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いやぁ…来ないで…。
[近づいてくるミックの姿に、視線が宙を彷徨う]
お母様…どこに…?お父様が…ぁぁ…。
[両手で頭を抱えて、うわごとのように呟く]
───…おい、どうした?
[様子の変わったアデライドを訝るように、更に距離を詰める。]
アデライド、何を言ってる。
お前の親父なんて、ここにはいねぇぞ?
[目の前に迫るミックの姿に、何を重ねるのか]
やめ…ぃや……お父様…。
お母様はもう…お願い……いやぁ…。
[ぽろぽろと涙を零しながらきびすを返し、よろよろとした足取りで逃げるように走り出す]
アデライド……逃げんな!!
[逡巡を振り切って最後の距離を詰めると、走り出したアデライドの腕を掴んで細い身体を抱き締めた。
彼女の頭を胸に押し付ける様にして、きつく。]
こっちを見ろよ!!
今お前の前にいるのは誰だ!?
[腕を引かれ、がくりと崩れながらミックの腕の中に収まる。いやいやをして逃れようとするが、ミックの強い言葉にふと気づく]
[違う体温]
[違う体臭]
[違う腕の力]
ふ…ふふ…ふ……。
[抵抗がぴたりとやみ全身の力が抜け、変わりに気がふれたかのように小さく小さく、笑いを漏らす]
[腕の中で笑い出したアデライドに、
驚きより先に遣り切れなさが募った。]
……アデライド……頼むから俺を見てくれ。
[きつく抱き締めたまま、搾り出すように声を紡ぐ。]
[自らを抱く腕の温みにほんの僅か目を細め、何かが抜け落ちてしまったかのようにミックの顔を見上げる]
…もう、気がついてしまったのではなくて…?
[哀しいのか辛いのか、そんなものももはや分からなくなってしまった。そんな目で]
[顔を上げたアデライドを逃がさない程度に僅かに力を緩めて、視線を合わせる。]
………。
[しかし何も言わずにただ続きを待った。
掛ける言葉が見つからなくて。]
[ぼんやりと、風に散る桜の花びらを追う。遠い昔を少しだけ懐かしむように]
わたくしの両親は、良くある政略結婚でしたわ。
それでもお母様はお父様を愛してらっしゃった。どんなにお父様が女遊びをしてよそにいくら庶子を設けようと、ただただ泣き暮らすだけで一切責めることなく…。お父様はそんなお母様のことを顧みることはありませんでしたの。
なのにある年の春、流行り病であっさりとお母様が亡くなってしまって………お父様はおかしくなってしまったの。
桜並木の中を彷徨い、桜の花が大好きだったお母様の姿を探して探して。……挙句の果てに、わたくしにお母様の面影を求めてしまったのですわ……。
[淡々と語られる言葉は、ある程度予想のついていたもの。
しかし相手が父親だった事に辛そうに表情を歪ませて。
一度緩めた腕に、再度力を込めた。
先程より一層強く。]
[強く抱きしめられる身体を、じわりとはがそうとする。穏やかな微笑みを見せて]
でも大丈夫ですわ、もう随分と落ち着いていますの。
状態が酷かったのは、お母様が亡くなってから半年くらいのこと。
今ではすっかり元通りの女たらしですわ…。
[ふふ、と笑う]
しかし今回わたくしが突然家に帰ったのは…お父様の「発作」のせい。
毎年桜の季節になると、突然引き起こしますの。
あれでも地位のある貴族…失脚すれば路頭に迷う人間がたくさん居ますわ…。
わたくしにはそのようなものの生活を守る義務がありますの。
ですから…わたくしがお父様をなだめて差し上げますのよ…。
[淡々と、事実のみを他人事のように呟く。しかし自分でも気づかぬうちに、微笑みを壊すように涙が頬を伝った]
──一人で辛かったな。
……無理に笑わなくていいんだぜ。
[アデライドの弱い抵抗を無視して、抱き締めたまま髪を撫でる。]
もう、嫌な事はするな。
俺はお前を傷つけねぇ。
触れるなと言うなら、もう触れない。
だから傍にいさせてくれ。
お前の望みを、叶えさせてくれ。
お前はどうしたい?
嫌なことはするな…ですって?
これは!わたくしが自分で選んだ道ですの!
多くの人間の暮らしを守り、ひいては自分の生活を守るために!
わたくしが自分で選びましたの!
…今まで守ってきたものを、あっさり壊せと言いますの…?
貴族の内情なんてこのようなものですわ。
スキャンダルばかり…あのトムとか言う人間に売れば、しばらくは遊んで暮らせますわよ?
それでも、守ってきましたの…。
馬鹿みたいにしがみついてきましたのよ…。
壊せねぇもんがあるなら、他の道を探せよ。
一緒に考えてやる。
一人で全て背負い込むなよ。
お前に守りたい物があるように、俺もお前を守りてぇ。
[低い声で穏やかに言いながら、何度も髪を撫でて。]
貴族の内情になんて興味はねぇよ。
ただお前が辛そうなのだけは、もう我慢できねぇんだ。
だから、お前の傍にいさせてくれ。
わたくしは…生活のために身を売っている女と同じですわ。
日々の糧のために、意に沿わぬ男に足を開くような女ですの!
そんな…そんな人間に……そんな…ありえませんわ!
[ぼろぼろと涙を零しながら、渾身の力でもってミックの腕を振り切る]
やめて…そんな風に髪を撫でたりしないで…!
[全力で走り出し、屋敷の中に駆け込む。驚く召使いを置き去りにして自分の部屋へ入り、床に崩れ落ちた]
こんなのって…こんなのって……。
[髪を撫でる感触が、どうしても離れない。何度も振り切るように頭を振る]
……あ、おいっ!!
[暫く落ち着いた様子だったアデライドの急な行動に虚を突かれ、彼女を離してしまった。
慌てて後を追い、部屋の前までやって来ると軽く扉をノックした。]
いるんだろ、アデライド。
何で逃げるんだ。
……一人で泣いてくれるなよ。
なぜ…どうしてあの頃のままのわたくしではないの…?
こんな薄汚れてしまったわたくしなど…。
[這うようにしてベッドルームへと進み、天蓋の中に身を横たえる。電気を付け忘れた室内に、いまだライトアップされた桜の幻想が差し込み...を苛んだ]
どうすれば良かったと言うの?
どうすれば……。
[扉に額を付け、中に居る筈のアデライドに向かって声を掛ける。]
なぁ……何か勘違いしてねぇか?
俺が惚れたのは、世間知らずの貴族の娘なんかじゃぁねぇ。
守るべきものの為に自分を傷つけて、それでも毅然と前を向いて立とうとしてる。そんな奴だからこそ惚れたんだ。
[...は返事のないのに痺れを切らして、扉に手を掛けた。]
……入っていいか?
………入るぜ。
[...は僅かな逡巡の後、静かに扉を押した。
灯りは点けず、桜に掲げられた提灯から差し込む仄赤い灯りだけを頼りに、人気のする方へと歩む。]
……やっぱり、泣いてんじゃねぇか。
[天蓋の下で横たわって泣くアデライドの傍らに立ち、
苦しげに呻いた。]
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