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[老人は、ホールの隅へ行き戻ってきた。その老人の手には、何と日本刀が握られていた。]
武器庫で見つけて、面白い形だったので考えてみたが…これは何かを斬るのに向いているようだ。
さて……。と。
[老人は日本刀を振り上げた]
[ベンジャミンは銃を構えたまま、モーガンの様子を見つめている。]
[時折、ケネスの様子を見る。
閃光弾のせいで視界は遮られているが、おそらく同じ状態だろうと、彼は推測していた。]
「首を柱に吊す」ですって?
フン、この番組を作ったのは誰だと思っているの?
……私が死んだら、全てがオシャカよ。
賞金も何も、全てパア。
あんた達の命だって、保証されないわよ……?
[クスクスと嗤っている。]
「お主の首は柱に吊るされるのがお似合いだ!!」
[日本刀をキャロルの首目がけて一気に振った。
扱いに慣れていないため首の骨を斬ることは出来なかったが、鮮血が飛び散った。]
警備班!!
何をやっているの!?
早くこいつらを撃ちなさいッ!!
[キャロルの叫びがカジノに響く。
だがそれに応える声も、銃声も無い。]
早くしなさい!このクソスタッフ!!!
[しかし、声は無い。当たり前だ。
警備班もまた、今ここで日本刀を握る老人が作った爆弾と、他ならぬキャロルが放った銃弾に撃たれ、あの世とこの世の間をさまよっているのだ……]
[相変わらずカジノ前で様子をうかがいながらモーガンとキャロルのやりとりをじっと聞いている]
賞金も何も、全てパア……ね。契約にはそんなことは一言も書いちゃいなかったように思うが。
だからといってここで連中を止めても死体が二つに増えるだけ、か。
退役軍人 モーガンは遅延メモを貼りました。
あああああああァァァァァ!!!
[スタッフに対する叫びと罵声が終わるか否かのタイミングで、キャロルは絶叫した。
――彼女の目の前に、鮮血が飛び散る。]
……お前さんの獲物?
[銃口をキャロルに向けたまま、獣の男を睨んだ。]
こいつは、ここに居る全員の敵サ……
「金」だの何だののしがらみさえ無ければ、な。
それともアレか。お前さんも最期に一発キメたいクチか?
[まるで力の抜けた自然体で、男は床に転がったキャロルとそれを囲む3人に近付いていった。――ただし、老人は先程の投擲が当たって負傷して倒れている。]
いや。闘えない人間をやるのは詰まらないからさ…。
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