おやすみなさい、良い夢を

［静まり返った広間。
中央のテーブルに小さな羊皮紙を置いた。
どう加工したのか、家紋の透しが入っている］

「皆様が良い朝を迎えられることを祈っております。
ええ、切に。いつもでしたら只の決まり文句になるでしょうが…

さて、私はリアム・フェアラート。
【霊能者の能力を賜った】のでここに記します。
願わくば、声で伝えたいものですね」

【占い先はエスカデ様へ。】
理由は既に表で述べた通り。
狼に占い先がバレていようと私の占い先を噛むことはしないでしょうし、そのままいかせていただきます。

【今日はリアム様をうらないます】
理由は、昨日は女性を占いましたので、今日は男性にしようと思いましたの。

私が"霊能力者"です。
願わくば明日、このメモと共に皆様にお会いできますように。そして、私以外の"霊能者"が出ませんように。

【レモングラスさんを対象にします】

私、皆さんの中からコウモリを見破る確率って結構低く見積もっていまして。なので行動から選んでみました。
蓄音機を聞くに、よく言葉を交わすのは特定の方はおらず、たくさんの方とお話ししていますね。しかも令嬢とお話ししていることが多い。
“コウモリ”というのは、そういう生き物でしょう。
本人は嫌いだと仰っていた手前、例えに出すことは申し訳ありませんが…私の目には、そう映ったということで。

これが魔法のメモかぁ。
改めて指示を置いとくぜ。
今日の朝、メモで名乗り出てる霊能者が2人以上なら霊能者→占い師の順で結果を教えてくれ。
霊能者が1人なら占い師→霊能者の順で、だ。よろしくな。