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[運命とは不思議なものだとキグルミの中身は思う。
どんなに光輝き希望に満ちた対極の存在であっても、その運命からは逃れられはしないのだろうかと、そんな事を思う。
運命を打破し、絡みつく運命の中足掻き、傷つきそれでも立ち上がり打ち破る。そんなものを為して尚、振り払いきれないものが運命だ。]
[運命の施行者の腕(かいな)から飛翔出来るのか、それは誰にも分からない。それはまるで例えるなら、本の中から飛び出すようなものだ。]
[…まあ、あの宇宙図書館では本の中から飛び出す登場人物だって居るのだから、やれない事は無いのかもしれない。]
[ただ願わくば。否、望むならば。
目指す辿りつかん場所に、辿りつけば良いと思う。
ゼロの可能性であったとしても。
キグルミの中身はゆめまぼろしの邂逅にそんな事を考えていた。]
― どっか ―
……。
くっ、岩燕とシベリア虎の許されざる恋愛小説挿絵有版を借りれば良かった。にゃあ。
買うか。にゃあ。
[最後に台無しな言葉を口にして、キグルミはキグルミを脱ごうと手をかけました。さあ、また忙しいかもしれない日々の始まりです。**]
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