで]
リクエストですか…そうですね…。サンディも不安がっている様子ですし…。よいでしょう。
そうですね…私の故郷の、収穫を祝う歌などいかがですか?
(落ち着かせるような、ゆっくりとした曲。次第に曲は盛り上がり、踊りたくなるようなテンポになっていく)
うーん……。
[泣き止まぬシャーロットをしばし見つめていたが]
そうだ、お姉ちゃん、一緒にお歌を歌おう?
[事故でシャーロットが幼子同様になる以前に、彼女から教えてもらった童謡を口ずさみ始めた。]
Sieben Jahr, trub und klar,
Hanschen in der Fremde war.
Da besinnt sich das Kind,
eilet heim geschwind.
Doch nun ists kein Hanschen mehr,
nein, ein groser Hans ist er.
Stirn und Hand braun gebrannt,
wird er wohl erkannt?
[先のコーネリアスの声の記憶…怯えは収まらず、泣きじゃくりながら聞いていたが
寄り添ってくるサンディの気配で、徐々に泣きやみ、歌に聴き入る]
[コーネリアスの音楽を聴きながら軽く足で拍子をとっていたが、つと立ち上がり]
踊りましょ?
[シャーロットを立たせると抱きかえるようにしてステップを踏み始めた]
[ロッテの腕を支えてくるりっと回らせながら]
私もコーネリアスさんのこと思い出したよ。
ハイデルベルクのお祭りの夜だったよね。
貴方は祭りの混雑で連れとはぐれて路地に迷い込んでいたの。でも貴方は当惑する事無くそこで歌を歌ってた。
拙著をご存知でしたか。この城へやってきたのも、次の作品の舞台にと思いましてな。
[コーネリアスの奏でるおどろおどろしい曲に聴き入り]
蠱惑的でこの城にぴったりの・・・おぉ、お嬢ちゃんには少し恐ろしかったようだね。
[軽快になったメロディを聴きながら、オードリーに向き直り]
ご主人は狼男の物語を気に入ってくれていたのですな。光栄です。
しかし、怖い話が駄目となると・・・そうだな、翼がまだない天使の話でも考えるとしようか。
[笑顔になったロッテの顔を見て]
よかった。楽しい?
お兄ちゃん歌上手だよね。
ほーら、行くよ。
[新しいステップをロッテに教える]
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