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─堂の裏手─
[首と身体をともに葬ってやりたい、首を抱く娘は答える。]
そうする事が、彼岸に往かれる玄佐どのにとってよい事と思われるならば──
[そしてりえもそれを望むならば、と口には出さず]
ともに此処に。
[差し出された首を受け取ると、横たえた亡骸の胸に抱かせる。]
[瞑目し、ひとしきり真言を唱える。
やがて、目を開くと、自らの首を抱いた男の上に土をかぶせ始めた。]
[ 老僧とともに、娘も男の亡骸に土をかけた。小さい手では、すくえる土の量も大したものではなかったが。
次第に土に覆われていく男の骸に、語りかけるように見詰めながら娘は土を掛け続けた。]
[穴のそばに山と積まれていた土も、あらかた元の状態に戻された。]
[埋まった穴の前で、再度真言を。]
──後日、改めて呪いをせねばならぬでしょうが、この数日は何事も起こらぬでしょうな。
皆のところへ戻りましょうかな。
『この深い哀しみは、私のなかにあるのに、私のものでない……
後悔を抱きながら死んだ、最初の“黄泉路映し”の想いは死を看取った娘のこころに刻まれて、その血をひいた者達に、長い間に記憶さえも薄れながら、それでも延々と受け継がれてきたもの……
私も、かかさまが死んだ時に、使命とともにこの悲しみも受け継ぎました。
あなたの憎しみとともに、この哀しみも消え去らんことを……』
[ 娘は、懐から扇を取り出し、それを広げた。
照り映える金地には見事に描かれた桜木。白い花霞は流水の如く。
だが、その面にはか黒い飛沫が点々と飛び散っている。
娘はしばし扇の面を見詰めた後、もう一度畳んで、それを男の骸が埋まる地面の上に置いた。]
[ 手の甲と袖で片目の涙を拭って立ち上がる。]
……成親さんが心配です。他の方も。
何事もないと良いのですけれど。
[そう語る、娘の顔は変わらず落ち着いていて、濡れた片頬と赤い片目だけが、*常と異なっていた。*]
……りえ殿は、黄泉路を見る力を母御から受け継いだ、そう仰せでしたの。
が、受け継がれたのは力のみではないご様子じゃ。
重いものをも、受け継がれたようにお見受けしますわい。
―井戸―
[どのくらい時間が過ぎたのか。
吐きたくても吐くものが無くなり、胃液が流れるばかり。
苦さに咽つつ、なんとか顔を上げる。]
[覚束無い足取りで井戸に戻り、残っていた水で口を濯ぐ。
びちゃびちゃと嫌な水音が響き、また力なく座り込んだ。
懐から厳重に封された手紙を取り出す。]
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