夜�~の手記・〇月×日

昨日は咳が酷くて書けなかったので二日分まとめて書くことにする。
今僕は“稲荷祭り”に来ています。
小さい頃から毎年行われるこの祭りを知っていました。と言っても、体調のせいであまり家の外に出られないので、祭りが行われる隣町の神社に祀られているのは狐の神様だということ、出店には僕が知らないものがたくさん売られていることを給仕から聞いて知っているくらいです。この神社のことかは知りませんが、秀吉が母親の病気平癒を稲荷の神に願ってご利益にあやかったという話も歴史の先生に聞きました。

父と母は、体がよくなるまで一人で外に出るなといいます。もちろんそれは僕を心配してのことなのでしょうが、正直なことを話すと僕はそれが辛かった。弟のように自由に歩いて色んな人に出逢って、色んな経験がしたいと思っていたから、家から出られない日々は退屈で仕方なかったんです。
だから今年が百年に一度、お狐様が現れる年だと聞いた時は、思わず家を飛び出していました。お狐様に会ってお願いすれば、僕の体もよくなるかも知れないと思ったから。

初めて一人で出歩いた街はとても楽しかった。工房へ行ってお面を作ってもらったり、着物を用立ててもらったり。そうして訪れた神社は、まだお祭り前日だというのに人で賑わっていました。屋台の骨組みが並んで、木々の間にはまだ灯りのついていない提灯がいくつもぶら下がっていて。祭りに来ている人々も親切でいい人ばかりで、まだたった二日だけれど、素敵な友人も出来ました。だから……
［ そこで寝落ちたのか筆が止まっている ］

裏メニューリスト(２日目用)

◎恋愛成就の護符
◎呪い避けの護符
◎激しい通り雨に遭い、傘を買って店を出た直後に雨が止む呪符
◎シャンプーを出そうとしてリンスを出しちゃう呪符
◎朝電車に乗り遅れない護符
◎財布の中の小銭をぴったり払える護符