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[背後からの衝撃に、機械生命体は振り向き様に爪を薙ぐ。
ソノランは後方へと跳ぶも間に合わず、爪の先が胴を掠めて行った。
衣服が切り裂かれ、肌にもその痕が残る。
傷口がじくりと熱を持ち、その感覚にソノランは舌打ちをした]
[打開策を考えるために何度か牽制の銃弾を放つ。
接近を避け続ける姿勢を見せると、機械生命体は大きく口を開けた。
何を、と思う間も無く高熱のエネルギーが放たれ、ソノランの右肩を抉る]
飛び道具まで備えてるとはね。
本当に厄介だったよ。
[熱線が飛んでいったのが調査員達が避難した方向とは逆だったのが幸いだった。
遺跡の一部が吹き飛んだが、人的被害は無い。
ただそれとは別の方向に子供>>269の姿があった。
その前には二人分と思われる遺体。
へたり込んで動けないだろうことは明白だった]
─ ある任務の記憶・3 ─
[機械生命体が逃げ遅れた子供を狙う気配は無い。
(なるほど?)と察するが、それは安堵には繋がらなかった。
飛び道具がある以上、巻き込む確率は0ではない]
……はぁ〜、しっかたないなぁ。
[至極面倒だ、と言うような声。
左手で頭を掻いた後、空間を飛んだ]
[機械生命体の前から姿を消し、現れたのはへたり込む子供の下。
無遠慮に腕を掴み上げ、子供も巻き込んでまた空間を飛んだ。
次に現れたのは、避難していた調査員達の下]
これ、よろしく。
[子供を地面へ下ろして調査員達へと声を投げる。
そうして直ぐにまた機械生命体の下へと飛んだ。
1分にも満たない間に為された行動。
機械生命体がソノランを追って向きを変えていたが、その背後に再び現れることで機械生命体の向きを再び調査員達の方向から戻させた]
[以降は瓦礫や石を壁代わりにしながら、機械生命体に飛び道具を使わせないような戦い方をする。
何度か銃弾を直撃させるが、やはり装甲をへこませるだけで効果は薄かった。
装甲を貫通させる手段がないことは無い。
ただ、確実に動きを止める一手を考えなければいけなかった]
機械なんであれば……っとぉ。
[装甲内に弱点となる動力源があるはず。
そう考えて透視を行おうとしたが、突き出される爪に仰け反る羽目に]
あーったく、あんまりやりたかないんだがな。
[悪態を突きながら、ソノランは機械生命体から2・3歩ほど離れ、敢えて詰め寄られる程度の距離で立ち、前髪を掻き揚げた。
隠れていた部分から覗いたのは、白銀色をした右眼。
ソノランの視界が二種類の世界となり重なる]
[透視を行うと左右の眼で見える景色が異なることになり、視覚情報による反応がどうしても遅れてしまう。
敵前でそれを行うのは隙を作ることと同義語だった。
案の定、動力源を見定める間に機械生命体は距離を詰め、腕を振りかぶる]
ッ、
[それに気付けはしたが、対処するには遅く。
振り下ろされた爪が左肩へと深く突き刺さった。
血塗れの機械生命体が新たな赤に染まる]
───── ハッ、これで殺ったと思うなよ。
[前髪を掻き揚げていた右手を離し、左肩に繋がるように伸びる機械生命体の腕をハンドガンの柄で思い切り叩き上げる。
重力加速を伴った一撃は機械生命体の腕をひしゃげさせながら、ソノランの左肩を解放した。
紅が飛び散るのもそのままに、今度は右足で機械生命体の左足を蹴り飛ばす。
接触時に機械生命体の左足に重力をかけてやれば、メキメキと音を立ててそれは潰れ落ちた]
………しぶてーの。
[足と腕を潰されて尚、機械生命体は機械音を唸らせ、残る爪を振り上げてくる。
やはり動力源を潰す必要がある、と動かしにくくなった左腕を引っかかれながら横へと飛び、ハンドガンの銃口を機械生命体へと押し付けた。
その位置は動力源がある箇所への最短経路。
狙いを悟ったかは知れないが、反射のような動きで機械生命体は腕を振り払いにくる]
っらぁ!!
[腕に弾かれる直前、引鉄を引き弾丸に重力加速を施した。
装甲を貫通するに足る威力を乗せたそれがどうなったかを見る前に身体が宙に放り出される]
──── ッつ!
[左腕で直撃こそ避けたが、腕には鋭い線が更に増えた。
転移を行い推進力を落下に変えて地面へと着地する]
…………はー、割に合わねぇ。
[経験がまだ少ないのもあるが、満身創痍の姿で溜息をついた。
投げた視線の先では動力を貫かれ動きを鈍らせる機械生命体がいる。
バチバチとショートする音が響き、しばらくぎこちない動きを見せていたが、やがて機械音の収束と共に動かなくなった]
前線向きじゃないっての。
[愚痴は任務を命じた者へと向けられたものだった]
/*
特殊チーム2〜3名で当たらないと無理って書いてなかっt
そりゃ盛りも足りないって感じますよね…!
ハグレな機械生命体かな?
─ 中層区域 カフェ ─
[チップスを摘みながら、ユウヅキとエイミーのやり取りを眺める。
仕事中だからと断っていたユウヅキだったが、その言葉とは裏腹に手がミックスサンドを持つエイミーの手を握っていた。
その時点でもう笑いが込み上げていたのだが、腹の虫に忠実に食べ出したのを見た後は我慢の限界だった]
フフフ ハハハハハハ!
ユウヅキ面白いなぁ!
[遠慮なく腹を抱えて笑っている*]
そうね……もぐもぐ。
荷物はもう一つあるし……もぐもぐ。
食べたらお暇しないと。
[アデルとは仕事が終わればこれきりになってしまうだろうか。
少し寂しくなって、俯いた。髪が肩から口の方へ落ちてくるが、そのままぼうっとサンドを口へ運ぼうとした。]
あっ、ありがと。
[驚き、そして恥ずかしそうに頬をかいた。]
髪留めをどこかで落としちゃったみたいで。
お箸か何か棒でもあれば止められるんだけど。
[残念ながら、手近にはなさそうだ。]
ところで、連絡先ってもらえたりする?
[尋ねるのは三人に。]
通信できる端末は今持ってないんだけど、
あとで借りようかなって。
借りたらこちらから連絡するわ。
[先ほど下層で何軒か端末のレンタル屋を見つけていた。]*
髪留めか?
ちょっと、待て、棒のようなものでいいんだな?
[ソノランのチップスに手を伸ばしながら、きょろきょろと周囲を見渡しまだ口のつけられていない水のコップを見つける。]
それ、使ってもいいか?
[そう言いながら顎でコップを指す。
チップスからは視線を外していた。ユウヅキはちゃんとチップスを入手できたのだろうか*]
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