1624 【恋愛村：神楼学園高等学校９】Ｒ１５
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【独】 不愛想 鍵谷千秋
― 秋の日 その後 ―
[今日は大安吉日。結婚式への出席は固く固辞したため、
式場へ向かう親戚たちを見送る
フォトフレームと写真はとても気に入って貰えたようで
兄は大喜びだったし菖蒲さんもありがとう、と嬉しそうに微笑んでくれた
海と空、そして彼ら2人のお父さんである陸さんが車に乗り込んだ後、
見送ろうと制服のまま玄関に立っていたら
何か話したのか、白い礼服を着た兄が車から降りてきた
そしてぎゅっ、と俺を抱きしめて]
『千秋君。俺はね、知ってたんだ』
[そう、告げたのだ]
【独】 不愛想 鍵谷千秋
[何を、とも言えず。唯口をはくはくとさせるしかなかった
そりゃ気付くだろう。眼鏡をした俺と、兄は
色彩は違えど同じ顔立ちをしていたのだから
何も言えずにいれば、彼は微笑み]
『俺は、生まれたことを後悔したよ
父と血がつながっていないことが恐ろしかった
捨てられたくないって思って何時も怯えながら暮らしてた
でも幼馴染たちや菖蒲さんに出会って、
ああ生きていてよかったって思ったんだ
――千秋君の家庭の事情は聞いてる
此処に、下宿した経緯も
父さんと海と空は知らないけどね
千秋君。俺は君に会えてよかったよ。
もう1人の弟。君も幸せになってね』
【独】 不愛想 鍵谷千秋
[告げた後、彼は車に乗り込み式場へと向かってゆく
裏の畑に朝日が光翳す頃になっても、俺はほろほろと涙を零し続けていた]
兄さん、俺ね。
今、倖せなんだよ。
たくさんの友人と、クラスメイトと
何より、沙絵がいるんだ。
俺は、しあわせなんだ。
[幸せになっていいのかな、そうずぅっと思っていた
幸せってわからなかったし、家族の情とかそんな感情すら
与えられず、偽物を演じているように思えていたけれど
気づいたんだ。教えてもらったんだ
こんなにも様々な感情が。俺にもあるんだって
だから]
【独】 不愛想 鍵谷千秋
兄さん、俺、生まれてきてよかった。
菖蒲さんと幸せになってね。
俺はもっと、幸せになるから。
[沙絵と一緒に、しあわせになるんだと。そう呟いた*]
【独】 不愛想 鍵谷千秋
― 少し未来の話 礼拝堂で ―
神父様、俺、あの高校に行って良かった
[何時もの通りの日曜日。
祈る人が誰も居なくなった後、
神父である真木の父親に告解する様に紡ぐ言葉]
仮面夫婦だった両親が言い争う日々
親に敷かれたレール
それをずっと、走り続けるのが本当に良いのか迷って
そんな時、神父様のお言葉を聞いて
――俺、決めて良かった。
自分で決めて良かったと思いました。
だって今、本当に幸せなんです。
[皆と過ごす日々が。ああ息をしてるってそう思う
そして何より、大切な人が出来たから]
【独】 不愛想 鍵谷千秋
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とりま灰で回収しきれない分をせっせこせっせこ
そしてねむねむ……ちょっと仮眠しよう*
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