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そうかい、残念だべ。それなら……
[もう一方の猫に尋ねようかと思うよりも早く、すっ飛んでいってしまった。
さすがは猫。行動が早い、早すぎる。兎には真似できない早さだ。兎じゃないけれど。]
行っちまったべ。
うん? おらアがその本を探していた理由?
あの本たアとんでもねエ悪戯もんでよ。おらの大切なリングを持っていっちまったんだべさ。
あーあ、カフェと連絡が取れてすんげ便利だったのら。
[テツ、しょんぼり、がっかりである。]
>>21
リング?
さっきの猫耳とは連絡がつくから、リングを見つけたら確保するよう、伝えておいてやるにゃあ。
[えっへん。]
…、カフェと連絡が取れるからか。にゃあ。
[確かに今、代理と珈琲を淹れて貰う約束を取り付けた所ですが、そこまで惜しがる気にキグルミがなれないのは、何が差なのでしょうか。]
[テツの視線の先にはもくもくの雲。
もくもくもくもく次々に湧き上がって、それなのに先っぽから千切れてどこかへ行っちまう。]
ま、まさか。信じられないべ。あれは、あれは! ……なんだべさ?
[あんなもくもくテツの知るものじゃあない。
テツの自慢の毛並みよりももくもくしてやがる。
放っておいて良いものなのか? 一見すると柔らかそうで害は無いように思えるが。]
おったまげたなア。あんなものはおらだって、この方見たことが無いべ。
なんだか綿飴っこみたいだし、喰っちまえばええでよ。
[古典的かつ、非情な無茶ぶりである。**]
そうかい、そらアありがてエ。
全くここの本らの悪たれは困ったもんだべ。
[いつも苦労かけられるのは、司書にとって避けられないもの。
もちろん、テツにはテツなりの見返りを知っていればこそ、ここで働いているのだが。
いつか出会えると信じている、その本に。
といったところで、無茶ぶり返し。喰うしかないのか? 食らうしかないのか? ]
よーし、おらアもいっちょ決めるか。野菜は土のまま生で食ってきただ。甘く見るでないべ。
[もくもくのお味は……4(6)テツの運命やいかに!?
1.甘い
2.辛い
3.渋い
4.酸っぱい
5.しょっぱい
6.カブトムシの味がするー! ]
酸っぺエ! 酸っぺエ! 酸っぺエよオ!
これまでに食ってきたどんな果物よりも酸っぺエだ。
[並大抵の味じゃあなかった。こんなの見た目からは想像できない。まさかこのもくもく、ワ●ガムだったんじゃあるまいな。
こんなの飴飴詐欺である。
涙目になって叫ぶテツだった。]
なしておめエはこれを食って平気だ。まさか場所によって味が違エのか?
[ふ…。もうラ神ったらデレデレにゃあ…!]
もくもく、甘いにゃあ?
食べる場所かもだし、みかくの差や、種族の差かもにゃあ?
[或いは本の悪戯だったりして!
キグルミは書庫整理してない状態ですし、その辺が原因かもしれませんね。]
…、仕方ないにゃあ。
[餞別代わりに貰ったクッキー袋>>0:209>>0:210から、クッキーを数枚取り出すと、テツへ差し出しました。
飴玉ではないですが、クッキーを差し出すだけでも、かなりの優遇なのです。キグルミの中では。]
これを食べて、口直しにするにゃあ。
[キグルミは忘れています。これが本の悪戯だった場合、口直しのお菓子に悪戯の魔の手が届かない確証は無いって事を。続・テツの運命やいかに!?**]
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