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【主の屋敷/深夜】
[そうして、夜。屋敷の結界のほんのすぐそばで、立花と共に夜を明かすことにした。今更何か感じる体ではないが、もし寝にくいのなら片方の膝くらいは立花に貸したかもしれない]
……!
[まどろみかけては、それは奈落への誘いだと気づき、我に帰るような夜の中で。なにかの、物音を聞く。それは、かすかな波音のような。それでいて、嵐の前触れのような。遠くから近づいてくる、スコールのはじまりのような……]
リッカ……見たくないなら、目、つぶってもいいからな。
[そういって、見据える。闇を往く妖の群れを。それを先導する者の姿を。]
【ビルの屋上/夕方過ぎ】
[東亰の夕方過ぎ、烏の鳴き声が東亰の空に響く。それは習性か、連絡か、それとも東亰に漂う死の予感の臭いに反応しているのか。]
[そこにほど近いビルの屋上に男はいた。
今日何度目かの食事を済ませたか、見た目に変化はないが、男には確実に何かが混じり合っていく。]
[空からの捜索。報せは入るが、向こう側のねぐらは見つからない。そんな中、一つの報せが入る]
…そうか…。
[それは聞き間違いもない死の報せ。
また一人、そこに帰ってこなくなる──*]
【東亰の空/深夜」
[報せが入る、その時男はこちら側の集う廃ビルにいた。向こうの巣を見つけた鼠からの報せは、こちら側を駆け巡る]
[夜空に烏の鳴き声が木霊していた。第一波の、これから形成されるであろうその後の波の情報を受け取るために]
[第一波が向かってからどれくらいがたっただろうか、烏の姿の男は知らされた場所へと向かう。
それは第一波のあとか、第二波か、とかくまっすぐにそこを目指す]
[そこにつくのはいつ頃だろうか、
いや、たどり着きようもない、そこであった場所に。
それは第一波の鼠より、きっとずっと遅い**]
[そうして、見ることになったのだろう。かつての友人たちが、殺し合う姿を。その光景に何を思ったか、何を言ったかは、今は語るまい。]
[ただ、手を離さないように。ずっと掴んでいる、隣にいる存在に、固い声で話しかける]
……いいか。俺らは俺らにできることをすんだ。
あいつらもきっと、「ここ」へ来る。
「ここ」から「あそこ」へ、あんな穴の底へ行かせちゃなんねぇ。
……お前、できるな。あのサギリってやつと、ともだちだったんだろ。
……俺は、ねねのやつを、何とか呼んでみるから。だから。
[そう言って。彼らの手を掴むために、息をひそめて待つのだった。*]
/*タカオしゃん……
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