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― イルマ退室前:別室 >>+80>>+81―
ええ、ありがと……
…ぁ?なんでボクの名前を……
[名刺を差し出されたのを受け取る時に>>+81自分の名前を呼ばれて不思議そうな顔をする。名乗った覚えなど当然ない。なぜ謎のサイコメトラーが自分のことを知って…といったところで]
『先日は本当に楽しかったですよ。』
………!!! お、お前あの時の…!!!
[サングラスを外された先の顔、両手ワキワキ。即座に彼女の正体を理解する。あの時はよくもと怒ってやろうかとおもったが、その頃にはもうイルマは外に出てしまっていた]
(……アイツに払わねばならんのかよ…!)
[少し不満げだが、名刺の裏の口座をしっかり確認する。こういうところではしっかり誠実に対応するのが、探偵として働ける秘訣なのかもしれない**]
─ 上層:公園外周 ⇒ 貸衣装屋 ─
やっぱり正装っていったらそうなっちゃうんですよね。
…わかりました、お願いします。
[ヴェスの言葉>>17>>18を聞いて一つため息をついたが、意を決した表情でヴェスを見つめた。まもなく、ヴェスの空間転移が発動される>>21。唐突だった前回に比べ今回は事前の予告があったため、すんなりと移動ができただろう。]
あぁ、このお店、貸衣装屋さんだったんだ。
[目の前に現われた店の感想を一言述べる。どうやら見覚えのある店らしい。もちろん、足を踏み入れたことなどこれまで一度もありはしなかったのだが。]
─ 貸衣装屋 ─
[ヴェスたちの後に続いて店へ入れば、ベルは彼らとは違う女性店員に有無を言わさず引き連れられ、奥へ向かう。]
『はい、そこ立って。背筋伸ばして。』
[誘われるまま部屋へと入れば、床にマーキングされた場所へ立つよう指示を受ける。目の前にいる女性はまるでベルを睨みつけるように眺めた。]
『…ふーん。こら、動かない』
[ただ見つめられるだけのベルがいたたまれなくなってもじもじと動けば即座にお叱りが飛ぶ。しばし無言の時間が過ぎ去った後、店員はクローゼットの中から濃紺のカクテルドレスを取り出した。肩紐のついたワンピース型のもので裾はくるぶしほどまであるロングスカートだった。]
あ、はい。ありがとうございます。
って、えぇ、背中開きすぎじゃ…しかもスカートにスリット入ってるし。
[店員からドレスを受け取った後、着替えのため試着室のカーテンを閉めたが、少しの後にベルがカーテンを開けて悲鳴を上げた。]
『あなた、あの二人のどっちを狙ってるのよ?』
へ?
『女の武器は使ってナンボなの。わかる?なんだかんだ言って男は女の色気が弱点なの。』
[そう言って店員はドヤ顔をする。どうやら何か勘違いをされているらしい。]
いや、あのお二人はただのお友達で。
しかも一人は既婚者ですよ。
『既婚者だろうが関係ないわ。愛ってそういうものよ。そう、燃え上がるのよ!』
[慌てて訂正をしたベルに対して、店員はベルの言葉を一笑に付すと装飾品の見定めを始めている。その後の抗議も空しく、ベルは用意されたドレスに着替え、カーテンを開けた。待ってましたと言わんばかりに店員がプラチナのネックレスを付ければ完成だ。]
『ふふっ、バッチリよ。グットラック。』
[店員のサムズアップに力なく笑うと試着室を後にした。]
やっぱりカジノって大変なところなんだなぁ。
[これならまだクローゼットに眠るフリフリのスカートの方がマシだったかもしれないなんてこと思いながら、慣れない高さのヒールでヴェスたちのところへ合流する。いつもの鞄はクロークへ預け、今はレンタル品の赤いポートを抱えていた。]
わぁ、お二人ともなんか全然雰囲気が違いますね。
凄く素敵だと思います。
ヴェスさんは…ちょっとゴロツキっぽさも出てますけど。
[二人を見れば感嘆の声を上げるだろう。ヴェスにはちょっとしたオマケもついたか。*]
─ 貸衣装屋 ⇒ カジノ「パラダイス」 ─
[ヴェスに誘導されカジノへと足を踏み入れる。華美な装飾が施されたメインホールの奥にはスロットのネオンが眩しいばかりに輝いている。予告状の影響もあってかいつも以上に人々の熱狂は凄まじく、まさに別世界へと足を踏み入れた感覚をベルは味わっている。]
なんというか、圧倒されますね、ここは。
色んなところがキラキラしてて、目が回りそう。
[辺りを見回しながらポツリと呟いた。ヴェスとハロルドが奥へ進めば、慌てて後を追うだろう。*]
[男は一歩一歩と、『取引人』へと近づく。
それに伴い、相手は後ずさりをしていく。]
あいつも、馬鹿だからな。
ごみ箱にごみ捨てたからって、
『あ、いい人だ!』なんて、ぱっと思ったんだろうな。
[妹のことを思い出し、それを切欠に男は思い出す。
イルマから聞いた男の容姿。
5年前の"依頼人"と重なる。
よく覚えているのは、最後に依頼を終えた時に別れる際の言葉。]
『あんたらのおかげで、久々に笑った。』
『ありがとう。』
[その当時、『あんた"ら"』が誰のことを指していたかなんて、分からなかったが。妹のことだったのだと気付く。
もっとも依頼人は、仲介人が男の妹だと知りはしなかっただろうが。]
[再び一歩。そして、男は手を伸ばし、
『取引人』の両肩を掴み、ぐいっと強く引っ張る。]
……教えて下さい。
知ってるんでしょう?
5年前。
あんたらが、起こしたドンパチで。
"あんなもん"狙って、奪い合ってた、
ドンパチで。
[相手を見る目は真っ直ぐ。
恨みも怒りも、籠もっていない。]
なんで、どうして、あいつが、死んだのか。
どうして、巻き込まれなきゃいけなかったのか。
[本当に、ただ純粋に、
知りたいと願い、懇願する目。]
[イルマが"異能"で金属の記憶を引き出し始める。
やがて、男の落ち着かない。
そんな感覚が、リルに伝わるだろうか。]
……あの、ばか…
[イルマの能力で、5年前に妹が金属の所有者を助けたことを知る。
ポツ、男の声が漏れる。]
……めちゃくちゃ、怖ぇ…
[『取引人』に男は聞く。リルへと漏れ出るのは、恐怖。]
─ 貸衣装屋 ─
[整え終えたヴェスとハロルドを交互に見遣る男性店員]
「……んー、アナタ。
差し色入れた方が良いわね。
これ胸ポケットに入れましょ」
[ヴェスを指名し、胸ポケットに光沢のある白いチーフを入れることを勧める]
「それからアナタはこれ」
[ハロルドにはアイボリーのトレンチコートを渡した。
前は開けたままで良いとのことだったため、袖だけを通し襟を正す。
どうやら2人のコーデに統一感を出そうとしているようだ]
─ カジノ『パラダイス』 ─
[移動の最中もこちらを振り向く者は少なくなかった。
目立つのか?と思ったが、コートを脱いだくらいでは印象は変わるまい。
気にしないことにして足を踏み入れたカジノは、これまでに見たこともない程に煌びやかだった]
(……眩しくない)
[最初に抱いた感想はそんなこと。
サングラスの偉大さを実感した瞬間だった]
………?
[ヴェスとベルと並んで歩いていると、周囲でヒソヒソと話すような雰囲気を感じた。
ふ、とそちらを見ると、慌てて目を逸らす者達がいることに気付く。
何を話していたかは分からなかったため、首を傾げて再び前を向くに至った]
[よもやどこぞの組織の幹部、もしくは良いとこのお嬢様とその護衛と思われているなど知る由も無い*]
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