1983 怪談短歌村 8 〜寂れた避暑地にて〜
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>>5
夏の夜の 暑さに解ける 猫団子
痕に一本 骨が生えてた
( 14 ) 2021/08/03(火) 22:32:46
>>7
更地にて ぽつり佇む 開かずの金庫
盆の時期だけ 現れるとか
( 15 ) 2021/08/03(火) 22:38:39
餌まけば 沼の中から 顔を出す
乙女の面影 残すが哀れ
( 16 ) 2021/08/03(火) 23:04:25
砂浜に ひとつ捺された 小さな手形
波寄せ 引いて うぞりと増えた
( 17 ) 2021/08/03(火) 23:16:25
>>6
生首を 小脇に抱へし さむらひの
むかしばなしは 処刑の作法
( 18 ) 2021/08/04(水) 00:04:18
>>10>>11
窓ガラスに 爪を立てれば
背筋凍る 音して受話器も ただふるへをり
( 19 ) 2021/08/04(水) 00:09:33
>>15
金庫より 鬼が出ぬやう 見守りし 一族
骨となれども 盛夏
( 20 ) 2021/08/04(水) 00:12:15
背後から 視線感じる 振り向けば
肩の高さに 目玉がひとつ
( 21 ) 2021/08/04(水) 00:50:21
清流に 麦わら帽子 浮かんでる
拾えば重し 黒髪よどむ
( 22 ) 2021/08/04(水) 07:31:34
>>16
人面魚 ゐるとふ沼も 埋められて
跡地に花を 供へし河童
( 23 ) 2021/08/04(水) 08:18:17
夢うつつ 寄り添う重みに 猫かなと
撫でつつ気付く うち猫いない
( 24 ) 2021/08/04(水) 10:29:17
( 25 ) 2021/08/04(水) 13:42:33
帰る家 忘れて迷っていましたと
警察官に 送られてくる母 (故人)
( 26 ) 2021/08/04(水) 19:21:03
>>24
「昔いた猫の夢よ」と妻が言う
うなずき気付く 俺、嫁いない
( 27 ) 2021/08/04(水) 21:48:05
熱帯夜 虚ろな顔の ベートーベン
バケツで水をかけるニノキン
( 28 ) 2021/08/04(水) 23:14:44
>>24
腕の中 ゴロゴロ喉を 鳴らす君
甘えん坊は 相変わらずね
( 29 ) 2021/08/04(水) 23:26:21
地獄にて 仏が垂らす 細き糸
登りて落つは 蜘蛛の胃の中
( 30 ) 2021/08/04(水) 23:27:48
鉄橋に ぷらぷら人が 揺れている
風で飛んで 来るらしいと聞く
( 31 ) 2021/08/04(水) 23:29:15
「カネ貸してくれ」と頼みに来た友の
腹に大きなガマ口(ぐち)開く
( 32 ) 2021/08/04(水) 23:33:16
>>16
過ぎし日の 乙女よ哀れ
渡せずの 恋文流し 是(こ)を手向けとす
( 33 ) 2021/08/04(水) 23:49:58
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