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[ルール自体は一度理解すれば問題無いと思えるもの。
賭け方が多いので、それを覚えるのには苦労しそうだが、分かる分だけでの参加でも楽しめるようだった]
「たいちょーは直ぐクラップスしそうだな」
運が無いと言いたいのかお前。
[ドライが笑って言う様子を、リルはジト目で見遣った。
クラップスとは、ゲーム名でもあるが、ゲーム内での用語でもある。
シューターが初手でダイスを振った時、2・3・12が出ることをクラップスと呼ばれ、即シューターの負けとなるのだ。
逆に7・11が出ればナチュラルと呼ばれ、シューターの勝ちとなる]
「なら試す?」
ここはハイレートだろう。
ここの連中に付き合えるほどの金はないぞ。
「ならば後で儂と差しで勝負するかね」
[不意に目の前からそんな言葉が振ってくる。
先程声をかけた仲介人だ]
「儂に用があるのだろう?
先ずは儂を楽しませてくれ」
は? だが、賭ける金は…。
「金の話は後だ。
これが終わるまで待っておれ」
[一方的に話を進め、テーブルへと向き直る仲介人。
彼の意識はしばらくの間ゲームに向いたままだった]
……………
「待つしかないね、話は聞かなきゃならないし」
[納得行かない、と言う表情のリルを横目に、ドライが諦めた様子で呟いた**]
更新時間が24時間延長されました。
ヴェスが「時間を進める」を選択しました。
『ヴェスと話が出来た。
書き起こすよりは話した方が早いだろうから、帰ってから状況を伝える。
仕事は一通り終わった。
必要なものを買ってから帰る。
リクエストがあれば教えてくれ』
[妻へと向けたメール。
それを送信して一息つく。
状況を伝えたなら妻はどう動くだろう。
ドームへ行きたいと言うなら、送り出す心算でいた。
自分がヴェスと直接話したように、妻も直接話した方が状況が分かると思ったから*]
─ 回想・ヴェス宅 ─
[端末を操作し終え、眠るヴェスへと視線を向ける。
硝子玉は握り締めたまま。
その姿は大切なものを離すまいとしているようにも見えた]
………
[時折垣間見える、幼いような言動。
幼少期の経験が影響しているのだろうと言うのは、話をしたことで見えてきた。
幼少期、恐らくは両親が亡くなった辺りから、時が止まってしまっているのではないか、と。
そう考えれば、不安定なのも已む無しだと思えた]
寝るならちゃんと横になれば良いのに。
[語りかけるでもなく、小さく笑いながら独り言つ。
ふとヴェスの頭に手が伸びてしまったのは、彼を幼く見てしまったからだろう。
一度だけ、撫でるようにしてから直ぐ手を引く]
ー オークション会場 ー
[ユウヅキはオークション会場まで戻ってくる。 スティーブが別室から戻ってきたらすぐ分かるように、別室への出入口近くで少し歩き回ることにする。]
[オークション会場は、怪盗騒ぎのこともありまだ入口が封鎖されカジノの方には出られない様子。
今のところユウヅキは怪盗を追う気はないので、捕まるといいんだがな、と独りごちた。探偵のくせに何故怪盗を追わないのか?と聞かれればユウヅキはこう答えるだろう]
『初歩的なことだ』
『お伽噺や小説の怪盗ショーに出てくる警察や探偵は大体噛ませになるからだよ。特にああいう奇術師タイプはな』
『確実に捕まえに掛かるには準備をせねばいかんだろう?』
[指名手配犯を捕まえるのとは少し訳が違う、ということらしい**]
[最低額故に当たっても外れても気楽でいられる。
これで嵌ってしまうと徐々に金額を大きくしてしまうのだろうな、とチップを賭けながら苦笑した]
[賭けるのは配当2倍のものばかり。
その勝率は79%と言ったところだった*]
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