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修道女 ステラは医師 ヴィンセントに投票を委任しようとしましたが、解決不能でした。
医師 ヴィンセントは修道女 ステラに投票を委任しようとしましたが、解決不能でした。
双子 リック は 学生 ラッセル に投票した。
修道女 ステラ は 牧童 トビー に投票した。(ランダム投票)
吟遊詩人 コーネリアス は 修道女 ステラ に投票した。
学生 ラッセル は 牧童 トビー に投票した。
牧童 トビー は 修道女 ステラ に投票した。
医師 ヴィンセント は 吟遊詩人 コーネリアス に投票した。(ランダム投票)
牧童 トビー は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
《★霊》 牧童 トビー は 人間 のようだ。
現在の生存者は、双子 リック、修道女 ステラ、吟遊詩人 コーネリアス、学生 ラッセル、医師 ヴィンセント の 5 名。
修道女 ステラは、学生 ラッセル を投票先に選びました。
修道女 ステラは、吟遊詩人 コーネリアス を能力(襲う)の対象に選びました。
[握った手の温もりを、覚えている]
[夢だったのだろうか、と梁の上で目を覚ます]
――羅生門――
おれ、どうしたんだ。
なんか、夢を見てたような気がする。
[薄暗いその中を見回して、ああいつもの羅生門だ、と呟き]
[するりと柱を伝って下へと]
[いくら素早い盗賊であっても、法師から滴る黒い穢れは床を満たし、逃れんとする足を鈍らせる。
捕らえられた桐弥がおとこの脚を蹴る 鈍い音。
骨が折れたかもしれない。カク と奇妙な角度で、おとこに脚が曲がり──]
…・・あ ぁ
[おとこの眼、わずかに人らしき苦悶が浮かぶ。]
おれの手は汚れてる。
だから、極楽になどいけるはずもない。
でもここは、地獄というわけでもなさそうだ。
[見回すと、見知った顔がいる気がした]
[ぎしり]
[おとこの腕の中で、桐弥が抵抗を止めた──。]
[どさり]
[少年の身体が床にすべり落ちる。傀儡のように力なく。けれどもその身体は──まだ温かい。若宮を守ろうとした、*その少年の身体は*。]
[堕ちる自分の体]
[特に何の感慨があるわけでもなかった]
[ただ、残る若宮の方をじいと見つめ]
若君様は、逃げて、ほしい。
[祈るように口にした。己の手を見つめて、護れなかったことを、悔やむ]
[よく、分からない]
[覚えているのはやせ細った猫の姿]
[確か、猫鬼を召喚しようと思っていた]
[だが。何故だか、猫を連れて行こうとは思えなかった]
[…それから、どうなったのだろうか]
[猫鬼を召喚して?]
[猫鬼を召喚するときは、決まって。
誰かを、呪い殺すときだった]
[そして。形代を用意して…]
[…おかしい。
私は。あの時、形代を用意などしていなかった]
[何故、私は?]
[…思い出せない。
いや、思い出そうとしていない]
[私は…私は]
[…此処は何処なのだろう。
猫は居ない様だが…]
[殺したかった]
[見えるのは、人影らしき物が。
そして、ぼんやりと見える何処ぞの景色]
[死にたかった]
[…痛みなど感じない。
なのに。何かが、痛い]
[兄さんを殺した奴を]
[よく…分からない。
これでは、薬も飲めない]
[兄さんの元へ逝くために]
[私は…一体、どうすればいいのだろう?
背負っていた箱の重みもない。
足の裏に何も感じない]
[何処か。私が、遠くにいる気がした]
[…頭を掻く。
やはり、何も、感じられなかった]
[声が。聞こえた。私の声ではない。
其方の方へと向く]
…桐弥?
どうした、こんな所で…
[私も、よくは、分かっては居ないのだが]
ああ。
気づいてないんだ。
うん。羅生門みたいだよ。『ここ』はね。
でも。もう生きてる人とは喋ることが出来ないみたい。
おれもさっき、殺されてきたんだ。あの、法師に。
…羅生門…?
[何故、そんなところにいるのか。
そして。桐弥は殺され…?]
…法師様に…殺された?
[何故…と、言いかけて。
止めた。
恐らく。
聞いたところで、意味がない。
其れよりも]
それじゃ…なんで、私は死んだんだ…?
[…思い出せない。
思い出そうとしても。
今度は。覚えが、無い]
[肩を竦める]
さあ。
汐さんの体は半分しか見当たらなかったから。
どうやって亡くなったのかまではわからない。
一応六条院の人にお墓を作ってくれるように頼んできたけど。間に合った、かな。
[外の様子を眺めて]
白藤さんの、灰も一緒に埋めてもらえるように、頼んだよ。
…半分?
身体が半分しかないなら。死ぬに違いないな。
[間抜けな言葉だったかも知れない。
だが、私の身体が半分になっているなんて。
考えもつかないし、思い出せもしない]
…六条院…か。
よくは分からんが…
[礼を言おうとして。
兄さんの、名前と。私が持っていたはずの…]
…嗚呼…ありがとう…
[本当は。
兄さんの、故郷を。探すつもりだった。
だから…猫を、逃がしたのか。
やっと。納得が、いった]
六条院しか、おれが知ってる大人はいなかったから。
盗賊のおれに、色々良くしてくれたんだ。
女の格好するのは嫌だったけどね。
[辺りを見回す]
汐さんがここにいるなら、白藤さんもここにいるような気がするんだけど、ね。
ここは、生と死の狭間らしいから。
…成る程…な。
女の格好をしてれば、手の傷も気になるか。
[…そこまで気にしていなかったのだが。
そう言われると、確かにそうなのかも知れない]
それは…分からない、な。
居るかもしれない。
だが、なんにも未練など無いから、さっさと行ってしまったかも知れない。
[顎に手をやる…
癖というのは、ついついやってしまう]
…だが…私としては。
居てくれたら、嬉しい…か、ねぇ?
どう、かな。
ここから、表の様子は見ることが出来るから、汐さんが悲しんでくれてたのを見てる、と思うんだ。
そうしたら、未練なんか無くても、少しくらい待ってるような気はする。
おれも、会えたら嬉しいかな。
でも。
若君様には、ここで会いたくはないな。
生きてて、欲しいから。
ああ…あれは、表の、様子なのか。
[ぼんやりと見える景色。
もう一度見やれば、桐弥へと向き直り]
…見られていたか…弱ったな。どんな顔で逢えば良いやら。
[ふふ、と小さく声を漏らす]
…まぁ…確かに。生きていて欲しい、というのは。
皆思うだろう…な…
[頭を掻く。
…気が合う、と。私は思っている。
と言うことは、私に生きていて欲しかったと思っていたのだろうか?
…少しばかり、私に都合の良い話ではあるが。
そうだとすると…私は…*]
…本当。どんな顔で逢えば良いんだろうねぇ…
人が亡くなって悲しいのは、当然だもの。
気にせずに逢えばいい。
――逆に。
おれみたいに、その人の死を願って、死んだ姿を見てなんとも思わなかったほうが、逢い辛い。
[少なくとも、死んだことを悲しいとは思わなかった。ただ、悲しいと泣くだろう若宮のことを思えば、悲しかっただけ]
ああ。
まだ、死にたくは無かったな。
[*ぽつり*。若宮のことを想い]
[遠くで、声がしたような]
[そんな気がした]
[眼を、薄く開く]
――……
[其処には]
来ちまった、か?
[困ったような笑みを浮かべて]
[見つめる人はひとり]
汐。
[さくら、さくら、霞か雲か――]
[珠になってねむるもの]
[櫻の傍でねむるもの]
桐弥も、
汐も。
……死んでほしくないやつ、ばっかり。
[薄笑みは消えて瞑目]
[俯いて首を振った]
そうかな…いや、桐弥はそう思うのだから、そうなのだろうな。
…私は、ね。
[ふと。どこからか聞こえてきた声に。
辺りを見回す。
やがて、その一点…]
…兄さん…
その、なんだろう…逢いたくなかった、と言えば、嘘になる。
でも。生きることは、諦めたつもりは、無かったのだけれど。
[困った様な笑みを見れば、弱った様に。
しかし、俯き首を振るのを見やれば、更に眉尻が下がり]
…すいません、ねぇ…
―花山院邸・奥座敷―
[僧が真言で紡ぎし檻の中、
狐はまるで放り出された人形のように、倒れ伏しておりました。
苦しげに何度か咳をして、喉を押さえて身じろぎます。
そこには、指の痕とも蛇の痕ともつかない締め痕が、淡く残っているのでした。]
…それほどまでに、
おまもり…したい…と……
[閉じた両の眼からは、一筋の滴がしたたりました。]
『 に く いのぉ 』『 ゆる せ ぬ 』『 祟 り 殺 し 』
『 死に 絶 え 』『 死 』『 死 』『 死死 死 死 死 』『 か か か か かか 』
[… 百鬼夜行 …]
[爛れた藤の薫り惑乱に 櫻の香りを駆逐して]
[薄紫と黒雲の靄を伴って 月下歩む 異形の群れよ]
[ …朱雀大路を歩む 悪鬼羅刹 怪異… ]
『 や れ み な 死 ね 逝 け や 』
[ …向かう先は何処か… …嘗て識だったその身は… ]
『 宮 ァ 宮 ァ … 京 か ぬ し か 選 べ や ァ 』
『 ぬ し 下れ ば 京生 か し ぬ し 下ら ぬ ば京 果 てる 』
[ …百鬼夜行より離れ… … *目指す者の処へ* …]
修道女 ステラは、吟遊詩人 コーネリアス を投票先に選びました。
修道女 ステラは、学生 ラッセル を能力(襲う)の対象に選びました。
[人のようななりをした鬼もいれば、大入道もいる。首だけが馬の鬼もいれば、髪を振り乱した裸の女としか見えないような女もいる。
琵琶の形をしたものは己が手で弦をかきならし、
人の首をした犬が吼える。
柄杓の形をしたもの。
鳥のような声で鳴くもの。
僧刑をしたものは身の丈たかく、目がひとつ。
蟇は牛車をひく。
牛車の車輪には鬼火が絡む。]
[ぎぃ]
[ぎぃ]
[進むたびに車輪が軋む。]
[はっきりと人の言葉として聞こえるもの、聞こえぬものすべては、かつえるものたちのおらび。
生きとし生けるものの生を嘲笑う声。
肉を食む音、骨を食む音を絡めながら、解き放たれた百鬼夜行は進む。]
[むせ返る程のあまやかな香りの中で牛車のうえへ座し、肩に刀をたてかけて鳶尾は一行の進む先を眺める。]
宮さまは下りはせぬと思うがな。
しかし。愛しきひとを失ったばかりの宮さまへそのような選択を迫るとは、なんともむごいことだなあ。
[哄笑。]
[ぎぃ]
[ぎぃ]
[百鬼怨みのこえけたたましく進み、月をも隠さんとす。*]
とう、や。
[小さく、名前を呼ぶ。
喉が、かすれた音をたてる。
崩れ落ちた体に、ふらついた姿で近づく。
首に残る跡。
唇に耳を近づけても]
とー、や。
[声も息も聞こえない]
[頬に触れる。まだあたたかい。
力抜けて重い体を起こしてやる。まだ、あたたかい。
ぐたりと自分に寄りかかる不安定な重み]
とう、や―――――
[まだ、あたたかい]
[ぞわり、と背筋をふれわせたのは、人ではない声]
…僕が死ぬ、か……それともこの街が、死ぬか…
[うつむいたまま呟く。
少しだけ*沈黙*]
[声は届かない]
[手も届かない]
[眺めることしか出来ない]
[もう、動かない胸が痛む]
[否][心が、痛い]
[生きて欲しいと、願う]
[…謝るな、と言われれば、頭を掻きつつ]
そう言われると、私が困ってしまう。
…謝るな、と、言われると、ねぇ…
[ふふ、と小さく笑えば]
何、私が生きていたとて、其れこそ亡霊の様に生きるだけだったでしょうし。
兄さんが…気にすることは、無い…よ。
[先ほど言っていたこととは、相反してしまうのだが。
やはり、弱った様に言うのだった]
[汐を見たまま、数歩歩み寄って]
[矢張り困ったような顔をして]
[自分の項に手を遣るしぐさ]
―――……謝るのは、おれだしな。
[うまくやれなかった]
[及ばなかった]
[ただ糧となっただけで]
[都は最早]
[うらみの闊歩する]
[渦の中]
[鬼どもの群れを為して歩く只中]
いやしかし。
かつて私が刃を向けた折には、
その身を差し出さんとした宮さまのこと。
案外、京のため身も心も投げ打たれるやも知れぬなあ。
また、あの穢れなき心のうちに鬼の棲まう余地あらば
鬼道へ身を投ずることもあるやも知れぬ。
さて、いずれにせよあの方のお考えなど
到底私には及びもつかぬ。どうなることやら。
それに。
桐弥が側へあるのなら、奴が邪魔立てするかも知れぬ。
[桐弥は死んだ、と言う声がある。]
[楽しげな笑いがあがる。]
ほう。
どうなることやら。
[二度、呟く。
かつて識であったものの去ったほうを見た。]
明輔というものに会ってみたいものだ。
[既にあれは我等が仲間、と言う声がある。
蟲ともまぐおうた、と言う声もある。]
ほう。
[鬼の群れから離れてゆこうとしたとき、
何処ぞで衣の裾へでもひっかけて来たものか、樹の葉がはらはらと舞った。
見れば、血で文字が綴ってある。]
おう。随分と熱心なことだなあ、恒仁よ……
[せせら笑いに似た笑みを浮かべ、その文を懐へ仕舞って進んだ。]
[その姿。二つ、目を閉じ、座る様は若宮様と呼ばれたる季久に礼を行っている風にも見え。
白き面は穢れを纏い、陰気を周囲に漂わせ、廃屋の温度は夜以外の理由でか寒さを感じさせる。
広がる墨色の衣、端はガチガチと音立て蟲が哂笑溢し蠢く。極彩色の輪は奇怪に歪み、朧に闇の中浮かび上がる。]
[目の前、現れたる怨に視線が上がる。
桐弥の体を支えたまま、視線は無我と呼ばれたものを見揺る]
……あなたは。
[名乗りを待つわけでもないが、こぼれた言葉ひとつ。
じぃ、と琥珀は蟲見揺る]
『 ク … ふ ふぅ 嗚 呼 …われら … 否 … 吾 を 知 ら ぬ も道理 よ の …』
[邂逅一番、禍ツ星は錆びついた刀のように、ざらりとした声を響かせた。目の前の心清い少年に呼び出されたように、怨の一部が持ち上がり、一瞬人の顔を形作り霧散した]
『 ぬ し が父居らね ば 』
『 吾 病臥さね ば この都 吾が 物 で あ った 事よ 』
[びくり、と]
[微かに戦くも父が槍玉に上がる聞けば琥珀は少しだけ硬度を増す]
…我が父になんの怨みがあるのですか。
そも、あなたは誰なのですか。
[心の不安押さえるように声は静か]
[今上帝末子を呼ぶ総毛立つような声を追い、鳶尾も進んだ。
花山院明輔も、式部卿宮の側へ居たとは、鬼どもから既に聞いていた。
但し、駆けるでもなく翔るでもなく、ゆるゆると
時には月なぞ眺めながら歩いた。]
怨めよ、
[笑みなど零す。
鳶尾にとっては都の行く末など、既にどうでも良いと言っても差し支えは無い。
式部卿宮が悩み、苦しむことがあれば良いと思った。]
『 われら は 都 の 穢れ よ 呪 よ … 』
[響き合う声は老若男女 … ]
『 京 積 年 の 埃と ぬ しら 軽んじた なァ ぁ 嗚 』
憎し 憎し 憎し … 憎し … 』
[揺ら 揺ら … 怨念の塊、負、渦巻く想いは一つの言葉に換言されるのみ]
『 赦 さぬ 』
[視線を禍ツ星から外さずに少年は遺骸を横たえる。
ふ、と短刀に気付いてそれを手にするもあくまで鞘払う気配なく]
…軽んじたつもりはありません。
気に障るなら謝りましょう。
……ですが。
我が父を脅かすことは、何人たりとも、赦しません。
[するり立ち上がり、相対する]
『 怨向 け る は 京へ よ 』
『 京 想う 者 よ 』 『 ぬ し がァ 父 怨む はわれ らの ひ と つ よ 』
[そして、さも厭そうに眉根を顰めた。]
『 おうお う 厄 介な 今も術 師の護 りが効いておるわ 』
[立ち上がる動作に、口元を歪ませて。だが…]
『 は は は は … ふ ぁ か は …』
『 あああああああああああああああああ 』
『 何 も 分 か っ て は お ら ぬ ゥ !!! 』
[哄笑上げ、一転、激怒。ざぁっと蟲音を響かせて立ち上がった。]
そうですか。
[す、と唇を揺らす音]
しかし、あなた方がこの街を――ひいては父を恨むと言うなら、それを僕は見過ごせない。
だからといって、僕は――――――
僕はまだ、死ねない。
[凛と響く、音]
[鈴の音 響く音を包む澱み]
[廃屋を覆ってゆく 闇 … ]
『… く はは は は 』
『 死 なずとも よいぞえ 』
[にた…り]
[半眼に 上目遣い 季久を舐めるような視線]
『 京の者 皆(みな)狂死させるより そなた
そなた一人 吾と共に在らんなら …』
『 狂死させ ず とも よい 』
―花山院邸・奥座敷―
[百鬼夜行の怨の声。
狐は小さく身を丸め、じっと震えておりました。
その経の帳の中だけは、乱されぬまま。]
…守りたきが、ため?
[内よりそっと帳に触れて、狐は小さく呟きます。
例え封じの為であろうと、確かにこれは己を守ってくれていたのです。]
あの方も、あの方も…守りたいと。
[乞いし心は怨みとなると、狐は恐れていたのです。
けれども転じた愛おしさは、守り抜きたいと言う思いとなると。]
…あまねさま。
[それを教えてくれたのは、彼の童の死にざまでした。]
[近づいた白藤に、一つ瞬きをして]
…何故。
兄さんが謝る必要は、無い…だろう?
[少しだけ間を。
触れるか、触れまいか。
其れを悩んだ]
兄さんがこの呪いを作ったってんなら、謝るのも、分かるが…
[結局触れずに、手は下ろされた。
…触れれなかったら。其れが、怖くて]
[怨みの声は天を突く。
澄んだ声は闇を祓う。
いつしか廃屋の入り口へ立ち、静かに成り行きを見守っていたが]
[舞い至った木の葉、恒仁の想いの綴られた文を指でつまんで取り出し、唇を近づけた。]
――つねひと、お前はどうするのかな
[辺りに響かぬ程度に囁く。]
『 吾 はの ぉ… この京 牛耳るが 夢 よ 』
『そなた 一人おれば そなたの内に憑き 夢見んも叶うやもしれぬ …』
[ぼとん ][蟲がおち 小さな黒い手が蠢く]
『 ぬし の傍の者 全て 死 した であ ろ 』
『 吾 と 共にありゃ あ もう殺さんぞや 』
[罅割れた笑み]
[最早、話す時に保っていた僅かなりの形良き面はなく]
『 頑固 よ な 』 『… の ろ う …』
[何かを想起させるか醒めた声音][被さる別のおとこの声 呪詛]
『 救 う て欲し かっ た 』『 気づ き せぬ 』
『… に く し …』
[廃屋を覆う 黒 ]
[朽ちた床板 …伸びる黒い手と角のある頭 …]
『 毎 日 猿の血のようにあかいあかい櫻の宴 』
『 愉しかろうに 』 『 嗚 呼 』 『 愉しや 愉しや 』 『 民 草 の血 』
『 ぬ しも 所詮 形 代 よ』
『… 器に 過ぎ ず…』
『 心 は あのおとこのものであろうと 』
『 その身 体 は 吾 の も の よ 』
…僕は。
守られて、守られることしか知らなくて、こうして、だから、生きている…ううん、生かされて、いる。
だから、僕が、僕一人の満足のために死ぬわけには行かない…。
[微かに唇を噛む。
両の手で銀の煌き支えて、恨みを増す黒をまっすぐに見て]
『 嗚 呼 …』 『 そ れ も に く い 』
『 病で滅び 飢饉で滅び 水で滅び 』
『 何 度 滅 ぼ し て も 足らぬ 程 … に く い 』
『 幸 … 転じて 禍 … 荒ぶり … 』
[廃屋 揺ら揺らと幾つかの影が ]
[助けなく その気持ち 何時まで続くか … ]
――つねひと、お前が文をしたためた相手は最早見る影もなし。
いまあるのは恐らく、彼の識がその身にあつめた怨念ばかり。
さにあれば、お前は”共に消えゆく”のか
それとも、怨念をほろぼしでもするのかな。
そうこうしているうちに、宮さまが
彼の識であった筈のものを滅ぼしてしまうかも知れぬなあ
[未だ廃屋の戸口へ立ったまま
猛る黒い影の群れと、
唯一光る白刃を見比べる。]
僕は。
───僕は、僕の義務を果たす。
何が何でも生かされる存在。
生きなきゃいけない存在。
だから、僕は生きる。
それが、生かされている僕の果たすべき義務だから───っ
[す、と息を吐く。息を整える。
なるべく自分を落ち着けるために。
短刀の刃ゆるりと視線の高さ持ち上げて]
──廃屋──
[息絶えた桐弥が、両の手から滑り落ちた後──おとこは膝を付き、脚骨を損傷している所為で、床に這う。
澱み穢れでひどくなりぬかるむ、廃屋。
その場所で震えながら、ただ臥していた──。]
・・……
[おとこは今、怨──そのものであるのか。臥せた顔の気色は見えぬ。]
医師 ヴィンセントは、学生 ラッセル を投票先に選びました。
中将殿に…音だけじゃなくて…剣を持つ心構えも教わればよかった…。
………影秀にも、きちんと剣の持ち方を教えてもらえばよかった。
…もっとはやく、桐弥と一緒に逃げればよかったのかな。
──その部屋を出ては…いけないよ、葛木。
山に帰れなくなってしまう。
お前が望む事ならば、わたしが叶えよう…。
[暗い目をしている。暗い──けれども…。
おとこは眉を寄せ、ゆっくりと首を横に動かした。]
投票を委任します。
医師 ヴィンセントは、吟遊詩人 コーネリアス に投票を委任しました。
双子 リックは、修道女 ステラ を投票先に選びました。
[法師が持つ水晶の数珠はいつの間にか、全てが深紅に染まっていた。]
──…葛木
わたしが閉じ込めたおまえが、染まりきってしまえば。
わたしはおまえを真に連れ去らずにはおられない…
そなたが明輔かな……嗚呼、
三つ尾の化生ののぞみを叶えようとは、
けなげなことよ。
彼の化生は、そこな識にこのような文をしたためていたというのに。
[暗い顔をした明輔の膝に、血で綴られた文をそっと載せた]
学生 ラッセルは、修道女 ステラ を投票先に選びました。
学生 ラッセルは、双子 リック を投票先に選びました。
学生 ラッセルは、修道女 ステラ を投票先に選びました。
投票を委任します。
医師 ヴィンセントは、修道女 ステラ に投票を委任しました。
学生 ラッセルは、双子 リック を投票先に選びました。
学生 ラッセルは、修道女 ステラ を投票先に選びました。
医師 ヴィンセントは、学生 ラッセル を投票先に選びました。
医師 ヴィンセントは、吟遊詩人 コーネリアス を投票先に選びました。
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