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― 回想・広場 ―
っと・・・え?なに?
・・・ハッコウタイ?
・・・・・・・・・ってナニーーー?!
[聞き返したときにはそれを渡した男の姿はちいさくなっていた。
また大声を出していたけどそれには気付いていない。]
・・・なんだろね、コレ。
センパイ、しってる?
[そっちを向いたとき、
彼もヴァレリアになにか言って去っていくところだった。]
― 回想終了 ―
[クリスから、リーンに審問官であると伝えてしまったと聞けば、俯く。]
……じゃあ、“向こう”には神父様……俺らの素性、バレちまってますかね…。
…でも、もう、仕方ないっすよ、だから、だから……。
……つーか、始末書なんて俺が真っ先に書かされるっての。教会で発砲とか…さ。
[自嘲の苦笑い。でももう、それほど落ち込んでいない。
近づこうとして、ぱっと動きを止めるクリスの姿を、仕方ないよと言いたげに見遣る。]
…えへへ。神父様が謝るコトなんてないっすよ。
もう、俺は、誰にも触れられちゃいけねぇんです。
姐御に……神父様に……撫でて貰う、コトも。
[寂しげな、儚い笑み。]
[冷たくも暖かくもない波が頬へとかかる。
またも、そんな感覚だけ。]
へへ……えへへへへへ、ヘヘヘヘヘ。
[海の中、感覚と意識だけが研ぎ澄まされる。
音は聞こえない。
けれど、頭の中を流れる音。
壮大でけれど、静かな平均律。]
……ここにはパパもママもいない。
[コワイ、コワイ、コワイ。]
あれ…コワイって……なんだっけ……?
[良く分からない。]
[席に座ったまま、注射器を手に弄んでいる]
ヴァレリアが言ってたっけ。Masqueradeは皮膚感染する……としたら、こいつは注射器でなく、もっと遠距離から投与できるように改良しねえといけねえんかな。Masquerade、まだまだ謎が多すぎるな。もう少し待っててくれ、ミカ……。
『緊急通信を傍受したなのです。感染体の抜け殻が発見されたらしいなのです、マスター』
何!?場所はどこだ……路地裏?急いで向かうぞ。
[がばっと身を起こす。反動で椅子がずり下がって机に額を強打したが、幸い周囲には誰も目撃者はいなかった]
『凄い音なのです。平気なのです、マスター?』
[笑いを堪えている立体映像は見ていたようだ]
[何だろう、何か聞こえた気がする。]
ここが……月なら。
へへへ…えへへへへへへ…。
[でも――――――。]
寂しいね…うさぎさん、いないもん……。
アナタ……だぁれ……?
うさぎさん……??
[倒れた身体を起こそうと。
けれど、これも感覚だけであろう。]
/*
「脇目も振らず」だから、アウトすぎた。
がんばれ、ミリア!
例え精神が変わっちゃっても凄絶に後輩ちゃんを応援します。
ー回想/スラム街ー
[二人の男を残し路地裏を去ると、仕事場にしているbarの一つへ。
簡単な食事を済ませ、武器調達のつなぎを取ると非常階段に座り込み、パスティスのグラスを傾ける。
先ほど作った食事も、この酒も、誰が作ったのか分からない。
直接、”触れた”わけではないから、感染の危険は無いだろうけれど。
そんなことを考える自分にいらだちながら、暮れ行く街に目を落とした。
そこに響くのは、一つの銃声。
表情をきつくして、音のした方を眺めた。
非常階段から、非常階段へ、隣のビルへと飛び移る。]
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