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今日の菜津さん
[町]背後から、ふしゅるふしゅる、と奇妙な音。振り返ると2mを越す躯体の怪物が、君を見下ろしている。《力3以上で勝利【魂+1】、力2以下で死亡【魂-1/異形『爪(力+2)』を入手】》
こんな話を聞いたことがあるよ。
あるオンラインゲームを遊んでいいた青年がさ、フィールドから街まで戻ってきて、仲間と話していたわけだよ。
あそこの敵強かったなとか、次どこ行くとか、他愛もないことをね。
そうして話しているときに、仲間の一人が不意に黙り込んじゃった。
みんなの会話にも反応しないし、なにか気に障ることでもあったのかと思って1対1で話せるチャットを投げかけても返事がない。
ああ、これは寝ちゃったのかなぁ、ってその時は思って、みんなは動かなくなったPCを置いて解散したんだ。
ところが、翌日になって昨日解散した場所に行ってみると、まだそいつが同じところに立ってる。
あいも変わらず動かないまま、他の人に話しかけられても反応しないままだったんだ。
それで、気味悪くなっちゃって自分もそのまま立ち去って、暫くその場所に近づかなかったんだよね。
何日かしてそのゲームにメンテがあった。
メンテが終わった後、青年は久しぶりに動かないPCがいたところに行こうと思ったんだ。
メンテに入るとPC全員強制ログアウトさせられる。
さすがにあいつも居なくなってるだろう、って。
でもね。
いたんだよ。
同じ場所に、同じ姿勢で。
うわあ、なんでおまえ居るんだよ、ってその青年はずいぶん焦ったんだけど、驚いたのはその後。
今までピクリとも動かなかったそのPCが、青年のPCの方を向いたんだ。
なんだ、と思っているとチャットのウインドウが開いた。
そして、そのPCが話しかけてきたんだよ。
『お』
『ま』
『え』
『も』
そこまで表示されたところで、青年は怖くなってゲームからログアウトしちゃった。
ゲームのアカウントも消しちゃって、もう2度とそのゲームはやらなかったそうだよ。
[ナツの前にクッキーの小皿も置きながらそんな話をする。
生まれ変わったら、なんて聞かれて、そうだなぁと考える顔になった。]
猫が愛でられるなら何でもいいかな。
大きな犬でもいいなあ。
ほら、ネットでよくあるじゃない?
仔猫をおなかの上に乗っけて寝てる犬の動画とかさ。
あれいいよなぁ。やってみたいよ。
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そういえば人狼SNSの最新日記に、本当にあった怖い話があったよ。
ぞくっとして切なくて、ちょっといい話だったねえ。
そういえば、これも一応ゲーム絡みの話になるのかな……。
[8(10)枚目のクッキーに手を伸ばしながら菜津もちょっとだけ語り始める]
この前旦那が自転車で帰宅中にうっかり猫を轢きそうになって。
狭い路地裏から急に、飛び出してきたっていうんです。
普通なら「何だただの不幸な事故か」――で終わる話なんですけど。
ちょうど、私がちょこっとやってる診断系のゲーム――ほらこの前話したやつ。
それに、新たな脱出条件が加わって間もない頃だったんです。
特定の異形を持ってると、
脱出できるんだけど猫になる、ってやつ。
だから飛び出してきた猫はもしかして、
黄昏の町に迷い込んで脱出できた人のなれの果てかもしれない。
そう思ってしまった、のでした。
[ちなみに菜津が託した短歌に、
「黄昏」で締められているものが一定数あるのもその影響である]
まあまさか旦那と事故ったのがうねねちゃんとまでは思いもしなかったけど。
ほうれんそう、不足だったかな。
ああ、それ聞いたことあるなぁ。
[ナツの話に耳を傾けて頷く。]
どんどん人間離れしていくのが面白いような哀しいような、不思議な魅力のある気ゲームだったよね。
へえ。猫になれるんだ。
俺はどうにも生命力が足りなかったのか、2回やって2回とも怪物になって終わったんだよね。
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