シラサワさま

あなたを護れなくてごめんなさい
あなたの分まで僕は狼さまやお狐さまの霊を見つけ出してみせます
だから、待っていてください
そして終わった時は僕とお祭り回ってくださいね？

夜�~の手記・〇月△日

また一人行方不明になってしまいました。
リェンさんのお店によくお酒を飲みにいっていたアザミさん、という女性だそうです。
それから、村の外部から来た人を蔵に閉じ込めたと今朝村の人から聞きました。名前も知らない人だけれど、同じように外から来た僕にとって、それは他人事には思えないことでした。もしかしたら僕も、外部の人間だからという理由で閉じ込められてしまうかも知れない。そんな考えがよぎって、村の人たちのことがすこし怖いと、そう思ってしまいました。

しかし烏丸さんという学生服の男の人が、自分は神主だと名乗り出て僕の潔白を証明してくれました。彼が僕を視てくれたことにほっとしています。
一つ問題なのは、そのおかげで僕が皆の意見をまとめる役になってしまったことでしょうか。
十四の宮司の中に存在すると言われていたはずの「赤い印」がある人が名乗りでず、頼れる存在がいない状態だったのです。

正直、僕では役不足だと思います。シラサワさんを蔵に連れていくと決めたとき、僕は芙蓉さんの顔が見れませんでした。
でも…誰かも言っていたように、早くこの事件を解決しなければもっと悲しいことが続くでしょう。皆とまた笑ってお祭りを楽しめるように。
母さん、父さん、僕、頑張ってみます。