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朝か……。外が騒がしいが、一体何が。
従者が拐われただって!!
狼が出たなんて、本当なのか……
あ、芙蓉?芙蓉はどこだろう
従者が狙われてるなら彼女も危険じゃないか!
探さなければ……とにかく会場に向かおう
[周りの喧騒に気づき、リェンはぐーっと伸びをした。身体が痛い]
んはあー
チョトだけ寝るつもりが、寝こけてたネ!
ユウカイ?とか聞こえた気がしたケド、ダイジョブかな?
チョト、お店休憩して、神社いこかな?
お狐様が、狼様が、と騒ぎはやまない
その時だれかが大声をあげてこういった
「このままだと埒が明かない
お祭りはこのまま続行だ
なんせ、今年はいつも以上に人が来るだろうからな。
それで【秘密の言葉を知ってる14人のもの】で
【狼様やお狐様の霊が取り憑かれてるものを蔵へ閉じ込めよう】
そして巫女様に取り除いてもらおう」
つまり、お祭りの間にお狐様や狼様を見つけなくてはならないということになった
さて、14人の者達よ、どうする?
[目を覚ますと朱も、ここまで連れてきてくれたカガチも傍らにいない。
慌てたように見回すと、ヤガミが薬を手にし、朱とカガチと話しているのが見えた。]
………いたっ。
[着物の裾に足をとられ転ぶも、三人のもとへ駆け寄る]
…おねぼう、しちゃった……。
おにいさまがた、ごきげんうるわしゅう。
ヤガミおにいさまは…大丈夫……?
[と尋ねた頃、ようやく喧騒に気付き]
まわりが…なんだかさわがしいの…?
ほんばん、だからかなぁ…。
[と首を傾げ、カガチを見上げる。]
[カガチとヤガミが話す隙に朱に近づき]
カガチおにいさまがついてきたからどうなるかと思ったけど…うまくいったな。
ふふっ。
この後、どうなるのかなぁ……?
[楽しげな朱につられるような声で囁く]
−−夜も遅くに寝入った調が、目を覚ましたようだ>>16
眩い朝日に眼を開けたのかもしれない。
>>16 調
「おはよう、調。
うん、皆難しいお話をしてるみたいだけど、調は頑張ったお稽古の通り、本番を迎えればいい。
大丈夫だよ。あれだけ頑張ってたんだよ? 不安になることなんてないよ」
−−意図的に的を外した回答が、調に伝わったか否かは、カガチには分からない。
それでも彼には、調を不安にさせないことだけを考えて言葉を選ぶ。
皆、稚児行列を楽しみにしてる、などのような緊張を高める言葉でもなく。
狐と狼の騒動など以ての外。
カガチは、いつも通りのカガチでいるのだ。
[ザワザワとざわめく声でハッと目を覚ます。
今日は祭りの日。そして、花のお披露目がある日。お披露目はお昼から夜にかけて行われる]
「まだ時間があるな…にしてもさっきから異様に騒がしすぎる。なんかあったのかよ…」
[今年は100年に1度の大きな祭り。規模も今までより拡大してある。それにしては村の人の声が楽しさでは無く、焦り、困惑、恐怖と言った祭りにそぐわないものばかりであった。]
ーー
[祭りの会場に近づくにつれ、『キクヒメ』『誘拐』『狼』と言うワードが頻繁に耳に入ってくる。キクヒメに何かあったのは明白であった。]
…
[村の人の話を纏めると、キクヒメが狼に誘拐された。秘密の言葉を知っている14人の中に狼が紛れ込んでいるらしい。対抗出来る人がいるらしい。とのことだった。]
「つまり、その対抗出来るやつに頼めばいいってことなんだよな。けど、対抗するやつが出てくるとそいつらが狙われやすくなるってことか…面倒くせぇ」
「んー対抗出来るやつってのは一体どんな能力を持っていて、一体何人ぐらいいるのか知ってるやついねぇか探してみるか」
[花のお披露目が無事に出来るかも危うくなる。なんとしても成功させたい千代は見知った顔を探し始めた。子供の頃からお世話になっているキクヒメの安否も勿論気になるところである。]
ーー
[道中、一旦足を止め何やら落し物を拾う。「飴玉の入った袋」のようだ。ついでにこれの持ち主も探してみるかと止めた明日を再び動かせた。]
(秘密の言葉を…知る14人……)
[千代は『秘密の言葉』になにやら引っ掛かりを覚えていた。と、同時に現状分からないことだらけだと言うこともハッキリと知る。]
「花守人として知識や実力は磨いてきたつもりだったけど、俺もまだまだみてぇだな…」
ーー
[大勢の人が集まっている場所で丁度近くにいた「カガチ」に話しかける。「調」には花のお披露目の話だと言い、待っててもらうことにした。相変わらず千代のことは覚えてないらしい]
…
「や、カガチ。なんだか騒がしいな。カガチは例の対抗出来るやつのこと何か知ってるか?」
[表情はいつものまま、少々小声で問いかけた。]
ーー
[「カガチ」が返答しようとした時、近くをパタパタと「セン」が走り抜けようとしていた。
千代の手には「落し物」が握られている。]
「お!ちょうど良かった。久しぶりだなセン。挨拶し損ねちまって遅くなったな…お前は今回の騒動について何か知らねぇか?」
[昔の知り合いは信頼を持っている。もし仮に14人の中にこの2人が含まれていたとしてもそうそうは疑わない2人だと千代は思っていた。]
[何にせよ14人が誰なのか分からないことにはどうにもこの問題は進みそうに無い。『秘密の言葉』とは一体何なのだろうか。]
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