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記憶と意識はせめてはっきりさせたいが。
対価では無く、ナジから与えさせてみるのも面白いか?
[等と魔神は口にする。
それは今は未だ冗談の類いではあるが。]
よぉ。
お前と直接話した奴の記憶から、お前が消えるのと、
何か与えられるのと、どっちが良い?
答えによっちゃあ、
お前の記憶と意識をはっきりさせて、連れてってやる。
[まあこのままで良いと言っても良い。
その場合でも、何かしらする可能性は無くは無いものの。]
[白猫が上を見上げると、そこには魔の影響を受けたのか、角が生え羽根が鱗へと変わり、酷くいびつな形になったカモメがいた。
カモメは白猫を馬鹿にするようにニタリと笑ったように見えた。]
キシャアアアァァァ!
[なぜだろう。影猫に弄ばれた時よりも、烏につつかれた時よりも、ずっと腹が立った。
許せない、という感情がふつふつと体の奥底から湧き上がってくる。
猫は全身の白い毛を逆立てて怒った。]
ニャウ! ギャウ!
[猫は怒りに任せてカモメを目がけて飛び上がったが、その幼い爪がカモメに届く前に、頭をぺこんと叩かれて地面へと落とされてしまう。
カモメは挑発をするように白猫の目の前へと降り立つ。]
[答えが出次第、少女の周囲は元に戻り。
勇者の近くに魔神は現れ、少女へと手招きするだろう。
少女が来れば、共に毒の沼地へ向けて歩み始める。
周囲の魔物は、魔神と少女が見えないかの様に勇者にのみ攻撃を向け、魔神と少女は毒の沼地の上を浮く様にして歩み、そして対岸へと辿り着くか。
魔王城の面々も、魔神や少女を無視する様に反応は無いだろう。]
[勇者がそれに、どう思うかは魔神の知った事では無い。
少女が裏切ったとも囚われたとも、どの様にでも好きなようには見えるだろうか。*]
[ところが白猫は、突然毒気を抜かれたようにその場から逃走を図る。
カモメは面白がって白猫を追いかけようとしたが、その白猫の後ろ姿がカモメが最期に見た光景となった。
白猫には見えていたからだ。カモメの背後から近寄ってくる魔狼の姿が。]
ミュアウゥ……
[暫くして白猫がその場へと戻ってみると、そこには喰い荒らされたカモメとアロエが落ちていた。
白猫は仕方なく、魔狼の食べ残しを口に含む。
ほんのりと虚しい気持ちになるのだった。]
[魔神の問いかけに瞬きをする。
その言葉にどれだけの意味があるのか、少女には分からない。]
……その二つなら、
消えるほう、かな
[少女にとっては、今の状況こそが最後の望みであり、それが叶えられるならば何かを与えられるのは贅沢ではないか、という結論でしかない。
尤も、魔神にとっては別の意味があることなど、知る由もなく。]
[少年と離れること。
――少なくとも、今の彼は少女を庇って戦っている状態だ。
もしその枷が剥がれるのならば、今以上に戦うこともできるだろう。傷を負い、血を流し、不要な傷を負うことも、なくなるはずだ。]
……うん
[彼を見て。目を細める。
――ごめんね、と。
届くことはないだろう謝罪を、口にした。]
[――答が出れば、空間の凍結が解除される。
手招きされる少女は、少年にはどう見えたのか。
少女は一度だけ振り返りそうになり。
堪えるように、つよく目を閉じた。*]
[約300年前。
"ナージェスター"は"勇者"のパーティーに所属していた。
初めて"勇者"と出会ったのははじまりの国だったろうか。
女神から信託を得て、集い、旅立った。
英雄叙事詩にあるような極々有り触れたスタートライン。
その旅の中で起こった数々の出来事は語ることもないだろう。
国同士の醜い争い、人の業、飽くなき欲望。
終わって見れば"勇者"たちは人ではなく、
魔の者を滅ぼせるモルモットとして扱われ煽てられていたのだろう]
[海を渡る時は沿岸を進むことになった。
無論大きな商船や王家の船があれば遠洋に出ることもできただろう。
然しながらただのモルモットにそんなものを貸し出してくれることはなかった。
聖水にしてもそうだ。
一つ一つは大した値段ではなくとも安全な航海をするにはその量は計り知れないものとなる。
神殿は"勇者"の仲間の内、神官を担保として聖水を貸し出した。
魔を滅ぼせる力を持ったモルモットは実験動物に過ぎない。
対価としてその身を差し出させ――戻ってきた神官は――――]
["ナージェスター"は盗賊ギルドに所属していた。
盗賊の技と闇魔法、その二つを使いこなし移動の手配などもしていた。
戻ってきた神官を見て、届けられた聖水を確認し、
"ナージェスター"はその国の王家の船を盗み出した。
そんなことをすれば無論唯では済まない。
船を操る船員も居ないのだ。
"勇者"の仲間たちだけで進むことができたのは沿岸に沿って航行することだけだった。
追手は当然やってくる。
皆には真摯に説得し貸してもらったということにしたが、
薄々は感づかれていたことだろう]
[魔素が濃くなるにつれておかしくなる者も出てくるものだ。
神官の魔法に頼り切ることはできなかった。
"ナージェスター"は事前に薄めた魔素や毒を仲間に投与していた。
毒に慣らしていきながらたどり着いた不毛の大地。
それでも魔王の統べる地では僅かな効果しか得られなかった。
少しずつ病んでいく者たち。
魔人の集落を滅ぼしてはその身を喰らい生き延びる。
壊れていく中で良心が残っていた者は勇者が撤退に首を横に振っても戻っていった。
後の物語で戻った話がないならば恐らくは道中で力尽きたのだろう。
魔石の巨人と交渉し、身を焦がしながら燃える水を手に入れて、
毒沼の浅い地点を渡る術を知り渡っていった]
[四天王や強敵を下し、辿り着いた魔王城。
"ナージェスター"は一人狂うことなく"勇者"を支え続けていた。
いや、"ナージェスター"は最初から狂人だったのだ。
盗賊ギルドのアサッシンとして物心つく前から育てられ、
数々の毒素や魔素への抵抗をつけられ、
身体も技を得るという名目で穢されて――。
女神の信託を得て勇者候補と出会い、ここまでやってきた。
"勇者"がどれだけ人としての道を踏み外そうとしてもずっと傍にあり続けた。
何故なら、狂っていた"ナージェスター"を助けてくれたのが"勇者"だったから]
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