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あらあの子。
[≫75≫76の騒ぎが耳に入れば、スティーブから視線を移す。最近お騒がせの探偵ボーイ。実物を拝むのは初めてだったが、結構アデル好みの顔だった。]
ふーん、アナタが例の探偵さんなのね。
あら、お肌白くてキレイね。
[その場の空気なんぞ御構い無しに、スタスタと近づくと犯人を取り押さえるユウヅキの頬をツンツンした。*]
こ、こらっ…つつくな、血がつくぞ…!
[話を無視したアデルにつつかれ不意をつかれる>>95。
視線をやっていたとはいえ、初対面の女性に頬をつつかれると流石に動揺する。それに先程白猫との戦争の傷が残っているのだ、傷口のいくつかには血がまだ零れている。汚しては悪いだろうととりあえずそう断った]
例の探偵って…僕も有名になったものだな…
まだ探偵業を始めて3ヶ月のはずなんだが
[有名になった原因は考えるまでもないが本人は気づいていない。ご愛敬というものだ]
[余談だが、彼の白い肌は割と柔らかめでふにっとしていた。そのせいで傷がよく映えるのだが]
ま、まあいい…それで貴女は?
見た感じスラムの出ではなさそうだが…
この男に見覚えはないか?
[どれだけ頬をつつかれていたかはアデル次第だが、それが終わるとやれやれと言った顔で盗っ人の身体を持ち上げる。
少し後ろにふらついたが、なんとかアデルに顔を見せることが出来るだろう]*
[さて、老婆の言った通りの方向にきた娘だったが。]
……あんの婆さん……!!
[怒りに震えていた。
老婆には道案内の駄賃を渡したというのに、やってきた方向にはユウヅキと泥棒の姿どころか目撃情報もありはしない。]
もうここの人なんか信じないんだから!
[吐き捨てると、きっと上を見上げた。視線の先にあるのは監視カメラだ。]
怪しいからあんまやりたくなかったけど、
[と、監視カメラの設置されているポールをつかみ、よじよじと登っていく。下からスカートの中を覗き込む輩には気づいていない。スパッツをはいているからと安心しきっている。
ポールを登り切ると、監視カメラにそっと触れ、目を閉じた。]
あなたの記憶、見せて?
[問うと同時に娘の意識は監視カメラに入り込んでいった。]
……ふぅ。
[降りようと下を見ると、大勢の人々が娘を見上げていた。]
ちょっと、盗んだりしないわよ!
降りるから!どいてよぉ!
[ポールを滑り降り、なんとかかんとか人垣を抜けていく。]
だからやりたくなかったのにぃ!
[涙目でブラックマーケットへ駆け出した。]**
── スラム街 ──
……ふぅ。
[降りようと下を見ると、大勢の人々が娘を見上げていた。]
ちょっと、盗んだりしないわよ!
降りるから!どいてよぉ!
[ポールを滑り降り、なんとかかんとか人垣を抜けていく。]
だからやりたくなかったのにぃ!
[涙目でブラックマーケットへ駆け出した。]**
ベリティさんには、いつもご贔屓いただきまして。
[そう言って、男は彼へ、ニコリと笑う。
営業スマイルというやつだ。
男の店には子供が良く来る。
その理由は男が、そこらへんの小石でも、ガラス瓶でも、
なんでも買い取るからだ。
たまに武器を持ってくる子供もいるが、その時は買い取りはするも、
次からは持ってくるな。場所だけ教えろと伝え、
武器はすぐに壊し、分解してしまう。
教えられた場合も同様に。
ベリティはそんな中の一人だったか。]
―回想―
[威勢の良い声が、聞こえる。この声はお得意様のベリティだろう。]
いらっしゃいませー。
たまには、買ってくれてもいいんですよ。
[兄妹喧嘩のようなやり取り>>90を見ながら、男は笑いながら、
そう言う。]
はーい、またー。
あ、この前の"あれ"は中々良い値で売れたので、またよろしく。
[そんなことを言いながら、またねーと言うベリティに手を振った。店のものをくすねていたことは、
逞しいな、と。この世界では盗まれたほうが悪いのだ。
掛け合いを続けながら去っていく二人を見ながら]
仲いいねぇ。
[男はそれをどこか懐かしそうに見ていた。]
上層のやつかもしれねぇだろ?
[下層か中層、そう言う彼に、男はそう言う。
上層の人間がスリをする必要など、確かにないだろう。
可能性の高いものから、考えていくのが効率的。
それは、分かっているが。]
…あぁ。
ごちそうさまでした。
[非常食がまるっと消えた、その言葉に、男はにんまりと笑う。]
なんてね。
たまにガキどもが、店に来るんでね。
スティーブから!!って。
[ちゃっかり、人に売りつけるのは忘れないのは、
やはり逞しい。*]
―アデルと―
どーも。
アデルさんも。いい名前だ。
[ここはスラムだ。いちいちそんな人間の名前など、
上層の人間は覚えやしない。男はそう思っていた。
それに、男は元々名前はない。
名を持たずに育った。
昔はいろいろ名前はあった。
が、今はスティーブで通している。
男の名を好き勝手に決めていた妹が、
最期につけた名が、スティーブだった。
それだけだ。]
[そうして、ドンパチ探偵が、やってくれば、
アデルの興味はそっちにうつったようだった。
好き勝手に、探偵の頬をツンツンとしている。
それに対して、血がつくぞと、動揺している様子の男>96。
まさか、アデルを女性と思い、その反応を見せているとは思わない。
男の顔はよく見れば引っかき傷だらけ。
どんなドンパチをやったか、非常にわかりやすい。]
んじゃ、俺にはもう用はないよな?
[アデルにも男をみせる様子だが、
男は特にそれを確認することはなく、
そう言うと、歩きだす。]
じーさん、ばーさん弔っといてって、
あいつらに、言っといて。
[店主は先程見た道端で、動かなくなっていた。
ここでは日常茶飯事のことではあるが、馴染んだ人間がいなくなるのは、やはり良い気分はしない。
あいつら、とはスラム専門の葬儀屋とでも言おうか。
実際葬儀を行うわけではないが。
そうして、先程のアデルからの支払いを渡してしまうと、男は去っていった*]
んー、いい触り心地。
あぁ、アタシ?アタシはただの通りすがりの者よ。
そいつがどこの誰かも知らないわ。
[振り払うそぶりのないユウヅキの頬をしばし堪能した後>>97、我に帰るように質問に答えた。]
ところでこの人何かしたのかしら?
アナタと喧嘩、というわけではなさそうよね。
[切り傷とは思えないが、やたら傷だらけのユウヅキに対して問いかけた。]
上層のやつかも、か
わざわざ自分の手を汚すより下請けにさせそうなものだが…
可能性としては切れんか
[スティーブに上層部の者の犯行の可能性を言われ>>104少し考える。上層部出身者があんな雑踏の中にわざわざスリに来る可能性は考えていなかったが…視野から外すのは一つお門違いというものか]
[そしてニヤッとした笑いと、ご馳走様の言葉。その後に続いた言葉にユウヅキは非常食たちの運命をなんとなく察した]
………はぁぁぁあ……
スティーブ、あのバカを止めてくれてもいいんだぞ?盗まれた回数をカウントするのも飽きた……
[そのため息の深さからどれだけべリティという少女に振り回されているのかがよく見える。ドンパチ探偵とはいえその上を行く破天荒な少女にはかなわないらしい]
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