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「夜の闇だ。くくっ…静かだな」
誰かが埋めたという、大柳響、影裏真子の元へと足を運ぶ。
…自分は、彼らに触れられなかった。
あんな姿なのに、触れてしまえばその死を知ってしまう気がして。
「我を一人にするとは。貴様ら、次に会ったら許さんからな」
[エニシのことを、笑って送り出せるわけがなかった。
嘘つきだなんだと言っておいて、本当に一番嘘をついているのは自分なのだから。
集会所から出る時に見えた光景に、目を伏せる。]
エニシの正体がなんであれ、最終的に死ぬことに変わりはないんだ。
それでいいんだよ。俺は、あいつも憎かった。
[口をついて出た言葉に、目を丸くする。
なんだ、今のは?俺が、言ったのか?
自覚すればするほど、自分の意志とは裏腹な言葉が次々に口から溢れて止まらない。]
エニシは、いつも俺をバカにしたような顔をしてた。にやにや笑って、へらへらして。俺のことなんて、どうせ、馬鹿みたいな野郎だと思ってたんだろう?
ざまぁみろ。最期に皆に疑われて、惨めに悪足掻きなんてして。そして、何の救いもなく、閉じ込められる気分はどうだ?
そうじゃない、そうじゃない!!
俺はあいつを憎んでなんかない!
違う、この感情は、違う、違うんだ。
こんな言葉は、全部デタラメだ!
嘘をつくナよ、嬉しいくせに。
喜んでるくせニ。
笑って見送ってやることもデキないンだから、それはもう、認めていルと同じコと。
良かったナ、一番嫌いなやつがいなくなって。
泣けばいいさ、存分ニ。
喜びの涙を、流せばいいサ。
ボンボン ククイは、軽音部 エニシ を投票先に選びました。
「影裏くんについて触れたけど、ぼくは山田くんの話をけっこう信じてるから……占いは影裏くんが偽物やった思うてる」
「日向さんが今朝水の音聞いた、ていうことは影裏くんは魚人ではないてことになる。狐も狼もありえへんから狂人やったんやろな」
学級委員の二人を弔っていた影裏真子の姿を思い浮かべる。
見えていたものと導き出される答えとの乖離が心に影を落とした。
これが積もり、傷み、腐ってやがて毒になるのだろう。
「……>>3:420ヒビキ から、呪狼は不破くんか十堂くんやな。
今晩の不破くんの話は……そう、やな。本人も言うてるけど朝の流れも鑑みると信じがたい。
閉じ込めることは決まっとるから、狐やったらええなと思うてる。次点であるのは呪狼やろかな。
明日の朝、見えた結果が人間で、かつ誰も跳ねる音を聞いてへんかったら魚人か」
ボンボン ククイは、放送部 アリサ の近くで跳ねることにしたよ。
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