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何も変わって無いからこそ、違和感を感じる。
[ニイナの元へ向かったのか、席を離れたランスの背を
見ながら彼の言葉>>104を繰り返す。
言われればもっともだ。
だが何も変わっていない様に、演じ切るのは難しいのでは
無いだろうかとも思う。]
違和感があれば憑狼。
そうでなくても憑狼。
[自分以外信じられなくなる中、
考えを纏めようとクリスタが置いていった議事録に
修道女と牧師の夢を書き込もうと開いて、手が止まる。]
マイダ……あんた。
[そこにあったのはマコトの判定と、記した者の名>>23
死者の判定が出来るのは、霊能者。]
―― 礼拝堂 ――
[ヤーニカと一緒に礼拝堂までつけば]
あ、適当に座っててください。
まだ調子悪いんじゃないですか?
[そう言って彼女を若干強引に座らせる。そして]
――待っててください。
すぐに楽になる方法……知ってるんですよ?
[そう言って座ってる彼女の背後から取り出したのは、あの凶器の鉈。こっそり運び込んだのだ]
――あなたが占い師じゃなければよかったんですけどね。
[そう言って、鉈を振り下ろさんとする。もっともその背中は隙だらけではあったけれども]*
ここには占い師に霊能者、2人ずついたんだね。
[ランスは視る力を無くしている様だが、これだけ能力者が
生き残って、必然か偶然か集まった事に自嘲する。
それでも何もかも間に合わなかった。]
いいや……間に合わせるよ。
間に合ってみせるよ。
あたしは、死にたく無い。
この子の為に、生き残ってやるよ。
[自然と腹をさすり、いなくなった子を思う。
この力はきっと、いなくなった子が遺してくれた力だ。
だから、力と言う子を守る為なら。]
[腹に手をやっていれば、生きたいと言う力が沸いて来る。
誰だか判らないなら。
あの村の最後の様に。
自分だけが生き残れば良い。
それ程強く、生への飢餓が沸いた。]
ニイナ?
どうしたんだい?
[議事録に修道女と牧師の結果を記入した後、
近付くニイナ>>105に微笑みかける。
愛らしく優しい少女。
違和感が無いほど変わらない違和感。
ランスの言葉が耳に残った。]
あ、ああ。
礼拝堂……。
[秘密の相談だろうか。
それにしても礼拝堂を指定して来る程、
彼女は無神経だっただろうか。
大きくなる違和感を抱えたまま、だが口に出来ないまま
礼拝堂への道を共にした。]
― 台所 ―
ヤーニカ様が、占い師……
結果は私が人間で、キリク様が人狼……
[食堂へ戻ってきた際にヤーニカから聞いたか、議事録へ記したところを見たか。
青い目を細めながら、改めてヤーニカが占い師らしい事を知った。
既にアリスが占い師を名乗り出ていた。
更に占い師が現れる、などということがあるのだろうか。
けれど彼女が占い師だとしたら、昨日の自身への態度は腑に落ちる。
自覚のない能力者も存在すると、資料にはあったし。]
……どこかに、根拠はちゃんとあったはずなのに……。
[昨日の時点で疑っていた理由が、大方消えた。
そして、かまどの火も消えた。]
− 礼拝堂 −
[惨劇の場所が近付くにつれて、違和感は膨れる一方だった。
ニイナに何か話しかけたかったが、
言葉にすれば全て崩れそうで出来なかった。]
疲れてるって……皆、そうじゃないかい?
ニイナ、あんただって。
[無理矢理腰を下ろさせる強引さ>>107と
その言葉は隠しようの無い違和感を越えた
確信を生んだ。]
ニイナ!!
あんたなのかい!?
[アリスを殺した犯人、それともキリクだった狼。
何を指してるか自分でも判らないまま、
振り上げられた鉈を素直に喰らう訳にはいかないと
床に身体を転がして逃げを打つ。]
― 食堂 ―
さあ、さっき連れだって出て行ったな。
2人で話したいみたいだったから。
[行先は聞いてない、と答える。
ぱらぱらとめくっているのは、ヤーニカの用意した議事録。
ああ、クリスタを占っていたのか。
まあ構わない。今日は白でも明日は分からない]*
[礼拝堂の床を汚していた血の模様は
拭き取られていたとしても、足元を掬うには充分だった。
右足首の痛みもあり、走れば転ぶ中。]
ニイナ……あんたは、何がしたいんだい。
あんたには、あたし達が食事にしか見えなかったのかい!?
いつもあたし達に美味しいご飯を作って、一生懸命
笑っていたあんたは、嘘のニイナだったのかい!?
[鉈が再び振り上げられるなら、その鉈を奪おうと
叫びながら腕を伸ばした。]
お二人で……?
……行き先を告げずに?
[思い当たった可能性。
聞かれたら都合の悪い話、見られたら都合の悪いこと――を、する。
人狼同士は、大抵は精神感応のようなものが可能らしい。
眷族にもそれが可能な者がいるという。
彼女達が仲間同士なら、今そうする必要性は高くない……と、思う。
だとすれば、どちらか一人のみが――]
……お二人を、捜してきます……。
[早足で食堂を後にする。
足の痛みなど気にしている場合ではないかもしれない。]
[椅子が割れた音がしても、この床と足では逃げられない。
自分の叫びと同じように、ニイナも叫ぶ>>116]
お、お兄ちゃん?
誰の……ランス? ランスの事なのかい!?
ニイナ!!
[まさに狂気の貌だった。
狼よりも恐ろしい、剥き出しの人の心を前に
怯え動きが止まりそうになった。
だが動きを止めれば死ぬのはこちらで。]
平和になんて。平和になんて暮らせるもんか!!
あんたが求めているのは見せ掛けの平和だよ!
それを平和だとは言わないっっ!!
[ニイナにとっては本当に救いかもしれない。
だが認めるわけにはいかない、と鉈は頭には下りなくとも
避け切れず肩には食い込むだろう。]
痛くても苦しくても悲しくても何でも!!
あたしは生きるんだ!!
[痛みに顔を歪めたまま、床へ引き倒そうと脚へと手を伸ばした*]
誰だって、誰だって一緒にいたい人はいたんだ!!
あんただけじゃない!!
あんたの想いは間違ってない!
でもやり方は間違ってる!!
[鉈だけでも取り上げようとした。
だが>>123]
ニイナ!!!
[礼拝堂がまた紅く*]
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