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携帯を開く
どうせこの場にいる人間以外はみていない
伝わる人間は知れていて、伝われば良いと思う人間はきっと今何処かにいる
直接言葉を交わすのは、恐らく自分の役割ではない
けれども、少しは思い上がっても良いだろうか
只々普通の呟きをする
アサギマダラ
『友人へ
自分は違うと思うなら、見過ごしてください
いつか、彼等は色彩が分からないと言った言葉は、きっと貴方自身の事だったのでしょう
私と貴方は、違う世界を視ている。違う世界で生きて、話す言葉の意味も、同じようできっと全く違っていたのでしょう
それでも。貴方と並んだソファは、悪くなかった
世界は違えども、同じ画面を視れていた事は嬉しかった』
「……ふっ
どうしても長くなってしまって、いかんね」
これは只の吐露だ。それでも、普段なら決して落とすようなものでもない様な心情
いっそお気持ちツイート等と揶揄されるような、寒いとすら思われてしまいそうな
「……これを伝えて、だからなんだと言うのかね」
だからワタシは、少しの逡巡後にその呟きを消去した
「……スメラギさんにも大変お世話になったと言うのに。挨拶も出来なかったね」
今はどうしているのだろうか
その正体が何であれ。彼女も、彼女自身の世界を守ろうとする姿は懸命で。だからこそ、いなくなる事の無念さも想像して余りあった
自身が傍に人がいて欲しい時は、彼女はそこにいてくれたのに
自身は傍で、一人にさせない事も出来なかった
「思えば結局、彼女が何をされれば喜ぶのかすら、ワタシは知らないのか」
慚愧の言葉が内を付いて外へと漏れ出た
>>134 カツラ
いつかのタイミングで。
また人差し指でSNSを見ていたら、アサギマダラの更新を見つけた。
その文面に苦笑して、画面を軽く弾いた。
「……これってつぶやくとこと違うた?
これじゃお手紙やんね」
読み終わって、アプリを閉じる。
まだ知る由もないが、次にまた開いた時に、その「お手紙」は消えているだろう。
「ボクのこととちがうな、きっと。お友達とか」
ふ、と軽く息を吐いて、コンビニの方を見やった。
「お友達出来て良かったやんな?」
>>+54 リンドウ
その手際の良さに呆気に取られているとどんどん白餡が完成していく。気づけば作業工程がゴールテープの手前まで来ている。
まずい、と思い作業を始めるもなかなか上手くいかない。型に流し込むのと包むのは同じ形を作る過程なのにこんなにも難易度が違うのか。
あ!とか、やば!とか、あれ!などの言葉を繰り返し不格好なそれを完成させていく、そして形すら保てないほどのスライムのようなものは食べてしまった。
控えめな甘さが、洋菓子との対比で面白かった。
出来上がってみればリンドウさんと私の作品は月とすっぽんというかゴミというか。
「うわーーー、上手く包めなくてごめんなさい!」
>>133フジノミヤ
この少し眉が下がって薄く笑う表情から、フジノミヤさんを褒めたことは不正解だったかもと反省しました。
フジノミヤさんの努力の賜物を簡単に、私が口にする事は良くなったのかもしれないけれど。
ドール達以外に心を揺さぶられたこの感情は、フジノミヤさんが引き出した物だから。正直な気持ちを伝えたかったので後悔してません。
「ゲームもスマートでしたよ。だから、私はこうしてやって来た訳です、し…」
先程の占師では?という苦しい問いかけを思い返して恥ずかしくなりました。穴があったら入りたい気持ちですが、美人と話す方が大事です。羞恥は押し殺します。
続く着物の話にはカバンからスマホを落とし取り出します。相変わらずくすんだ色の着物に目立つ青紫の帯ですが、フジノミヤさんの話と組み合わせながら自分の姿を想像して。
馬子にも衣装と笑われず“お人形さん”と比喩されて。微笑みはやっぱり心臓に悪くって。
「私も……時間が許すまで、お話し、したいです」
もっと。の次の言葉を都合よく解釈して、つられて笑いました。
「……」
先の呟きを消去した後、もう一度だけ携帯を開く
何度か考えて、文章を消して、書いて、消してを繰り返して
アサギマダラ
『藤の君 灰色の日に 羽織折り いつか視た世は 儚まれたか』
色が無い世界で、視えない色彩を組み合わせて、過去からの伝統を折る彼は。どう、世を視ていたのだろうか
>>+9クロサキちゃん
「…、そうだったんだ‼︎じゃあ、コウロギくんのお友達かな。改めてよろしくね、クロサキちゃん💫」
視線は彼女の胸元、両手に抱えている花へと向く。色彩をどこかに忘れてきてしまった花たちは、それでも一輪一輪微妙に光と影が違うようで。過ぎった答えに思わず息を飲み込んだ。
モニュメントの側でふと目に止まるガラスボトル。誰が作ったかなんて一目瞭然で、アタシはため息をつきながらぐるぐる色んな角度から眺めてみる
「やっぱり上手いんだよなあ」
明日にはまた何色かなくなってしまうだろうから、今ある姿を目に焼き付けるとふらりとモニュメントから離れていった
「……はは。素人が短歌に手を出すものではないね
本人が見たら、手痛い反撃を喰らいそうだ」
それこそ本場並みの返しを喰らうかもしれない
寧ろ、それを何処か楽しみにしているのだろうか
そんな程度のやりとりが出来れば
そんな程度のやりとりでもきっと、自分は嬉しいと感じてしまうのだろうと思った
>>!22
「じゃあ何でそんな、嬉しそうなんだよ。
満足すんなよそんなんで」
嘘だ。本当は、もう楽になっていいと思っている。
それでもそれを、言葉にはできない。
空を見上げていた。
何だか、最近の日課になっている気がする。
夜空には大きな穴があいていた。…本当はあれが穴じゃなくて、黄色の月だということを知っているのだけど。
一体、いつまで続くのだろうか。こんなことが。
>>138 カガミ
つい、言いかけた言葉を拾ってもらって、なんのてらいもなく笑ってしまった。
「はは……底抜けのお人好しやね、あんたも。
けど、おおきに」
>>+58ハルヒ
こんなところでも笑顔を絶やさないってすごいなあ…アイドル?YouTuber?誰かを笑顔にできるってすごい。
ふれあ、と名乗っていた。動画とか見たことなかったけど、まだ見ることができれば調べてみようかな
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