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ースラム街/路地裏ー
[携帯端末のメールを確認しながら歩いていると、一瞬光が差し込んで顔を上げた。
雑然としたスラムのなか、わずかに拓けた空。空の下に古びた十字架の屋根。
子供たちの笑い声が聞こえた。
教会の前の広場では、子供たちが遊んでいる。
見覚えのあるボールがはねた。]
ん?なにかしら?
[拾ってみると化学式のような文字と図形が記されている。
ただ一つだけ読めたものは、Masqueradeという文字。
それとそれを記したらしい研究者の名前]
―化学式・・・?Masquerade?
何か知っている人かもしれない!
[紙に記されていた名前を薬局の端末で調べると、
その紙と住所をメモした紙をポーチに入れて病院を出た]
(ポーチが重くなってきたわ・・・)
[ダンテから預かった銃が入っているので、ポーチはすでにパンパンになっている。
中心街の店で手ごろなサイズのメッセンジャーバッグを買うと、
中身を詰め替えて調べた研究者の住所へと向かう]
――中心街→街外れ
ヒヒッ……ヘヘヘッ……。
パパはね、パパはね…最低な男なんだ…っ。
娘の遺伝子を改造して、『Masquerade』に対抗できる薬を作り出したんだ……。
おねーちゃんのパパの研究データを盗みだして、ね……。
ヒャハ……ヒャヒャヒャヒャ……。
バカみたいだよね…『Masquerade』を恐れて作った薬は……、己の娘の卵子から作るんだって……っ!
パパの手記、難しくてよく分からないけど…、娘ってあたしのことだもん…。
その娘にパパは殺されたんだっ…、頭を潰してやったもん…、あの時の音はキレイだったなぁ……。
キャハハハハハッハッ!!!!!!
[初めて、アリシアの目を見た。]
あたし、ただの人間なのに。
『Masquerade』に感染されてた人っぽい、死体の傍で震えていたら『Masquerade』だって疑われちゃった……。
皆、皆、ミンナッ!!!!!!!!あたしのことを殺すんだっ!!!!
おねーちゃんも、あたしを殺すんでしょ……?
─路地裏─
[薄暗い路地裏。
キャッシュチップと引き換えに、男から銃を受け取る。]
ん、どうも。
毎度毎度、無茶な注文聞いてくれて助かるわ。
前の銃はオシャカにしちゃってさ。
…って、これは何だい?
[おまけで手渡された、錠剤が入った小瓶を指差す。]
ふむ。
アレのワクチンかもしれない薬だって?
眉唾物ではあるけど、一応貰っておくよ。害にはならないだろうし。
まあ、また用事があったら呼び出すさ。じゃあね。
[男と別れ、ふらりと路地裏の奥へ。]
そうだよな。確かに金かけても、盗難のターゲットになるだけだろうし。あいつらの食い扶持もかかるだろうしな。
[クリスに喜捨を渡しながら、子供達をちらりと見る]
『むむ、確かにミカたんは可愛いなのです。しかしこれ扱いは失礼なのですー』
[ミカたんは微妙に複雑な表情をしながら子供達に接していた。クリスに向き直り]
なあ、神父さん。雛烏……ケビンとは、どういう関係なんだ?あいつもここで育ったのか?
/*
教会の裏設定。
スラム方面の情報収集のため、当時無人だった教会を使うことに。任務をうけクリストファーが住み着くことになった。
スラムの教会のくせに、結構普通っぽいのは、組織からの資金援助(情報収集のための費用として)があるため。
もちろん、情報収集という名目で、酒を飲んだりにも使っているが(笑
*/
─中心街─
[中心街をのんびりのんびり歩く。
様子はいつもと変わらない。いや、多少人は減ったか?]
なんか、変な感じだ……。
[どこまでも平和そうに見える街の様子と蔓延する『Masquerade』
交わるように思えない二つ。
──本当は『Masquerade』なんて存在しないんじゃないか──
実際に見てきたから、そんなことはあり得なかったのだが。]
─中心街─
[路地裏の中を暫く徘徊した後、中心街へと戻ってきた。]
…なーんか、いつもよりは静か…なのかね。
どうにも落ち着かないねぇ。
[広場まで行こうと思い、足を向ける。]
[子供たちの横をすり抜け、教会の窓を見上げる。
割れた窓には新しいガラスがはめ込まれていた。
くすり、笑って落書きされた扉を開ける。]
―― 街外れの家 ――
[玄関の呼び鈴を鳴らすが一向に誰も出てくる気配がない。
ドアノブに手をかけてみると開いたので中をのぞきこむ]
こんにちはー!病院からお話を、お伺いしたくて伺いました!
[出来るだけ、明るく努めて言った。しかし返ってきた言葉は・・・]
『うるさい!病院のもんがいまさら何のようだ!!帰れ帰れ!!』
[激しく機嫌を損ねた老人の声。それでもしばらく押し問答をしていたが
一向にあげてくれる気配がなく引き上げることにした]
はぁ。
[ため息をついたところへ、女の子の甲高い声が届いた。
笑っているのか、狂っているのか・・・常軌を逸したような
甲高い声に振り返り、恐る恐る声の出所を探す]
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