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― 下層区域大通り ―
[イルマは思い立って下層区域に現れていた。
いつも賑やかなこの区域に、何やら大きな声が響いている。]
あらぁ。
[必死にこちらに走ってくる男がいる。
あらあらと見ていると追手が男に飛び蹴りをかました。ぽーんと男の身体が吹き飛び、イルマのすぐそばに降ってくる。]
……配達人さん?
[イルマは男の顔を見てぽつり、つぶやいた。
どうやら彼は逃げなければならないらしい。
追手の男はといえば、とてもいい笑顔を浮かべている。]
逃げるといいのです。
[配達人>>5に小声で伝えると、イルマは念動力で追手の身体を捕縛した。追手は全身をがっちりホールドされるような感覚に陥るだろう。
解除するには物理的に、もしくは異能でホールドを解除するか、人垣の中から念動力を行使するイルマを見つけ出し、能力を使えない状態にするか、だ。]**
― 回想:事件から10日後 中層 ハンバーガー店 ―
[しばらくベルとお喋りを楽しむうち、スターライトバーガーが運ばれてきた。
最下段にはキャベツとチリビーンズ。その上に三段に積み重ねられたハンバーグをとろとろのチェダーチーズが包む。上段には目玉焼きと焦げ目のついたベーコン。それらをふっくらとボリュームのあるバンズではさみ、二本の星形ピックで倒れないよう支えてある。
隕石もびっくりの丸々としたシルエットが、ポテトの山に埋まっている。
早速切り分けようとナイフフォークを手に取る。フォークで分厚い分厚いバーガーを押さえ、若干眉を寄せる事3秒。カトラリーを脇へ置き、手でバーガーをつかみ上げる。
バーガーごしにベルと顔見合わせ、にんまりと笑んだ。]
それでは失礼して……あむっ。
[イルマは思い切りスターライトバーガーにかぶりついた。
スイッチオン。周りの目など知った事ではない。]
んんん……!
[唇を肉汁で濡らし、イルマは恍惚の表情を浮かべた。
一口、また一口、止まらない。ひたすら口を動かし続けること十数分。スターライトバーガーは綺麗になくなっていた。]
あぁ、美味しかった……。
[イルマは口を拭うと、ポテトとコーラをつまみながらお喋りの態勢へ移る。ベルが食べきれないようなら残りも頂戴するだろう。]
ところでベルさん、何か嫌な事でもあったんです?
[ベルが一区切りついたのを見計らい、切り出した。]**
/*
没稿。
[うたい文句通り、ペッパーのよく効いた分厚いハンバーグが容赦なく胃袋を殴っていく。もちもちのバンズとの相性は抜群だ。そこへチーズのうまみ、玉子のまろやかさ、ベーコンの脂、チリビーンズの酸味と辛味が絡み合う。更に、最上段にぬられたマヨネーズがだめ押しの様にジャンクな味を演出し、次の一口に誘い込む。]
【予告状】には「怪盗」らしいもの。
(例えば、洒落たアノニマスの顔マーク、シルクハットもひとつあしらわれていたかもしれない)
【ともあれ、カジノはこの予告状を大々的に公表した】
狙いは見事当たってか、賞金首になった「怪盗」を狙いに来る者、面白そうだと物見遊山に向かう者、関係無いとばかりに普段通りにカジノを訪れる者。
カジノ周囲に張り込む者と、様々だ。
何にせよ、普段よりも数割、そのカジノの客は多くなっただろう。**
[ガッ!!!]
なっ?!!
[ズザァァァァア!!!!]
[突然の、全身ホールドされたかのような感覚に足がもつれ見事に転ぶ。 >>16それはもう、顔面から。ズザザザ!と。]
ぐ…ううぅ…!き、きさまぁ…!!!
[グギギギ…!と顔を上げる。
ホールドされているのに何故顔だけ上げられるのか、根性である。細かいことは気にしてはいけない。
探偵は、液体操作の能力を発動させ、外套の裏に仕込んでいた硝子の水瓶を破裂させ水獣を展開する。]
今に後悔させてやる!!!!行け!!!
[ガァァア!!!と青年に襲いかかる水獣たち、まあそりゃ人垣のほうに突撃していくわけで。 わぁー!と人垣はパニックになることであろう]
[探偵はとにかく拘束から逃れようともがき、物理的に無理そうなら空間制御能力で自身の周りの空間だけ異能無効させて拘束を解くだろう**]
『今に後悔させてやる!!!!行け!!!』>>20
……!!!
[そう思っているのも束の間。 ガシャンと何かが割れる音と共に展開される水でできたどうぶつ?たち。 一斉にこちらに向かってくる。]
………っぅっ……ーーーーー!!!!
[口をすぼませ、ヒュウ!っと冷気を吐き出す。
その音は口笛にも似たもので、水のどうぶつたちの一部を凍らせた。]
…っ、あり、がと…っ、!
[その間に青年はまた大通りの方へ駆け出して、どこかで路地に曲がって行くだろう]
[残った水獣は彼を追うもの、探すもの、そのまま人垣の一部にダイナミックに飛び込んで元のただの水に戻ってしまうものさまざまだ。**]
[都市では毎日小さい事件も大きい事件も起こっている。
予告状が届いたというだけではある為か、見ている番組では大々的にピックアップされてる訳ではないが、ニュースのひとつに「怪盗」が現れるというカジノ『パラダイス』の光景と、カジノオーナーへのインタビューが数秒流れた]
……
[茶を一口啜る。
流れてゆくニュースでは、襲撃事件での話は既に下火とはなっていたが、街並がほぼ再建したような話や、今回の件で新たな建築技法や特殊建材などが開発や改良されたような話も流れていたか]
そういや
あいつ最近大人しいな…
[下層と中層の間に探偵事務所を構える近所の探偵>>0:36。
ユウヅキについては、ここ最近、話こそは外に然程出てないのでスティーブ経由でしか耳にしてないが、思えば、ドンパチを派手にぶちかましている様な音が聞こえていない]
……少しは、大人になったのかな
[セーガとスティーブの依頼を受けているようだし真面目にこなしているのだろう。
どことなく寂しいようなものを感じながらも成長したのだろうという方向で思った**]
/*
どうしよう。ユウヅキとほんま似てる事に気づいた(((
(ハロルドにお前は守れるんだなあと言ってるユウヅキ
(ヴェスやんはセーガに言ってるw
― 事件から10日後 中層 ハンバーガー店 ―
[イルマが到着してから間もなく、ベルもハンバーガー店へと到着する。]
あっ、イルマちゃん
待たせてごめんなさい。ちょっと寝癖が酷くて。
あれ、そのバッグ新しいやつ?素敵な柄だねー。
[いそいそとイルマの対面に座ったベルの髪は未だに少しはねたままだ。店員が来れば復唱するようにイルマと同じものを頼んだだろう。]
でねー、今回は変なお仕事で変な相手の人に当たっちゃって…
って、もうハンバーガーきちゃったね。
[話を始めようとしたのも束の間、驚きの速度で提供されたそれは、持ち上げればベルの顔を半分は覆い隠すほどの巨大ハンバーガーだった。気持ちばかりの野菜と圧倒的な存在感を放つパティがチーズを挟んで2枚も並び早く食せと言わんばかりに肉汁を垂れ流している。]
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