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……いやはや、見事なものだ。
[ボロボロになった影の傘を頭上から外し、こふっ、と掠れた咳をしながら呟く。
常から胴体部は他よりも影による装甲を厚くしているのだが、その上から弾丸の雨は強い衝撃を与えていった。
胸元からいくつかの弾丸が勢いを失して落ちていく。
それらが地面を抉った弾丸の横に転がった]
…フフフ、私を捕まえられたら、君が知りたがっていた私の目的を話してやっても良いよ。
[楽しげにテノールが音を奏で、条件を一つ紡いだ。
相手が受けるかは知らないが、その言葉を違う心算はなかった]
[傘の影を足元へと落とし、杖を元の状態へと戻す。
徐にトレインの方へと歩み出せば、後ろから影が鎌首を擡げて『死神』の後を追ってきた。
徐々に鋭さを帯び行くそれは、『死神』の両肩辺りから1つずつ飛び出し、トレインを貫かんと迫る。
腰辺りの左右から更に2つ、足元からも2つ伸び上がる影に、トレインはどう対処するのか*]
そうだ、こんなところで寝ている場合じゃ……、ない……。
[ベッドから身を起こし、傍にあった水がほんのちょっと残っているボトルを手に取る。
そのまま悲鳴の方に向かえばまさしく阿鼻叫喚という図が広がっていた。
負傷した異能者を転移能力者が次々と連れてきては治癒能力者が手当てにあたっている]
「全力で束になって障壁作成に当たってたのにこんなにふっとばされた……!?」
「防衛線どうなってんのー!」
「今無事な連中が全力で立て直しにあたってるよー!」
「治り次第またこっちに来いってよー!」
「鬼か!?」
「戦意があればって話だよー!」
[防衛線の状況を知らせる声の中に負傷者の悲鳴じみた声が混じっていた]
…………、辛そうねずいぶん。
[エーディは治療を受けている異能者のひとりに話しかける。
かつてドンパチを繰り広げたのことのある異能者だ。理由は言わずもがな、こっちが暴走していたせい]
「なんてこった、あれは……ホンモノのバケモンだ!」
[彼の口から語られるおぞましい機械生命体の攻勢のすさまじさに息を呑む。
機械生命体の放った砲撃は、まさに高出力。
中層から上層にかけての大通りを薙ぎ払っていったという]
「残ってる奴が全力で対処にあたっているが、
このままでは……くそっ……」
……震えてるねずいぶん。
不安かい?
「そうだな。だが行かねばならない。
ドームを守るためだ」
強いね。
「お前はどうなんだ。どうしてここにいる」
…………、上手く言えないけどたぶんあんたと同じさ、根っこのところはね。
[つまりはドームを守りたいということだ。花が咲き誇る場所を]
別にあんたと違って底なしの正義感ってわけじゃないさ。
ドームには借金取りも、私に借金を押し付けた奴もいる。
いいやつばっかりじゃない。それでもいいやつはいる。
報酬度外視したどうしようもない馬鹿もね、たまにいる。
私はいいやつにはなれないだろうが、
そういうやつの支えにはなれるんじゃ…… ないかな……、って……、
[ばちっ、と異能者と視線がかち合い思わず目をそらす。
柄にもなく語ってしまったしかも昔倒された奴相手に]
…………。
[数秒かけて視線を戻すと彼は笑っていた。
心なしか震えがおさまっているようにも見えた]
[そう大声を出すが、セーガには届くだろうか*]
す……げ…
[セーガが作り上げた氷のオブジェに、思わず声を漏らす。]
助かった!ありがとな!
[そう、セーガに手を上げ、そう声をあげる。
いまだ、小型機械生命体は飛び回っているか。
だが、対処法が少しずつ分かり始めれば、被害は少なくなっていっただろうか。]
[……などというやりとりを経て、
未だ治療中の彼より先にエーディは現場に向かうことにした。
負傷者詰め所とも化した陣営に入ってくる情報の中には、
小型の機械生命体が現れた、というものもあった]
ちょ、放っておけばやばくない……?
[まさにその通り。
しばらく考える。やれそうなことを。そうこうしているうちに転移される。
円型の光がエーディや異能者数名の周りを多い、
未だ混沌の渦巻く中層へと連れていく]
……群体、ね。
思った以上、だったな…
[パージさせて叩く。思った以上に、やばいかもしれない。
ヴェスがいるなら、そちらを見る。]
……
[頭を掻く。また、すぐに震えそうになる拳を、
ガンっと掌に打ち付けて]
どっちにしても、叩くっきゃねぇよな。
[そう言って、ナトゥーリアへと追いつくため向かうか。]
/*
どんどこいけー行ってもらったので、行きたいけど、
そろそろヴェスがどう行動するかが気になるので、
一旦止めようかな…
トレイン、に、さわる、なっっっ!!!!!
[ドンッッッッ!!!!]
[その悲鳴は明確に『死神』に対する敵意を乗せていた。
打ち出された冷気が直撃すればその場にその身を氷漬けにされ、動きを縛られる事だろう。]
[セーガは『死神』の正体を知らない。 しかしセーガを知る『死神』は…かれの変化になにか思うことはあるのか、それとも何も思わないのか]
[ドン!!!ドン!!!ドンッ!!!]
[青年は連続してその指先から明確な敵意を打ち出し続ける!**]
[目的地へと駆ける傍ら、小型の機械生命体と対峙して負傷した者達の治癒も請け負う]
「たいちょー、こっちも」
「リル嬢、あっちにもいるぞ」
「やっべぇアレこっち来たああああ」
負傷者は連れて来い!
アレは連れて来んな!
[同行する部下達への指示。
リルに戦う術はない、出来るのは指示と治癒だけ。
その代わりに動くのが部下達]
[転移で中層に着くや否や、
「とにかく動きを止めてくれー!」というものすごくざっくりとした指示が飛んできた。
各人が対処にあたる中エーディは植物の種をばらまき地面に手を当てる。
刃物がついていたり、などと、
プロペラ付き箱より剣呑な見た目をしている(が空は飛んでいない小型の機械生命体を取り囲むように、
地面から生えた蔦が伸びて縦横に動いて、
その四肢にあたると思しき部分に絡みついていった]
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ところで、セーガの『にいさん』発言で、ヴェスが、スティーブのこと見たの、めちゃくちゃ嬉しいんですが!!!
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