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イコミキに、というだけでなくここにいるみんなに聞こえるように話す。
「こうなってはじめて持っていたものの大切さに気がつきました……というありきたりな話にするつもりはないんです。
尤も。俺の思う地味で停滞した普通、が恵まれているものだとはわかっています。
その、改めて特別と向かい合いたくて。
ここにいるただの「村人」として、皆さんの話を聞いてみたくなりました。
俺は向こうには何も残せなかったから。
これはなんていうか、世界と神様に対する悪あがきです。イコミキさんに引き上げてもらって俺のお菓子が話の輪を作れたなら本望です。」
「でも、あなたの事を知りたいのです。オクダさんもそうであったように。」
「傾聴しても、気持ちを察する事はできません。ましてや同意出来るはずもありません。」
「だってそれは色を失って、はたまた人とは違う色を見て、初めてわかることですから。
わかった気になどなる事が……烏滸がましいのです。その人達を冒涜しているのです。」
「だけど、知りたいのです。」
そこまで言い切って、蓋を開けて林檎煮を取り分ける。
深皿に盛ったそれをフジノミヤに手渡す。
「私達が色の代表だと言うなら、私とフジノミヤさんは近しいのです。」
「だって紫の中には赤があるから。」
助けたい。赦したい。
そう言いたいと思った。
けれど、違うのだ。今、私達が置かれている状況で、
その言葉が1番の鋭利な刃物だ。
「……ん」
カウンターの上にはくしゃくしゃになった原稿用紙があった。
アメノは頬をインクで黒くして目を覚ます。
「寝てたわ。いけない、こんな時間。」
重い足を引き摺って、ロータリーへと向かう。
んー、やっぱアオヤギが霊能出ないでイコミキが出る理由がないんだよなあ。
霊能に狐の方がまだありえる。私が狼とか狐だとしてどっちをやるかっていわれたら狐で霊能出るのをやる。
アオヤギ出ないのまでは分かるけど、イコミキが出る必要ないもんな。
ホズミくんは狩人で置いていいと思うの。
フジノミヤくんの処遇については保留ね。先に狐を処理しないといけないから。
ということは、スメラギさん、ヒムロさん、フジノミヤくんの順…?フジノミヤくんが狂人じゃないなら狼だと思うから処理に一手は必ず要なのよね…因縁を処理しきれないけど、狐はいないと踏んでこの流れかしら。
「さて、クロサキさん。白餡作ろうか。
豆が炊けたからね。熱いうちにフードプロセッサーにかけて……鍋で砂糖入れて味を決めましょう。
チョコに負けないくらい甘くしてもいいです。クロサキさんは甘い方が好きですか?」
ド変態考察。
んー、でもカツラが狐だったら早々に吊られ位置になった方が?
私も相方狐に因縁付けたいとは思うけど。
ふぅ……と深く息を吐く。
自分に疑いの目が集中しているのは、皆の希望を聞いていれば嫌でもわかる。それがこんなにストレスのかかることなんだ、と。今日になって初めて知った。
>>75 オクダ
「ああ……そっか。リンドウさんが狩人の可能性も十分にあり得ると思って不安が拭えなかったんだけれど、そうね。リンドウさんが狩人なら、わざわざホズミくんを狙わないか」
「ホズミくん第三陣営の可能性が薄れたのは嬉しい話だわ。オクダさんがホズミくん第三陣営を薄く見る理由も納得したし、筋が通っててちょっと安心しちゃった」
「ありがとう」
>>89 ヒムロ
まだ少しつんとした様子で話すヒムロを見て、思わず「は、」と笑いが漏れる。
「ほらな。やっぱり罰当たりやった」
こちらを向いて、もはや有無を言わせないという様子で鍋を握る彼女に、苦笑して頷いた。
「そんなら、いただきます」
>>90
知りたい、とヒムロは言う。彼女らしく、諭すように、言葉を彼の前に置いていく。
皿に盛られたリンゴ煮を受け取る。リンゴの赤が少し変わって、紫に寄っているようにも見えた。ふ、と笑い、フォークで丁寧に一口分に切り分ける。
「ま、扇子色のよしみやからな。
だいたいはオクダ君に言うたことの通りやけど。
ひとつ、追加で言うなら──ボクは、ボクと違う世界に居はる人らを『羨ましい』と思ったことは無い」
リンゴを口に運ぶ。柔らかくなったリンゴの味は、優しかった。
だれかにめんどうをおしつけちゃうよ。
青紫の孤影 オクダは 紫電清霜 フジノミヤに せきにんをまるなげしたよ。
>>76 ヒムロ
「ごめんなさい。やっぱり私とあなたとで相性が悪いんだとは思うんだけれど。全然わからないわ……」
「これ、私が理解できないの、多分宗教の違いとかそのレベルだからなのだろうけど。もしくは私が疲れているからか。前半のところ、見当違いな言葉のキャッチボールしかできない気がするから敢えてもう何も言わないという選択肢を取ります。許して頂戴ね」
「リンドウさんが狩人でないと思う理由については納得した。確かにおっしゃるとおりね」
「50%で勝負しますか、って、どの目線で言っているのかわからないのだけれど。狼が最終日に取り得る選択肢がそれしかないのであれば、それを取るんじゃないかしら。
それとあなた、今日フジノミヤさんと離別するのが繋ぎと言いつつ、フジノミヤさんが狂人の可能性を見て今日の離別希望からフジノミヤさんを外しているけれど……あなたの考え得る内訳にそれ、反映されてないわよね?
それだけ、私を確定人外と置いているから、なのかしら」
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