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[血の気を失った唇を彩る紅に、ざわりと肌が粟立った。
背筋を這うような高揚感を必死で抑え、問う。]
ゲルダが、何だと?
人に決め付けるなと言いながら、自分は決めつけか。
俺の目的なんて、お前にわかんのかよ。
俺を見てもいねぇくせに。
あなたのことなど、どうして見る必要がありますの?
[すぅっと細められた視線には、侮蔑の色が浮かび]
目的…?少なくともこの体勢からでは、ひとつかしら?
[そしてその色すら消え去る]
[アデライドの顔に浮かんだ侮蔑の色に、一瞬我を忘れる。
風の音さえも今は届かない。]
それがお前の望みなら、そうしてやる。
[滲んだ血を舐め取るように舌を伸ばし、
色を失った瞳を確りと見つめながらアデライドの唇を塞いだ。]
投票を委任します。
ちんぴら ミックは、領主の娘 ゲルダ に投票を委任しました。
[一瞬その瞳に去来したのは、何の色だったのか…。口付けられながらも目を閉じることも無く、ただただ糸の切れた人形のようにミックのなすがままにされている]
[人形のようなその態度に一層煽られるように深く口付け、
アデライドの舌を絡め取り、蹂躙する。
瞳はひと時も外さぬようにと、アデライドを見つめながら。]
[執拗なミックの口付けに、やがて反応を示す。絡められた舌に自らのそれを絡め、慣れた事のように啜り上げ体液の交換をする。
しかし態度が変わることは無く、ただの条件反射のように]
[少しからかうだけのつもりだった。
にも関わらずあっさり煽られ自分を見失ってしまった。
一時の激情は収まり、自分のしでかした事に内心頭を抱えつつアデライドを解放しようと力を抜きかけた時、不意に返って来た反応に驚いて瞳を見開く。]
───ンッ…、アデ……。
……。
[躊躇はほんの一瞬。
すぐに慣れた舌使いに合わせるように、再び唇を合わせた。]
[ミックが気を許した。そう判断した瞬間に、噛み切らない程度にミックの舌に歯を当てた。顔を離し自由な両手でミックの顎を強く押し上げると、右手首を掴み勢い良く自分の身体を回転させる。反動で右腕が極まり、ミックの肘が悲鳴をあげた]
……あまりに桜が美しいので、今夜のことは忘れて差し上げますわ。
[夜桜も霞むほどの、壮絶なまでに妖艶な笑みを唇に浮かべ、突き飛ばすように掴んだ手首を離した]
男なんて…みな同じですわ……。
[感情の無い声で一言だけ呟くと、くるりと背を向け室内に入る。扉は閉められたものの、鍵はかけられた形跡が無かった。それが却って、拒絶を*示すかのように*]
はいはい、没原稿没原稿。
↓
──……ッ!!
[...は流されそうな自分を無理やり抑え込むと、唇を離した。
表情をなくしたままのアデライドの頭を胸に抱き寄せ]
……やめろ、アデライド。
[低い声で囁く。]
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