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……いやぁああああ?!
[なんということか、巨大コンテナがすっ飛んだ!]
に、にげてー!!
[コンテナはまっすぐに荷降ろし中の男に向かっていく。]
『うわぁああ?!』
[男がとっさにコンテナを蹴っ飛ばすと、またあらぬ方向へ飛んでいく。娘もコンテナを追いかけてすっ飛んでいく。]
止まって!止まって!
ちょっとぉおお!!*
ー下層区画 倉庫街ー
…っくそ、見失ったか…
[支払いを済ませ、足早に白猫を連れた男を追いかけた。
しかし手間取っていた時間を考えると見失ってしまうのはすぐに分かることだった]
[倉庫街ではザワザワと作業をする人たちに囲まれ猫連れなんてぱっと見ただけでも見つからない]
……あーあ、押せとは言ったけど叩けとは言ってないよ?
[勢いよくすっ飛んでいくコンテナとそれを追いかけるエイミーに小さく溜息をついた。
その後を追うように一歩踏み出し、次の瞬間にはすっ飛んでいくコンテナの進路へと現れ]
よっ、と。
[翳した右手で抑えると同時、コンテナの重力を元に戻した。
ズズ…、と地面をやや滑る音が響く。
中身が無事かは知る由も無かった]
今度はちゃんと押すんだよ?
[騒ぎに動じた風もなく、コンテナの陰から顔を覗かせ、エイミー対しにこやかに声をかける。
にぃ、と肩の白猫が小さく鳴いた*]
[遠い過去に思いを馳せるのは人間の性だと思う。特に金持ち連中は自分の出自というのがいかに貴いものであるかを心のよりどころとすることも多い。アデルの商売の一つはそんな彼らの自尊心の下に成り立っている。]
あなたの血筋はとても素晴らしいものです。
[そんな証明を名のある者にしてもらえれば、彼らはそれはもうご機嫌なのだ。もちろん、P13ドームお抱えの前文明痕跡調査班には、アデルの歴史学者としての評価は到底及ばない。だが、ドームの組織は、庶民の欲求を満足させるような活動はほとんど行わない。]
しかしまぁ、『カッタールイーナ』ですって、我ながら傑作。
[今回彼の作ったデータはほとんどが創作に近い。前文明の記録というのはそれほど貴重なものなのだ。ある個人の家系図を前文明まで繋げるのは不可能に近い。それでも頻繁にアデルのもとへ依頼が来るのは、彼の所蔵する古文書の量と知識により、それなりのクオリティを持ったデータが出来上がるからだろう。]
さて、今日は物語でも読もうかしら。
[自宅の書物庫の扉を開ければところ狭しと本棚が並ぶ。これだけの数の中から迷いもせずに目的の本を探し出せるのは彼の能力によるものだ。]
[『目印』と『捕捉』。彼は触ったものに印を付け、以後その所在を把握し続けることができる。無機物に限らず生命体でも目印は可能であり、人間であれば地肌に触る必要こそあれ、触った箇所が物理的になくならない限り皮膚の代謝程度では途切れることなく追跡ができる。メモリー量は本人にも不明、把握距離はドーム内程度ならカバーしているようだ。]
決めた、アタシ今日はもう引きこもるわ。
[自室の椅子に腰掛けると心地よい風が吹き込んでくる。一仕事を終えた満足感から一言つぶやくと、客からの呼び出しをシャットアウトすべく『本日閉店』ボタンに手を伸ばしたその時、]
ホント信じらんない。タイミング最悪じゃないの。
[来客を知らせるブザーが鳴り響いたのだった。]
っ…?
[おお…と周囲の従業員が静まる声にユウヅキは背後のコンテナになにか異変があったことに気づく。
後ろを振り返ると、そこには先程まで居なかったはずの男と、肩に乗る猫がその黒い目に映った>>29]
……?いつの間に…どうやって間に立った…?
あの速度で走っているコンテナの間に立つなんて…
[突然の出現に驚きどういう原理なのかを思案し始めた…のも束の間、すぐに正気に返る]
あ…助けてくれてありがとう、助かった
あのコンテナはいったいなんだったんだ?
…あとそれから…その猫なんだが
……ずっと探していた猫なんだ、どこでそいつを?
[目に映るのは目的の猫、追いかけ回していたせいか明らかにこちらに警戒しているような気がするのは多分気のせいではない*]
[阿鼻叫喚の中にどこかで聞いた声が混じっている気が、した。>>27だが、今はそれどころではなかった!
走りに走りコンテナを追いかけていると、その向こうにさっきの男が現れて――突然コンテナが止まった。>>29
ゴン!と衝撃音が響く。]
いっっっっったぁ……!
[勢いあまった娘はコンテナに思い切り顔をぶつけ、額と鼻の頭が真っ赤になっていた。]
……早く言ってよ……。
[顔を押さえ、涙目で口を尖らせる。猫に見下ろされているのに気付き、ぷいとそっぽを向く。
ひと騒ぎ起こしてようやっと、何が起こったか理解したようだ。軽くコンテナを押せば確かに緩く地面を滑る。]
ま、まぁ助けてもらったみたいね。
……ありがと。
[そうするうちに周りが騒然とし始めた。このままでは弁償だのなんだの厄介な事になりかねない。]
いっけない!
私いってくる!
[早速巨大コンテナを押し始める。
途中、振り向いて]
その、一応、ありがとう!
お兄さん、名前教えて。
私エイミー!後でお礼するから!
[叫びながら、コンテナ押し押し目的地の方へ駆けだした。]**
[すこぶる機嫌は悪くなったものの、彼も一商売人である以上はお客を大事にしている。ドアのロックを解除し、尋ねて来た身なりの良い初老の男を中へと誘うと、自身も応接室へと向かう。今回は2番応接室での対応、ということは『お探しもの』の依頼だ。]
はいはい、毎度ありがとうございまーす。
本日のお探しもののデータを見せてもらえますかー?
[ぶっきらぼうな対応だが、男は必死な様子で登録データを差し出した。]
ふーん、アデルお探し登録ID『B00483683』。
贈物のネックレス、ねぇ。
最近できた若くて綺麗な彼女がもらったものを失くしてしまったと。
[やる気のない顔でデータを見つめた後、アデルは能力を発動させる。手元の端末でドームの地図を呼び出せば、とある地点を指差した。]
ここらへんね、スラムのブラックマーケットじゃない?
失くしたんだか、盗まれたんだか、売ったんだが知らないけど、ここら辺探せばお店に並んでるかもよ。
は?アタシに現地まで探しに行って欲しい?
アンタねー。え?そんなに?んー、ま、まぁ、行ってもいいかな。
[背に腹代えられぬ。お金を積まれては商売人の足はサッとスラムへ向くのであった。**]
ん?
[礼に振り返れば、先程レストランにいたユウヅキ>>32がいた。
向けた表情は明らかに、いたの、な顔]
どーいたしまして?
コンテナはあのお嬢さんが運ばなきゃいけなかったみたいなんだけどね。
動かないって言うから手伝ってやったんだが……まぁ事故だね、事故。
[説明不足で引き起こしたことであるため、ソノランのせいとも言えなくないが、その辺りは置いといた]
猫?
…あぁ、こいつか。
さっき勝手によじ登ってきたのさ。
余程怖いめにあったのかねぇ?
[追い掛け回していたことを知っていながら、ユウヅキを見やって笑いながら首を傾ぐ。
肩の白猫はユウヅキから隠れようと、ソノランの頭の後ろに隠れようとしていた*]
はい、ということでpontaroでございます。
前回から第2回の開催を楽しみにしてました。
今回もよろしくお願いします。
やっぱオカマキャラはもうちょっと顔が濃ゆいヤツの方がインパクトがあったかなー。
メトロポリスの性別不明オペラとかはモロなんだけど、あそこまで行くとやや汚いかなと思ってしまった。
今回は「前文明痕跡調査班」なる新単語が出てたので思わず乗ってしまったり。メガネ君とか来るんだろうか。
そんな彼とこのオカマは仲良くやっていけるだろうか。
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