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感染、か…。
[ふぅ、と物憂げに溜息を吐く。]
やだねぇ。
知り合いが感染してるかもしれない、なんて怯えるのは。
母子感染はないとして、粘膜、血液はとりあえず大丈夫。
ただ、皮膚接触もあるってことは………。
[指折り数える。]
何処でどう感染していてもおかしくないってか。
はぁ。
ま、直接触らなかったら大丈夫なんかね。
[ジャンとの擦れ違い様。
自分の身が、彼に触れてしまわないようにと仄かに身を捩って。]
……死ぬんじゃ、ねぇぞ。
俺より早く逝ったら、許さねぇからな。
[鳥のように、すっと離れていく。]
―→中心街・表通り―
へ?
[ケビンの言葉、リーン姉さんという名前から、Barで出会った看護師と結びつくまで数秒の間]
……感染って、Masqueradeのことだよな。リーンさんが?
[それ以上の言葉が紡げず、その場から立ち去るケビンを見送る]
派手に、も何も。
これがアタシらの生き方じゃないか。
生まれながらの役者にして演出家。ついでに脚本も書いてるかもね。
[けらけら。]
んー。
そいえば、ダンテとも連絡取れんよなぁ。
[連絡先の番号を押し、コールボタンを押すが繋がらず。
諦めて端末を切る。]
リュミに連絡取って、スイーツを奢りつつ情報をぶんどるかねぇ。
[今度は、リュミエールの連絡先に端末をつなげようとする。]
ナリソコナイ……なりそこない?
[ざぁぁ、と波が引いていく。]
なんか、よく分かんないやーっ。
えと、あたし、が、なりそこないで…。
必要がなかった…、だから、パパはあたしで…。
[瞳に光が戻ることはない、けれど――――。]
また…ダレかを困らせるの……?
人間になれやしないのに…。
[ぼんやりと呟く。
足元にまた波が静かに打ち寄せた。]
[立ち去るケビンを見送って、ジャンクスに向き直る]
ええ。リーンさんが"Masquerade"に感染してました。
先ほど遺体は回収されましたが…痣があることは、確認してます。
[ぎゅっと、拳を握る]
― 広場 ―
[日が沈みかけ、うっすらと月が見える。]
月・・・ウサギのお餅。
聞いてみたいな、おいしいのか・・・
[ケースを抱えたまま月を見上げた。
赤い月。
赤い色。
血の色・・・。
自分の血をもって完成する特殊なワクチン。]
あっ!届けなきゃっ!
[ケースを抱えたまま広場から歩き出した。]
…BGMとナレーションもやれば完璧だな。
[久しぶりの自由を謳歌するように、野良猫は路地を駆け回って。]
まぁ…俺ぁしばらく傍観させて貰うさ。
どうも、まだ本調子じゃねぇ。
そっち?どっち?
・・・あぁ、ごめん。
半分聞いてなかった・・・
ワクチンで感染したら、
アタシが偽者だってわかっちゃうじゃない
なしなしっ
[けらけら]
[路地に出た時、スクラップ置き場の方に一瞬視線が向いた。
けれど、そこに向かうことは無く、街の中心街へと続く道に足を向ける。]
fly me to the moon……。
[歌うように呟き、スラム街を後にした。]
/*
うわーーっ、ミリアさん怪しいぜ、怪しいぜっ!!
なんだか、不思議な感じだなー。
というか、オオカミさんたちは大変そうだ。
ホント、お疲れ様です。
テンション微妙なキャラでごめんね。
あたしは、こんなに美人に進化したのに(笑)
ぼでーちぇんじー。
―中心街・表通り―
[ただでさえ閑散としていた昨日よりも、さらに寂れた雰囲気の街。
ヴァレリアとは別の道を通っている。]
…普通に、話聞かれそうにねぇよな。
助かるっつっても、なんか切ねぇや。
……先輩に、言わなきゃ。
[ビルの裏の壁にもたれ掛かり、端末を開く。
そしてアリシアのアドレスに。]
……先輩。俺です、ケビンです。
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