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― カジノ『パラダイス』:警備室 ―
[イルマと強面は『パラダイス』へ帰還した。先ほど捕らえた男は縛りっぱなしだが、いずれ組織の面々が拠点へ戻ってくるだろう。
警備リーダーは警備室に戻っており、すぐにデータのチェックが始まった。
チェックが終わると、リーダーはイルマにうなずいた。どうやら証拠は満足のいくものだったらしい。]
支配人の口座情報と照合すれば、
より証拠としての価値があがるかと。
[もとよりそのつもりだったようで、リーダーはオーナーと連絡をとり支配人室へ向かうとのことだ。]
それでは、報酬の方お待ちしておりますね。
[イルマがそう言うと、すぐに支払いの手続きが取られた。
アンティークの梟人形は落札できなかったが、欲しいものは山ほどあった。]
…… チッ
何だよ、ゴロツキって……
[薄い蒼のティアドロップ(滴型)サングラスを指で下げながら、ベルを見遣る。
琥珀のような金のような色の目の両眼が、サングラスの色越しに覗き込むだろう]
ふぅん……
いいんじゃね……?
[元の位置にサングラスを戻し、ベルへは短い言葉。
随分変わったくらいは抱いていたかもしれないが、言葉にはしていなかったか。
やはり、どこかぼんやりした侭ではあるだろう]
… じゃ、行くか
[そうして貸衣装屋を出て向かうのはカジノ『パラダイス』。
遠隔移動能力を行使し、カジノ前へと至る]
[危険も少なく、割りのいい仕事だった。おまけにユウヅキからの振込もある。たまにはサイコメトリーを使って仕事をしてもいいかもしれない。
イルマはほくほくしながら端末を開き、警備リーダーからの振込を確認する。]
――半額しか入っていませんけれど。
[訝し気にリーダーを見る。
リーダーは片眉をあげ、イルマと同行した強面を指す。]
まさか、彼の報酬分――?
[当然だ、とばかりにリーダーはうなずいた。
イルマは口をぱくぱくと動かす。
確かに強面はいい仕事をした。彼のおかげでスムーズにいった点も多々ある。]
それにしても、そんな。
……そんなことって、ありますー?!
[去っていく警備リーダーの背を見ながら、イルマは心に決める。
減額分は必ず!今夜カジノから取り返してやる、と。]*
[ユウヅキは二人を見守り続ける。
べらべらと怨嗟と言い訳を撒き散らす『取引人』の男の言葉を、じっと見つめ続ける>>+92>>+93>>+94 。]
[ギリィ…と、握りしめる手から音が立つ。ボタボタと指の間から血が溢れる。だが表情や気配はいつもと変えない。 平静のまま警戒を続けることに全神経を使っている]
[そんなことで、人の命は奪われるのか。彼らの命の輝きは冒涜されるというのか。
ああいや知っている。自分が1番よく知っている。人間の汚さは、欲望の闇は、罪を罪と認識しない奴らの愚かさは。]
[そんな奴らに対抗するために、『外道/正義』を行使してきた『ユウヅキ・ナイトライン』にはよく分かった。]
………。 ーーー……ーーー。
[『赤い目』は二人を見据え続ける。
ユウヅキは選択を待つ。 この組織はイルマやカジノの調査によって崩壊するのは目に見えている。こちらがこんなヤツらのために手を汚すことは無い]
[スティーブが手を汚しそうならば。
復讐を望むならば… 自分が止める。 必ず。スティーブに彼らのような外道の下まで堕ちさせたくはない]
………スティーブ
[なるべくいつもと変わらぬように、そう一言だけ声をかけた。 彼の選択を待ち望むように*]
── 上層:カジノ『パラダイス』 ──
[其れは人の欲望を喚起するネオン>>1:15。
エントランスは人の出入り多く、一瞬のうちに変わりゆく人間の悲喜を表すかの様に、綺羅びやかなネオンも変わりゆく。
カジノの建物からやや離れた周囲には、怪盗の張り込み待ち的な人物達もたむろしており、その人物達相手に、上層まで商売をと立ち売り販売している、二人組で出しているケバブまん屋などが見えただろうか。
ハロルドがベル>>38をリードするならそれをぼんやり見遣るが、ハロルドがリードしないなら、ヴェスがリードするだろうか]
ん……
そういや、 確か怪盗がどうとか…
言ってたな
[番組で流れていた事柄>>1:24を口にする。
足を踏み入れれば、そこは豪華なフロア>>2:130、それにずらり並ぶスロットマシーンか。
何処かで丁度ジャックポットでも出たのか、盛大な歓声があがっている]
[『取引人』への問いかけ。>>+87
聞くのが怖かった。
めちゃくちゃ怖かった。]
……
[リルへ漏れてしまった思考。
リルからの言葉に少し、恐怖の中へ、
安堵が混ざる。]
[そして、『取引人』の声>>+92が聞こえれば、
心臓がはね上がる。
息苦しく、空気を取り込もうと、
息を吸う。
言葉を黙って、聞く。
聞こえるのは、やたら煩い呼吸の音。
心臓の音。
少しずつ、呼吸は早くなる。
無理やり、抑えるように、
ゆっくり、ゆっくりと、息を吸って、吐く。]
/*
あああースティの選択の場面に何故ヴェスはいないんだああ…!(悶絶)
仕方ないね…( ˘ω˘ )カウンセリング
ー 見学席 ー
……なる、ほど?
[開いた人がショーというならそれはショー>>+90という言葉に、相変わらず少し不思議そうな顔のままだが納得する。]
…真似っ子? …あ、さっきの、まじしゃんの、人?
『ゆーしゃさま?!』『すげー!おれたちゆーしゃさまにあってたんだ!』『さっきステージでおひめさまの絵をもってったヒゲの人でしょ!へんそうまでできるなんてすげー!』
『やっぱりおれもゆーしゃになる!あのひと見つけて弟子入りすればなれるかな?!』
[子供たちがワイワイしているのオロオロしていれば、エイシンが事情を話してくれる。>>+91]
/*
まさかユウヅキがスティーブを精神的に支える立場になるとは
BtB1の時には想像もできなかったでしょう。
成長しましたね、ユウヅキ!
[男に手が伸ばされるように、
声が届く。]
……
[恐怖に安堵が混ざり込むようだった。]
……ちょ、っと。
苦しいな、これ…
[その"手"を掴む。*]
[やがて、辿り着いた、"真相"。
一瞬、目を見開き、ひゅっと、喉がなる。]
………流れ弾…
[男が出したのは掠れた声。
『取引人』の言葉は終わる。
そして、沈黙。]
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