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番組プロデューサー キャロル は蝶の刺青の聖痕者に決定されました。
ハァイ、エヴリワン。ごきげんうるわしゅう。
こちらキャロルよ。聞こえてるかしら?
ゲームの始まりを告げる鐘が鳴ったわ。
参加者の皆さんもスタッフのみんなも、万事抜かりなくて?
泣こうが喚こうが、地獄のルーレットを回すことは止められない。
「The Rolling-Over Show #2」のはじまり、はじまり――…
どうやらこの中には、村人が3人、人狼が2人、占い師が1人、霊能者が1人、守護者が1人、聖痕者が1人、狂信者が1人含まれているようだ。
―倉庫にて―
[アーヴァインは一人で思案している。]
何……どういうことだ?
倉庫にあった武器が足りないって……!
参加者には2日目以降に受け取るんじゃなかったのか!?
まさか……いや、そんな。
ミズ・キャロルに気付かれる前に何とかしなくては……!
番組新人警備スタッフ アーヴァインが「時間を進める」を選択しました
さあ!宴の始まりだ!
……え?今日はまだ殺すな?カジノで遊んでろ?
儂をナメとるのか!
……え?違反したら殺す?
ぐぬぅぅ…。仕方ないのか…。
[諦めてテキサス・ホールデムのテーブルに着いた]
ふうん。今日一日は様子見かい…成る程?
ところで、あの金髪女、何であんなに偉そうなんだろね?[不服気に]
まあいいさ。あたしはあっちでルーレットにでも賭けてこようかね。
そうだね。宴が始まればみんなで1度ロシアンルーレットでもやってみようかね。ダイスの目で殺す奴を決めるとかどうだい?
[口元に浮かぶ笑み。運の強さなら、あたしはこの中の誰にも絶対に負けない……そんな根拠のない自信ゆえ]
まあ、まあ。
我慢して頂戴な、おじいちゃん……
[クスクスと笑いながら、キャロルはカジノに現れた。]
……さあて、皆様。
このたびは「The Rolling-Over Show #2」に出場いただきまして、まことにありがとうございます。
このゲームは、とっても簡単。
「生き残ったヒトは勝者。莫大な富はあなたのもの。
死は、すなわち敗北。後には何も残らない。」
……無惨な敗北者にならないよう、せいぜい頑張って。
[キャロルの声に顔をゆがめて]
ふうん。あんたは殺し合わなくても最初から勝ち組ってわけかい?
安全なところからこっちを見下ろして、さぞ気分がよいんだろうね?
[口の中でぶつぶつ言うその声は、キャロルには届かない]
-バー-
[スピーカーから開始の合図が告げられる]
でも、今日は特にどうって事は無いんでしょ。
・・・とはいえ、人ヅテはあったほうがいいかしら?
まぁ、そのうち誰か来るわよね。
[男は己の予感に従って、カジノに現れた。
担当のADからゲームについての説明は受けていたが、少なくともその指示に従った訳ではない。
最も危険で争いの起きそうな場所を感知しただけだ。]
……間に合った、か。
おう、姉ちゃん。駆けつけ一杯に酒でもくれや。
そこのブランデーを、一瓶な。
んあ?コップなんざ要らねぇよ。
[スタッフの女に適当なブランデーを持たせると、それをひったくってラッパ飲みを始めた。]
はあっはっはっはっは!!!
人殺しの景気付けにゃァちょうどよかろうて!!!
―カジノ―
[猫科の肉食獣の足取りで、男は喧騒に包まれたカジノを歩く。
悠然と、無造作に、だが足音もなく。
口の端が歪んで、笑いの形を形作る。]
こりゃ千載一遇のチャンス…ってヤツか。
フフフ……。
[「勝利後」を想像しているのかもしれない。]
まずは様子見ってわけか…面白いじゃねえか。
?? (ギルバート)は、番組プロデューサー キャロル を能力(占う)の対象に選びました。
[随分と脂肪の溜まった身体の男が、これまたずんぐりむっくりで厚化粧な女の方を見て、怪訝そうな表情を浮かべた。]
………んあ?なんだ、あのババァは。
[ディーラーの女の尻を触ろうかと伸ばした手を止め、それを弛んだ顎に乗せた。]
[カジノのラウンジ、スピーカーから聞こえる耳障りな女の声に、グラスにつけた唇を放す。]
ゲームの開始、か。
はいはい。ブラックジャックか、ルーレットか?
[既に外されたタイと開いた胸元。
着崩れた印象をさらに強めるようなだらりとした仕草で側にいるスタッフに声をかけた。]
[頭が少々寂しくなった男と、ドぎつい化粧をしたおばさんが視線を交わしているのを見て]
・・・うへぇ、何アレ。脂っこい・・・。
……楽しそうねぇ、皆さん。ふふふ……
そうね。まずはこの会場について知るなり、
それぞれに人間関係を形成するなりしておくといいと思うの。
別に色気で手込めにしても構わないし、不殺の密約を結んでも構わないわ。
それもこれも、あなたの作戦次第。お好きにして頂戴。
ああ、それから……武器を皆様にお渡しするのは、明日…2日目になるわ。もう少し待っていて頂戴。
もしご自分の武器を持ってきている方がいらしていたとしても構わないけれど、それを使うのは2日目からにしてね。
[ベンジャミンと目があい、ばつが悪そうに視線を外す]
んー。どこかで見た顔なんだけどねえ……
[若い頃はロックスターのグルーピーだったこともあるジェーンはスターだった頃のベンジャミンを知っている……が、彼の容姿はあまりにも変わり果てていた]
ねえ。絵になる組み合わせでないと、
ちょっとしたテロリズムだよね。
[へらへら笑いながら、「脂っこい」と
口走った者の横に掛けようとする。]
ケッ、なんだい若いネェチャンもババアもこっち見やがってよ。
俺が一体何だってんだ。
……オイ、そこの女ども。俺の頭に何かついてっか?
何もねぇだなんて言うんじゃねぇぞ!
[腹を抱えて、可笑しくもないことをゲラゲラと笑い出した。20年前にはそこにあったはずの端正な顔立ちを脂肪にうずめ、大口を開けて笑うだけだ。]
「色気で云々」っていうのは、モノの喩えよ。
……まあ、それで巧くいくことも、たまー…にあるから、面白いのだけれど。
お金の欲と色欲を天秤に掛けて、色欲を選んじゃう人間っていうのも少なからず居るみたいなのよねぇ…。
[思案していた所に、隣から声をかけられ]
[ラッキー、とは口に出さないが]
そうね・・・美女と野獣と言うより、美女も野獣ね。
貴方は野獣なのかしら?
武器? 穏やかじゃないねぇ。
いったい何のゲームをやるんってんだ。
[また少し、酔いが回り始めた足取りでアナウンスを始めた女に近づく。
ふらりと揺れる足取りはゲラゲラと笑う太った男にぶつかって数歩下がった。
手にしたままのグラスから溢れた酒が相手にかかったかもしれないが、どうでも良い。
ひらり、まだ揺れるグラスを持ち上げ笑う。]
ああ、すまんな、オッサン。
[にわかに騒がしくなったホールを見ようとしたとき女の声が響き、続いていろいろな人の叫びが聞こえてきた。]
殺しあい・・・・・・
[説明にはあったがこうしてはっきりと言われると自分が置かれた立場を理解させられる。果たして自分になにができるのか。あの吠えている老人にすら自分は立ち向かえないだろう。
あの中に入るのは今は躊躇われた]
あはは。誰かに似ていると思ったらあのおっさんのあの笑い。
右手で金髪の網タイツの女の尻触りながら左脇にブルネットの女を抱きかかえていたらあのレコードのジャケットにそっくりじゃないか。
あれ。……あんないい男になんであのおっさんが似てるなんて思ったんだろ?
[もちろん当人のことだとは気付いていない。しかも、ジェーンは同時期の別のスターと混同して、ベンジャミンはヤク中で当にこの世を去ったと思い込んでいる始末]
―カジノ―
[上機嫌だった顔が見る見るうちに凶悪な表情に変わる。
チッと舌打ちし、]
まだ始めない気か。
イライラするんだよ……
[そう言いながらも、男の眼は油断なくその場にいる顔を曝している人間――エキストラはそれと一目で判るように仮面を付けていた――を一人一人見定めている。]
あァ?カジノにふさわしくない恰好だと?
フン、ディーラーふぜいが何を言う。
俺ァな、20年前からずっとこのスタイルで通してンだよ!いいか、昔は俺がこの恰好してたらよ、どんな場所だって顔パスだったってモン……
[ディーラーにいちゃもんをつけていたその時、酔っぱらいの男がぶつかってきた。しかも、相手が笑っているというオマケつきで。]
……おう、なんだ若造。コイツぁな、一点モノのライダースジャケットなんだぞ……おい?「それなり」に値が張るシロモノだぜ……どう弁償してくれんだよ。
[…と言いつつも、袖についた酒をチビチビと舐めている。]
あら。そうかしら?
私が成功者だなんて、分からな……
……っと。これ以上は御邪魔してはいけないわね。
[クスクスと笑いながら、黒髪の女にヒラヒラと手を振った。]
おっと、そいつはすまんかったなぁ。
俺がこのゲームに勝ったらその金で弁償するさ。
[相手の詰問に謝罪を重ねたが、酒のせいかその視界は定まらず、まだ笑っているように見える。]
旨いだろ、その酒。
[チビリチビリと服についた酒を舐める男に今度ははっきりと笑み。
ぴちゃり、揺れる手から、また酒が溢れた。]
俺の縄張りじゃなかなか飲めない高級なやつだからなぁ。
それがここじゃただで飲める!最高だね!
[男のジャケットに溢れた酒をぼんやりと見下ろし、ぽつり呟く。]
っつか、その服、サイズが合ってないんじゃないか?
スタッフに言えば、サイズの合う衣装を用意してくれるぞ?
[ひらひらと司会者に手を振りかえし]
[体格のいい男に向き直る]
個々の俺ねぇ・・・。つるんでも利益の無い人間に固執するつもりは無いんだけど、貴方には期待してもいいのかしら?
[手をぽんと叩いて]
ああそうだ。服だ。服のせいだ。
あの笑い方も意図的に真似してるんだ。
熱狂的ファンだったのかしら。それともこのカジノで雇われてるそっくりさん?
……でも今の人は知らんだろうに。ベンジャミンなんて。
あらあら。酔っぱらいにぶつかられちゃって。かわいそうに。
[と言いながら、別に気の毒そうな口調でもない]
はっはっはっはっは!
確かにそいつァ言えてるわ!
ここじゃシャバじゃァ飲めねえ酒が、浴びる程飲めらァ。
殺し合いの前に、せめてもの「手向け」ってヤツか!?
生きて帰れたらこれ以上の天国はありゃしねぇサ。
賞金がっぽり戴いてりゃァ、借金の5つや6つ返したって釣りが来らァ!
この世は天国!はあっはっはっはっは!!!
ナニナニ、別に一目惚れしろと言っているわけじゃない。
これっきり、暫く後にはどちらかが10カウントでも
立てないようになっちまってるかもしれないし。
[お酒が飲めないらしく、冷たいティーの入った
グラスをカラカラと回している。]
おうよ、オッサン話が分かるな。
酒さえありゃあこの世は天国だぜ。
おい、そこの兄ちゃん、このオッサンにも何か酒を。
[相変わらずのゲラゲラ笑いに同調するようにへらりと笑うと、辺りに見えた男性に誰と構わず声をかける。]
生きて帰る、ねぇ。
随分と物騒な話だなぁ。
ま、大金がかかってるんだっけ?
殺す殺さないくらいの気持ちで行った方が良いのかねぇ。
[残り少なくなったグラスをあおり、ふうと酒臭い息を吐き出した。]
殺す殺さないも……なぁ?
オッサン、飲み過ぎて頭のネジが飛んじまったかい?
これは「人殺しをして生き残った人間が勝つ」ゲームだぜ?
……おう、そこに居るオバチャンも酒飲めや。
ここはタダ酒のみ放題だぜ。
ま、殺しのギャラに比べれば安いモンだ……
……あら。カジノにいる参加者は……これだけ?
もっと人数が居たような気がするのだけれど……ねぇ?
ひぃ、ふぅ、みぃ、よぅ……あらあら。
もしかして1人足りないかしら?
若い女の子が居たはずなのだけれど。
[煙草をふかして、色のついた息を吐く。]
……ま、「出場者は全員カジノに集まれ!」だなんて一言もアナウンスした覚えは無いのだけれども。
そのうち来たくなったら来るでしょ……
ま、そりゃそうね。とりあえずは信用しましょうか。
一々疑ってたらキリがないし、死んじゃえばそれまでだわ。
・・・私はカミーラ。貴方は?
はぁ?
人殺しだぁ?
[男のゲラゲラ笑いを真似してか笑い、空になったグラスをルーレット台に置いた。]
あのなぁ、オッサン、それはもう何年も前の話だぜ。
あれだろ、伝説の人殺しゲーム……なんつったっけか、転がる……。
まあ、その番組が放送されたのはもうずっと前だ。
プロデューサーも死んだし……まあ、放送局にはなんだか金がたくさん入ったとか聞いたが……もうやってない筈だぞ。
ゴールドファル…いや。
[うっかりリングネームを名乗りそうになるも、
げふげふと咳払いをして誤魔化す。]
俺はナサニエル。まァお手柔らかに、カミーラ。
[身体的能力だけを測れば、彼が楽しめそうな『敵』は少なかった。
が、忌々しいことにこの世には銃器という文明の利器がある。
女子供でも、それを使う意志さえあれば、十二分に彼を殺し得る『敵』となるだろう。――喜ばしいことに。
そして、人を殺そうとするほどの意志の力は、年齢や性別には一切関係のないことを彼は良く知っている。]
[だが、今は不機嫌にこう言っただけだ。
テーブルの前の椅子の一つを荒々しく蹴り付け、恫喝する。]
お前ら、やる気はあるのか……
殺し合いの前に仲良しごっこか。
[年の頃は今、会話している男と同じくらいだろうか。
肉のたるみ具合も似た女性が輪に加わるのに、置いたグラスを持ち上げて歓迎した。]
ほら、こんな金もってそうなオバサンが人殺しゲームなんてやるわけないだろ。
酒に酔ってるのはオッサンの方じゃないのかぁ?
[言って、寄りかかるように相手の肩を抱く。
肩越しに、ボーイらしき男に酒をせがんだ。]
おう、オバチャンも飲めや。
美女やら何やらを囲って飲めば、それだけでこの世は天下泰平サ。
[中年女のグラスに、黒いタトゥーが「K」「I」「L」「L」と1本ずつ指の背に刻まれた右手で酒を注ぐ。膝に置いた手には、同じく1本ずつ指の背に「E」「V」「I」「L」と彫られている。]
俺ァよ……ありとあらゆるヤクの味を味わってみたがよ、結局一番なのは酒だって知ったのはつい最近のことだ。幻覚は見えねぇから、一足飛びに詞は出……
[と言いかけたところで、飲んだくれ男の言葉に眉をひそめた。]
あァー……オッサン。あの「The Rolling-Over Show #2」ってな番組よ、最近復活したらしいぜ。
何でもカジノを舞台に、一般参加者をカジノの住人に仕立て上げて、殺し合いをさせる……てな。
[そう言って後ろを指さしながら、ゲラゲラと笑った。]
[酒に緩んだ頭では、即座に事態を把握出来ず。
ぼんやりと目を瞬いて、音のした方を向いた。]
なんだぁ……?
カジノで負けたからって、八つ当たりかぁ?
……おう。
[若い男が蹴り上げた椅子の行方を視線で追いかけ、それが着地したのを確認すると、今度は若い男の方に視線をやった。]
殺し合いの前に景気付けをしとけ……ってよ。
ほら、餌は熟成するのを待ってから喰うのが美味いってこっちゃねぇのか?
ホロコーストなら3秒で作れるがよ……この番組はそれだけじゃァ足りねぇよ、って話なんじゃねぇの?ただ肉が飛び散る惨劇じゃあ、視聴者の「涙」は誘えねぇサ。
……情が移ったところで仲間同士を殺し合わせるのが、この番組の意図ってトコだろ。
!
[飛んできた椅子に眼を向けて]
やれやれ、気の早いことね。
ロンリー気取るのは向こうの自由だけど、こっちのやり方にまで口出さないで欲しいわ。
[ナサニエルにだけ聞こえるように呟いた]
[ケネスに向かって]
そうだねえ。全ては酔っぱらっている間の夢。
そういうことにしておけばいいんじゃないかね?
[ベンジャミンに酒をついでもらって、その指にふと目を止め]
あら。どうもありがと。
(……あのタトゥーまで真似して入れてるのか。本格的ねえ)
まったくだね。ああいう手合いは、真っ先にお陀仏か、
相手にされないうちに何となく最後まで生き残るか。
…俺は真っ先にお陀仏に賭けるか。
[ひそひそと。カミーラに目配せなどしつつ。]
[ギルバートの方を見て]
ああいうのは、最初にみんなで殺っといたほうがいいんじゃないのかね?絶対皆殺しで賞金独り占め狙いだろ、あれは。
[その言葉は近くにいたものに聞こえたかも知れないし、聞こえなかったかも知れない]
酔っぱらいの夢ねぇ。
その間に「殺されて」、永遠に冷めねェ夢ン中にぶち込まれるのはシャレになんねぇ気もするがな。
[中年女の視線が自分の手に向けられたことには気づかず、ベンジャミンの視線は相変わらず若い男の方に向けられている。]
……だから兄ちゃんよ。まずは落ち着きなって。
アンタがどんだけ待ってたのかは、察する程度にしかできねぇけどよ。カッカしても良いことないぜェ……
カッカしちゃァ、アンタが最初の餌になって「ジ・エンド」かもしんねぇだろ。
[すっと目を細める。]
なるほど。
賞金目当てか。
だが、莫大な額の賞金を皆で分けあうのも間抜けな話だと思ってるんだろう、お前達は。
(……懐かしいねェ。)
[男は、誰に訊かせるでもなく息を吐いた。]
(あの兄ちゃんのようなギラギラした闘志。
俺が音楽の中で描きたかった「獣」の姿を、思い出すぜェ……。)
(20年前の俺は、目先の金に目が眩んじまって、聴き心地が良くてカッコイイだけのリフに素敵な歌詞をつけて、二束三文で曲を売った……「負け犬」だが、な。)
……多少は、な。
多くの人間で分け合うなんざ、間抜けといえば間抜けな話だ。
だが、手を組む「オトモダチ」も居ないまま突っ込むのも無謀サ。人間ってのは安易な生き物だからよ、「オトモダチ」よか「オトモダチじゃない人間」の方が「捨てやすい」モンだ。
……ま、金への欲と生存欲とのせめぎあいだ。
ちょ、ちょっとまてよ……。
[上手く舌が回らないのは酔いの所為だけではない]
お前ら本気なのか?
この面子で殺し合い?
アホだろ。
このオバサンが、アンタやあのマッチョと殺し合い?
あそこでさっきから騒いでるのなんて、爺さんだぞ?
悪趣味っつーか……。こんな勝ち目の無いゲームにオバサンや爺さんが参加する意味がわからねぇぞ?
[しかしいつまでもそうやっているわけにはいかないだろう。あの金髪の女性−キャロルというらしい−が言うにはまだゲームが始まるまで時間があるという。
それまでに少しでも誰かと話しておくことは必要だとは思った。−生きて帰るために−が・・・]
どうしよう・・・
[目の前にいる人々はあまりにも 自分と接点がない。酒を飲んでいる人物に声を掛けるのは躊躇われたしかといって凶暴そうな男に声を掛けるのもまた怖い。
とはいえ話しかけないことには始まらないのだ。幸い中年の女性はこの中ではまともそうだ。彼女に話しかけよう、と座っていた椅子からゆっくりと立ち上がった。]
[ギルバートの一言に背筋がぞくり。何故ならば……ならばこの男にとっての殺人は金を得るための手段ではなく目的であることを示しているのだから……]
俺の望みは、この闘いを味わうこと、出来るだけ長引かせることだ。
それに協力するなら、生き残れた時の俺の賞金をそいつにくれてやる。
[ニィと歯を剥き出して笑った。]
[ゲラゲラと笑う男の耳に、ヤケに聴き慣れたメロディが入ってくる。]
『その手に銃を握れ そして太陽を撃ち抜くんだ
お前が祈る「天国」に神など居ない
神の居る場所は お前の鼓動の中』……
……おい、オバチャン、どうした?
随分と懐かしいナンバーを持ち出すじゃねぇか。
確か、こんな歌詞だったような気もすんだが、違ったか?
俺が今迄聞いてたゲームの説明が、全部本当に殺す、ことを前提としているの……か?
番組演出上のフリじゃないのか……?
[苛立った様子の男を半信半疑で見つめる。
いつの間にか腰を下ろしていた椅子から立ち上がり、先ほどアナウンスをしていた女のもとへ向かおうとして、躊躇った。
昔見たテレビ番組、殺人ゲームに騙されて参加した出演者を思い出す。]
ふむふむ…そういうことなら、おニイチャンが不利そうだね。
カミーラは、「お金が欲しい」人かな?
ということは、ここには生き残ればいい人と
殺したい人がいるわけだね……なるほどなるほど。
[小声で呟く。何やら分析をしているようだ。]
あのおニイチャンのような手合いには、
「最後の1人になる」という縛りが発生するわけだな。
不利だよね。ハンディキャップなのかねえ?
[一瞬だけ眉をひそめたような表情を見せたが、すぐに元の笑い声を取り戻し、酔っぱらいの男の方を見た。]
その「まさか」「悪趣味な」番組そのものだ…と言ったら?
というか、だな。お前さん、この番組に出る上で、契約書にサインをしてきたんじゃないのかい?まさか、それまで忘れちまったとなったら……その酔っぱらいは、末期、だぞ。
……っと、やっと正気に戻った、か。
[血の気が一気に引いたようにも見える酔っぱらいの男をじっと見つめて、酒をぐいと煽った。]
[ベンジャミンを見て笑った]
あんたの格好見てたら思いだしたのさ。あの頃はよかったね。音楽も、この国もさ。
今じゃぺらぺらの作り物くさい音楽と、薄気味の悪いテレビ伝道師が垂れ流す道徳のせいで最高にイカれた音楽なんてもんはなくなっちまったようにように思えるよ。
[そこでセシリアがこちらに近付いてきたことに気付き、声をかけた]
ん?どうしたねお嬢ちゃん。あんたぁ一攫千金を狙っているようにも人殺しがやってみたくてしょうがないようにも見えないんだがね。
何にせよ、積極的に関わりたい相手じゃないわ。
・・・ふぅ。ちょっと疲れたわ。
悪いけど、お先に寝かせてもらうわね。
[ナサニエルに手を振ると、寝室へと*向かった*]
[中年の女性の下に向かおうとした時に近くにいた酔っ払いの言葉が聞こえた。ほぼ同時に立ち上がったのだから余計に気を引いたかもしれない。
全部本当に殺す・・・自分としては当たり前の認識だった。思わず彼の方を向いて]
恐らく・・・そうだと思います。私もそう、聞かされましたから。
[そう初対面の男に告げる]
……なるほど、ねぇ。
「殺し合いを長引かせたい」……ってか。
兄ちゃんの望みは、そこかい。
若いミソラで人間兵器とは、よくやるねぇ。
[それだけ言うと、脂肪の塊の奥でニイと笑みを浮かべた。]
(そうそう……この刺激サ。面白いねぇ……)
あいあーい。おやすみぃ。
[軽薄な返答を返す。]
まァ、目立たないに越したことないよね。
俺も死にたかないし、ここは見とくか。
[ケネスとセシリアのやりとりに眉をひそめる]
(成る程ね…騙されて連れてこられてる者もいるのか。あたしは……破産しそうになっているところに電話がかかってきて、「今まで通りの生活ができるたった一つの手段を教えて差し上げましょう」と誘われたのだけど)
……あァ。
あの頃は「ミュージシャン」がヤクで何遍捕まろうとも、「ミュージシャン」も、そいつを追いかけていた奴らも、パトカーに火炎瓶投げつけるような不穏な輩ばっかりだった。
しかしなァ……今の時代は、大衆に火炎瓶投げつけるフリだけをして、本当はフォークギターで秘密の恋の話をする連中だけが「売れる」時代。今どきのロック野郎なんざ、へっぴり腰のヘタレ揃いサ。
[中年女の言葉に頷き、小さく笑った。]
……なあ、今どき珍しいロックな兄ちゃんよ。
ああ、オッサン、サインしちまったさ。
さすがにそれは覚えてら……。
[ようやく運ばれて来た次のグラスをぐいとあおろうとし、ギクリとしてその手を止めた。]
正気ね……これから人を殺すってのが正気に戻るってことかよ。
なあ、そこのチビ、お前はこのゲームが何か知ってて参加したのか?
[「恐らく」言いきる言葉を口にしなかった少女に尋ねる。]
[そういった後ジェーンが話しかけてきたのに気付いた。
どうやって話しかけたものかと思っていただけに相手から話かけてきたことにほっとしながらも]
はい、私はここに「売られて」きましたから。事前に言われてはいましたけど私は殺し合いなんてしたくないです。
お金がもらえる、という話は聞いていません。ただ・・・生き残れば家に帰してもらえる、とだけ。
[そういってジェーンを見た]
……そうかい、娘さんよ。
酔っぱらいのオッサン共々、随分と災難なことに巻き込まれちまったなァ……
生きて帰りたいなら……人殺しをするしかない、がな。
[ブランデーの瓶を勢いよく煽る。
瓶が空になったのを確認すると、今度は仮面を被ったスタッフにおかわりを*催促した*]
ヘェ。俺以外にも騙されて連れてこられた人が。
あのお嬢ちゃんに至っては、「売られて」きたとかね。
[自分がここに来た経緯を思うと、顔が真っ赤になる。
満月のように浮腫んだ顔が、火星のように。]
[嘲りを含んだ男の問いは、自分に向けられたものではなかったけれど。]
生きてるねぇ……。
アンタが殺したいと思うなら、俺たちは生きてるんだろうな。
アンタは、生きてるものを殺したくてここに来たんだろう?
ただ殺したいだけなら、戦場に行っちまえば良かったのに。
[嫌悪を隠すことなく、そう聞いた。
けれど、その嫌悪が男に対してなのか、自身に対してなのかは分からない。
”その手に銃を握れ”
先ほど歌っていたのは*中年女だっただろうか*。]
[ケネスの言葉には]
いいえ、だって私には自分の行き先を決める自由すらありませんでしたから。売られた者はどこに行くかなんて関係ありません。売られていった先で言われたことをする、もしそれが嫌なら・・・どうなるかは分かりません。だって言うことを聞かずに生きて戻ってきた人なんていませんから。
[そうケネスに告げた。それ以前に売られた者が帰ってくるということ自体が稀なことではあったのだがそこまでは言わなかった]
生きようと足掻かないのなら、生きる価値もない。
詰まらん。
俺が闘う意味がない……。
[少女を見詰める瞳から、急速に興味が薄れたようだった。]
[そこでギルバートの声が聞こえ返事をするかしばらく迷うも]
・・・私はこうして生きています。ある詩人の言っていたように「自分で行き方を決められない者は生きているのではなくそこに在るだけだ」という意味なら違うかもしれませんけど。
[去り行くその背中にその声は届いたのか。背中を見送った後*一息ついて傍にあった椅子に座った*]
[横合いから掛けられた髭の男の問いに、温度のない男の瞳だけが動いてそちらを見た。]
じゃあお前は生きてるものを殺したいから殺したのか。
[何の感情も篭らない、*冷静な問い返しだ。*]
さて・・・一体何人の人が私を人畜無害だと思ってくれるかしらね。こんな小娘生かしていても何の害も無い。ま、その通りだけどね。
それにしても・・・あの子の泣き叫ぶ様子は今思い出してもきもちいいわね。
[そう口には出さずに心で呟く。
本来自分の代わりに売られてくるはずだったセシリア、という女の子。郵便物をすり替え、一日買取の日を早く伝えて摩り替わった少女。ギャングスターにとってそれは造作も無いことだった。
近くの山の中で自分に暇つぶしに嬲られながら死んでいった少女。彼女に成りすましたお陰で次の日村の入り口で番組のスタッフを待ち何食わぬ顔でここに乗り込むことが出来た。武器も共犯者に用意させている。大っぴらに持ち歩くことは出来ないので今もっているのは銀の短剣だけだったが。
さて、もう一人は無事に侵入できたのかしら。今は大っぴらに動けないけどあとで確認しないとね。]
[ずっとテーブルに着いていた老人は気付いた。一人でポーカーはできない。]
ぬ…。誰か暇な奴よ。暇でしょうがないから相手を頼む。
そうそう、儂が一つ教訓を教えてやろう。
――戦友は持つべきものだ。良き友であり、良きライバルであり、良き思い出であり、そして良き身代わりである。――
[そう言って座ったまま、あまりの退屈さに絶えきれず眠りに落ちた。]
霊能者になって盛大に裏切る予定が…。
守護者など死ぬためにある役職ではないか…。
守護者入り希望したのは儂だからケツを拭けと言う事か。
生物はどうして群れを作るのか?それは簡単だ。
群れを作れば群れ自体は攻撃されるが、自分自身が攻撃される確率は下がるからだ。極端に言ってしまえば他人を身代わりにしている。
よって身代わりなど卑怯でも何でもない!当たり前なのだから!むしろ戦地での身代わりは美しい話だ!友の為に撃たれるとは、なんと美しい話だろうか!
だから、このゲームで儂と「群れ」を作る「友」は居るか?儂の気が向いたら身代わりにでもなってやろう。もちろん、逆も有り得るがな…。
儂はしばらくこのテーブルに着いている。判断の正しい者が儂の所へ来るのを待つとしよう。
[そう言って、まだ始まらないテキサス・ホールデムのテーブルに着いて*大きなあくびをした。*]
番組プロデューサー キャロルが「時間を進める」を選択しました
――ブウン。
――カジノ、レストラン、出場者の個室。
――ありとあらゆる場所に設置されたモニタに、キャロルの顔が映る。
『ハァイ、みなさん。ごきげんうるわしゅう。
これから、このゲームの説明をさせていただくわ。
生き残る上でとーっても大切なことを喋るから、
各自メモするなり頭にたたき込むなり、
よー…っく覚えておいて頂戴ね。』
まずこのカジノの中には、普通の参加者のフリをした
『ギャングスター』が2名紛れているわ。
彼らの目的は、『カジノを占領すること』。
夜な夜な「普通の参加者」を殺しに来るから気を付けて。
『ギャングスター』の数が、普通の参加者と同数かそれ以上になったら、そこでゲームは終了になるわ。
彼らには秘密の通信ができるように、通信機械を持って貰っているわ。『ギャングスター』以外には聞こえないようになってるから、耳をそばだてていても無駄よ。
普通の参加者の皆さんは、彼らにカジノを占領されないように、
毎日1人ずつ『ギャングスター』とおぼしき人を処刑してね。
『ギャングスター』が居なくなった場合も、ゲームはおしまいになるわ。
もちろん『ギャングスター』も殺されないように必死だから、普通の参加者さんをミスリードすることだってあるけれど……ね。そこのところも気を付けて頂戴な。
ああ、それから。
『ギャングスター』探しに、力強い助っ人が3名いるの。
ひとりは、『生きている人間がギャングスターか否かを区別できる人』。
ひとりは、『死んでいる人間がギャングスターか否かを区別できる人』。
もうひとりは、『参加者をギャングスターの夜襲から守る人』。
……どう?私だって意地悪じゃあないわ。
彼らの力をどうやって活用するかは、本人と他の参加者さん次第よ。
ああ、でもね。
『ギャングスター』の正体を知っている「普通の参加者」も1名だけ居るのよ。
彼/彼女には、基本的には『ギャングスター』の味方をして貰うわ。
いわば、「普通の参加者」から見れば裏切り者。
名付けて『ブラック・オペレーター』。
ただし、『ブラック・オペレーター』さんも「普通の人間」としてカウントされるわ。
そして、『ギャングスター』は誰が『ブラック・オペレーター』かを知らないの。
そこのところは気を付けて頂戴ね。
そうそう。大切なことを忘れてたわ。
『ギャングスター』と『ブラック・オペレーター』は、『ギャングスター』勝利の為に、
『普通の参加者』は、『ギャングスター』殲滅の為に動いてもらうことになっているのだけれど……
もし自分の生き残りの為に「味方陣営」が邪魔だと思ったら、その時は遠慮なく味方を裏切ってもOKよ♪
くどいようだけれど、このゲームの最重要項目は【自分の生き残り】。
くだらない友情ごっこにうつつを抜かして死んでしまったら、ただのバカだもの。
まあ『ギャングスター』さん達だけは「味方陣営」を裏切れないけれど。
そこは一応気を付けてね♪
[男はちらりと年老いた軍服の男を見た。]
あんたはまだ、生きているようだな。
どうだ、アイツの命令なんてブッチめて俺と今ここでやる気はあるか?
[相変わらず平静な、しかし微かに期待の漂う視線を投げた――]
ふ…。つまりただの戦争ではないか。容易い!
そしてお主はそこでのうのうとしているのか。確かキャロルと言ったか?おそらくお主は一部の人から相当の恨みを買っているはずだ。そこの何も知らずに連れて来られた奴とかにな。[そう言ってセシリアを見た。]
儂もそう遠くから高みの見物と行かれては腹の虫が収まらん!そうだな…まず真っ先にお主を殺したい!
どの道、お前達は後で俺の言葉を思い出すことになる。
その時に後悔しないようにしろ……
[男は振り返りもせずに*歩み去った。*]
お主は…ギルバートと言ったな?なかなか良い面構えだ。戦というものを心得ている顔だ。
だが、自分の実力を過信しすぎている…。まだまだだな。
[そう言ってまた大きなあくびを一つした。しかし自分の実力を過信しているのはこの老人も同じである…。]
[突然のキャロルの放送に戸惑う。ギャングスター、それは彼女の住んでいるような地域でも人の噂になる恐怖の対象。それがここにいるというのだろうか]
ギャングスターが私たちを殺しにくる・・・
[思わずつぶやいたことば。非日常のこのカジノで聞いたそれは酷く現実味を帯びて聞こえた]
[そこでモーガンの言葉が聞こえた。いや、初めから聞こえていたが自分の名前を出されたから注視したのであるが]
私は・・・
[キャロルを恨んでいるのか?と言われるとまだ分からない。恨むなら人を売らなければ生きていけない故郷の貧しさだろうか。それとも自分を売った両親だろうか。それとも自分をこんなところに連れてきたキャロルだろうか。
いずれにしても余りに現状が非日常的すぎてまだ完全に状況が理解できていないのもしれなかった]
[放送での説明を耳にして]
ギャングスター・・・ね。
つーか、明らかにそれっぽいのいるじゃない。
アレとか、
[ちらりと人とは思えないような体格の男を見て]
・・・アレとか。
[同じように喚いている初老の男を見た]
・・・っと、ごめんね。
[ぶつかった人を注視する。紫色の髪を後ろで結んだ、おおよそこの場には似つかわしくない――子供?]
・・・随分と悪趣味な真似するのね、あの司会者。
進んで参加してる私が言えた義理じゃーないけど、さぁ。
[色々考えているといきなり誰かがぶつかってきた。もしかしたら自分が進路にに出てしまったかもだが]
あ、すいません。少し考え事をしてました。
[そう自分とぶつかった黒髪の女性に謝った]
[少し前。セシリアの言葉に]
ふうん。殺し合いはしたくない、か。
でもね。殺さなきゃ殺されちゃうのよ?
それに……あんたにはお金が必要だわ。上手く生き残れたら悪いことは言わない。家に帰ったりしなさんな。帰ればどうせ金を取り上げられ、別のとこにまた売られるだけだ。
金持って好きなところへ行って好きにすごせばいいのさ。金さえあれば、この世はけっこう楽しいところだよ。金のない奴には地獄だけどね。
あたしは、必要だったらあんたのことを殺すよ。申し訳ないけどあたしにも金が必要だから。だから、あんたも必要だと思えばあたしを殺しなさい。
ここは、そういう場所なの。
[その言葉は、ギルバートが会話に割って入ったせいで聞こえなかったかも知れないし、ちゃんとセシリアに聞こえていたかも知れない]
あー、謝らないで。多分私の前方不注意。
しっかし、驚いたね。貴方みたいな子も参加してるんだ。
・・・随分若く見えるけど、名前と年齢聞いてもいい?
[ケネスには、小さな声で囁く]
あんたさ。軍隊ってのは規律を重んじるとこだよ。あいつがどんな奴か知らないが……気に入らない上官がいたら後ろから撃ち殺して「事故です」と言ってのける奴や、無辜の住民を強姦虐殺して「あいつらゲリラでしたから正当防衛です」と言い張る奴にお偉いさん方は困ってるらしいじゃないか。
あいつは……大人しく上の言うことを聞いて殺せと命令された相手だけを殺す奴にゃ見えないね。軍人むきじゃないよ。
……そういやあの爺さんも軍人上がりみたいだが。
[黒髪の女性の言葉に]
自分から・・・ということはあなたはこの場所で何をするか分かってて参加されたのですか?
[よく考えればそれは当たり前のことなのだが]
[自分の名前を聞かれ]
私はセシリアっていいます。年は十五です。あ、今年で十六ですね。
[そういってあなたは?という風にカミーラを見つめた]
軍隊が規律を重んじる、ねぇ。
戦争をやってんのは規律を重んじるお偉い軍人さんだけじゃないさ。
実際に戦地に立っているのはお偉いさんがたを困らせてる碌でなしどもだ。
そして、このゲームも、ただ人を殺せば言い訳じゃないんだろう。
[ブツリと切れたモニタを顎で指し、引きつった笑い。]
なあ、そこのイカレタ人殺しども。
[血気盛んな老人と、立ち去ろうとする青年。]
これはゲームだ。
ただ殺すだけでも、生き残れば良い訳でもない。
あの奇麗だが性格の悪そうな姉ちゃんが言ってたよな?
大事なのはその、ギャングスターってのを二匹殺すこと。
間違えた人間を殺せば、逆に俺らの勝利が遠のく。
あんたはそれでも良いのか?
ただ殺そうと言うだけじゃ同意する奴はあんまりいないと思うぜ。
私はカミーラ、今年で26ね。
・・・そうね、分かってて来た。それだけの価値はあるわ。最悪でも死ぬだけよ――これ以上悪くはならない。
敵と同数になってもこのゲームは終了、か。
ただ殺したい奴にはこのゲームは不向きだ。
[喋りながら、自分の考えを纏めようとしている所為で、視線は酔っているかのようにぼうとして。]
たくさん殺したい奴も、余り殺したくない奴も、ギャングスターを探す必要がある。
だから、これはただの人殺しじゃなくゲームって訳か。
悪趣味だ。悪趣味だけど、そこに少しだけ救いがある……そう思っちまうのは欺瞞かね。
[いつの間にか氷が溶けて温くなったグラスを握る。
わずかに震えた手で薄くなった酒を煽った。]
さて、と。
取りあえずまだ人殺しゲームは始まっていないんだろ?
[温い酒がじわり、体を温める。]
ゲームが始まる前に、このゲームの参加者の確認でもするかな。
オッサンとオバサン、眼鏡のチビに、イカレタ馬鹿が二人……。
あとは……あ、若いねーちゃんもいたのか。
[指で数え、辺りの人を見回す。]
[カミーラの言葉を聞き]
カミーラさん、ですね。今より悪くなることはないといいましたけど生きているのは死んでいることよりはいいのではないでしょうか?
[そう故郷のことを思いながら言った]
・・・早まらないようにね。失敗ってしまった私達とは違う、まだ貴女はやり直せる。
この中では一番信用なりそうなのは・・・あの飲んだくれね。・・・生き残るのよ。
……さァな。
欺瞞だろうが何だろうが、人殺しは人殺しだ。
規律があろうが無かろうが同じ……だろ。
[封を開けたばかりのバーボンの瓶を煽りながら、ぽつりと呟いた。]
それによ、忘れちゃいけねぇのは……
自分が生き残るためにゃァ規律を乱すのも構わねぇって、あの金髪の姉ちゃんが堂々と言ってることだ……なァ?ギャングスターと手を組む奴等がバカみたいに増える可能性だって否定はできねぇ。
折り目正しく規律を守りゃァ万事快調、とはいかねぇみてぇだぞ、オッサン。
とりあえず、殺し合いをするにもお互いについて知る必要があるって分かったところで自己紹介しておく。
[ぐるり、辺りを見回し参加者に視線を合わせる。]
俺はケネス。歳はよく覚えてねぇ。
住所不定無職だ。
ほか、知りたいことがあれば何でも聞け。
それまでは暇だから酒飲んで……ああ、そこのテーブルで「ゲーム」でもするかな。
[テキサスホールデムのテーブルに寄り、眠る老人の手札をちらりと盗み見る。]
おっと、オッサン、答えはゲームしながらでも良いか?
まあ、この寝てるんだか惚けてるんだかよく分からないじーさんにやる気があるならだが。
ギャングスターと手を組む人間がいっぱいになることは無い。
答えは簡単。
ギャングと一般参加者が同数にならない限りゲームは終わらない。
普通の参加者が生き残る為の手は、ギャングをさっさと殺すか、ギャングが二人だから残り4人迄生き残るかだ。
しかも、ブラックオペレータとやらがいて、ギャングが誰か知ってるならそいつの方がギャングと手を組むには容易い。
空いてる席はひとつ。
まあ、実際のゲームが始まってみないと、どれだけ極端に人が死んで行くか分からないから……場合にも寄るか。
なあ、性悪ねーちゃん、俺たちはゲームが始まったらガンガン殺し合うのか?
イカレタ奴らが張り切っちゃって誰が生きてるか確認する前に、全員あの世なんてことは無いのか?
[カミーラの言葉に]
そうですか・・・でも私たちの村は生き残るために誰かを売ってまで生きてるんです。だからこそ生きていることは大事だと思います。
住所不定無職のケネスさん、か。
いいかげん「オッサン」と呼ぶのも飽きた頃合だ。名前を聞いておくのも悪かねぇな。
[ポケットに忍ばせていた金色のマルボロを取り出し、マッチで火をつけた。]
そうだなァ……
俺のことは「ベン」とでも呼んでくれや。いつか殺し合う相手に深い情を持つのも、お互いに面倒な話だろうサ。名前なんざ2〜3文字もありゃ十分だ。
歳は……そうだなァ、ミック・ジャガーよりかは幾分若い、とでも言えば十分だろうよ。それ以上を知っても、何も価値はあるまいよ。……なァ?
[男は、本名である「ベンジャミン・フランク」という名は名乗らぬことにした。]
倫理観、ねえ。
[へらり、唇をゆがめて笑った。]
このゲームがどんなんだか知ってて参加してるアンタが言う言葉とは思えないな。
……知ってて参加したんだろう?
借金でもあるのか?
[ブウン…という鈍い音を立て、モニタのスイッチがついた。
画面は二つに割れており、片方はカジノの様子が、片方はキャロルの満面の笑みが映っている。]
質問にお答えするわ、「住所不定無職のケネスさん」。
そうねぇ……もし一度に大量虐殺をするバカが現れたとしたら、その時は我々スタッフが容赦無く射殺する手筈になってるから、ご心配なく♪
ついでに、銃弾が通じないようなら、カジノのどこかに毒ガスの発射装置も隠してあるから、よ・ろ・し・く♪
殺し合いは、焦らず、ゆっくり。
惨劇は少しずつ進行するのが面白いのよ。
殺しを楽しみに来た猛者の皆様は、餌を「恐怖」でいっぱいに、丸々肥らせてから食べるようにして頂戴な。
番組プロデューサーからのお願いよ?
[カミーラの言葉にはい、と答えてから聞こえてきたケネスとベンの言葉に続けるように]
私はセシリアっていいます。・・・年は十五歳です。
[そうその場にいる人に告げた]
ケネス、「まさに」あんたの言う通りだ。
ここにゃァ、俺を含めて「ゲームのルールを知っているのに」「わざわざ進んで来た」奴等もいる……そんな奴が「殺し」の「規律」とやらを語るのが……なァ?
[笑みを浮かべ、バーボンをまた一口煽る。]
そうさ。俺にゃァ少なからず「事情」ってモンがあんのサ。だからこそ、俺ァここに来た。金が欲しいからなァ。自分の「事情」を他人の血で贖うことにした、卑怯者だ。
だが……「だからどうした」?
「それがお前さんの人生に関わるのか」?
お前さんだって、俺だって、他人を殺さなきゃ自分が死ぬんだ。生きたきゃ、四の五の言わずに「殺す」覚悟をしなくちゃならねぇ。でなけりゃ、そこの兄ちゃんや爺さんみたいな「覚悟のキマった」奴等にあっさり殺されちまわァ。
「死ぬ」覚悟をすりゃー、漏れなく殺されるのがオチだぜ。
……ま、お互いに覚悟キメて頑張ろうや。
セシリア……15歳、ねぇ。
そんな若いミソラで、こんな所にねぇ……。
ケネスと同じで、いつの間にか連れて来られたクチか?
……と見せかけて、実は自ら乗り込んで来た猛者だったら大笑いだな。
[もう一口、バーボンを煽る。]
ま、何にせよ……「お前さんの事情なんざ、俺には関係ねぇ」訳だがな。
ーカジノー
[テキサスホールデムのテーブルにつき、だらりと椅子に腰掛ける。]
了解、ベン。
呼び名があれば本名だろうとなんだろうと構わないさ。
フルネームはお互い生き残れたらな。
なあ、このゲームに参加することは卑怯なのか?
あー、俺やあのチビ……セシリアってのか?
みたいなのは別として、アンタらは自分の命を掛け金にこのゲームに参加した。
それは卑怯なことか?
卑怯ってのは、自分は手を汚さず利益だけをもぎ取ろうとする奴らのことだ。
高みの見物を決め込んでるあの別嬪さんみたいなのだろ。
[近場のモニタに唾でも吐きかけそうな笑顔で手を振った。]
ご回答ありがとよ、性悪さん。
それからよ、ケネス。さっきの話だが。
ギャングスターに協力したいって奴等が何人も現れたら、そいつらで「1つの椅子」を争って、「普通の参加者」とやら同士で殺し合いをすることになるかもしれねぇな。感覚の狂っちまった人間は何をするか分かったモンじゃねぇ。
それに、ブラック・オペレーター…だっけか。そいつはギャングスターからは正体が分からないと、イカれた金髪の姉ちゃんが言ってたぜ。だから、椅子とやらは「1つ」と決まった訳じゃあ無さそうだ……。
ま、なるべくそんな「不毛な」展開にならないように、冷静に事を運ぶべきなのは言うまでもねぇけどな。あくまで、目的は「ギャングスターの殲滅」ってことになってるからな。
「生き残る」のが大前提なのは、言うまでも無く。
―廊下―
[放送を聴き老人と言葉を交わしてすぐ後に、男はカジノルームを出た。
背後で交わされた会話の一部はしっかり耳に入っていたが、部屋を出て以降のことは知らない。
もう一度、誰かの問いに答えてか、ホテル内のあちこちに設置されたモニターにプロデューサーと名乗る女の顔が映った。
足を止めて女の説明を聞く間に、男は一度だけ眉を顰めたが、すぐに平静な顔に戻った。]
関係ない、か。
大有りだぜ。
[まだ面子の集まらないテーブルに飽いたように足を乗せ、天を仰ぐ。]
昨日迄知りもしなかったオッサンが俺の人生、生死に関わってる。
さっきも言ったが、この人殺しゲームに勝つ上で他人の事情を知ることは結構重要だろ。
……どの覚悟を決めるかはまだ決めてねぇが、そうだな。
頑張ってお互い殺し合おうや?
チビ・・・ね。言ってくれるじゃないの。私だって好きでこんな小柄な体格してるわけじゃないわ。
もっとも・・・それで甘く見てくれる相手が多いからある意味楽でいいけどね。
自分でこういうところに乗り込むなんて・・・
[とんでもない、とベンの言葉に小さく首を振る。そしてしばらくベンとケネスのやり取りを聞いていたが]
今夜は一旦部屋に戻りますね。皆さんおやすみなさい。
[本当はケネスとベンのやり取りをこれ以上聞きたくなかったからだがそれは口に出さなかった。とはいえ部屋に戻ったところで眠れるかは怪しいところだろうが]
………眠ィ。
酒入れすぎたか、ちくしょう。歳は取るモンじゃねぇな……
おい、そこのスタッフよ。
寝る所に案内しな。
[男はスタッフを小突いて、個室へと案内させた。……途中、女ディーラーの尻の感触を分厚い掌に*失敬しながら*]
なんだ、ポーカーでも教えてやろうかと思ったのに。
子供は早く寝るって奴かね。
ベン、お前さんは賭け事はやらないのか?
[頼り無い小さな背中にひらと手を振って、自分も席を立つ。]
ちょっとしょんべん*行ってくらぁ*。
こちらレッドウォーター。無事に潜入完了したわ。そちらはどうかしら?
とりあえず自己紹介兼ねて通信しておくわ。急いで返信する必要はないわよ。
私はもう休むわ。何も知らない子供の振りって酷く疲れるのよね。
―廊下―
[鼻を押さえる手からは血が滴り落ちている。
筋肉増強剤の影響によるものだ。
生きて帰れば、ウェルネスポリシー違反で謹慎、
タイトルマッチの予定はお流れになるだろう。]
最初はとんだ災難に巻き込まれたかと思ったが、
こいつはGOOD LUCKだったんじゃねえか。
[釣り上った口角が自らの鼻血で真っ赤に濡れている。
ムーンフェイスも筋肉増強剤の副作用だ。]
見たところ、身体能力でいえばトップか次点か…。
レスラーと明かして期待を得るか、ここは下手に
目立っていらぬ警戒をもらっても困るしなあ。
[単純な殴り合いなどなら、あの殺し合いマニアと
ナサニエルは認識している男と肉薄するかどうか。
そんなことを考えている。]
お主は…ケネスと言ったか。もう少し酒を控え、もう少し真面目になれば上官になれたかもな。
だが、殺しあいが好きなら上官には向いてないな。うむ。
裏切る席は一つだが、能力を持った者が「ブラック・オペレーター」になりすますのは簡単だ。もちろん、裏切り者だらけだと戦争として破綻してるがな。
やはり正攻法の方が生き残れる確率は高そうだ。あまり人は死なぬが……。
[老人は冷静に答えた。常に狂っているわけではないようだ。]
ついでに名乗っておくとしよう。モーガンだ。昔、この軍服を着て、このライフルで幾多の人を殺した。だが……そう!時代は変わってしまった!何が戦争は絶対悪だ!くだらん!
というわけで、勝っても負けても人生最後の戦争をする為にここに来た。よろしく頼む……簡単に死なれては戦争として面白くないからな!
あと、ただのボケ老人だと思うと痛い目に遭う、と忠告しておこう。
人は見掛けによらぬ。むしろ見掛け弱そうな者ほど警戒すべきだ。
さて、手札は…。
1(4)の1(13)と1(4)の4(13)
(前の数字(1〜4):スーツ。1から順にS,H,D,C
後の数字(1〜13):数字。J=11,Q=12,K=13,A=1)
―客室―
[ホテルの内部を確かめるように歩いて数分後。
部屋番号を記したプレートのついたドアがずらりと並んだ客室エリアに辿り着いた。
思い付くものがあったのか、男はポケットに手を探り入れ、折りたたまれた一枚のメモ用紙を取り出す。
男をここに連れてきた――オドオドした若い――ADが、「部屋番号はジャケットのポケットの中」云々と言っていたもののようだ。]
―客室―
[宛がわれた客室は、きらびやかなカジノホテルに相応しい広さを備えていた。
男が室内を一通り見て回わる様子を、天井近くに設置されたカメラが逐一追う。
見つけたミニバーからミネラルウオーターのボトルを取り出し、シールされているかどうかを確認している表情がクローズアップされてTV画面に映った。]
[乱雑にシールごとキャップをひねり開けるのも、ごくごくと喉を鳴らして一息に水を飲み干すのも、余すところなくカメラは映し出す。
最後に手の甲で口を拭っているところで、男は何かに気付いたように視線を移した。
空になったボトルを放り出し、大股で視線の先――ベッドへと近付いていく。]
[ベッドの前に辿り着いた男が見詰めるのは、ベッドカバーの上に置かれた一通の封筒。
封のされていないそれの中には、二つ折りのカードが一枚。
真っ白い紙面の上に描かれた文字を、男の鋭い目が追う。
最後まで読み終えた男は、しばらくの間考え込むかのように紙面を睨んでいた。
そして、ニヤリとほくそ笑んでカードを握り潰した。*]
−自室−
[事前に指示されていた部屋に行くと豪華なベットや座り心地のよさそうなソファーのある部屋だった。奥にはシャワーもあるようだった。
部屋が豪華ゆえに傍に置かれた自分の私物の入ったくたびれた袋が酷く目だって見えたのは仕方ないことであろう。
服を脱いで下着姿になりベッドに潜り込む。その余りの柔らかさに疲れていた彼女はそのまま深い眠りに落ちていった*]
……っと、カメラがないのはここぐらいか。
[人気のないトイレ。個室に籠もり通信機のスイッチを入れる。
丁度良く、流れこんできた少女の声に、ふうと息を吐いた。]
その声はチビだな?
もう一人の女の方じゃない……な。
意図せずゲームに混ぜられたのは俺だけってことか。
一般参加者と違い、俺達がなるべく楽に勝つためにはお互いの協力が不可欠だ。
宜しく、相棒。
[布団に包まっていれば少なくとも外界からは分からない。
通信機から聞こえてきたのはあののんだくれことケネスの声だった。]
私の相棒はあなたなのね。よろしく。やる気満々の人達が多いみたいだから気を付けないとね。
とりあえずここの警備担当から始末するわ。ああ見えて結構鋭そうだしね。
[通路ですれ違ったときにやや不審気に自分を見た男の顔を思い出しながらそう伝えた]
おい、ゲームの勝敗に関係ない相手も殺すのか?
必要な殺しは躊躇うつもりはないが……。
[言いかけて、トイレに近づく足音に口を噤んだ。]
-セシリアの寝室-
[眠る下着姿の少女を見下ろし]
鍵を掛け忘れるなんて・・・迂闊じゃないかしら?ご主人様。
[つぅ、と首筋を撫で]
命を預けるには不安・・・だけど、その潜在能力に賭けさせて貰うわ。
―自室―
[ふと目を覚ますと見知らぬ部屋・・・ではなくホテルの一室。あれからどれくらいの時が経ったのだろうか。柔らかい布団は彼女を再び微睡みへ誘おうとするがそれを振り切りごそごそと起きだしてくる。
シャワーの使い方に手間取ったりいきなり冷水を浴びて叫んだりしたがシャワーを浴びて服を着る頃には大分頭もはっきりとしていた。
これからどうすべきか考えたが最良の答えは出なかったため彼女はホールに向かって歩き始めた]
―リネン室―
[清掃用具と交換用の備品を積んだワゴンを押して、リネン室に入ってきた客室係は、壁際の床に落ちた毛布の小山――否、毛布に包まった人影に怯み、立ち止まった。
纏っていた毛布を振り落として素早く立ち上がると、“それ”は竦む彼女を押し退けて部屋を出て行った。
やっと驚きから立ち直った彼女が怖々と廊下を覗く頃には、蛇革のスーツの背中は随分と小さくなっていた。]
―ホール―
[戻ってきたホールには余り人影がなかったがそれでも何人かの人はいた。その人たちがやっているようにして食事をもらって(代金がいるかと恐る恐る聞いて笑われながら説明を受けたりしたが)隅の方のテーブルで食べることにした。]
―カジノ―
[昼夜の別なく喧騒に包まれたカジノ。
テーブルに配置されたディーラーと客を演じるエキストラたちが常に偽りの華やかさを演出している。
ホールに現れた男は入り口で、誰かを捜すかのようにぐるりと辺りを見回した。]
スタンド。これで勝負するよ。
……あたしの勝ちだ。悪いね。
[ディーラーにウィンク。直視して悪いものを食ったような顔をするディーラーの表情に、またけらけらと笑う]
あたし自身のツキは落ちていないね。
[いや、確かに探していたのだろう。
中央に向かってゆっくりと歩を進める男の視線は、明らかに何かを求めて、ホールのあちこちを彷徨っていた。]
−ホール−
ここ座ってもいいかな?
[ゴツゴツとした体躯すら爽やかに思える笑顔。]
やー、こりゃまた嵐の前の静けさというか何というか。
[返答も聞かず、ずかずかと座り込んでしまった。]
[一勝負終わって顔を上げると、ちょうどその時カジノに入ってきた男に気付く。明らかに誰かを捜しているとおぼしき彼に声をかけるべきかどうか、しばし躊躇った]
[やがて、求めるものをカードテーブルの傍で見つけた彼は、そちらに向かって大股で進んでいった。]
……あんたに話がある。
あ、はいどうぞ。
[突然掛けられた声に反射的に頷く。見上げるような巨体を見ていたらそう返事できていたから分からないが。
-カジノ-
やれやれねっと。
[野暮用を済ませて、ルーレットのテーブルに着く]
へぇ・・・面白い組み合わせ。
[中年の女と巨漢との会話を横目に見ている。]
[ギルバートに声をかけられ、目をぱちくりさせる]
あたしに、かい?あの爺さんじゃなくて?
[と離れたテーブルにいるモーガンの方にちらりと視線を向けて]
[見つめられて、つと目を反らす。肉食獣を思わせるその瞳は、怠惰に太った豚のような彼女には恐ろしすぎた]
手短に、わかりやすくお願いね。
あたしはあまり頭はいい方じゃないんでね。
へへ…まったく不安でしょうがないよなあ。
食事もロクに喉を通りやしねえって。
[口ではそう言いつつ、野蛮にガツガツ食べている。]
それ美味しそうね。ちょっと頂戴よ。
[少女の顔を笑顔で覗き込む。]
あんたが頭が悪いとは思えないが。
[ハ、と溜息のような音が歪んだ唇から洩れたのは、笑ったつもりだったのかも知れない。]
あんたは、俺にヘンな講釈を垂れようとしなかったからな。
[そこでふと自分が相手の名前を知らないことに気付く]
あの・・・私はセシリアっていいます。あなたは?
[少しおどおどしながらそう尋ねた]
んー、セシリアちゃんね。よろしくねー。
[毒気のない軽やかさ。]
俺はナサニエルってんだ。えっとー…
[少し思案したのち、口を開く。]
プロレスラーやってんだ。知らない、ゴールドファルコン?
あの覆面の下は、こんな顔なのさ。へへへ。
[相手がそれを知っているか否か意に介さず
自慢げに自分のことを喋っている。]
[1]
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