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――戦いの場・萌の庭近く――
[ 水の恵み。水の祈り。
冬を討ち払わん。
霜を融かし、露を落とし、
萌え出ずる草木に歓びを。
生きとし生けるものに
あまねく命の萌芽を呼び覚ませ。 ]
[泉の徴が巨人の躯に花咲き、滝のように水が溢れ出る。
その大本となる力は、フルートに刻まれた徴ではなく、少年の右手――鍛冶の神が腕に埋め込んだ鏃>>105>>106から発せられていた。
フルートの調に合わせ、陽の雫も踊る。
元を辿れば陽の雫の体だった鉱物でできた鏃に共鳴しているのか。
それとも、その鏃に刻まれた「泉」の徴に興味があるのか。
やがて、彼方、巨人の体が崩れ落ち、歓声が上がる。>>141
泉は命ある胞子にも降り注ぎ、氷の上に緑が花咲いた。]
[やがて、萌え出ずる小紳の加護を受けた英雄の歌も重なり。
巨人の上に大樹>>143が生まれ、氷を包み込んだ。
だけど、少年には、聴こえていた。
今も尚残る、冬の、息遣いを。]
[巨人が倒れても、雪は、舞う。
萌えの庭の近くにいる少年の頬にも、冷たい氷の粒が触れた。
少年は、一歩を踏み出す。]
おいらは░行くよ。
あそこには、おいらの大事な人がいるんだ。
[白く、柔らかな、面影。
そして、果敢に巨人に立ち向かう人々の背中。
この気持ちがあれば、強くなれる。
枯れ木のように細い足は、今ではしっかりと大地を踏みしめている。]
君も、来る?
[少年が問いかけた先で、陽の雫が、跳ねるように揺れた。**]
[げに美しきは、白き氷樹。
嗚呼、一瞬にして砕け散る。
大気に微嗤う無数の氷の結晶。
美しき氷の結晶が、英雄達や人間達の視線を奪う。]
[ひたひた]
[透明な“水”が薄く広がる]
[ひたひた]
[そう、“水のようなもの”が]
[ひたひた]
[笑い合う英雄、柔らかなる笑顔]
[ひたひた]
[砕けた大地の表面を覆い英雄達の足下に広がり、なお、広がる]
[ひたひた]
[気づいた時にはもう遅い]
[広がるのと同じ速度で足を昇り体を覆い、“凍りつかせてゆく”]
[それは、悪夢と言った方が早い。
“英雄の氷像”
“水のようなもの”が覆い、そして通り過ぎさった後にあったのは、一瞬にして凍った英雄達だった。
その“水のようなもの”は、ひたひたと、ひたひたと、岩壁に迫る。
その一端が、火の海に触れた。]
[ぼふぁ、どぉ・・・ん・・・]
[一瞬にして、火の海が“消えた”。
いや、消えたのでは無い。
“水のようなもの”の一端が一瞬にして消えた瞬間、瞬間的に膨大な何かが膨れ上がり、それに押し潰されたように、火もまた消滅したのだ。]
[ひたひた]
[残った“水のようなもの”は、火の海が消えた大地を嘲笑うように滑り迫り続ける。
その一端は、最初の岩壁に触れようとしていた。]
[幸いな事に、その“水のようなもの”は多くは無かった。
だが、大樹消え、砕かれた【氷の巨人】から現れたもの、溢れたものはそれだけでは無かった。]
[ごとり]
[ごとり、ごとり]
[見えない短刀で切り分けられたように、砕かれた【氷の巨人】が、一定の大きさの方体に自ら分たれてゆく。
「霜の徴」と「泉の徴」を払い落とし、方体は、腕を、足を、武器を生やし、やがて無数の小さな【氷の巨人】がうまれた。
姿形はそれぞれ違い、手に持つ武器もそれぞれ違う。氷で出来た獣のようなものに乗っているものもいる。
大きさも、それぞれ違うが、小さなものでも大人の倍はあった。
更に俊敏さを増した【氷の巨人】達は、岩壁を昇り、或いは力任せに壊し、【萌の庭】へと侵入せんと走り始めた。*]
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