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こんな馬鹿な話があるかってんだ。
[カタリーネは叫ぶ。
やり場のない怒りを皆にぶつける。]
私はいつも通りにこの宿に商売に来たんだ。
別に特別な事じゃないさ。
何事もなく帰って、私は今頃羊の世話でもしながらエルナとだべっている頃のはずだよ。
そうでなきゃ、いけないんだ。
[なのに、なのに!
幼馴染みのそんな言葉は聞きたくはなかった。
これが悪い夢であればいいのに。]
[何を思うか。
やがて動きを止めたカタリーネは静かに呟く。]
・・・・・・ってみろ。
この場で、毛むくじゃらの獣になってみろ!
そうでなきゃ、私は絶対に信じないよ。
― 談話室 ―
[談話室に佇む投票箱。
机の上の異物が放つ存在感から、そっと目を逸らし、振る舞われた温かなスープ>>154に口をつけたのも随分前。
手に馴染む木のぬくもりも、ごろごろと野菜の入ったその味も、膜を張ったようにぼやけていて、折角作ってくれた二人には悪いがあまり思い出せずにいる]
[現場を見に行く、用事を済ます、人を伴ってあるいは一人で、談話室を離れていく人間を見送って、気付けばこの場に残る人間は限られていた。
決断は迫られている。否応無しに突きつけられる現実と向き合う刻限。
自分もまた、この恐ろしい事件を終わらせる為に手を打たねばならない、というのに]
[だが、いつまでも現実から逃れる訳にいかない。
その中で、ふらりと目を向けるのは一人の少女だ。
得体の知れないと判じた、しかし自分よりもずっと、今を見ていた少女。
――名前は知らない、顔もろくに知らなかった。
だが、彼女の父親>>152の顔であれば、ああ、と過去を想起した筈。
兄を失った時、葬儀の日、鉱山の関係者の中に並んでいた男性。
監督運営を受け持っていた鉱区長だったか、鉱夫達の指示を行っていた鉱夫長だったかそれ以外か、定かではなかったものの。
あれは鉱山の問題であり、彼自身が何かをした訳でもない。だが重なる不運に遭った苦労、心痛はいかばかりか。
自分には推し量ることもできないし、また、目の前の金の髪の少女が、あの沈痛な面持ちをしていた男性の娘であるとも、知りはしない]
[死は己の隣に控えていたくせに、知らない間に己以外の誰かを連れていく。
それを、かなしい>>148、と思ったことはあっただろうか。
――死に行くカナリアのように、噤む]
[エルナに話を聞いて確証を得たら。
彼女の名を投票するか――場合によっては、無謀であろうと自分の手を汚さなければ、と覚悟していた。
けれど、エルナは自らはさみを捧げ持つ。
だから、たぶん油断していた。
自分のせいだけど自分のせいじゃない。
追い詰められた狼が逝ってくれるなら、これ以上こわいものを抱えなくていいと]
――えっ……?
[けれど司祭は、血腥い願いを受け入れて笑う。何もかもを赦すようなそれに目を見開く。
分からない。分からなかった。
信じれば救われるという。これは彼女の彼の救いなのか。
友の告白に怒りを表すもの、呆然とするもの
それらの中で、赤髪の娘は、ただ新たな赤の気配にすくんでいた**]
/*
はんぶん寝てた
これ明日以降の展開どうなるんだ
2狼って村視点で開示されてるっけ?
犯行自供のエルナとジム落ちで、襲撃落ち他にいなかったら「狼はもういない」って思ったりしない……?
[それからどうなっていただろう
首から感じた失っていく感覚
この体が受け止められるか新たな血を広げるものとなるか
それさえもどこか遠く感じる]
――っ。
(嗚呼、神様…貴方は残酷だ。
これが私の運命だったというのですか。
これが彼女の運命だったというのですか。)
……主…よ……ど、か…みな…に…こう…ふく…を……。
[首にかけた十字架と違う水晶の十字架
微笑みを浮かべているつもりでそれを縋るように天に掲げ]
(……嗚呼、生きている間に。
一瞬だけでもいい、一度だけでもいい。
この世界と…みんなの顔…見たかったなぁ。)
[言葉にできなくなった願いは虚空に消えて
どこかあどけない表情で涙を流した後
だらりと全ての力が抜け、そのまま動かなくなった**]
これが本当のあたし ちゃんと見ててよ
[黄金の色が黒く染まっていく 混乱と恐怖をあおるように
とがった爪を光らせながらジムゾンに近づく
誰の言葉にも耳は貸さない 聞こえない
仲間であるあの人以外の言葉には
許しなど受けるものか
これは守るためであって エルナ一人の 自己満足でしかなかった]
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