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すっかり遅くなってしまった。
広間に着く頃には、人影も少ない。今日は1日の時間が通常に戻るとのことで、目を覚ますと2人別室に移動している。クロスロードと、もう1人。
その1人にはなりたくないような、なりたいような。
>>レモングラス
「ええ。いつも通り残して置きましょう。シスル嬢のように占われたい人を集うのも悪くないですが、遅過ぎたようです。1人で考えましょう。」
名前を出し、ジェイは思い出す。彼女に“この会が終わるまで”と言われていたことを果たさなければ。
>>シスル嬢
「性別が変わり、してみたいことでしたよね。……恋がしてみたいと思いました」
いつも通りの表情のため、感情は読みにくい。
この場にいる御令嬢はシスルを含み皆輝いている。良い表情で笑っている。そんな恋が、誰かを思う気持ちはどんなものなんだろう。少しだけ興味があった。
ロート「今日の退室指定は、クロードさん、ですね。お疲れ様でした。ふふ……全力でゲームに挑んでくださって、考案者としては嬉しい限りです。
それにしても──初恋というのは、失恋とセットなのでしょうか?そう思えてしまうほど、難しいものなのですね……」
[そういえばクロードさんは、隣国のご出身でしたか。
──兄上が、隣国を滅ぼした時、ボクは14歳でした。
情けないことに、その頃の記憶は暗闇の世界のようです。毎日布団をかぶって震えていました。
父上が事故で亡くなって間もなかったこともあり、気持ちの整理がつけられなかったのです。
いつかまた仲良く──と思っていたファルス王子は、兄上の命で処刑されました。
そんなに急に二度と会えなくなるなんて思わなかった。それなら、もっと言いたいことがあったのに。
それでも……ボクは兄上を責めることは出来ませんでした。理由は色々あるけれど……兄上を失いたくなかったから、というのが一番強い理由かもしれません。もうボクには、兄上しかいなかった]
[ファルス王子の処刑からしばらくして、兄上はボクを城にある高い塔に連れていきました。
昔、とあるエルフの大魔法使いが使っていた部屋でした。そこには、ソフィー王女が……怯えた顔で震えていました。
「今日から彼女がお前の婚約者だ」
兄上は一方的にそう告げました。
隣の国のお姉さんは……ただただ震えていて、とても気の毒でした。
でも、その当時はそう思っただけ。
兄上がそうすると言ったら、そうなるのだから、その時点で、ボクと彼女は結婚する運命なんだとすんなり受け入れていました。
あとは、彼女も早く受け入れててくれればいいなと。それだけ。
それから毎日塔に通いましたが──ボクの前で、ボクのために、彼女が、あの花のような笑顔で笑うことはありませんでした。或いは、今も。]
ロート「……おかしな夢を見ます」
ロート「ずっと一緒にいられるものだと思っていたひとが、ボクを置いて行ってしまう夢です。
刷り込むように、見せつけるように、何度も何度も夢に見ます。
目が覚める直前……彼女が選んだ『彼』の、白い獣が、目に焼き付いて離れないのです」
ロート「……夢見がよくなるおまじないを知っている方がいたら、ぜひ教えてくださいね。おやすみなさい」
>>100 ジェイ
「……恋」
シスルはトランプ遊びの手を止めて、ジェイを見つめた。
「不思議ですわね、まるで男性は恋をしてはいけないみたいですわ」
世の中にはきっと、恋することを許された人間と、そうでない人間がいる。
「……きっとジェイ様だって、素敵な恋愛をされているでしょうに。
ああ、けれど、男性の目には少女のような恋愛は、羨ましく映るものなのかしら」
意外なことを聞いた気持ちになって、シスルはころころと笑った。可愛い人だと思った。
同じ歳ではあるけれど、どこか弟に接するような気持ちになって、穏やかにシスルは告げる。
「……けれど、貴族令嬢の寿命は、案外と短いものですわ。ふふ、ジェイ様、もし女性に生まれ変わったなら、その時はきっと、お早めに恋愛なさってくださいね」
[深夜、広間にていつも彼女が座っている席を探す]
確か…ここでしたか。
[ポケットに忍ばせていたものを潜ませて立ち去る。今の自分に許された、最大限の想いを置いて。]
人が疎らになった広場をシスルは眺める。
いつまでも煌々とシャンデリアは会場を照らしている。広々としたその世界は、暖かいのにどこか寂しい。
こうしていると、何故だか昔のことばかり思い出す気がした。
広いホール、賑わう人々に、流れるワルツ。
シスルは婚約者の手をとって、広間に花を咲かせる。どんなリードもうける自信があった。左に、右に、そしてここでターンをして。
トランプを片付ける。
シスルは静かに私室へ戻った。
**
アルスィート家の自室の、花があしらわれたレースのカーテンは風に揺られる度にゼラニウムの香りを運んでくる。ローズにも似た、けれど比べれば圧倒的に華やさに欠けた優しく野暮ったい香り。それを私は一等気に入っている。
持参したポプリを、こっそりと窓際に置いた。窓を開けることは流石にはばかられたが、それでも僅かにゼラニウムは部屋に広がった。
『貴族令嬢の寿命は短いものですわ』と、自分で言った言葉がふと頭に浮かんだ。
家を出ます、と父に言った時彼は酷く渋い顔をしていた。それでも駄目だと即答しない時点で、そういうことなのだと悟った。
しかしその場で結論を下されることは無かった。私が愛されているからなのだろう。それでも。──いや、だからこそ。もうここには居たくなかった。
あの悪評が私について回りはじめたのは、数度目の婚約破棄──あの戦争に負けた頃よりだったと思う。いや、それが私の耳に入ってきたのがあの時点なのだから、もっと前から囁かれてはいたのだろう。
それが、最後の婚約破棄を経ていよいよ家にも悪影響を及ぼし始めていることには気づいていた。もう宣伝塔になることもできない。有力な家との結婚も見込めない。貴族令嬢としては死んだようなものだった。
死体が闊歩する土地は、やがて瘴気が広がり滅びる運命。父だって、それはわかっているはずなのに。
使用人も、弟も、みなそう思っている。私だって。
果たして数日後に、許可は降りた。──ただし、条件付きで。
「国王主催のパーティに、私の代わりに出席しなさい」
そう、父は言った。けれど、それまではお前は我が家の長女だ、と。
「……それでもシスルの気持ちが変わらないのであれば、私も当主としてお前の意志を受け入れよう」
父は私に、このパーティで何をすることを望んでいたのだろう。
**
《共鳴者だった頃の魔法の名残だろうか。
本決定を聞き届け、広間にいる皆の様子を見届けてしまうのは。
ルクレーシャやセシリアの事を見て、海底に沈められたような、深く苦しい感情が身を包みそうになるのを何とか堪え、ステラとのポーカーを終えると、自室へと戻った。
自分一人のみの空間、という事もあり、静寂が部屋を覆うような、本当に自分一人なのだと思えた。
窓際に座り、静かに物思いに耽る。
ふと外を見ると窓の外の月は綺麗で、あの日、彼と見た月をふと思い出し、懐かしさと苦しみが胸にくる。
それらから逃げるように月から目を逸らし、ベッドへと向かう。
横になると、連日考え事をして夜更かしをしていたせいか、睡魔がすぐにやってくる。
今日の自分がみっともなかった分、明日は挽回できるように頑張らねば、と思うのを最後に意識が途切れた。》
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