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─ 二学期のある日>>59 ─
歌は好きですか、それはよかった
[触れた手に、やや大仰な仕草で礼をして微笑む。
続く言葉。表情。深呼吸をする様子に、ふはと笑いが零れて]
まあ、帰宅部以外はみんなこれから部活だしね
焦ることもないし、人目も気にしなくて大丈夫だし
ゆっくりでいいよ、ゆっくりで
発声にまだ不安がある、って、つらくはないんだよな
咳は出てないようだけど、環境が変わって良くなった感じ?
ちょっとずつ、慣らしていけばいいよ
そして、一緒に歌えるようになると、……嬉しい
[合唱部は、発声練習の他に筋トレと走り込みがあったりと、
身体そのものを楽器にする故になかなか体力勝負なので。
急がず馴染んでゆけばいい。
以前とは違って、僕らにはこれから時間があるのですから*]
本人の前では言えないが、高畑は元気でノリがイイとこがイイ。
[天音が居るのは気づいていた。もう聞こえない場所まで離れた筈]
一途だし、前髪を切ったら意外と好みかも。
恋をする女の子は可愛いし。
このくらい褒めときゃいいだろう。
[さくさくと文字を入力しては送信する。
しろうさぎ:(OKのスタンプ)
しろうさぎ:俺とノッコにとって素敵なところ! それは!
しろうさぎ:(マイクのスタンプ)
しろうさぎ:そう、カラオケだー!!!!!
しろうさぎ:いつもとは違う店でクリスマスルームでも予約しようか
しろうさぎ:(よろしいか?という文字が点滅するスタンプ)
もう少し都会の方に行けば、イベント対応の店があったはず。
内装の変わる個室は人気もあるし時間制限もあるしで窮屈だが、
カラオケだけで解散という訳でもないだろうし]
ノッコ:(万歳のアイコン)
ノッコ:(クリスマスキャロルのアイコン)
ノッコ:(サムズアップのアイコン)
[シンプルにそれだけ送るつもりでした。それから、5(30)秒考えて、最後に]
ノッコ:(ハートのアイコン)
[を、送っておきました。これをうさっぴーがどう取るかは考えてません。正直なところ**]
[スマートフォンでイベントルームの予約状況を見ていれば、
キコキコと返信を知らせるSEが響く。
「ノッコがスタンプを送信しました」というバー表示が3連続。
LINEを開く前にかろうじて空いていた24日午前中に滑り込んで。
その後に返事を確認する。開けばぽつりとひとつ増えたアイコン。
しろうさぎ:24日午前中で予約取りましたー
しろうさぎ:(わーい、と喜んでるスタンプ)
しろうさぎ:早いけど9時にノッコの最寄駅集合な
しろうさぎ:つーか別に俺は構わないけど
しろうさぎ:これでノッコの“本命”に振られたって俺は知らないぞ
しろうさぎ:(デュエルスタンバイ!のスタンプ)
最後のスタンプにあまり意味はないのだけれど、なんとなく]
[高畑はイブの予定は埋まったようだ]
あれ、これもしかしてぼっちイブフラグ立ってる?
[心が折れそうだ]
なにもやらかしてない女子って星野と広瀬だけかも。どちらも捨てがたく、またどちらにも捨てられそうな予感。誘うだけ誘ってみるにしても、どちらかにしぼらねば。
[思索に耽っている]
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