25 めろん館での日常ランダ村〜仕えるもの、それは執事〜
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妖精 ファム
それは昨日の様な夢なの、それは明日の様な夢なの
みどりが沢山で、懐かしいあの匂いがして
それはメロンだって、大旦那さまに教えてもらったの
妖精 ファム
起きてみたらファムのまわりに、お花がたくさん。
その中で寝ていたから、緑の夢をみたのでしょうか。
[...は、珍しくちょっと言い淀んだ]
……カーラさん。えーと
妖精 ファム
[...はふよふよと飛んで、選んで一番綺麗だった花を、カーラの編んだ髪にそっと挿した]
むかしは、寝ているカーラの耳元辺りの髪に、こっそりおいてきたのにね。
布があると、花が落ちちゃうのね。
墓守 カーラ
[...は挿された花に、そっと手を添え]
……お懐かしゅうございます。
あの頃は、私めはまだ何も知らぬ小娘でございました。
母を亡くし、父も知らぬ私めに、お館様は良くして下さった。
もちろんファム様、あなたも私に優しくして下さって嬉しかった。
私は、時を流れと感じ、過ぎ去ってゆくもの。
ですが、その記憶は今も私の中で暖かく輝いていますわ。
妖精 ファム
大旦那さまは、もういないけど、いつか会えるの、天の上か、地の中で。
大旦那さまは、もういないけど、メロンはいまも甘いのよ。
[...は、部屋の主であり今は就寝しているエーリヒの枕元までふよふよと飛ぶと、選んだ赤いサルビアの花をその金色の髪にそっと挿した]
妖精 ファム
カーラは何も変わってないのよ。
そのオツキさまの光を集めて束ねたような髪も、何もかも。
その胸に、あたたかいものがあるのでしょう。
あたたかく感じるところに 大旦那さまが居るのでしょう。
奥様もいるでしょう。ファムもいるでしょう。
だから、カーラは何も変わってないのよ。
久しぶりじゃないのよ、こんばんは、わたしのともだち。
墓守 カーラ
……ええ、そうね。
変わっても、変わったように見えても、変わらない。
みんな、いつも私の隣に居るんだわ。
ありがとう、こんばんは、私の友達。
[そう言って...は微笑み……そのまま眠りに*落ちた*]
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